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出木杉の未来大冒険 その6 - (2007/05/04 (金) 15:35:55) のソース

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 新たな仲間、タマザラシを入手してポケモンセンターに戻って来た僕は、早速先程の戦いの事をポケッチを使ってドラえもんに報告した。 
信者によるサファリパーク乗っ取り事件はテレビを通してカントー全土に知れ渡っていたのでドラえもんも知っていたが、その裏で僕たちが活躍したことを知って驚いていた。 
そしてのび太がさらわれた事を告げると、ドラえもんの声はかなり震え出した。 
「の、のび太君が、誘拐されたなんて・・・」 
「ドラえもん・・・僕はこれからどうすればいいんだい?」 
僕の質問にドラえもんが素早く答える。 
「決まってるじゃないか!のび太君を助けに行くんだ!」 
「でも、それは無理なんだ・・・」 
そう、のび太を助けるのは現時点では不可能なのだ。 
敵の消息は不明、ポケッチも繋がらない・・・彼が何処に連れて行かれたか全く分からないのだ。 
僕がそのことを告げると、ドラえもんはガッカリしていた。 
とりあえず今は焦っても仕方がないから今まで通り旅を続ける。 
ただし、何か分かればすぐにのび太を助けに行く・・・それが僕たちの出した結論だ。 

 今まで通り旅を続けることが決まったので、僕は早速セキチクジムを訪れた。 
一刻も早くバッジを集めなければいけない、ここで立ち止まっている余裕は無いのだ。 
セキチクジムの中にいたのは、20代後半くらいの忍者・・・いや、くのいちの格好をした女性だった。 
最初はコスプレだと思ったのだが、ここのジムリーダーが忍びの風貌をした四天王キョウの娘であるアンズだったことを思い出した。 
つまり、目の前にいるこの女性はコスプレイヤー等ではない、立派なジムリーダーなのだ。 
向こうも僕が挑戦者だと言うことに気付くと、早速戦いの準備をし始めた。 
お互いがボールをフィールドに投げる。 
敵はマタドガス、こちらはサンダースだ。 

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 敵は毒タイプの使い手、ここはエスパータイプの技を使えるサーナイトやポリゴン2で攻めるのが妥当だろう。 
だが2匹がやられたとき、最後に残った敵の切り札を倒せるポケモンがいなくなってしまう。 
だからこの2匹は切り札として後に取って置き、先に他のポケモンで敵の弱いポケモンと戦うのだ。 
そして僕が最初の1匹に選んだ俊足の切れ込み隊長、サンダースは早速影分身を始める。 
敵の脅威は何と言ってもジワジワと体力を削り取るどくどくだ。 
だから僕は回避率を上げてどくどくを当てさせないようにする手を選んだのだ。 
作戦は大成功し、サンダースはマタドガスの攻撃を一度も浴びないまま敵を倒れる寸前まで追い詰めた。 
最後は捨て身の自爆をしてきたが、運よくこれも外れてマタドガスは自滅した。 

「なかなかやるわね。でも今度はうまくいかないわよ。」 
アンズが自信満々で出して来たのは毒タイプの中でもかなり弱いほうに分類されるモルフォンだ。 
どくどくも通常攻撃も当たらない、一体何処からこの自信が出てきているのか? 
僕の疑問はアンズの一言がすぐに解決してくれた。 
「モルフォン、見破るからどくどくよ。」 
見破るを使うと攻撃を回避率の影響なく命中させることが出来るのだ。 
サンダースは毒を浴びてしまい、苦しんでいる。 
「ならモルフォンだけでも倒させてもらう、10万ボルトだ!」 
強烈な電撃がモルフォンの体力を大幅に削る、だが次の瞬間にはモルフォンの傷は癒えていた。 
「羽休めよ。どうやら、私のほうが一枚上手だったようね・・・」 
「いや、それはどうかな?」 
自信に満ち溢れていたところに僕の思わぬ反論が飛んできたので驚くアンズ。 
だが次の瞬間、彼女は更に驚くことになる。 
「ど、どうしてこのポケモンが・・・サンダースは何処に行ったの!?」 
彼女の視線の先にいたのは僕の切り札、サーナイトだった。 

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 モルフォンが羽休めを使ったあの時、僕はサンダースが奴に敵わないことを悟った。 
そしてサンダースは最後の役目を果たした・・・バトンタッチだ。 
補助効果を引き継ぐこの技によって、回避率UPという強力な盾を手に入れたサーナイトが姿を現した。 
サンダースで行けるところまでいき、後は回避率が上がった無敵のサーナイトで残りの敵を倒す・・・全ては僕の計画通りに進んでいたのだ。 
サーナイトは早速サイコキネシス一撃でモルフォンを葬り去る。 
次に出てきたアリアドス、そしてアンズの切り札だったクロバットまでもがサーナイトに傷1つ付けられないまま倒れていった。 
僕は初めて一体もポケモンを倒されないままジム戦に勝利したのだ。 
「完敗です。こんな素晴らしい挑戦者は久しぶりですよ・・・」 
アンズからベタ褒めされて満足感に浸る僕。 
だがいつまでも浮かれている場合じゃない、早くバッジを集めることが先決だ。 
次の目的地は海の向こうにあるグレン島、そこで七つ目のバッジを手に入れるのだ。 

 セキチクの南に広がる大海原、早速タマザラシをボールから出し、僕を乗せて海を渡らせようとする。 
だがそれは不可能だった、タマザラシは僕を乗せるにはあまりに小さすぎたのだ。 
ここはゲームの世界ではない、物事は現実的に考えなければ・・・いや、ゲームの世界ではあるのだが・・・ 
仕方なく僕は周囲のトレーナーと片っ端から戦って、タマザラシをトドグラーに進化させた。 
次こそいよいよ海へ・・・僕はトドグラーの背中に乗り、広い大海原へと繰り出した。 
海で出会うトレーナーとは積極的に勝負をした、グレン島に着く前に少しでも手持ちのレベルを上げておきたかったのだ。 
僕は全員をうまく使い分けてレベルをバランスよく上げながら、広い海を進んで行った。 

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 絶海の孤島、グレン島に行くには二つの方法がある。 
一つはセキチクシティから双子島を経由して行く方法。 
もう一つはマサラタウンから南に向かって真っ直ぐ進んでいく方法だ。 
出来るだけ早くバッジを集めたい僕にとっては、マサラタウンからのルートの方が明らかによい。 
何故こちらのルートを使わなかったのかというと、一つは空を飛ぶの秘伝マシンを入手していないため、マサラタウンに戻るのが面倒だったのだ。 
ちなみに、空を飛ぶの秘伝マシンはドラえもんが沢山入手したので次に会った時にくれるそうだ。 
そしてもう一つは双子島を通りたかったからだ。 
ここには昔、伝説の鳥ポケモンフリーザーがいた・・・もしかしたら会えるかもという願望があったのだ。 
だが僕の願いは届かず、双子島のどこを探してもフリーザーの姿は見当たらなかった。 
バッグに忍ばせた大量のハイパーボールも出番がなくて何処となく寂しそうだ。 

 双子島を出た僕の顔はすっかり暗くなっていた・・・が、またすぐに明るさを取り戻した。 
遂に、グレン島が見えてきたのだ。 
僕は上陸するとすぐにポケモンセンターに向かい、回復を済ませた。 
今にでもジム戦に向かいたかったが、海上の旅で疲れた体がそうはさせてくれない。 
僕はセンターに宿泊し、ゆっくりと疲れを取った。 
僕のポケモンは海の旅の間に確実に強くなった・・・明日のジム戦に期待を膨らませながら夢の世界へと落ちていった。 

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     現在の状況 
       グレン島 
    手持ち リザードンLV42、サーナイトLV40、ポリゴン2LV36、サンダースLV39、トドグラーLV36 
    バッジ 6個 

     出木杉メモ 
  名前     手持ち 
  のび太    ヤルキモノ、キノガッサ、ディグダ(クチバシティ時) 
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 
  静香     ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) 
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) 

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 グレンジムに入った僕は、そこにいる人物を見て驚かされた。 
サングラスをかけた老人、間違いなくゲームでもここのジムリーダーだったカツラだ。 
以前は黒かった少ない髪が白く染まっているのが時代の流れを感じさせる。 
あれから10年もたった、ゲームの時にかなり高齢だったカツラなら間違いなく引退していると思ったのだ。 
こんなに高齢なトレーナーを見るのはこの世界に来て初めてだ。 
だが敵は最低でも13年以上ジムリーダーを勤めているベテラントレーナー、油断すれば間違いなくやられる。 

「さて・・・始めるようか、少年。」 
カツラがバトルの始まりを告げる。 
僕の1匹目はサンダース・・・セキチクジムの時と同じく、影分身をしてから出来るだけ粘り、その後バトンタッチで回避率を引き継いだトドグラーで残りを倒す作戦だ。 
だがその目論みはあっさりと崩されてしまった、カツラの一匹目であるマグカルゴの一撃によって。 
まさか1匹目がいきなり自信を使ってくるとは・・・昨日立てていた計画が早くも崩され、焦りによって思考能力が低下する。 
とりあえずまずはマグカルゴを倒さなければ・・・焦る僕はいきなり切り不意だトドグラーを出し、波乗り一発でマグカルゴを沈めた。 

 次に敵が出してきたのはギャロップ、交代は出来ないルールになっているので僕はトドグラーのままだ。 
スピードで圧倒的に勝るギャロップが先手を取り、大文字をしてきた。 
水タイプであるトドグラーに炎技、一見おかしいように見えるが、トドグラーは氷タイプもあるので効果は通常通り1倍・・・いや、むしろタイプ一致で1,5倍になってしまうのだ。 
大文字は一発でトドグラーの体力を半分以上削ってしまった。 
ここで波乗りをしても一撃では倒せず、次のターンでやられてしまうだろう。 
ああ、僕のトドグラーの特性が厚い脂肪だったらもっと耐える事が出来たのに・・・ん、特性? 
そうだ、トドグラーの特性をいかせばこの状況から脱出できるかもしれない。 
確信は無いが、僕はその戦法で行くことにした・・・そしてトドグラーに命じる。 
「トドグラー、霰を降らせろ!」 

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 今は呑気に天候を変えている場合じゃない、誰だって僕の行動をおかしいと思うだろう。 
だが、おそらくこれがトドグラーがギャロップに勝つ唯一の手段なのだ。 
「よくわからんが、そのトドグラーは倒させてもらうぞ!大文字じゃ!」 
大きな炎がトドグラーに直撃する、だがトドグラーは倒れなかった。 
「何故じゃ?1発目のダメージを見る限り、これで倒れるはず・・・」 
カツラはまだ分かっていないようだ、僕は自慢げに答える。 
「原因は空から降り注ぐこの霰ですよ・・・ 
 トドグラーは特性“アイスボディ”の効果で、天候が霰のとき体力を少量回復できるんですよ。」 
そう、体力を少し回復していたのでギリギリで倒れなかったのだ・・・さあ、今度は僕の番だ。 
ここは豪快に波乗りをくらわせたいところだが、今の状況では倒すことが出来ないだろう・・・今の状況では。 
ここは今にも尽きそうな体力を回復することが先決だ。 
「トドグラー、眠る。」 
トドグラーは一瞬にして眠って体力を完全に回復し、また一瞬にして目を覚ました。 
「成程、カゴの実を持たせていたのか・・・ギャロップ、もう一度大文字じゃ!」 
だが大文字はトドグラーには当たらなかった。 
大文字は命中率85%・・・3回中1回くらい外れてもおかしくは無いだろう。 
「さあ、今こそ反撃のときだ。波乗り!」 
巨大な波がギャロップをのみこみ、瀕死状態にする。 
「なぜじゃ、波乗り一撃程度でわしのギャロップは倒せないはず・・・」 
「これも霰の影響ですよ・・・毎ターン霰による蓄積ダメージが溜まっていたんですよ。」 
まあ、毎ターンとか蓄積ダメージとかい言っても2ターンだけの出来事なんだけどね。 

 次に敵が出して来たキュウコンも同じような戦略で戦い、最後は敵の火炎放射でトドグラーが倒れ、その後の霰の微量のダメージでキュウコンも倒れるという同士討ちに終わった。 

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 トドグラー1匹で敵を最後の一匹まで追い詰めることが出来た・・・これにはさすがのカツラも驚いている。 
「こんなに骨のあるトレーナーは久し振りじゃな・・・しかし、こいつを倒すことが出来るかな?」 
カツラがそういって出したポケモンはウインディ、僕の方はリザードンだ。 
「リザードンか・・・ならウインディ、雷の牙じゃ!」 
敵は目にも止まらぬ速さで予想外の技を使ってきた。 
弱点を付かれたリザードンはかなりのダメージをくらっている。 
どうやらリザードンでウインディを倒すのは不可能なようだ・・・ここは少しでもダメージを削らなければ・・・ 
切り裂くで4分の1ほどのダメージを削った後、2度目の雷の牙によってリザードンは倒れた。(この時すでに霰はやんでいる) 

「次はお前だ、ポリゴン2!」 
僕の予想では、フレアドライブを使って一撃で倒してくるだろう。 
だが、反動によるダメージの大きさを危惧したのか、敵が使った技は火炎放射だった。 
ポリゴン2は強烈な破壊光線で敵の体力を半分以上削った後、2度目の火炎放射によって倒された。 
  
ついに僕も最後の1匹、サーナイトまで追い詰められてしまった。 
敵はまた火炎放射、僕は瞑想で能力UPだ。 
「これで終わりじゃ、火炎放射!」 
敵が2度目の火炎放射を放つ、だが瞑想で特防を上げたサーナイトはギリギリで持ちこたえた。 
「今度はこっちの番だ!サイコキネシス。」 
これでウインディが倒れれば僕の勝ち、倒れなければ僕の負けだ。 
両者の熱い視線を浴びるウインディがサイコキネシスによって吹っ飛ばされる、そして・・・立ち上がることは無かった。 

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 バトルを終え、カツラがと僕にバッジとオーバーヒートの技マシンを手渡す。 
「いやあ、見事じゃったよ。その若さでこの力・・・大したもんじゃ。」 
最近のジム戦ではこういった事をよく言われるようになった、それだけ僕のトレーナーとしての実力が向上したと言うことなのだろうか。 
ジムを出ようとすると、ふとジムの壁にある写真が目に付いた。 
この老人2人が肩を組んで笑っている写真についてカツラに尋ねてみると、それはカツラとその親友であるフジ老人を写した物だそうだ。 
それからはカツラの体験談を聞かされ、フジ老人との絆についてしつこいくらい話してきた。 
後半は疲れてあまり覚えていないが、2人の中がかなりよいということだけは理解できた。 
放っておくと何時間話すかわからないカツラをなんとか切り抜け、ジムを出た。 

 ポケモンセンターで回復をすました後、僕はとりあえずグレン島の中を見て回ることにした。 
島は狭いので1時間もあれば一周することが出来る。 
ふと、町の外れにある不吉な建物が目に入った。 
あれはポケモン屋敷?10年前の噴火の後もしつこく生き残っていたのか・・・ 
少し悩んだが、ゲームではレアなポケモンも生息していたので、不気味な屋敷に行ってみることにした。 
「しかし本当に不気味なところだな・・・」 
などと独り言を呟きながら進んでいると、ふと何かを感じて足を止めた。 
これは・・・人の気配? 
怖くなって走り出したが、その気配はずっと僕に着いてくる。 
逃げることを諦め、覚悟を決めて恐る恐る後ろを振り返ると・・・そこには誰もいなかった。 
「なんだ、僕の気のせいだったのか・・・」 
安心して再びいままで向いていた方向に戻ったその時!後ろから強力な衝撃が頭に放たれる。 
そこで、僕の意識は途絶えてしまった。 

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「・・・ん?ここは・・・」 
僕はゆっくりと目を覚ました、どうやらまだ生きているようだ。 
どうやら先程まで、何者かに後ろから頭を鈍器のような物で叩かれて気絶していたようだ。 
でもさっき後ろを見たときは誰もいなかったのに、何故? 
だがその時、僕に考える猶予も与えぬようにポケッチの電子音が鳴り響いた。 
どうやらドラえもんからの電話のようだ・・・ゆっくりと電話に出ると、ドラえもんの口から驚くべき言葉が放たれた。 
「のび太君が見つかったよ!今すぐグレン島のポケモンセンターに来て!」 
僕は急いでポケモンセンターへと駆けて行った。 

 センターにはすでに僕以外の全員の姿があった、勿論のび太もいる。 
「全員揃ったね。じゃあのび太君、誘拐された後どうなったか教えてよ。」 
ドラえもんに指示されたのび太は早速話を始める。 
「あの後、僕はどこか狭いところに閉じ込められた・・・そして、隙を見てポケモンを奪い返して脱走したんだ。」 
まさかのび太が脱走したとは・・・彼にそんな大それた事が出来るとは思えなかった。 
「それで、捕らわれていた場所はどこだったんだい?」 
ドラえもんが質問を続ける。 
「それは・・・フーディンのテレポートで逃げたから分からない。」 
その回答を聞いてみんながガッカリする。 
結局、今回の事件では敵について分かった事は何も無かったと言うことだ。 
長い沈黙が続く・・・だがそれをのび太の声が打ち破った。 
「あの、実はもう一つ・・・いや、やっぱりやめとくよ・・・」 
のび太は何か言いかけたがすぐにやめてしまった。 
「なんだい?大した事じゃなくてもいいから言ってみてよ。」 
僕に追求されたのび太は複雑な顔をすると、静かに口を開いた。 
「本当に、言ってもいいんだね?」 
のび太の問いに全員が頷く。 
「実は僕が逃げようとしたその時、そこに僕たちの仲間の1人がいたんだ。 
 向こうは見られたことに気付いてなかった見たいだけど・・・」 
何ということだ!まさかこんなところで裏切り者の正体が明らかになるとは・・・ 
「で、それは一体誰だったんだい?」 
僕の問いにのび太は躊躇いながら答えた。 
「僕の見たあの人物・・・間違いない・・・あれは、あれは・・・出木杉、だったよ・・・・・・」 

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     現在の状況 
       グレン島 
    手持ち リザードンLV42、サーナイトLV41、ポリゴン2LV36、サンダースLV39、トドグラーLV39 
    バッジ 7個 
  
     出木杉メモ 
  名前     手持ち 
  のび太    フーディン 他不明(グレンタウン時) 
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 
  静香     ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) 
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) 

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 裏切り者の正体はこの僕、出木杉英才だった・・・ 
のび太がそう告げると、全員の視線が僕へと注がれた。 
「出木杉、本当に君は裏切り者なのかい?」 
ドラえもんが僕に問う。 
僕が・・・裏切り者? 
あまりにもの唐突な展開に一瞬頭が混乱したが、今の状況に気付くとすぐに大声で叫んだ。 
「裏切り者?僕が?ふざけるなよ!」 
おそらく、今まで生きてきた中で一番大きな声を出したと思う。 
否定はしたものの、ドラえもんはいまだ疑いの目で僕を見ている。 
「でも、のび太君は君の姿を見たんだよ・・・」 
「僕の姿を・・・そうだ!こいつが嘘をついているんだ!僕を罠にはめるために!」 
頭の中はもう真っ白だ・・・気がつけば僕はのび太の胸ぐらを掴んでいた。 
生まれて初めて人を殴ろうとした僕を、ドラえもんは必死に止めようとしている。 
「落ち着いて出木杉さん、のび太さんは嘘をつくような人じゃないわ・・・」 
静香の一言でやっと落ち着きを取り戻した。 
たしかに、自分の知っているのび太は嘘をつくような人物ではない。 
しかし、今回の件に関しては嘘をついていると言わざるを得ない。 

 僕がのび太から手を離し、再び席に着いたところで話し合いが始まった。 
「じゃあ出木杉、のび太君が君を目撃した昼の1時ごろ・・・君は何をしていたんだい?」 
そうだ、その時間に僕が別の場所に居たことを証明できれば、僕の疑いは晴れるのだ。 
でも、それは不可能だった・・・僕はその時間何者かに襲われて気絶していたのだ。 
そのことを皆に伝えたが、やはり半信半疑のようだった。 
その後一応僕の荷物を調べることになったが、やはり怪しい物は出てこなかった。 
結局僕の疑いが晴れることも無ければ確信に変わることも無いまま、話し合いは終わろうとしていた。 
だがこのままでは納得出来ない人物が1人居る・・・そう、僕だ。 
僕はある決意を決めると、静まったその場を切り裂くように大声で叫んだ。 
「待った!まだこの話し合いを終わらせるわけには行かないよ・・・」 

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 再び全員の視線が僕に注がれる。 
「なんだい、もう話すことは無いからこの場は解散・・・さっきそう決めたばかりじゃないか。」 
ドラえもんが早速口を開いた。 
「確かに君たちはこれでいいかもしれない・・・でも僕はこんなの納得出来ない! 
 疑われたまま旅を続けるのは嫌なんだ!だから・・・・・・」 
僕の言葉がそこで一瞬途切れた。 
だが、ここまで来て言わないわけにはいかない・・・僕は覚悟を決めて話を続ける。 
「だから、僕が見つける・・・この中にいる、裏切り者を・・・」 
この仲間たちの中にいる裏切り者を探す・・・それはつまり、皆を疑わなければならないのだ。 
そんな最低な役をやろうと決めた僕の決意を感じ取ってくれたのか、それとも自分は疑われたくないという思いからか、皆僕に協力してくれることになった。 

 最初に、のび太が僕を見たという時間の全員のアリバイを聞いてみたが、ここでは特に怪しい点が浮上しなかったので、深追いするのはやめておいた。 
次に行ったのは全員の持ち物検査だ。 
ただし一応僕は疑われている身なので、持ち物検査にはドラえもんが同行することになった。 
 最初に調べたのはジャイアンの持ち物だ。 
バッグの中身の殆どは食料、それもかなりの量だ。 
傷薬やモンスターボールといった類のアイテムは殆ど無く、いかにジャイアンが所持金を食料費に費やしているかがわかる。 
さすがはジャイアン・・・といったところか・・・ 
 続いて静香の道具を調べた。 
ジャイアンとは逆に食料と呼べる物はお菓子が少しあるだけで、あとはほとんどが生活用品とアイテムだった。 
生活用品が多いのは彼女が綺麗好きだから、アイテム、特に回復系のものが多いのはポケモンを大事にしている彼女の性格からだろう。 
 その次はのび太の道具だ。 
以外にも、のび太のバッグは殆どがアイテムで埋め尽くされている。 
しかも、僕も使っていないようなスピーダーやヨクアタール等の戦闘用アイテムまで使っているようだ。 

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 結局、この三人の持ち物から怪しい物を見つけることは出来なかった。 
だが本番は次、ドラえもんの荷物調査だ。 
正直言って、僕はドラえもんを少し疑っている。 
今起こっている数々の事件は、あまりにも不可解な謎が多すぎる。 
だがその不可能なトリックを可能にする奇跡を起こすことが出来る方法がある・・・そう、ドラえもんの秘密道具だ。 
裏切り者が起こす事件の裏には、間違いなく秘密道具が潜んでいるに違いない。 
だから一番怪しいのはその道具をいつでも使えるドラえもんだということだ。 
ただ、他の人物がこっそりドラえもんの道具を持ち出して使っている可能性もあるのだが・・・ 

 ドラえもんは皆とは違って、アイテムをバッグではなくポケットに収納している。 
そしてそのポケットからどこからともなく様々な物が出てくる。 
ほとんどが回復や戦闘などのアイテム、それからボールも数個ある。 
そしてあとは肝心の秘密道具・・・・・・ん? 
「あれ、秘密道具はこれだけかい?」 
「うん。ここに来る前、ポケットの整理をしていたからほとんど置いてきちゃったんだ。」 
肝心の秘密道具はたったの6個しかなかった。 
この6個を参考に裏切り者の犯行方法を解明しなければならない。 
とりあえずドラえもんに全ての道具の効果を聞き、まとめておいた。 

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        道具のまとめ 

1、どこでもドア 
このポケモン世界の中の一度行った事がある全ての場所に行くことが出来る。 
行き先は何番道路の草むらの真ん中辺り、といった細かい指定も出来る。 

2、通り抜けフープ 
壁の手前と向こう側に特殊な穴を開け、通り抜けることが出来る。 

3、動物変身ビスケット 
動物の形をしたビスケット、食べればその動物に変身する。 
ただし効果は五分しか持続しない。 
ちなみに、この世界ではポケモンのビスケットも自動生成されており、食べればポケモンに変身する(効果は同じく五分間) 

4、着せ替えカメラ 
服の絵や写真を入れ、人にピントを合わせてシャッターをおすと服を作り出してその人に着せることが出来る。 
ちなみに絵や写真をいれずにシャッターを押すと、対象の人物が裸になってしまう。 

5、声紋の特徴をとらえてキャンディにする機械(声紋キャンディと命名) 
機械の本体に付いているマイクに声を吹き込むと、キャンディが出てくる。 
キャンディを舐めると吹き込んだ人物の声で喋れるようになる、ちなみに効き目は30分。 
あと、直接吹き込んだ声でなく録音された音声でもキャンディを作ることが出来る。 

6、しずめ玉 
この玉を投げると、周囲にある物体を地中に沈めることが出来る。 

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 調べることがもうなくなったので、僕は皆と別れ、旅を続けることにした。 
裏切り者を探すことも大事だが、やはりもっとも優先すべきはバッジ集めだ。 
ゲームクリアまでに裏切り者の正体とその手口を探し出すことは不可能かも知れないが、僕がスネ夫のために頑張ってクリアすれば疑いが晴れるかもしれない。 
正直、裏切り者は知りたくない・・・だから僕としてはこのほうが嬉しいのだ。 
という訳で、今僕はレベル上げを終え、最後のジムがあるトキワタウンを目指している。 
ちなみに、グレン島でドラえもんが全員に“空を飛ぶ”の秘伝マシンを配ってくれたので(居合い切りの時のお礼だそうだ)移動がかなり楽になった。 
裏切り者のことをずっと考えていると、いつのまにか目の前にはトキワタウンがあった。 

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 まずはポケモンセンターで一休み、と行きたいところだったが、僕は真っ直ぐトキワジムへと向かっていた。 
一刻も早くこのゲームをクリアしないと大変なことになる・・・確信は無いが、いやな予感がするのだ。 
トキワジムの認定トレーナー欄にはまだ誰の名前もない、僕が一番最初の挑戦者みたいだ。 
「・・・挑戦者か?」 
ジムの玄関に立っていると、奥から声が聞こえてきた。 
その声の方向へ向かって歩いていくと、1人の男がいた。 
黒い服に、細い目、そして何より頭上に君臨する赤い髪が特徴の20歳くらいの若い男だ。 
僕が近寄ると、男が喋りかけてきた。 
「やっと挑戦者が来たと思えば、まさかこんな餓鬼とは・・・ 
まあ、俺もお前ぐらいの年のころにはポケモンリーグに挑戦したがな。」 
「あのー、早くバトルを始めませんか?」 
男が一方的に話してくるので少々鬱陶しくなってきて思わず言ってしまった。 
「ああ、悪かったな。ジムリーダーになって初めての挑戦者が来たから少々興奮してたのさ。 
それと・・・俺の名前はシルバーだ、よろしく。」 
シルバー・・・間違いない、金銀でライバルだった男だろう。 
まさか、この男がジムリーダーになっていたとは・・・ 
「出木杉英才といいます、よろしく。」 
僕は自己紹介を終えると、モンスターボールを取り出した。 
「出木杉か・・・じゃあ始めようか、俺のジムリーダーとしての初バトル、そしてお前のバッジ集め最後のバトルを。」 
シルバーもボールを取り出し、バトルが始まった。 

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     現在の状況 
       トキワタウン 
    手持ち リザードンLV45、サーナイトLV43、ポリゴン2LV38、サンダースLV42、トドグラーLV40 
    バッジ 7個 

     出木杉メモ 
  名前     手持ち 
  のび太    フーディン 他不明(グレンタウン時) 
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 
  静香     ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) 
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) 

----

シルバーが最初に出したポケモンはマニューラ、僕はサンダースだ。
早速僕が先に仕掛ける。
「サンダース、10万ボルトだ。」
僕の命令を聞いたサンダースが先制攻撃をしかける・・・予定だった。
だがサンダースが攻撃するより先に、マニューラの冷凍パンチが炸裂した。
先手を取られた・・・スピードで負けたことのなかったサンダースが・・・
だがショックを受けている暇はない、直接的なスピード対決で勝てないなら手段を変えるまでだ。
「サンダース、10万ボルトはやめて電磁波だ。」
サンダースの体からほとばしる電撃がマニューラに当たり、苦しませる。
敵は麻痺したので動きが鈍くなり、次のターンの先手をサンダースに取られてしまった。
「そう来たか・・・だが先手を取れればいいってモンじゃないぜ。」
シルバーが不敵に笑うと、マニューラが一撃でサンダースを倒してしまった。
「今のはリベンジ、そのターンに攻撃を受けるとダメージが2倍になる技だ。 
先手を取るために麻痺させた作戦が裏目に出たようだな。」
なるほど、電磁波を使ったのは敵の思う壺だったと言う事か。
僕はサンダースをボールに戻し、次のポケモンをフィールドへ放った。

次のポケモンを目にしてシルバーは思わず苦笑した。
「何が出てくるかと思えば・・・ポリゴン2だと?そんなポケモンで俺と戦おうと言うのか?」
僕は自分のポケモンを馬鹿にされて少々イラついていた。
「僕のポリゴン2を外見だけで判断すると痛い目にあいますよ。」
「じゃあ見せてもらおうか、そのポリゴン2が見た目だけじゃないってことをな・・・」
シルバーはどうやらポリゴン2にやられるなどという事は全く考えていないようだ。
「言われなくてもそうしますよ、シグナルビーム。」
「俺のマニューラはなあ、麻痺していてもポリゴン2よりは早いぜ。瓦割りだ!」
シグナルビームよりも先にマニューラの瓦割りが発動した、だが・・・
「な、何故だ!」
シルバーが驚くのも無理はない。
命中率100%の瓦割りが外れたのだから。
そして待ち構えていたポリゴン2のシグナルビームがマニューラは戦闘不能へと追い込んだ。

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次にシルバーが出して来たのはフーディンだった。
「なんでさっきの攻撃が外れたのかは分からないが、一発で決めさせてもらうぜ。
フーディン、気合球だ!」
フーディンの手から黄色い球が放たれる、だがその球はポリゴン2には当たらなかった。
「何!?ま、まぁ気合球の命中率は低いから仕方ないか・・・」
どうやらシルバーは気付いていないようだ、気合球が外れたのは命中率だけが原因ではないと言うことを・・・
僕はポリゴン2に影分身を指示し、ポリゴン2が回避率を上げる。
その後敵は気合球を放つが、それは外れてしまう。
この光景が2回繰り返され、次のポリゴン2のシグナルビームがフーディンに大ダメージを与える。
フーディンはあせって気合球を放ったが、またまた外れてしまった。
そして、次のシグナルビームでポリゴン2は倒れてしまった。
「クソッ!運が悪すぎる・・・もしかして・・・」
「そう、そのもしかしてですよ。マニューラの瓦割りが外れた時点で気付くべきでしたね。」
そう、ポリゴン2には回避率を上げる光の粉を持たせていたのだ。
最初の瓦割りが外れたのは完全な運だったが、その後の気合球は粉と敵の攻撃の命中率の低さ、さらに影分身で上げた回避率が加わったことによって当たる確立が激減していたのだ。
僕はこれまで、ポケモンに道具を持たせると言う行為をしたことがなかった。
だが、様々なタイプを使いこなし、手持ちのレベルも高いシルバーや、その先に控えている四天王と戦うためには、ただレベルを上げて戦うだけでは不可能だろう。
そこで、ポケモンに道具を持たせて戦略に幅を持たようと考えたのだ。
結果は見ての通り、大成功だ。
わざわざレベル上げをしながら持たせることが出来る道具を集めたかいがあった、だが・・・
「こんな簡単なことも見抜けないとは、やはり俺はまだまだのようだな。」
と、シルバーが言うように、今回は敵が経験の乏しい新人ジムリーダーだったからうまくいったが、経験を沢山積んでいる四天王相手にもうまくいくのだろうか?
そのためには、道具をうまく使いこなす僕の技量が必要となる。
そしてその技量が十分あるかどうかという答えは、このバトルで出るだろう。

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次にシルバーはジバコイルを出してきた。
ジバコイルは素早さがかなり低いので、鈍足のポリゴン2でも先手を取ることができた。
僕は影分身を命じ、回避率をさらに上げる作戦にでた。
「回避率を更に上げる・・・そう来ると思ったぜ。
でも、残念ながら意味はないみたいだぜ・・・ロックオンだ!」
ジバコイルの三つの目が全てポリゴン2の方を凝視している。
そして次のターン、ジバコイルが攻撃に出た。
「さあて、じゃあ行かせてもらうぜ・・・電磁砲だ!」
シルバーが命じると、ジバコイルの体からものすごい電撃がポリゴン2目掛けて放たれた。
だが電磁砲は、ポリゴン2の手前で消えてしまった。
「な、何故?俺はロックオンしたはずなのに・・・」
驚くシルバーに、僕が自慢気に答えてあげた。
「回避率が高い敵に、次の攻撃の命中率が100%になるロックオンを使う・・・いい作戦だと思いますよ。
でも、ロックオンを使った次のターンには攻撃技がくると読まれやすいんですよ。
だから、“まもる”を使って攻撃を防いだ、というわけですよ。
最初に入ったでしょう?ポリゴン2を甘く見てはいけないと。」
それを聞いたシルバーは、いきなり高らかに笑い出した。
「ハハハハハ!なるほどな・・・まもるを使うとは。
ジムリーダーになって初めての相手がお前でよかったよ、いきなりこんな骨のある奴と戦えるとは思わなかったぜ。」
この後、ポリゴンは少しずつジバコイルの体力を削っていくが、ジバコイルの攻撃が4ターン目に命中して体力を半分以上削られた。
さらに6ターン目にポリゴン2のサイケ光線とジバコイルの10万ボルトが同時に命中、2体は同時に倒れて勝負は引き分けに終わった。

「ついに最後のポケモンまで追い詰められちまったか・・・だが、こいつに勝てるかな?」
シルバーが自信たっぷりで出して来たポケモン、ゲンガーが怪しい笑みを浮かべた。

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僕は次にトドグラーを出し、少しでも敵を弱らそうとした。
だが、敵が悪すぎた。
ゲンガーの10万ボルト一発でトドグラーはやられてしまったのだ。
さらに、次に出したサーナイトは、不運にもシャドーボールを急所に当てられてやられてしまった。

これで僕の残りのポケモンはリザードンだけとなってしまった。
リザードンは10万ボルトを2発受ければ間違いなくやられてしまうだろう。
おまけにゲンガーは素早いので、簡単に先手をとられてしまう。
この状況から勝利をもぎ取るには、1ターンでゲンガーを倒さなければならない。
でもそんな方法あるわけ・・・・・・いや、一つだけある。
作戦を固めた僕は片方のボールを取り出した、中に入っているのはリザードンだ。
「リザードンか、俺のゲンガーには10万ボルトがある・・・どうやら俺の勝ちは決まったようだな。」
勝利を確信したシルバーが10万ボルトを命じ、リザードンは一気に瀕死寸前まで追い込まれた。
「さあ、ここから挽回する方法なんてあるのか?」
「ありますよ。」
僕の素早い返答にシルバーは戸惑っている。
「早速、今から教えてあげましょう。
まず、HPが減ったリザードンは持たせていたヤタピの実で特攻を上げる。
さらに、同じくHPが減ったことによって炎技の威力を上げる特性“猛火”が発動する。
そして今からリザードンが使うのは炎タイプ最強の技・・・たいして特防が高いわけでもないゲンガーがこの攻撃に耐えられるでしょうか?」
シルバーが諦めたかのように首を横に振る、そしてそれを見た僕はリザードンに命令をした。
それを聞いたリザードンは、炎タイプ最強の技オーバーヒートでゲンガーを燃やし尽くす。
業火に焼かれたゲンガーが立ち上がることなど当然なかった。

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勝利を手にした僕は、深い安堵の溜息をついた。
「おいおい、呑気に溜息をついてる暇なんかないぜ。」
声の聞こえる方向を見ると、そこにはバトルを終えたシルバーの姿があった。
「とりあえず、バッジ集め終了に関してはおめでとう、と言っておこう。
だが、この先にはまだ四天王、そして最強のチャンピオンが待ち構えている・・・
俺相手に苦戦している今のままじゃ勝てないぜ。」
そう、この先にはシルバーよりもさらに強い敵たちが待ち構えているのだ。
彼らに勝つには、今以上に修行を積む必要があるだろう。
「まあがんばれって・・・ほら、勝利報酬のグリーンバッジに地震の技マシンだ。
お前ならチャンピオンにきっとなれる・・・期待してるぜ。」
シルバーに礼を告げると、僕はトキワのポケモンセンターへと戻っていった。

ポケモンの回復を待つ間、暇なのでセンター内を散策していた。
すると、人気のない暗くて狭い不気味な個室に見慣れた青いロボットの姿があった。
「やあドラえもん・・・ドラえもん?」
個室の隅に横たわっているドラえもんは、いくら呼びかけてもピクリとも動かない。
その姿は、まさに死人のようだ。
彼もかなり疲れが溜まっているのか、それともロボットだからスリープモードでもあるのかなどと考えていたが、いずれにしよ起こさない方がいいと思って部屋を出ていった。
そろそろ回復も終わったかと思って受付のある大広間に戻ることにした。
『出木杉様、ポケモンの回復が終了しました。』
タイミングよくアナウンスが聞こえてきた。
ポケモンを受け取り、センターを出ようとしたその時だった。
広間にある大きなテレビの画面にいきなりセキエイ高原の風景が映り、もの凄いボリュームで音声が流された。
『全市民に告ぐ!本日から・・・セキエイ高原、ポケモンリーグは我々ロケット団のものとなった!』
その一言によって始まった騒ぎは、何時間立っても収まる気配を見せなかった。

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   現在の状況
       トキワシティ
    手持ち リザードンLV46、サーナイトLV43、ポリゴン2LV41、サンダースLV42、トドグラーLV40
    バッジ 8個

     出木杉メモ
  名前     手持ち
  のび太    フーディン 他不明(グレンタウン時)
  ドラえもん  フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時)
  静香     ロゼリア、他不明(セキチクシティ時)
  ジャイアン  エビワラー、ニドキング(シオンタウン時)


[[次へ>出木杉の未来大冒険 その7]]

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