先週末、第1回 J-CLEAR WSに参加してきました。
理事長を始め、著名な方で組織されている J-CLEAR。
特に、琉球大学大学院薬物作用制御分野教授 (J-CLEAR副理事長) 植田真一郎 のお話が伺いたくて、参加しました。
毎年、学ばせていただいている臨床薬理学会や、週間医学界新聞の連載「論文解釈のピットフォール」で、
おなじみの先生です。
午前中は、 東京北社会保険病院臨床研修センター長
(J-CLEAR 理事)名郷 直樹 先生から、「論文の読み方・使い方」と題して、EBMの初歩の講義と、植田先生から「事前配布論文の要点」について解説がありました。
名郷先生から、HYVET
studyの解説もありましたよ。
午後のWS は、なんと各班に割り当てられた RCTが2~3本。
うちのC班・・・3本~^^;
A:MEGA
study & WOSCOPS study
B:Women’s
Health Initiative (WHI) & Nurses' Health Study
C:ASCOT-BPLA study &
ASCOT-LLA study& CARDS study
私のメモ はこちら。
ASCOT-BPLA 、ASCOT-LLA、CARDS
C班の論点は以下の二つ。
*早期終了試験の功罪
早期終了の理由は、倫理的観点(有害事象の上昇、他study による明らかな結果、中間解析で明らかな
結果が出た)からだが、早期終了により、もし間違った結果を示唆してしまうと、Clinical Practice を
変えてしまうことがあり、これも倫理的観点から問題とされているそう。
各エンドポイントのイベント総数が200を超えないと、n数が足りない可能性あり。
*複合エンドポイントを読むポイント
要は、エンドポイントの客観性や重篤度、有意性の方向の一致に注意が必要との事。
その他、各エンドポイントのイベント総数が200を超えないと、n数が足りない可能性あり。
CARDSでも、早期に明らかな有意差が出たとして中止している。
primary
endpointのイベント総数は200を越えているが、secondary endpointでは、イベント数が少ない
ため、特にstrokeは、過大評価している可能性があることに注意する。
primary endpointが複合endpointに注意。
ASCOT-BPLAの早期中止の影響についての考察
NICE GLで推奨されていた薬剤を対照薬にしていたため、全死亡が増えているのは、
社会的に問題があるとの判断で中止に至ったとされている。
イベント総数が200を超えているので、早期中止の影響は少なそうだが、
primary endpointに有意差がないまま、secodary endpointに有意差がつくのは、
元々の仮説に問題がある可能性がある。
また、早期中止せずに、silent MIを抜いた設定であったとしたら、結果が変わる可能性が
十分に残っている。
討議は、GW のための準備自体が、十分でなかったようなのが、残念。
とはいえ、とても論点が難しくて、こんな深く読みきれていないということに、改めて気付かされた。
まだまだ、読み込めていない自分に気付かされた1日。
次回も日程が合えば、参加してみようと思います。
そして、次回は、テーマをもっと深く理解できるように準備をしていって、
立場に遠慮せず、もう少し自信もって発言しよう。
ヾ(*'-'*)