「DP3 その3」(2007/01/08 (月) 13:40:15) の最新版変更点
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第3話『パートナー』#1
――スネ夫's report――
皆さんこんにちわ。スーパーリッチボーイこと、骨川 スネ夫です。
スネ夫's reportということで、僕の冒険の記録をここに記すわけだ。
けど何故、僕の記録なのか?
結論を言えば、僕のタマゴが真っ先に孵化したからなんだけど。
遡ること、ドラえもんからタマゴを貰って10分後くらいかな。
皆で競争しようって言ってすぐ――
「早く生まれないかなぁ」
と、のび太がタマゴを撫で回している。手つきが気持ち悪いな。
そんなことを考えていると、僕のタマゴが急に転がり始めた。
何故に転がるんだよ。焦るだろう。
「もう生まれるんじゃない?」と、ドラえもんがそんなことを言う。
早過ぎないかやしないか? しかし、ドラえもんの言うとおり。
僕のタマゴは見る見るうちにヒビが入り、中からポケモンが飛び出す。
生まれたのは、どくづきポケモン、グレッグル。
何故だ!
「なんでグレッグルなんだよ!」
僕に適したポケモンが生まれるのなら、カッコいいストライクや、力強いフカマルだろ。
グレッグルは、不満だらけの僕を見上げながら、いやらしい顔でケタケタと笑っている。
「カ、カエル・・・・・・なの? フフフフ」と、静香。
「スネ夫にはお似合いのポケモンだな! ハハハハハ」とジャイアン。
「プッ・・・・・・くくくくくく」と笑いを堪えるのび太。
皆、明らかに馬鹿にしている。気に食わないな。
とにかく早くグレッグルに代わる、強くてカッコいいポケモンを捕まえて、僕が一番にリーグを制覇してやる。
「行くぞ! グレッグル!」
僕の冒険が始まった。不快な気分とグレッグルと共に。
----
第3話『パートナー』#2
――スネ夫's report――
僕が今歩いている道は201番道路。
シンジ湖のほとりとフタバタウン、そしてマサゴタウンを結ぶ林道だね。
実際に歩いてみると、やっぱりゲームとは違って広大で・・・・・・。
遠くに見えるマサゴタウンを目指してるんだけど、全く近づいてる気がしないよ。
ちなみにフタバへ行かずにマサゴに向かう理由は、フレンドリーショップへ行きたいからで、
フレンドリーショップへ行きたい理由は、僕の後ろで何かとうるさいグレッグルを入れるモンスターボールを手に入れるためだ。
「静かにしろグレッグル」
そう言っても、グレッグルは僕を見てケタケタ笑うだけ。
僕と話せて嬉しいのか? なら可愛げが――
いや、違うな。アレは完全に僕を馬鹿にしている、そういう顔だ。
ふと思う。
僕のグレッグルは強いのかな? と。
ということで早速調べてみよう。
そう思ったのも束の間。
「・・・・・・ダメだ」
すぐに挫折してしまった。
というのも、ポケモンの能力を確認できるのはゲーム内での話。この世界では確認する術がないみたいだ。
更に言うなら、コイツ、グレッグルがどんなワザを覚えているのかすら解らない。
どうしよう・・・・・・。
とにかく・・・・・・とにかく、なるべく草むらは避け、マサゴに着いてから考えることにしよう。
それにしても遠いな。
----
第3話『パートナー』#3
――スネ夫's report――
潮の爽やかな香りが漂ってくる。
ここがマサゴタウン。海に面した砂の町。
ナナカマド博士の研究所が唯一の名所かな。
だけど今はフレンドリーショップが優先だ。
グレッグルの踊る適当なダンスが、人々の注目を集める。
それがとても恥ずかしい・・・・・・。
ショップの自動ドアが、ウィーンと開く。
「いらっしゃいませ」と店員さん。
僕はその言葉にハッとした。
「ああ・・・・・・僕、お金持ってないや・・・・・・」
現実世界に戻ってお金を取ってこなきゃ。
おぼっちゃまの僕が一文無しというのは面白くないからね。
開いた自動ドアが、虚しく閉まるのをただただ黙って見ている店員が、少し面白かった。
現実世界に戻り、お金を手にし、再びポケモンの世界へ戻る。
しかし、手元を見てもお金を握ってはいない。
どうやら現実世界からお金を持ち込むことはできないようだ。
というか、当然か。超高度な偽札のようなものだ。
この世界で僕がお金を手に入れる方法は一つしかない。
それはポケモンバトル。
もう飽きてしまったのか、踊りを止めたグレッグルと目が合う。
「グレッグル。ダンスが良いウォーミングアップになったろう?」
----
第3話『パートナー』#4
――スネ夫's report――
さて、お金を取りに現実世界に戻ったときに、インターネットで調べておいたことがある。
「グレッグル。君はレベル1――つまり、生まれたばかりの段階で使えるワザが、【おどろかす】しかないそうじゃない」
僕がそう言うと、グレッグルは俯いた。
本人も――この場合【本人】という言い方が適切かは解らないが――気にしていたようだ。
「まあ大丈夫だよグレッグル。僕に任せておけば君もすぐに強くなる」
グレッグルは目を輝かせていた。
マサゴタウンの南。219番道路のマサゴの浜。
眼前に広がる海は、現実世界のソレと比べると圧倒的に綺麗だ。
ここへ来た理由は、何もグレッグルと親交を深めるために泳ぎに来たわけじゃあない。断じてだ。
ここへは対戦相手を探しに来たのだ。
「3、4・・・・・・5人だね」
僕が確実に勝利を収めるために選ぶ相手、それはやっぱり釣り人だ。
釣りをしているのは五人。この中から一人に絞り込もう。
「さて、この中で一番ボロボロな釣竿を使ってるのは誰かな~」
見つけた。ボロボロの釣竿。いや、ボロッボロの釣竿。
釣竿だけじゃない。ジャケットやジーンズまでボロッボロだ。
あの釣り人の手持ちは、きっとコイキングのみだ。
暫く観察してみよう。
釣り人がコイキングを釣り上げる。次は、コイキングを釣り上げる。
そしてコイキングを釣り上げ、更にコイキングを釣り上げた。
「た、大漁じゃないか!」
と、どうでもいいことに驚いてしまったが、確信した。
勝てる!
----
第3話『パートナー』#5
――スネ夫's report――
というか、どうやって勝負を挑むんだ?
目が合ったら勝負の合図、というのは聞いたことあるけど・・・・・・。
それは何か嫌だな・・・・・・。大人にこちらから話しかけるというのは緊張する。
どうしようか。困った。これは困ったぞ。
突然、「うわぁ!」と釣り人が叫ぶ。
グレッグルが釣り人にちょっかいを出している。
何をやっているんだアイツは。
だがナイスきっかけ作りだ! グレッグル!
僕はグレッグルを止めに、釣り人に駆け寄る。
「こらグレッグル! 止めるんだ」
「ボウズがこの元気なヤツのトレーナーか?」
「ハイ、すいません。今日、コイツを捕まえたばかりで、まだ懐いてないんですよ」
ここから対戦の方向へ持っていこう。僕は話術には自信がある。
「あ、そうだ。もし良かったらポケモンバトルしてもらえませんか?
バトルを通してコイツと仲良くなれるかもしれない」
「ああ、俺はかまわないぞ。釣れるのがコイキングばかりで退屈してたんだ。ハハハハハ」
釣り人は、快くバトルの申し出を受けてくれた。いい人みたいだな。
さあ! 僕のデビュー戦だ。負けるわけにはいかない。
胸が高鳴る。まるで太鼓の乱れ打ちのようだ。
「ボウズ! 捕まえたばかりのポケモンだからといって、手加減はしないぜ!」
第3話『パートナー』#1
――スネ夫's report――
皆さんこんにちわ。スーパーリッチボーイこと、骨川 スネ夫です。
スネ夫's reportということで、僕の冒険の記録をここに記すわけだ。
けど何故、僕の記録なのか?
結論を言えば、僕のタマゴが真っ先に孵化したからなんだけど。
遡ること、ドラえもんからタマゴを貰って10分後くらいかな。
皆で競争しようって言ってすぐ――
「早く生まれないかなぁ」
と、のび太がタマゴを撫で回している。手つきが気持ち悪いな。
そんなことを考えていると、僕のタマゴが急に転がり始めた。
何故に転がるんだよ。焦るだろう。
「もう生まれるんじゃない?」と、ドラえもんがそんなことを言う。
早過ぎないかやしないか? しかし、ドラえもんの言うとおり。
僕のタマゴは見る見るうちにヒビが入り、中からポケモンが飛び出す。
生まれたのは、どくづきポケモン、グレッグル。
何故だ!
「なんでグレッグルなんだよ!」
僕に適したポケモンが生まれるのなら、カッコいいストライクや、力強いフカマルだろ。
グレッグルは、不満だらけの僕を見上げながら、いやらしい顔でケタケタと笑っている。
「カ、カエル・・・・・・なの? フフフフ」と、静香。
「スネ夫にはお似合いのポケモンだな! ハハハハハ」とジャイアン。
「プッ・・・・・・くくくくくく」と笑いを堪えるのび太。
皆、明らかに馬鹿にしている。気に食わないな。
とにかく早くグレッグルに代わる、強くてカッコいいポケモンを捕まえて、僕が一番にリーグを制覇してやる。
「行くぞ! グレッグル!」
僕の冒険が始まった。不快な気分とグレッグルと共に。
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第3話『パートナー』#2
――スネ夫's report――
僕が今歩いている道は201番道路。
シンジ湖のほとりとフタバタウン、そしてマサゴタウンを結ぶ林道だね。
実際に歩いてみると、やっぱりゲームとは違って広大で・・・・・・。
遠くに見えるマサゴタウンを目指してるんだけど、全く近づいてる気がしないよ。
ちなみにフタバへ行かずにマサゴに向かう理由は、フレンドリーショップへ行きたいからで、
フレンドリーショップへ行きたい理由は、僕の後ろで何かとうるさいグレッグルを入れるモンスターボールを手に入れるためだ。
「静かにしろグレッグル」
そう言っても、グレッグルは僕を見てケタケタ笑うだけ。
僕と話せて嬉しいのか? なら可愛げが――
いや、違うな。アレは完全に僕を馬鹿にしている、そういう顔だ。
ふと思う。
僕のグレッグルは強いのかな? と。
ということで早速調べてみよう。
そう思ったのも束の間。
「・・・・・・ダメだ」
すぐに挫折してしまった。
というのも、ポケモンの能力を確認できるのはゲーム内での話。この世界では確認する術がないみたいだ。
更に言うなら、コイツ、グレッグルがどんなワザを覚えているのかすら解らない。
どうしよう・・・・・・。
とにかく・・・・・・とにかく、なるべく草むらは避け、マサゴに着いてから考えることにしよう。
それにしても遠いな。
----
第3話『パートナー』#3
――スネ夫's report――
潮の爽やかな香りが漂ってくる。
ここがマサゴタウン。海に面した砂の町。
ナナカマド博士の研究所が唯一の名所かな。
だけど今はフレンドリーショップが優先だ。
グレッグルの踊る適当なダンスが、人々の注目を集める。
それがとても恥ずかしい・・・・・・。
ショップの自動ドアが、ウィーンと開く。
「いらっしゃいませ」と店員さん。
僕はその言葉にハッとした。
「ああ・・・・・・僕、お金持ってないや・・・・・・」
現実世界に戻ってお金を取ってこなきゃ。
おぼっちゃまの僕が一文無しというのは面白くないからね。
開いた自動ドアが、虚しく閉まるのをただただ黙って見ている店員が、少し面白かった。
現実世界に戻り、お金を手にし、再びポケモンの世界へ戻る。
しかし、手元を見てもお金を握ってはいない。
どうやら現実世界からお金を持ち込むことはできないようだ。
というか、当然か。超高度な偽札のようなものだ。
この世界で僕がお金を手に入れる方法は一つしかない。
それはポケモンバトル。
もう飽きてしまったのか、踊りを止めたグレッグルと目が合う。
「グレッグル。ダンスが良いウォーミングアップになったろう?」
----
第3話『パートナー』#4
――スネ夫's report――
さて、お金を取りに現実世界に戻ったときに、インターネットで調べておいたことがある。
「グレッグル。君はレベル1――つまり、生まれたばかりの段階で使えるワザが、【おどろかす】しかないそうじゃない」
僕がそう言うと、グレッグルは俯いた。
本人も――この場合【本人】という言い方が適切かは解らないが――気にしていたようだ。
「まあ大丈夫だよグレッグル。僕に任せておけば君もすぐに強くなる」
グレッグルは目を輝かせていた。
マサゴタウンの南。219番道路のマサゴの浜。
眼前に広がる海は、現実世界のソレと比べると圧倒的に綺麗だ。
ここへ来た理由は、何もグレッグルと親交を深めるために泳ぎに来たわけじゃあない。断じてだ。
ここへは対戦相手を探しに来たのだ。
「3、4・・・・・・5人だね」
僕が確実に勝利を収めるために選ぶ相手、それはやっぱり釣り人だ。
釣りをしているのは五人。この中から一人に絞り込もう。
「さて、この中で一番ボロボロな釣竿を使ってるのは誰かな~」
見つけた。ボロボロの釣竿。いや、ボロッボロの釣竿。
釣竿だけじゃない。ジャケットやジーンズまでボロッボロだ。
あの釣り人の手持ちは、きっとコイキングのみだ。
暫く観察してみよう。
釣り人がコイキングを釣り上げる。次は、コイキングを釣り上げる。
そしてコイキングを釣り上げ、更にコイキングを釣り上げた。
「た、大漁じゃないか!」
と、どうでもいいことに驚いてしまったが、確信した。
勝てる!
----
第3話『パートナー』#5
――スネ夫's report――
というか、どうやって勝負を挑むんだ?
目が合ったら勝負の合図、というのは聞いたことあるけど・・・・・・。
それは何か嫌だな・・・・・・。大人にこちらから話しかけるというのは緊張する。
どうしようか。困った。これは困ったぞ。
突然、「うわぁ!」と釣り人が叫ぶ。
グレッグルが釣り人にちょっかいを出している。
何をやっているんだアイツは。
だがナイスきっかけ作りだ! グレッグル!
僕はグレッグルを止めに、釣り人に駆け寄る。
「こらグレッグル! 止めるんだ」
「ボウズがこの元気なヤツのトレーナーか?」
「ハイ、すいません。今日、コイツを捕まえたばかりで、まだ懐いてないんですよ」
ここから対戦の方向へ持っていこう。僕は話術には自信がある。
「あ、そうだ。もし良かったらポケモンバトルしてもらえませんか?
バトルを通してコイツと仲良くなれるかもしれない」
「ああ、俺はかまわないぞ。釣れるのがコイキングばかりで退屈してたんだ。ハハハハハ」
釣り人は、快くバトルの申し出を受けてくれた。いい人みたいだな。
さあ! 僕のデビュー戦だ。負けるわけにはいかない。
胸が高鳴る。まるで太鼓の乱れ打ちのようだ。
「ボウズ! 捕まえたばかりのポケモンだからといって、手加減はしないぜ!」
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第3話『パートナー』#6
――スネ夫's report――
釣り人は被っていた帽子の鍔を掴み、後頭部へ持っていく。
そして、傍らに置いてあるクーラーボックスからモンスターボールを取り出した。
ボールをクーラーボックスに入れる理由は解らない。
だけど、釣り人っぽいなぁと思った。
「さあ行け! コイキング!」
「勝つぞ! グレッグル!」
ゴミ一つ無い、真っ白な砂浜。
さかなポケモンのコイキングがボールから飛び出した。予想通り!
それを見て、僕の隣から数歩踏み出すグレッグル。
バトルスタートだ。
ビチビチと砂浜をはねるだけのコイキング。砂まみれになっている。
「グレッグル! おどろかす!」
とりあえず命令してみた。
ただ、命令してみたものの、驚かすことによってどうやってダメージを与えるのだろう。
観察してみよう。
グレッグルはコイキングに近づいていくと、目前で足を止めてしゃがみ込む。
そして、しゃがみ込むやいなや、いきなり飛び上がり、コイキングを突き飛ばした。
うん、何か情けない攻撃だね。
しかし、そんな情けない攻撃は、コイキングを一撃で瀕死状態にする。
「えぇー!?」
確かに命令したのは僕だけど。
グレッグル。僕を驚かせてどうする。
----
第3話『パートナー』#7
――スネ夫's report――
「捕まえたばかりのコイキングじゃ、やっぱりダメか」
と、一人で大笑いする釣り人。
なるほど、それで一撃か。
だけど今の勝利のおかげで、グレッグルは【どろかけ】が使えるようになっているはずだ。
「ボウズ、まだ終わりじゃないぞ!」
釣り人は再びコイキングを繰り出した。
「ちなみに、今度のは捕まえたばかりじゃないから大丈夫だ」
なんと。いや、でもコイキングだから安心かな。
とりあえず、また一方的に勝たせてもらおう。そう思った矢先、
「コイキング! たいあたりだ!」
たいあたり!?
「うあ! 危な、グ、グレッグル!」
「かわせ! グレッグル!」とか言えたらよかったのだけれど、明らかに取り乱してしまった。
しかし、取り乱した僕とは裏腹に、グレッグルは体当たりをかわしている。
落ち着こう。僕らしくない。
「グレッグル! どろかけだ!」
砂浜の湿った部分を投げつけるグレッグル。
その後のコイキングの体当たりは、砂に視界を奪われたために、グレッグルを捕らえられない。
グレッグルのどろかけ。コイキングの体当たり。
その繰り返しは、まさに文字通り――
「泥仕合じゃないか・・・・・・」
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第3話『パートナー』#8
――スネ夫's report――
コイキングを泥まみれにし、辛くも勝てたぞ。
ゲーム内でコイキングが体当たりを覚えるのはレベル15だから、それを倒したグレッグルは結構強くなったんじゃないかな?
「ボウズ、なかなかやるじゃないか。だけど安心するのは・・・・・・まだ早いな」
どうせコイキングだろう。コイキングに負ける要素は無い。大丈夫。
「ボウズ、いいことを教えてやろう。釣り人ってのはな、大体の奴が隠し玉ってのを持っているもんだ」
隠し玉? ゲームでは聞かないな。
釣り人はクーラーボックスからではなく、ボロボロジャケットのポケットからモンスターボールを取り出す。
そのボールが隠し玉というのなら、またしても文字通り。
だけど、何故だろう? そのボールの中から、どんなポケモンが飛び出してこようとも負ける気がしない。
「僕とグレッグルは負けないよ! おじさん!」
「おっ、いい度胸だな! あと、俺はおじさんじゃないぞ。俺の名前はシゲ。釣り人のシゲだ」
「だったら僕もボウズじゃないよ。僕はスネ夫。そうだな・・・・・・おぼっちゃまのスネ夫だ」
「ハハハハハ。言うねぇ」
何か熱くなってるなぁ僕。やっぱりポケモンは面白いや。
「コイツが俺の隠し玉だ!」
ポケットから取り出したボールを、空高く放り投げるシゲさん。
宙を舞うボール。中から飛び出したのは空色の鱗。太陽の光を反射するソレはキラキラと輝いて、とても美しい。
響き渡る咆哮と共に、舞い降りてきたソイツの名は、ギャラドスという。
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