Pain Forum

日曜日に、Pain Forumに参加してきました。
まとめの前にちょっと基礎のおさらい。

 痛みの基礎知識
日本ペインクリニック学会医学生用サイトがわかりやすい!
 ・
国際疼痛学会の定義では、
   「An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage,
       or described in terms of such damage
      (実際に何らかの組織損傷が起こったとき、または組織損傷を起こす可能性があるとき、
                    あるいはそのような損傷の際に表現される、不快な感覚や 不快な情動体験)」と説明されてい
る。

 急性疼痛
    組織損傷に対する反応として生じ,末梢の痛覚受容器(侵害受容器)ならびに、
    その特異的知覚神経線維(Aデルタ線維およびC線維)の活性化に起因する。

 慢性疼痛
 
    進行中の組織損傷に関係。
    これらの知覚神経線維の持続的活性化により生ずると推定される。
    慢性疼痛は,神経障害性疼痛 (痛覚受容器への刺激よりもむしろ,末梢または中枢神経系の損傷 or 
    機能障害によって起こる。)  の結果としても起こる。
     
    ※ こんな情報も・・・Cochrane Review:非がん性疼痛への処方
                              「デュロテップ(R)MTパッチ」が、”非がん性の慢性疼痛治療”に使用が可能に
     
 病態メカニズムからみた痛み
   (概念的な分類であり、個々の症例を3つに分類することはできない)
        1)侵害受容性疼痛
              体の組織が損傷を受け,侵害受容器が興奮して起こる痛み
              普通の損傷や疾病から生じ,体性,または内臓性である。
              体性の痛覚受容器は,皮膚,皮下組織,筋膜,その他の結合組織,骨膜,骨内膜,関節包に局在。
              本受容器への刺激は,限局性の鋭痛または鈍痛をもたらす。
              内臓性の痛覚受容器は,ほとんどの内臓および周囲の結合組織に局在する。
              管腔臓器損傷による内臓痛は,局在が不明瞭な激しいうずきや痙攣痛で,遠隔の皮膚部位が痛むことがある。
              内臓被膜あるいはその他の深部結合組織の損傷による内臓痛は,より限局的な鋭痛となりうる。
        2)神経障害性疼痛
              神経、脊髄、脳の損傷や障害によって生ずる痛み(感覚伝導路の障害)
        3)心因性疼痛
               心理的障害に関連して起こる痛み
              (診断がつかないものをすべて心因性疼痛と定義するという意味ではない。)

っで、そろそろセミナーのまとめです^^

「今後の日本における痛み診療」                                 大阪南医療センター院長 米延策雄  先生 
  ・ 工学でいうバスタブ曲線と同じように、人も耐用年数のあるモノとしての一面あり
       → 高齢化すると「磨耗」してくる。
       → 多くの人々が、運動器を長期間使用し続ける時代!
  ・locomotive syndrome (運動器症候群)という新概念
  ・ 「ロコチェック(ロコモーションチェック)」によりセルフcheck し、
         ロコモ対策としての運動「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」で、セルフコントロールを促す。
         ロコチェックとロコトレはこちらに →  日本臨床整形外科学会 ver2010/3/11 since2009/3/3
 
「慢性疼痛:行政の取り組みと新しい痛みの概念」  大阪大学疼痛医学     柴田政彦先生
 ・ 厚労省で、H21年12月~「慢性の痛みに関する検討会」・・・9月に「慢性の痛みに関する検討会」報告書の発表予定。 (案)はこちら       

    「慢性の痛み」の現状について 第1回検討会資料より。
      (1)慢性の痛みをとりまく状況とこれまでの経緯について    (厚生労働省健康局疾病対策課)      
      (2)慢性疼痛治療・ペインクリニックの臨床  (順天堂大学病院 井関雅子先生)
      (3)運動器の慢性痛を取り扱う視点から  (愛知医科大学学際的痛みセンター 牛田享宏先生)
      (4)医療における慢性痛の問題点   (大阪大学大学院 柴田政彦先生)

 ・ パラメディカルの教育レベルの向上・・・薬剤師の卒然教育の重要性
 ・ 神経障害性疼痛治療薬について、適応外が圧倒的に多い
 ・ IASPの神経障害性疼痛治療ガイドライン (資料1)(資料2:慢性疼痛の薬物療法)や 
   Opioids for chronic noncancer pain: a new Canadian practice guideline など海外では、ガイドラインも出ている。

「慢性疼痛に対する治療の現在と今後」                      山口大学整形外科     田口敏彦 先生
 ・ 非がん性疼痛治療は、WHO方式の 除痛ラダーが基本。

 ※ 非がん性疼痛の各種ガイドライン

今回、慢性疼痛(非がん性)について、調べる機会を得ました。
大きく時代が変わろうとしている・・・。
引き続き、学ぼう!

ヾ(*'-'*)

最終更新:2010年08月04日 12:57