ビスフォスフォネート系薬剤(BP)と顎骨壊死について、レクチャーを受けました。
主な内容は、
日本口腔外科学会のサイトに載っています。
演題 :「薬剤としてのビスフォスフォネートの有用性と顎骨壊死」
大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子免疫制御学 / 生化学教室
教授 米 田 俊 之 先生
ビスフォスフォネート系薬剤による治療を受けている患者で、
顎骨壊死 (BRONJ: Bisphosphonate-related Osteonecrosis of the Jaw)・顎骨骨髄炎が
あらわれることがあり、その症例の多くは抜歯等の歯科処置や
局所感染に関連して発現して報告されているらしい。
治療中の浸襲的歯科治療には、以下に注意。
● 悪性腫瘍に対する注射用BP製剤投与患者
原則的に休薬しない。
治療開始前に徹底的な口腔清掃・・・歯科で!
なるだけ保存治療・・・抜かない!
● 骨粗鬆症に対するBP製剤投与患者:BP投与3年未満、かつ※リスクファクターなし
口腔清掃(1年に1回の歯石除去)
通常の歯科治療
● 骨粗鬆症に対するBP製剤投与患者:BP投与3年以上、または※リスクファクターあり
処方医と歯科医の綿密な協議
浸襲的歯科治療の必要性
休薬によるBRONJ予防効果エビデンスなし
治療開始前に徹底的な口腔清掃・・・歯科で!
術前・術中・術後の抗菌薬投与
術創の縫合
術後定期的口腔内審査・清掃
術後2ヵ月後よりBP開始
※リスクファクター
注射BP>経口BP
N含有>N非含有
局所:抜歯、インプラント、下顎>上顎
小児少ない
DM、ステロイド治療、免疫低下?
薬剤師の役割について、
骨折による寝たきりに対するBPの有効性、経口BPでBRONJの頻度が極めて低く、
口腔清掃で予防ができること、できれば、壊死ではなく骨髄炎と説明してほしい
とのことでした。
印象的だったのは、「絶対抜かなければいけない治療はない!」との言葉でした。
最近、BP製剤を扱っていないので、気になりながら後回しにしてしまっていた情報。
重篤な副作用だけど、予防方法が判ってきている・・・大切な情報をもらいました!
ヾ(*'-'*)
最終更新:2010年10月13日 16:59