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ワタリ その4 - (2008/03/15 (土) 22:01:07) のソース

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優しく微笑む黒服の男にのび太は言った。

「ヒョウタさんはクロガネシティを元に戻してみせるって…
そう言ってたんだ!!
なんで燃やした…なんで…」

「無論、我々の計画のため、魂の救済のため。
それにはこの町を消す必要があったんだよ。
でも良かったろう?
この町は一度死んだ。
もう蘇ることなんてできない。
ヒョウタ君は愛する町と共になることを選んだ。
彼も本望だろう?」

「もう一度復興できないなんてなぜ分かる!!
可能性なんていくらでもあったはずだ!
お前らの都合のいいように誤魔化しただけじゃないか
ビ-ダル、リザードンにみずでっぽうだ!」

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「この俺と戦うつもりか。
力のない正義とは愚かなものだな。」

「お前らはただ言葉を濁して自分達を正当化してるだけじゃないか!!
クロガネシティだって復興するかもしれない!
そう思わなかったのか!」

男は鼻で笑った。
虫を見るような目でのび太を見下す。

「残念ながら思わないね。
ヒョウタ君のような若者1人で何が出来る。
おっと、もうこんな時間か。
俺には仕事があるのでね。
そろそろ帰らせてもらう。」

その時、微かな声が男を呼び止めた。

「もう帰るの…?
わたしと遊ぼうよ…」


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「ヒカリ?」

ヒカリは男を見ると小さく、しかし綺麗に通る声で歌い始めた。
彼女の目は今までのヒカリとは全く違い、ずっと未来を見透かしているかのような目だ
った。


わたしは選ばれた
神の御髪を
梳かすために


「まさかとは思ったがこの少女はヒカリ…!」


一緒に遊びましょう
怖がることはないわ


ヒカリの手からモンスターボールが投げられる。


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ボールから飛び出したのはポッチャマとリーフィア。
2匹ともヒカリと同じく目の色が違う。

「まさかヒカリに会うとは…
これも運命か。
だが俺はここで立ち止まるわけにはいかない。
いけサンダース!」

サンダースとリザードンが戦いに応じ、前に進み出た。

「よーしビーダル。
僕たちも行くぞ!」

しかしビーダルはそこを一歩も動こうとはしない。

「どうしたんだビーダル!
僕たちも戦うんだ!」

ビーダルはガタガタと震えながら言った。

「む…無理だ…
レベルが違いすぎる。
そして何よりも…あの歌は恐ろしい」

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海と空から


「さっさとケリをつける!
リザードン、大文字だ!」

リザードンの口から大の字に形作られた炎がリーフィアを襲う。
だがその炎は瞬く間にかき消され、代わりに水の塊がリザードンに直撃した。

「な…これはハイドロポンプ。
まさかポッチャマがリザードンよりも速いとでも言うのか!」


ゆっくりと墜ちた


「仕方がない。
リスクはでかいがこの場を一瞬にして燃やし尽くしてやる。
リザードン、ブラストバーンだ!」


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灼熱の炎がリザードンの周りを彷徨う。

「どうだ!
これが俺のリザードンの最強の技、ブラストバーン。
全てを灰にしてやる!」


天使達はわたしを


目の前で激しいぶつかりあいが起きた。
リザードンのブラストバーン。
そして逆方向からは一矢の水。

「ハイドロカノン…だと。」
リザードンの炎は燻り、消えた。
そしてポッチャマのハイドロカノンがリザードンの体を優しく包み込んだ。
それと同時に緑色の刃の様な光がサンダースを襲う。

「リーフィアのソーラービーム…
ヒカリは何も指示をしていない。
なのに何故こんなにも完璧なコンビネーションを取れるんだ!?」


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呼び覚ます


男は焦っていた。
今の手持ちはリザードンとサンダースのみ。
それに対してヒカリの手持ちは不明であり、無傷のポッチャマとリーフィア。
こっちはほぼ瀕死状態のリザードンに先ほどの技に弱っているサンダース。
到底勝ち目はない。

「ふふっ…仕方ないな。
サンダース。
トレーナーに、ヒカリにでんじはだ!」

「なんだって!?
トレーナーへの直接的ダメージはどんなに危険なことか分かっているのか!?」

のび太の注意も空しくサンダースの鋭い毛から蓄積された電撃はヒカリの首筋に
直撃した。

「ヒカリ!ヒカリ!」

ヒカリは倒れ、ポッチャマとリーフィアも動きを止めた。

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「俺の名は煉獄。
ギンガ団副団長の1人だ。
今回は引いといてやる。
だがまた邪魔するようであるのなら次はベストメンバーで叩き潰す!」

「待てよ!
お前自分が何したのか分かってるのか!」

もはやのび太には理性はない。
憎しみと悲しみがのび太の心を支配している。

「黙れ。
お前のような雑魚が俺に意見するな。」

そう言い残すとリザードンに乗り、クロガネシティの炎と煙の中へ消えて行った
。

「煉獄…
いつか必ずヒカリの苦しみをお前にも味合わせてやる!」

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