clopidogrel (作用機序・代謝・相互作用など)

来週の勉強会のために、基本事項を予習中 ♪

 □ 作用機序:clopidogrelインタビューフォームより 

作用部位:血小板
作用機序:
血小板凝集の形成機序
血小板凝集は、動脈血流とそれがつくり出す高いずり応力下によって形成され、フォンウィルブランド因子(vWF)やADP などが重要な働きをする。
高ずり応力によるvWF とGPⅠb との相互作用によりGPⅡb/Ⅲa は活性化され、活性型GPⅡb/Ⅲa はフィブリノゲン、vWF などの血漿蛋白質と高い結合能を発揮する。
また、細胞内にあるADP などの血小板凝集惹起物質が血小板外に放出され、ADP がADP 受容体(P2Y12)に作用することによって、さらに多くの血小板を活性化する。
これらの作用により血小板が凝集し、血小板血栓が形成される。
クロピドグレル硫酸塩の作用クロピドグレル硫酸塩は肝臓で活性代謝物に変換されて、速やかに血小板膜上のADP 受容体(P2Y12)に選択的かつ不可逆的に結合し、PI3キナーゼの活性化を抑制することにより、GPⅡb/Ⅲa の活性化を阻害する。さらに、クロピドグレル硫酸塩はADP 受容体(P2Y12)刺激によって起こる
抑制性蛋白質Gi によるアデニレートシクラーゼの活性抑制を阻害し、cAMP を増加させCa2+流入を阻害する(血小板内のCa2+濃度を抑える)ことにより、各種血小板凝集因子による凝集反応を抑制する。

 

 

 

※補足:COX-1阻害

アスピリンに代表される。血小板には核が無く、分化して7日間の血小板寿命のあいだには新たな蛋白が合成されない。シクロオキシゲナーゼ(COX-1) にアスピリンが結合し不可逆的に酵素を失活させるので、トロンボキサンA2 (TXA2) が産生されず、血小板が凝集しない。アスピリンが少量であればタンパク質が補充される血管壁にはCOX-1は失活せず、COX-2も活性が保たれるので血管拡張作用や血小板凝集減弱作用のあるプロスタグランジンI3 (PGI3) は、血管壁から供給される。以前は保険適応を認められていなかったが、脳梗塞虚血性心疾患に処方が認められるようになった。バファリン®(低用量81mg、鎮痛薬として用いるときは330mg)やバイアスピリン®が有名である。

 

 

□ クロピドグレルの代謝経路

クロピドグレルの代謝経路の詳細は不明な経路もあるよう。 

推定されるクロピドグレル代謝経路 by 「pharmGKB 」(スタンフォード大学が管理しているサイトより引用)



□ クロピドグレルとPPIとの相互作用に関する情報

こちらのサイトに、とても詳しく書かれています。更新記録も役立ちそう!

CYP2C19 の活性の個人差自体が、心血管疾患の発症リスクかもということも書かれていましたが、こうなると因果関係の証明は程遠いかも・・・^^;

ほかには、国立医薬品食品衛生研究所が隔週で発行している「医薬品安全性情報(海外規制機関)」の医薬品安全性情報Vol.7 No.17(2009/08/20)に。

今後も目を離せない。

しっかりと情報収集したいですね。

ヾ(*'-'*)

 

 

最終更新:2009年11月01日 13:41