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ルビー その7 - (2007/03/09 (金) 21:03:07) のソース

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≪のび太サイド≫ 

ここはトクサネシティ。 
マグマ団を倒した僕達4人は、ここで1日だけ休暇をとることにした。 
今までの旅の疲れを癒すためだ。 
……とはいっても、特にやることがないんだよね。 
宿でゴロゴロしてるのもつまらないし、僕は外に出てみることにした。 
「うーん……」 
外に出てはみたものの、やはりやることがない。 
そして、僕がうろうろして考えている時。 

「君、ポケモントレーナー?」 
誰かが僕の肩をポンと叩き、僕は後ろに振り向く。 
そこにいたのは、僕が思いもよらない人物。 
「はじめまして。僕はダイゴだ」 
そう、リーグチャンピオン・ダイゴ。 
「え?ダイゴさんって……あのチャンピオンの?」 
ふぬけた顔で質問する僕に、ダイゴさんは笑って答える。 
「ああ、そうさ。君……7個もバッジを持っているんだね。勝負しないかい?」 
「え……」 
どういうことだ?いきなり勝負だなんて……。 
だけど、チャンピオンの申し込みを断るわけにもいかない。 
「あ、はい。いいですよ」 

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≪のび太サイド≫ 

「そうか。ここじゃあまずいから、砂浜のほうでやろうか」 
「は、はい」 
ダイゴさんに先導され、僕も砂浜のほうへ歩き出す。 
「……よし、ここでいいか。それじゃ……いけ、エアームド!」 
「頼んだよ、ペリッパー!」 
はじめて見るチャンピオンのポケモン。 
真上からじんじんと照りつける太陽を挟み、バトルが始まった。 

「ペリッパー、電撃波だ!」 
「高速移動でかわせ!エアームド!」 
目にも止まらぬスピードで動き回るエアームド。 
当然、攻撃が当たることはない。 
「今だ、エアームド。燕返し」 
瞬時にエアームドがペリッパーの背後に回りこみ、翼で斬りつける。 
そして、当然というべきなのだろうか、ペリッパーは一撃で沈む。 
「ペ、ペリッパー!」 
つ、強い。これが、リーグチャンピオンか……。 
相手の実力を再認識した僕は、次のボールに手をかける。 
「いけ、コノハナ!」 

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≪のび太サイド≫ 

「コノハナか……。戻れエアームド。そして、出て来いアーマルド!」 
ダイゴさんの次のポケモンはアーマルド。 
化石から復元されたポケモンだけあって、その威圧感は凄まじい。 
「コノハナ、かわらわり!」 
「受けて立とう。アーマルド、アイアンテール!」 
アーマルド向かって振り落とされるコノハナの手刀。 
しかし、それはアイアンテールによって阻まれ、体ごと吹き飛ばされてしまう。 
「トドメだ。アーマルド、かわらわり!」 
仰向けになった状態のコノハナに繰り出される攻撃。 
それは、たった一撃でコノハナの体力を奪い取った。 

「戻れコノハナ。次は……」 
僕はボールを選ぼうとする。 
「いや、もういい。ありがとう」 
アーマルドをボールに戻すダイゴさん。 
「この辺でとめておこう。……それと、君にはこれをあげよう」 
ダイゴさんは1個のモンスターボールと緑の石を僕に手渡した。 
「リーフの石。コノハナを進化させるために必要なものだ。それと……そのボールには 
 ダンバルが入っている。君へのプレゼントだ」 
……僕へのプレゼント?それにしても、何で僕に? 
よくわからないが、お礼をしなくちゃ。 
「あ、ありがとうございます。大事にします」 
僕の返事を聞くと、ダイゴさんはにっこり微笑んだ。 
「それじゃ、またどこかで会おう」 
ダイゴさんはエアームドに乗り、飛び立っていった。 

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トクサネシティの宿。 
外からポツポツという雨の音が聞こえてくる。 
そこで、休暇を終えた4人は宿で出される高級料理を食べていた。 
「これは美味しいわ!」 
はしを休めることも無く食べるしずか。 
「フン。僕はこんなの何回も食べたけどね……」 
と、言いながらも我先にとはしを動かすスネ夫。 
そんな微笑ましい空気の中、宿の扉がコンコンと叩かれた。 
のび太がそれに気付き、扉を開ける。 

そこにいたのはオレンジ色の髪をした少女。 
だが、どこか様子がおかしい。 
「どうしたの?」 
のび太が聞くと、少女は体を震わせて言った。 
「……寒い……寒いよ……」 

その少女の名前はリン。 
気付いたときには砂浜に打ち上げられていて、ようやくここり辿り着いたらしい。 
そして、リンもこの宿に泊まることになった。 

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その翌朝。 
「あのね、リンはポケモントレーナーなの!」 
嬉しそうに話すリン。 
どうやら、大分溶け込めてきたみたいだ。 
「でもね……リンはまだ弱いんだ!だから、みんなに手伝ってほしいの」 

のび太達4人は、リンの修行を手伝うために砂浜に行った。 
「あ、あれはサメハダー!」 
嬉しそうに叫ぶリン。そして、ボールからポケモンを出す。 
「お願い、プラスル!スパークよ!」 
……しかし、攻撃はサメハダーに避けられる。 
「リンちゃん!電磁波で相手の素早さを下げるんだ!」 
と、大声でアドバイスをするのはスネ夫。 
「わ、わかった!電磁波よ!」 
リンはスネ夫の指示通りに電磁波を出し、サメハダーを麻痺状態にさせた。 
「今だリンちゃん!トドメをさすんだ!」 
次はのび太が指示を出した。 
「うん!とどめのスパークよ!」 
スパークは見事に命中し、サメハダーを沈ませる。 
「やった!やった!ありがとうね、みんな!」 
リンが歓喜の叫びをあげ、プラスルをボールに戻そうとした――その時。 

大きな爆発音と共にトクサネシティの建物が崩れ落ちた。 
そして、次々に建物が爆破される……。 
辺りに断末魔の叫びが響き、のび太達は大急ぎで町へ戻った。 

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ダッシュでトクサネシティに戻るのび太達。 
そこには、想像を絶する光景があった。 
「あれは……ミュウツー!」 
ジャイアンが、震えている手で町の北端を指さした。 
そこだけではない。 
町中の建物を破壊しているモノ……それは紛れも無く伝説のポケモン・ミュウツー。 
しかも、一体だけではない。ざっと十体はいるだろう。 
その後ろでは、研究員の身なりをした男が指示を出している。 

すぐさまジャイアンが飛び出し、一人の男のむなぐらを掴む。 
「何やってんだよ、テメェ……」 
男はジャイアンの腕を振り払って答えた。 
「見ればわかるだろ?壊しているんだよ。今頃、ホウエン地方の大都市は全て襲われているハズだ……」 
男の言葉にジャイアンは激怒した。 
「どうして……どうしてこんなことを!」 
「全てはあの方のご意志。そして、私達はそれに従っている。この世界を手に入れるためにな」 
悪びれもなく言い放つ男。 
ジャイアンは殴りかかろうとするが、それはスネ夫の叫びによって止められる。 
「落ち着けよ、ジャイアン!その男の言葉通りだとしたら……ホウエン地方が危ない!他の町も守りに行かなくちゃ!」 
スネ夫が言い終えると、次はのび太が言った。 
「リンちゃんは気が動転してるみたいだから、ここは僕に任せて!みんなは他の町を!」 
スネ夫、ジャイアン、しずかの3人は一斉に頷き、ポケモンに乗って飛び立った。 

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≪スネ夫サイド≫ 

僕はクロバットに乗って飛び立ち、ポケナビを見る。 
ポケナビにはホウエン地方のニュースが反映されているのだ。 
「被害を受けているのは……カナズミシティ、フエンタウン、ヒマワキシティ、トクサネシティか」 
僕は大急ぎでジャイアンとしずかちゃんに報告した。 
「被害を受けているのはその4地域だ!僕はカナズミシティに向かうよ!」 

カナズミシティ。 
ジムリーダーのツツジさんと一人の少年が必死に攻撃を食い止めている。 
「援軍にきました!僕も手伝います」 
僕はクロバットから降り、戦闘体制をとる。 
「あなたは、いつしかの……」 
どうやら、ツツジさんは僕のことを思い出したみたいだ。 
「ええ。でも、今はそんな事を言ってる場合じゃない。ジュカイン、町を守るんだ!」 
僕達3人はフルメンバーを出し、町を守らせた。 
「このままじゃいずれ負けてしまう……あのミュウツー達に勝つにはどうすれば……」 
今の防戦一方の状態ではやられるのは明白。 
とりあえず時間を稼いで、策を練るしかない……。 
「頑張ってくれ、みんな!」 

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≪ジャイアンサイド≫ 

俺が真っ先に向かったのはフエンタウン。 
今、前戦ったジムリーダーの姉ちゃんと背中を合わせて戦っている。 
「コイツ等……かなり強いぜ、姉ちゃん」 
「アスナだよ、アスナ。それはともかく、私達が倒されるのも時間の問題ね」 
俺とアスナは必死に抵抗するが、十数体の伝説のポケモンには適わない。 

「はぁはぁ……コータス、オーバヒート!」 
「まだまだぁ!ボーマンダ、火炎放射!」 
二つの強力な炎が放たれ、ミュウツー達を襲う。 
しかし、それは建物に当たる。 
「これは……サイコキネシスで方向転換させたのか!」 
ミュウツーの力を目の当たりにして、驚くアスナ。 
「なあ……本来ならこんなにミュウツーが出るってことはありえないよな?」 
俺はアスナに問い掛ける。 
「ああ。何かトリックがあるハズね。だが、それがわからない……」 
考えろ、俺。トリック……トリック……。 
だが、頭を捻っても無駄だった。何も思いつかない。 
「みんな!他の町から援軍を呼んで!そして、ポケモンを出しなさい!」 
アスナの声が響くと、ジムトレーナー達は大急ぎで他の町へ向かう。 
そして、残ったものはポケモンを出して攻撃を阻止する。 
「みんな!頑張って持ち応えるんだよ!」 

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伝説のポケモン・ミュウツー達の襲撃。 
それは各地に甚大な被害を与え、今も尚それは続いている。 
そして、破壊工作を止めるべく戦闘に参加したトレーナー達の疲労は限界に達していた。 

カナズミシティ。 
町の端にまで追い込まれたスネ夫とツツジ、そして少年。 
既にポケモン達は瀕死状態になっており、万事休すだ。 

フエンタウン。 
背を合わせ、どんどん追い詰められていくジャイアンとアスナ。 
他のトレーナー達の援軍も虚しく、町は焼け野原と化していた。 

ヒワマキシティ。 
戦力を失い、力尽きて倒れ込むしずかとナギ。 
まだ戦っているトレーナー達も次々とやられ、絶体絶命の状況だ。 

トクサネシティ。 
沢山のミュウツー相手に一人で戦っていたのび太。 
完膚なきまでに叩きのめされ、その周囲には力尽きたポケモン達が虚しく倒れている。 

どの町でも似たような光景が繰り広げられており、破壊工作は止まる所を知らない。 
そして、全員が死を覚悟した時―― 
プルルルル、プルルルル。 
隊長と思われる男のトランシーバーが鳴った。 
そのトランシーバーから首謀者と思われる男の命令を受け、隊長は声をあげる。 
「全員に告ぐ。今すぐ攻撃を中止しろ!そして、ルネシティへ向かえ!」 

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ホウエン地方の各地。 
隊長の命令を受け、男達は次々に姿を消していく。 
ミュウツーの超能力による瞬間移動。つまりテレポートに似たような現象だ。 
のび太達はポケナビで連絡をとり、トクサネシティで落ち合うことにした。 

トクサネシティ。 
ポケモンに乗って現れるトレーナーとジムリーダー達。 
一行はポケモンの体力を回復させ、ルネシティへ向かった。 

「さっきの襲撃事件……このホウエン地方で何かが動いているようですね」 
ルネシティへ向かう途中、最初に口を開けたのは少年ミツル。 
「ええ。それにあの数とあの能力……。相当な技術者達だわ」 
ヒワマキシティジムリーダー・ナギが言った。 
「僕達、これからどうなっちゃうんだろう……」 
のび太が弱々しく呟き、再び元の沈黙に戻る。 

「あ、見えた!ルネシティの入り口!」 
スネ夫が叫び、その指指す先にはルネシティの入り口と思われる穴がある。 
一行はダイビングで上に上がっていく―― 
だが、そこで見た光景はのび太達にとって信じられないものであった。 

一人の少年がレックウザに乗り、町を破壊している。 
その少年は、現リーグチャンピオン――そして、のび太達と共に旅立った仲間―― 
少年の名は出木杉英才。 

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「お前は、出木杉!」 
レックウザを従え、町を破壊しているのは紛れも無く出木杉だ。 
のび太の声を聞き、出木杉は地に降りる。 
「やあ、久しぶりだね。みんな」 
まるで何も無かったかのような発言。 
出木杉は、顔色一つ変えず言った。 

「てめぇ、何してるんだ!」 
ジャイアンが叫ぶ。 
すると、出木杉はヤレヤレといった素振りを見せる。 
「……ププッ。見てわからない?この町を破壊しているのさ」 
あっけなく言い放つ出木杉。 
「何で……何でこんなことを!」 
スネ夫が懐のボールに手をかけ、言う。 
「これが僕の望みだからさ。さあ、早く僕を倒さないと町が潰れるよ?」 
部下達のミュウツーは次々と光線を放ち、町を破壊している。 
そして、仲間の変わりように驚愕していたのび太達も、危険を悟り覚悟を決める。 
「僕が行くよ。僕が君を倒す!」 
最初に一歩踏み出したのはのび太だ。 
……だが、それはスネ夫の手によって制止される。 
「ダメだ。今一番弱いお前が行っても負けるだけ。ここは僕がやる」 
スネ夫の言葉を聞いて、のび太はしぶしぶ踏み出した足を戻す。 
「出木杉は僕に任せて。みんなはミュウツー達を食い止めるんだ!」 

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「僕の相手は君かい、骨川君」 
出木杉はレックウザを従え、スネ夫と対峙する。 
「ああ。何でこんな事になったのかわからないけど、君を倒してでも探ってやるよ」 
一触即発。緊迫した空気が流れる。 
そして、出木杉がその空気を立ち切った。 
「ここは狭い。バトルには不向きだな……。レックウザ、冷凍ビームだ」 
レックウザが氷の光線を放ち、ルネの水上を凍らせていく。 
たちまち辺りには氷の地盤が出来た。 
「どうだい?骨川君。これがレックウザの力さ。逃げるのなら今のうちだよ?」 
出木杉がこれみよがしに言って見せるが、スネ夫は動じない。 
「御託はもういいだろ?こっちの準備は出来てるんだ。早くしてくれ」 
ジュカインを出し、あくまでも平然を装うスネ夫。 
だが、その胸に秘めた不安が顔にも表れている。 
『カッコ付けて言っちゃったけど、相手はレックウザ。僕は勝てるのか?』 
「フフ、じゃあやろうか……」 
出木杉がそう言うと、とぐろを巻いた龍が急降下してくる。 
「それじゃあ、始めようか」                            
出木杉の声と共に、加速をつけてジュカインに向かってくるレックウザ。 
ルネシティの氷上にて、戦いが始まった。 

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猛スピードで向かってくるレックウザ。 
「レックウザ、燕返し!」 
出木杉の命令と共に、レックウザはその尾でジュカインを切り裂く。 
「ジュカイン!」 
効果抜群の一撃を食らい、ジュカインはかなりのダメージを受けた。 
「あれ、よけないの?どうしたのかなぁ?」 
ニヤニヤと笑っている出木杉。 
対して、スネ夫は焦っていた。 
『今の攻撃……タイミングが早い!』 
そう、ジュカインはよけないのではなくよけきれない。 
哀れかな、レベルの差がありすぎるのだ。 

「まだまだいくよ。レックウザ、もう一度燕返し!」 
再びジュカインの前に現れるレックウザ。 
だが、何度も同じ手でやられるスネ夫ではない。 
「ジュカイン、見切りだ!」 
ジュカインを青い防御壁が包み、勢い良く振り落とされるレックウザの尾を無効化する。 
「なるほど、見切りか。だが、それはただの時間稼ぎにしかならないよ」 
余裕の出木杉。 
だが、スネ夫の頭の中では一つの作戦が導き出されていた。 
『無駄に時間稼ぎをしているわけじゃないさ。目にもの見せてやる!』 

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青い防御壁に阻まれ、尾を休めるレックウザ。 
「いつまで持つのかな?骨川君」 
出木杉が挑発するも、スネ夫はニヤニヤと笑っている。 
その顔はさっきまでとは一変、自信に満ち溢れた表情だ。 

「ジュカイン、高速移動だ!」 
レックウザの周囲を高速で動き回るジュカイン。 
「これは……何のつもりだい?」 
出木杉はよくわからないという表情をしている。 
「見ての通りさ。確かにレックウザの攻撃タイミングは速い。でも、レックウザが 
 ジュカインに近づくまでにある程度距離をとっておけば、話は別だよね」 
スネ夫の言葉を聞き、出木杉は状況を把握した。 
「じゃあ、試してみるか……」 
またもやレックウザがジュカインに近づき、その尾を振り落とす。 
……だが、尾は空を切った。 
その様子を見て、スネ夫が更に話を続ける。 
「ジュカインのスピードに高速移動のスピードが加わったんだ。そう簡単には攻撃を当てられないよ」 
攻撃を外したレックウザの周囲を移動するジュカイン。 
見事にしてやられた出木杉は、苛立ちを隠せない。 
「今すぐとらえてやるよ……レックウザ、龍の舞!そして間合いをとって破壊光線だ!」 
レックウザは体をくねらせ、攻撃力と素早さをあげる。 
そして、フルスピードでジュカインに近づく―― 
「決めろ、レックウザ!」 
ジュカイン目掛け、眩い光線が発射された。 

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至近距離で破壊光線を受けたジュカイン。 
当然、まともに立っていられるハズがない。 
「ジュカイン!ジュカイン!」 
スネ夫の必死の叫びも虚しく、力尽きたジュカインがあらわになる。 
「所詮はこの程度か……。でも、暇潰しには丁度良かったよ」 
出木杉は、レックウザをボールに戻す。 
『何故レックウザを戻すんだ?』 
疑問に思うスネ夫。 
だが、その疑問はすぐに晴れた。 
「お前達、撤退だ。もうこのぐらいでいいだろう」 
出木杉の撤退命令と共に、ミュウツーと研究員の男達が次々と消えていく。 
まるで、さっきまでの戦闘がウソのように。 

ジャイアン達も疲労のあまり腰を落とす。 
「さて、いいかい?君達」 
ほぼ全員が疲れてその場に座り込んでいる中、出木杉が話を始める。 
「今回のは序章に過ぎない。いずれは僕達がこの世界を手中にする……。」 
そう言うと、出木杉はレックウザに乗り、去っていった。 

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