1 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
01:47:24.17ID:kxl7wSv3
合言葉は
( ゚д゚ )<倫理的におk
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
( ゚д゚)<まとめサイト
ttp://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル 「パシリ」三体目
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/
( ゚д゚)<18禁エロネタはこちら
ファンタシースターユニバースのエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157960314/
次スレは>>900-950あたりか容量が470kを超えたら立ててください
2 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
01:54:35.63ID:gPXGDoax
オラの技を手品呼ばわりする気か!
3 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
01:58:27.79ID:ySLxvoAn
>>1乙
容量使い切ったのか( ´・ω・`)
チラ裏だが、某絵チャットにどこぞで見たことのある箱が描かれててワロタw
4 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
03:35:07.42ID:1eORWkBu
狂犬(?)430関連で450、410、440と来たから次は…
ダメだダメだ!うちのにゃんぽこに限ってそんなオイル生臭い過去は無いんだぁぁぁ!!!
>>1 乙です
5 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
06:36:37.96ID:7OqGidmt
>>4
それは君が知らないだけかもよフフフ………
>>1乙です。
6 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
20:21:55.41ID:caQ3GW+B
前スレ500kb行ったな、
>>1乙
7 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
20:22:18.63ID:Y3ImxDfX
前スレ500kb突破
最後はセル
8 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
20:25:53.18ID:V8VztX37
前スレの430vs450のラフを描いていたのを清書せずにうpする。これが俺のジャスティス[゚д゚]
ttp://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu1082.jpg
えぇ力量不足です本当にありがとうござ・・うわ何をする420dさflkほいらysふじこd;ヶあ
9 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
20:46:38.31ID:SB0bj4S4
疑問に思ってた事思い出した。
>>8の元ネタの430他って玉っころの時代すっとばしな気がするんだ。
10 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
20:52:59.76ID:P9yAOwh1
「よし、それじゃ行ってくる。
今日も店番宜しくな」
「はい、くれぐれもお気をつけて行ってらっしゃいませ」
「はは、別に危険なところに行く訳じゃないさ」
そう言ってドアのところで軽く手を振ると、ご主人様は出掛けていった。
いつものやりとり。
私もいつもの決まり文句を言いつつも、どちらかというと笑顔に近い表情をしている。
「…………。
……はぁ……」
しかし、ご主人様の気配が遠くなったのを確認すると、思わず大きな溜息が出た。
「今日『も』かぁ……」
最近、ご主人様が私をミッションに連れて行ってくれない。
勿論これは、異常だと言うほどに特別なことでは決してない。
マシナリーはリーダーしか呼べないと言う規則があるからどうしてもPT時は呼ばれにくいし、
HPリストレイトすら搭載されていない私達は攻撃力の強いエネミーとの戦いでは足手まといになりうる。
それでいて、私を含めたGH440型はGH410型のような接近型に比べると破壊力もない。
ご主人様の気が向いた時以外、あえて呼ぶほどの戦力ではないのだから。
でも。
ほんの少し前までは、私は大体二日に一度は何かしらのミッションに呼ばれていた。
それは目的地までの道中を駆け抜けるだけの事もあったけれど、
ご主人様と一緒のその短い旅路が私にはとても楽しかった。
嫌われてしまった?
不意に…といっても最近毎日の事だが…この考えに行き着いて咄嗟に頭を振る。
PMは主人のためだけに存在しているに等しい存在だ。
だから、主人に嫌われてしまうと存在その物の否定にも近い。
それ故に私は、この結論を非常に恐れていた。
ご主人様に嫌われるだなんて、そんな……そんなの嫌…
いや、決して何か特別な感情があるわけではない。多分。
…勿論、いくら寂し…今までと違う日々だからと言って、何の理由もなくこんな結論に至るわけではない。
嫌われる可能性のある理由は無いこともなかった。
簡単な話、最近、合成で失敗が続いていた。
手を抜いたりはしていない。本当にただ運が悪かった……というのは言い訳になってしまうだろうか。
とにかく失敗したのは事実。それがとても高価な合成だったのも事実。
そして、最後に失敗してからミッションに呼ばれていないのも……事実。
11 名前:10 :2006/11/21(火) 20:54:29.36 ID:P9yAOwh1
「この短期間にあんな事やそんな事、果てにこんな事まであったからなぁ……」
(あんな事:http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/12)
(そんな事:http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/24)
(こんな事:http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/80)
……思い返してみてふと思う。
ご主人様の前では可愛く振る舞ってみたけど、そういえばこれ、喜ばれてるのだろうか。
ご主人様はどちらかと言うと真面目な人が好きだったはず…決してふざけている訳ではないけど、これは……
「……はぁ」
不安な時は何を考えても不安になってしまう。
感情回路に正帰還でも付いているのだろうか。だとしたら開発者が憎い。
……あれから十日、か。
ご主人様が帰ってきたら、どう考えているのか聞いてみよう。
そして、怒っているようだったらきちんと謝ろう。
許してくれると良いな……。
ぱんっ。私は両手で自分の頬を軽く叩いた。
そうと決めたら、とりあえずは自分のする仕事をきちんと終わらせないとね。
少しでもご主人様のお役に立たないと。
歌でも歌いながら、まずはお掃除からっ!
「ギリギリギリギリジンジン、ギリギリギリジンジンジン♪
ギリギリギリギリジンジン、ギリギリギリジンジンジン♪
ギリギリギリギリジンジン、ギリギリギリジンジンジン♪」
先日パシ通で紹介されていたこの曲がお気に入りだ。
歌詞は殆ど冗談みたいな物だったが、とにかく曲のノリが良い。
たとえ一人でも歌っていると元気が出てくる。
……ちょっと自棄になっているような気分にもなってくるが。
「ギリギリギリギリジンジン、ギリギリギリジンジンジン♪
せいかつひーがーギリギリだ~~~……ぁ…………
……
orz 」
生活費がギリギリなのは私が合成に失敗するからだった。
壮絶に自爆してしまった。
教訓:PMは主人に似る
12 名前:10 :2006/11/21(火) 20:56:35.42 ID:P9yAOwh1
埋めがてら投下するつもりだった(そして間に合わなかった)から
アンカーの代用が酷いことになってて申し訳ない。
>>7
アレを見て、マガシ声の440を想像してしまったわけだが。
13 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
21:03:49.83ID:ySLxvoAn
うわぁ…前スレの最後よりによって俺のアレかよ…orz
>>8
1コマ目と3コマ目好きだ( ゚∀゚)
2コマ目については聞かないでくれw
14 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
21:14:13.72ID:0RuEn5fM
_,,..,,,,_ _,,..,,,,_
./ ・ω・ヽ ./ ・ω・ヽ
_ l__/ ̄ ̄ ̄/_/ ̄ ̄ ̄/
\/ / \/ /
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
_,,..,,,,_ _,,..,,,,_
./ ・ω・ヽ /・ω・ ヾ
<生活費がギリギリなんだって
_ l__/ ̄ ̄ ̄/_/ ̄ ̄ ̄/
\/ / \/ /
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
_,,..,,,,_ウチモネ _,,..,,,,_
./ ・ωヽ ./ω・ ヽ ね
_ l__/ ̄ ̄ ̄/_/ ̄ ̄ ̄/
\/ / \/ /
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
_,,..,,,,_ _,,..,,,,_
./ ・ω・ヽ ./ ・ω・ヽ
_ l__/ ̄ ̄ ̄/_/ ̄ ̄ ̄/
\/ / \/ /
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
15 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
21:20:17.45ID:ySLxvoAn
450「ご主人様」
箱「はい?」
450「今日といい昨日といいその前といい(以下略)、私達450のレスタ回数が激減してるのに、
どうしていつも私を連れてミッションに行くんですか?今回も死にましたし」
450「しかも職業はFFのまま。わざわざスターアトマイザーまで持ち歩いて」
箱「だって…」
450「はい」
箱「なんだか安心するから…」
450「………」
げしっ げしげしっ←箱を蹴る450
箱「痛い!痛いです450さん!」
ルウ「何やってるんですか?」
箱「あ、教官」
450(……お邪魔虫…)
ルウ「あら、怪我されてますね。レスタ!」
箱「あ、ありがとうございますです教官」
450(ムカッ)
ルウ「どこかのPMと違ってピンチの時にはレスタしますから、安心してください」
箱「あ、ありがとうございますです!」
450(ムカムカムカムカ)
ルウ「(チラッ)フッ…」
450(!!!!!!!)
―以下イメージ―
ルウ「フフ… この箱は私のもの…キャスト男とキャスト女…似合っていると思いませんかパシリ」
450「な、なにを仰ってるんですか!ご主人様との付き合いは私のほうが長いんですよ!このロボ子!!」
ルウ「くすくす 貴女のようなちんちくりんが、あの最大身長の箱に似合うとお思いですか?」
450「そ、そんなの愛でカバーできますっ!」
ルウ「パシリがですか? ププッ」
450「う、うるさいですよこの鉄面皮!さっきから表情かわってないから不気味ったらありゃしない!!」
ルウ「最近こういう無表情ヒロインは市民権を得ています。そういう貴女は少々、これ…古くないですか?」
450「ひ、人の台詞を取らないでください!このおそ松くん!!」
ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」
バックに戦う竜虎。
そして小さくなって震える箱。
16 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
21:21:23.01ID:ySLxvoAn
先日原生Sを3人で行って、ルウがレスタしまくり、
450が全然してくれなかったのを元にここまで妄想してみた俺キモスwwwwwwwwwwww
17 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
21:29:28.07ID:P9yAOwh1
>>15
おそ松くん噴いたw
18 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
22:18:43.46ID:5IsthwR1
>>16
うはwwwwキモスwwwww
読んで直ぐルウとパシリ連れてハーレムルート妄想しながら周回する俺はテラキモスwwwwww
19 名前:前スレ616 :2006/11/21(火) 22:31:18.19 ID:9XS+Il3X
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/625
楽しく読ませていただきました
個人的には430もいいけどビス子の方が好きだったりするんで、オチもいい感じです
もしうちの410あたりも使って頂けるなら是非みてみたいですね
しつこいようですが使用許可の件、本当にありがとうございました
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/645
個人的にはラムダドライバ搭載機のパイロットっぽく思えてしかたがなかったり
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/646
あの場面、漫画にするとこんな感じなのかー、マジありがとう!
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/665
期待してる人がここに一人いたりするね
てか、いつもいい所で終わりすぎる…続きたのんますよ
あと、ちょっとした事をすぐネタに取り入れるアグレッシブさはすごいと思う
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1163093380/660
つまり、このヒュマ男(?)がビス子を諭したり、430と睨みあったり、
410のわき腹をナデナデしたりするのか…
20 名前:小ビス子と430 番外編その2 1
:2006/11/21(火)23:07:48.96 ID:tolAuVVG
思えば、いつからこうなったのか。
私はただのPMでした。…ただご主人様のお役に立ちたいだけでした。
私は幸せでした。嘆くほどの不幸もなければ、声を上げて喜ぶほどの幸せもありませんでしたが、
ただ、その透明色の毎日がとても幸せで。私はただ、もっともっとご主人様のお役に立ちたいと、
それだけを考えて暮らしていました。
430に進化することが出来た時、これでより一層ご主人様のお役に立てると、私は再形成
されたばかりの手で、ご主人様に抱き付いたものです。
あの時の私は、ここしばらくの合成に失敗を続けてしまい、内心焦りがありました。
だから、初めてミッションに連れていって貰った日、私の胸にあったのは、
ここで頑張ってご主人様に恩返しをしたいと、そればかりでした。
出来るだけ強そうなエネミーを倒すのが良い。
出来るだけご主人様のピンチを助けた方が良い。
どうしたら認めて貰えるかと、あれやこれやと気を揉んでいる間に、
凶暴化した原生生物の鎮圧はほぼ終了。
あとは、このパルム平原に牙城を築く、ディ・ラガンのみ。
ここまで全く戦闘に参加出来ずにいた私は、よし、と、気を入れてご主人様と共に
ディ・ラガンの巣へと乗り込みました。
筋骨隆々とした巨体に、その四肢を支えて大空を滑空する広大な両翼。業火を我が物とする炎の王。
噂に違わぬその畏怖堂々とした姿に、私はライフルを向けました。
きっと、ここで頑張ればご主人様は私を認めてくださるに違いない。
初めての射撃に緊張する私は……、内蔵されているフォトンリアクターが異常な高出力 を出していることに、気付きませんでした。
タゥン――ッ!
長距離射撃特有の、長く尾を引く発砲音。
私が初めて放った一撃は……、分厚い眉間を貫通し、一撃で王を絶命させました。
わぁ……。や、やった! やった! ご主人様、見てください!
私、頑張りました! ほめてください! 私が倒したんですよ!
ほめてください! なでてください! 私、私……――
……あの時の、ご主人様だった誰かが私を見下ろした目が、今でも忘れられない。
バケモノを見るような、そんな、瞳。
タァンッ!
夢の中から聞こえてきたような発砲音に、私ははたと目を覚ます。
……くそ、流石に二日もぶっ通しで射撃訓練やってっと、CPUが先にイカれるか。
暖房器具など設置されていないこの部屋は凍てつくように寒い。
よどんだ空気をかき混ぜるように、時折、発砲の音が鳴り響く。
ガーディアンズ非公式戦闘部隊専用の……、陰気な射撃場。
まるでスポーツジム気取りの公式射撃場とはまるで違う。ここで磨くのは、
射撃大会で一位を取る為の射撃じゃない。一撃でヒトを絶命させる射撃の方法だ。
まぁ……、私みたいなイカレた犬どもには、こっちの方がお似合いだ。
クッションなどない堅いベンチの上。私はそこに横たえていた体を起き上がらせる。
「GH-430、識別番号GSS253-A5、ですか?」
21 名前:小ビス子と430 番外編その2 2
:2006/11/21(火)23:10:08.52 ID:tolAuVVG
「……あ?」
不意に呼ばれ、私は顔を上向ける。
「初めまして」
そこには……、私と同じ、PM。GH-440が立っていた。
「GH-440、識別番号GSS015-S10です。どうぞよろしく」
すっと、440は親しげに笑って右手を差し出してくるが……、
私はただ、胡散臭そうにそいつの顔を見上げるだけ。
「用件は? ねぇんならご主人様ンとこに帰りなよ、お嬢ちゃん」
「あはは、口が悪いとは聞いていましたが、これは流石になかなか。
……430はお天気な子が多いと聞いていましたが」
「用は? 言っとくが、私は同じコト三回言うのが嫌いだ」
睨み付けると、440は困ったように笑って、
「GH-430。しばらく私が貴方のパートナーを務めさせて頂きます」
「……は?」
思わず、きょとんとしてしまう。
タァ……ン。誰かが放った発砲音が鈍く長く尾を引く中で、
「私も貴方と同じ、『ワンオブサウザンド』です」
ワンオブサウザンド。
量産される機械の中から生まれる、奇跡の作品。
GRM社で大量生産されるPMの中にも、そんな、機械仕掛けの神様に選ばれてしまった
間抜けなPMが存在する。……かく言う、私もそうだ。
外見は何一つ違わない。当人にその自覚はまるでない。
当たり前だ、私の体は、完成した瞬間にそれが「普通」になるのだから。
桁違いの運動性能。常識外れの出力。驚異的な演算速度。
それはまさしく「奇跡の作品」だった。
「ヒト」ならば英雄になれたろう。
だが……、私たちは「物」だ。
鞘にも収まらない切れ味を持った剣など、誰も手にしたがらない。
それが「高値で売れる」というなら、誰が手放すことを惜しむものか……。
そんな「私たち」を喜んで迎え入れたのは、裏側の社会だった。
PMなんてどこにでもいる。グラール太陽系のどこにいたって不思議がられない。
そして何より外観的油断を誘う。私たち400シリーズの見た目はただの子供だ。
小さな手が握る一丁の銃が、鉄扉であろうとブチ抜く出力を発揮するなど、誰も思わない。
ガーディアンズの暗部は私たちの回収に躍起だった。
見込みのあるものを長い時間を掛けて訓練する必要なんかない。
私たちは兵器だ。兵器に訓練なんか必要ない。命じるだけで瞬く間に100人を殺す大量殺戮兵器。
人権もないのだから扱いだって簡単だ。……こんな便利な駒はない。
噂では、最近、ガーディアンズコロニーの裏町を短期間で牛耳った『女帝』は、
その『ワンオブサウザンド』だとも聞く。……いつか機会があれば、会ってみたい。
22 名前:小ビス子と430 番外編その2 3
:2006/11/21(火)23:10:46.58 ID:tolAuVVG
「440。アンタの話聞いたことあるよ。……『不死身』だそうじゃねぇか?」
射撃台の前に立ち、ライフルを構える。言葉と共に吐き出す呼気が、白い靄に変わった。
「どんな任務に就かせても、アンタ『だけ』は生還する」
にやりと笑ってやった。……コイツには、色々と黒い噂が付きまとっている。
ニコニコとした笑顔で敵はおろか味方をも利用する……、雌狐。
私の笑みに、その雌狐も笑った。――そう、ニコニコと。
「私も貴方のお噂は何度も耳にしましたよ? 430……『狂犬』
貴方と組んだパートナーは、皆全て死亡してる。それも、一月も経たない間に」
タァンッ!
私が放った一撃は、人型の的の頭部中央に穴を開ける。
「危険を冒してまで役立たずを助ける趣味ァねぇな。……そんだけだ」
「何ともプレッシャーですね」
くすくすと笑いながら、私の隣に並んだ440は、ワンアクションでエビルツインズを発砲する。
互いに寄り添うように並んで走る弾丸は、私が穴を開けた人型の心臓部と喉元の二カ所に穴を穿った。
……へェ、やるわこいつ。空間を湾曲させたこの射撃場は、射撃台からターゲットまで2Kmある。
440の得物は狙撃銃ではなく、しかも即射だ。射撃じゃ私より上かもね。
「ま、せいぜいよろしく。パートナーの葬式には出ない主義なのだけは憶えてくれ。
香典がキツくてよ」
「くすくす。私は貴方のお葬式にはキチンと出席させて頂きますけどね?」
皮肉な話だ。
私たちはPM。パートナーマシナリー。主の為に尽くす物だ。
なのに……、私たちには主がいない。
主の無いPMが、互いに寄り添うように、二人並ぶ。
それはまるで、隣に広がる空白に、何とか形を求めた結果のようで……、笑えた。
「そーいや、アンタはどこでワンオブサウザンドだと判明したんだ?」
「最近、PMに性的暴行を働く者がいるのを知っています?」
「世も末なこった」
「全くですねぇ。……私の場合は、それが信頼してたご主人様でしたから、余計ですね」
「……そうかい」
「咄嗟のことで何がなにやら。……気が付いたらご主人様だったモノは挽肉でした」
「まぁ、でも」
「ええ、そうですね」
『私たちなんて、所詮こんなもんよね』
あの440は、本当に、ニコニコしたままの胡散臭いPMだったけれど、
私たちは最強のコンビだった。私たちに完遂出来ないミッションなんかなかった。
返り血とオイルまみれになりながら、二人で苦笑いを交わしあった。
「生きてるかい? 不死身」
「そちらはどうですか? 狂犬」
コイツと一緒に生きて、そのうち一緒に死ぬのも悪くはないなと、そう思っていた。
そう思っていたんだ。……あの出来事がまでは。
23 名前:小ビス子と430 番外編その2 4
:2006/11/21(火)23:11:17.33 ID:tolAuVVG
「まぁ……、PMにだって色々とあるってもんさね」
アタシは苦笑しながら……、ソファで寝こけている430の肩に毛布を掛けてやった。
ったく、だらしがないねェ。久々に酒に誘ってやったってのに、とっとと寝ちまいやがった。
「コイツもアタシも、……その440も、コレで結構世の中のどん底味わってんのさ。
……だからこそかねェ。他の誰より、気持ちの根っこは判ってやれるんだ」
「私よりも、ですか?」
控えめに言ってくるご主人サンに、アタシはにやりと笑う。
「馬鹿をお言いでないよ。ご主人サンは特別さね。焼き餅はベッドで焼とくれ」
まぁ、悪い気はしないねェ。……ご主人サンに「この方は一体どんな方ですか?」と
聞かれて、酔い半分にベラベラ喋っちまったが……、ま、いいだろ。
「くっくっく、にしても、この430が依願退職を願い出て、タマっころに戻った時にゃ、
そりゃあ笑ったもんさね。主の不在を見計らっては、散々転がしてやったもんさ」
くぅくぅと何とも無邪気な寝息を立てる「旧敵」の髪を撫でてやる。
功績があったからこそ認められたもんだろうけどねェ。
そいつがまた430になったのには、なんとも因果を感じたもんさ。
おまけに二重人格みてぇになってやがる。からかって楽しいったらありゃしない。
「アタシらは、貧乏神を親に持った姉妹みてぇなもんさね。
随分殺し合いもしたけれど、せめて死ぬ時ぁ幸せであって欲しいと思ってる」
「……少し、妬けます」
「馬ぁ鹿、姉妹に妬いてどうすんだい。ちょいとは譲っとくれよ、ご主人サン」
くすくすと笑って、アタシは430の元から立ち上がる。
まぁ、今夜くらいは寝床にソファを貸してやってもいいかねェ。
明日あたり、あの泣きべそかきのご主人様が大泣きして探しにくるだろうけど、
その辺はそっちでやっておくんな。アタシは知らないねぇ。くすくす。
「……アンタも良いご主人サンに巡り会えたんだ。……今度は幸せになっとくれ」
ご主人サンの目を盗み……、アタシはこっそりと430の頬にキスしてやる。
古い友人へのよしみさね。ま、ご主人サンには目こぼし願おう。
「440。……アンタは幸せにやってるかい……?」
430が言うには、今日ふとした時に再会したらしいが……。
「……アタシらだって、今は幸せになれる時代だろ……。
もう、アタシらの不幸は、ここいらで打ち止めでいいだろう……」
ワンオブサウザンド、なんて、今じゃ野暮ったいだけの言葉さね。
440、アンタがそのしがらみから切り離されてるのを、こっそり願っといてやるよ。
ごしゅじんさまぁああ、と、鼻から一筋のオイルをこぼして笑う430の頭を
軽く一発叩いて……、アタシはご主人サンの元に歩いていく。
「抱っこしとくれ、ご主人サン。ちょいと眠くなっちまったい」
24 名前:小ビス子と430 :2006/11/21(火) 23:12:33.99ID:tolAuVVG
>>前スレ627さん
コレが精一杯でした!!
ギャグにこっそりシリアスを含ませるのは大好きですが、
シリアスメインでやるのは前の番外編で懲りてしまいまして><
話が長く大きくなりすぎるのですよ……。
この話小ビス子出てないー!!><
>>8さん
GJです! 私なんかの話に絵を描いて頂けるとは!
鼻オイル噴きながらやる気を充填させて頂きました!
>>9さん
思い付きで書き始めたので盲点です……、あうあう。
今回蛇足的に、430については「一度タマタマに戻ってる」ってコトに。
この話的にはデバイスZEROというのは、後天的能力の初期化であって、
記憶は残っているものとして扱っておりますが……、
色々細部は脳内補完でお願いします……。
25 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
23:15:09.60ID:gQamOmdW
~あるPMの日記~
AM10:14
出掛ける主人。
今日もお友達と一緒にエンドラム。
AM11:26
「たけーよwwwwww」と言い残しさっさと出て行く客。
PM12:45
主人が昼用に置いていった武器は不味そうだったので売っ払う。
その金でハッピージュースを買う私。
PM1:14
ほろ酔い気分で「ごっつええ感じ」を見る私。
ゴレンジャイ最高。
途中、ショップに誰か来た気がしたがすぐに出て行ったので気にしない。
AM3:22
ニヤニヤしながらオキクドールを買っていく客。
自分のPMにプレゼントすると言う。
PM5:42
満足げに帰ってくる主人。
シャワーを浴び始める主人。
PM5:51
来店する箱。
バンフォトンだけ買って帰る箱。
PM5:58
頃合いを見計らったように来店する男。
寝室に入る男。
シャワールームの目の前にオキクドールを置く男。
最近の流行りはオキクドールらしい。
PM6:07
寝室から凄い悲鳴と凄い物音がする。
バンフォトンを買って逃げ出す男。
PM6:10
ログを見て出て行く主人。
PM8:02
帰って来る主人。
と、引きずられていく箱。
寝室に入る二人。
PM8:15
来店する450。
杖を構え寝室に突入する450。
PM8:17
響く爆音。
寝室から漏れる黒煙。
ニヤニヤしながら覗く男。
店番する私。
~終わり~
後悔はしてない
26 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
23:50:07.66ID:PKhXX2TS
>>1乙
いつからだろう…このAAが
ゴーモンと小ビス子にしか見えなくなったのは…
/´/´ `ヽ :
/ j } .::} ::} :j :
{ ノ:. {_;;ツ、_ノ{⌒'く
/^ヘ、 ヽ :::} プ
./ _、 `≠=-‐‐ '" ル _.. -‐ 、
′⌒ / { プ /´;;:: ヽ
.:: / ル r=~二⌒'ー¬}
.:::: :j} ’ ∠三≠==ミミ三ミ=、
-‐≦ } ; /三アノ( u ヽ、ー `~ヽ
二ニ=ノ , 厶=ア;;⌒〃⌒ヾ`二´
#! _≧ミヽ\ }ヽハ
-‐¬⌒} ’ /二Y;;; {{ 0 }`7´, -‐vi
ノ´ ` ノノ
//:| /^ト、 {
了!i;; Jミ≧=ァ'::{;;/ Ojl c
/´//, // 彡
/〃:/:::/;;;:ヽ }fr!||iilfr,,_..-‐(_ .:)=彡;!
{/〃/// /// し '⌒ヽ
/ /;;;/;;;; ijfr{ |;;/;;/ //^\ UーJ u:::;′o
c ° /{{ー≦{ {{{ / u ヽ}
;;;.... :;;; i|i川ハ{ {::{ { 7rH-x`¬!;;;://
。 rff^h// 彡ノ!{_j ニヽ{ Y }
\;;;;/;;; ijj川ilハ{ ヽ`} アニヽ.`7};;;::; '
_) {/⌒jっノ{" _'_ {_丿,ハ j }
リ はうはう…;;
∨;; ljjj |l|l!;;;ヽ、
(_厂二`U';;;:く J { rー'´ ̄`\{ `)
ーJハリ从从リ
. };; ;;!l| !!ll!;;;::||
`ー=.;;;;::ノノイ/::ヽ、 c ヽ{_`ヽ\ `ーu∩/)、};;;;;;;;;;;/
. /;; ;;ll| il|l|:;;;::|| ::// /;;;;::::/\
〉{ \ハ \ { ´彡ノノノノ
/;;:: ;;l|l jl!l|l;;;:::ll:::// xヘ、;;;;〃::::ノノ>ー-/
` =/ヽ ヽ ハ イ、
./;;:::: ;;;;l|! l||!::;;;;::// / /フ7////ア
-/ ト、\ {∧ }ハ'⌒7
{;;;;::::: ;;;;l|! ヽ>´
/ .:::;;;///イ /::. -/ {辷==-从゙ー′
Y〈 }
j;;;;::::: _;;;ll>'´ / ..:::::" 〃/;;;
〉{::{;;:::... イ /^ ̄__フアハ ノ }ハ
;;; =-‐ \_,.
< .::::;;/;;//^''ー-={_::ヽl:;;;;;:/ \/
/ /ハ ノ }
_,,>''" .::;;/;;/ /
27 名前:名無しオンライン :2006/11/21(火)
23:50:30.41ID:PDriz8rA
>>20
暗いがかっこいいなぁ・・・w
俺の420もこんな風な設定に・・・するだけの力量ねぇよ俺・・・orz
こんなネタを思いつければいけるんだろうがなぁ・・・w
>>25
3回くらい読み直してやっとわかった・・・w
哀れ箱・・・w
28 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
00:41:38.56ID:BY9cujVb
>>13
2コマ目については触れないでくれwwwww
>>15
クソフイタwwwwwww
>>24
話の流れが俺好み過ぎて絵描きたくなっちゃうんですよ本当[゚д゚]
箱の話も、箱がどんなんか頭に浮かべば・・(ノω`゚)
420が出てくるのがすごく楽しみにしてるのは秘密[゚д゚*]
ほかにも単発系の話も面白いのばっかりだからアアアアンって感じ
29 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
00:56:31.77ID:F5uAelHM
>>15
負けないで450
勝って450
450かわいいよ450
>>20
裸眼の頭打ち抜いたとこを脳内描写して(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
・・・・でもそんなパシリもほしいな(ぁ
>>26
ちょwwwwバロスwwwww
とりあえずこの笑い声が外に漏れて無いことを祈る
30 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
00:58:59.09ID:F5uAelHM
すまんsage入れ忘れた orz
31 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
01:19:05.19ID:T5F0clC1
>>24
次はほのぼの小ビス子をたくさん出してくだされ
うん『パシリ』スレだってのは分かってる
(´・ω・)
でもこの話のビス子が好きなんだ
32 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
01:43:20.36ID:wcB4fTMT
>>31
パシリはパートナーが居て初めてパートナーマシナリーなんだぜ
要するに俺も小ビス子が好きだ
33 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
01:48:36.14ID:B4Uw6c4O
>>28
この際箱の容姿はさして重要じゃない
重要なのは箱が箱たりえるその「動き」だと思うんだ
あ、余計絵にしづらくなった・・・
34 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
02:08:33.52ID:BY9cujVb
>>33
あるあるwwwwwwwwwwww
35 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
02:36:24.21ID:W+auNVBI
>>19
がんばる[ `・ω・´]
今回の演劇ネタはほんと突発的に思いついたので(前スレ参照)まるごと投下できなくてスマソ
まあ、クオリティは他の皆に落ちるが、自分と皆の暇潰しになることが楽しいわけだ。
>>28
箱ってどの箱なんだろうw
箱使いとしてちょっと気になったwww
んでもって寝る前に投下。
おやゆび姫のラストはもうちょっと待ってくれ。
36 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
02:39:26.02ID:W+auNVBI
―プラント奪還S
箱「メ、メギゴフッ!」(メギドで死亡)
450「ご、ご主人様っ! ルゥ様、援護をお願いしますっ!」
ルゥ「まったく、メギドくらい避けてください。 はあっ!!」
450「ご主人様! えぇと、ムーンアトマイザーは・・・」
敵全滅
ルゥ「ふぅ… 箱さんの具合はどうですか?」
450「メギドってます」
箱(メギド怖いメギド怖い…)←二人に任せて死亡中
ルゥ「ムーンアトマイザーはないのですか?」
450「(ムッ)私達PMには使用許可が下りていませんから…」←立ち上がる
―以下イメージ
燃え上がる炎
がおー(たぬき@450)
ぎゃおー(きつね@ルゥ)
ルゥ「あらあら、ムーンアトマイザーも使えないのですかパシリ。合成失敗してそれを作るのは得意なのに…ププッ」
450「くっ、ガーディアンズなら知ってるくせにっ! そういう貴女も使ってないじゃないですかっ」
ルゥ「私は最初から持ってないだけです」
450「なっ!? そこまでケチりますかガーディアンズ本部はっ!!」
ルゥ「大体貴女がレスタしないのが問題なのではないのですか? 箱さんも内心泣いているでしょうに…」
450「そ、それは散々ネタにされてるでしょうっ!使いたくても使えないのです!!」
ルゥ「あらあらものは言いようですね。ところで貴女」
450「な、なんですか」
ルゥ「最近ギイガ、テイロ、メイガ、メイガ、メイガと5連敗中だそうですね」
450「な、何故そのことを!!」
ルゥ「箱さんが嘆いておられましたよ… 最近450が冷たいとか、相手してくれないとか(誇張)」
450「う、嘘言わないでください!!相手ならちゃんとしてますっ!この前も大勢の前で緊張しないように練習してましたし!」
ルゥ「それは相手じゃなくて授業でしょう… ププッ、可愛そうな箱さん…やっぱりこの私が…」
450「じゅ、授業でも個人授業ならスキンシップに発展したってこの前パシ通に書いてありましたっ!!」
―イメージ終了
ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」
箱(ふ、ふたりともすかーとでかおのよこにたたないでもらえないでしょうか…っ)
37 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
02:39:54.24ID:wcB4fTMT
思いつき+ノリ+片手間で書いてるからクオリティとか言われると間違いなく下になる俺が居るぜ・・・orz
とりあえずおやゆび姫のラストでは箱がかっこよく活躍してくれるであろう事にwktkしてよう
38 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
02:56:32.60ID:W+auNVBI
>>37
なんかごめん。クオリティは関係ないよな。
大事なのは楽しんで書いて投下してるかどうかだよな。
どうも自分の文章に自信がもてないのでつい言っちまった(´・ω・`)
39 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
03:07:03.93ID:B4Uw6c4O
>>38
IDが携帯電話に関係ありそう
40 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
03:10:13.26ID:wcB4fTMT
>>38
いやいや、純粋にそちらの作品のが上手いと感じただけだから気にしないでくれ
てか自信が無いのは俺も同じなんだ・・・
まあ互いに楽しめてればそれでいいんだけどな
41 名前:新米ママの子育て記 その1 :2006/11/22(水)04:56:34.05
ID:zC5n1clr
ジャジャーン 「・・・・・・・。」
絶句している私の目の前には緑玉になるはずだった青玉が居る。
「何処をどう間違えたら、GH202がGH201になるんですか?」
ちょうど遊びに来ていた私の専属教官所有の450がひとしきりの文句を言う。
「自分がどうやって育てて頂いたか もうお忘れですか?」
忘れる訳は無いだろう。教官の450はきつい事を平気でズカズカと言う。
教官に育てて頂いている意味で私とは姉妹の様なモノだから屈託が無いのだろうが。
「覚えてはいるけどさ・・・・・・」
教官のレシピは覚えてはいるのだが不明な点がある。
ワンドラとカラセンバとセヤギアの服上下とカワライの靴とモノメイトが主で
ウォンドとスタッフとブランドラインとフェイエディスクが時折混ざったレシピで
法撃30防具70のGH450に育ててい頂いた。
ウォンドとブランドラインは私も随分と合成した記憶はある。
店頭販売をしていないワンドラとカラセンバをあんなに大量に何処から入手してきたのか
未だに持って謎である。
今の私の経済状態では、フェイエディスクや服や靴を買い揃える事は出来ず。
遺跡で入手したメイト類、アトマイザー類、スタッフ
ベリー類から合成したジュース(ジュース基板を買うのがやっとです)でPMを育てた結果
打撃-法撃型の青玉になってしまったのだ。
「それにしても人が必死な思いで食事の用意していると言うのに」
「こいつは、少し古いだの微妙な味だのと・・・・・。」
「それはあなたも同じだったのではありませんか?」
「まぁ、それもまた楽しいんだけどね」
「そうそう、今日スケープドールの基板が3枚出たんだけど」
「ここじゃ素材が足りなくて合成できないから教官に渡してくれる?」
「教官はショップでドールを売ってたよね?」
「いつもすみません。主人も喜びます。」
・・・・なんか、今、カチンと来た 教官は私の・・・・。
「どうしたんですか? 急に怖い顔をして?」
「あ・・・いや・・・なんでも・・・・」
450の言葉で正気に戻った。恥ずかしさで赤面しているかもしれない。
私はその場を取り繕うように青玉の食事を再開した。
42 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
07:23:15.55ID:Dw72ePDQ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157960314/
えろぱろ~
流石にほとんど投下ないけど…またパシリネタ投下しておいたので
見たい人だけどうぞ。百合only
43 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
11:49:35.33ID:sgwrEoOH
>>24氏
番外編乙&GJでした。
リクエストに答えちゃうのがまたスゲェw
極道な450好きな俺異端。
台詞がイカスw
これからも頑張ってシリーズ続けて欲しいぜ。
>>36氏
タヌキとキツネカワユスwww
親指姫も楽しみだけど、450VSルウも大好きだぜ!
ここ読むのが最近楽しみだ。
作家さんたちに感謝しつつ、これからもwktkなんだぜ。
44 名前:219 :2006/11/22(水) 12:32:22.81 ID:U/KR+cVN
パシリ通信特別企画
「理想のご主人様・嫌なご主人様ランキング」
理想のご主人様ランキング
3位 イズマ・ルツ
・偉い・美形・実力も有る、パーフェクト(GH-450)
・偉いけど優しそう、仕事の疲れを癒してあげたい(GH-430)
・料理が上手そう(GH-420)
2位 アルフォート・タイラー
・奪われたい(GH-410)
・顔も良いし腕も良いから(GH-450)
・敵には容赦無いが仲間には優しそう(GH-410)
1位 レオジーニョ・サントサ・ベラフォート
・レオ様~~(GH-410)
・この間コルトバサンドくれた、美味しかった(GH-420)
・ナノブラストされたい(GH-430)
・ショボーンしても「また今度頑張ればいいさ」って慰めてくれそう(GH-440)
・キャー、レオ様~~~(GH-450)
45 名前:219(2/3) :2006/11/22(水) 12:33:03.39 ID:U/KR+cVN
嫌なご主人様ランキング
3位 イーサン・ウェーバー
・ショボーンしたら壊されそう(GH-440)
・指名手配されてるし・・・いつかやるとは思ってました(ピート)
・レオ様に迷惑をかけてるから(GH-410)
2位 マヤ・シドウ
・見てるとイライラする(GH-440)
・若いガーディアンズを片っ端から食べてるという噂(GH-450)
・胸なんて飾りです(GH-410)
1位 ヒューガ・ライト
・なんか嫌(GH-410)
・くさい(GH-420)
・生理的にダメ(GH-430)
・良い所が無い(GH-440)
・なぜガーディアンズになれたのか疑問(GH-450)
46 名前:219(3/3) :2006/11/22(水) 12:33:39.15 ID:U/KR+cVN
・・・・・・・・・・・・・・・・・
男 「で、これとモノメイトになったアゲハセンバは何か関係あるのか」
パシリ 「やはりショボーンしても怒らないというのは女性の人気を上げる上で大事では無いかと」
男 「このショボーン関係のコメントはお前か」
パシリ 「いいえ、私以外の440のコメントです、一人一票ですから」
男 「・・・・ていうと、お前は誰に入れたんだ?」
パシリ 「マヤさんです、コメントも使われていました」
男 「この『見てるとイライラする』って奴か」
パシリ 「ええ、とてもイライラします」
男 「・・・・・・・・・・・」
パシリ 「・・・・・・・・・・・」
男 「まぁ・・・・なんだ・・・そのうち大きくなるんじゃ・・・うぼぁ!!!」
パシリ 「大きなお世話です、変態」
・・・・・・・・・・・・・
パシリ 「同様にハルさんもあまり好きではありません」
男 「お・・・?ハルちゃんってそんな胸大きかったっけか?」
パシリ 「・・・・好きな人がデレデレしてたら面白く無いのは当然でしょう・・・」
男 「ぬ?なんだって?」
パシリ 「なんでもありません、とにかく、ご主人様も心を広く持って合成をご利用ください」
男 「・・・また今度頑張ればいいさ」
パシリ 「その調子です」
47 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
14:17:49.76ID:sgwrEoOH
>>46氏
なにげに420の評価基準が全部食い物なのに笑ったw
今日はメンテだったか。
なにげに、また先週みたいにメンテ延長の暇つぶしで、絵やら小説やらの大量投下が来ないかと期待していたり。
不謹慎でスマン…。
48 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
14:43:41.60ID:7/39/5En
ワロスwwwww
ピート自粛しろwwww
49 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
14:54:19.34ID:vkRpcCYq
ヒューガカワイソスwwwwwwwwwwwww
50 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
15:56:35.04ID:TmpY24YS
ヒューガ・・・票入って良かったな。
ストーリーミッションの自キャラ並に空気だからな普段は(つД`)
51 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
15:59:32.75ID:CRmCeJIW
「どうして私も連れて行ってくれなかったのですか?」
「私が初期化、もしくは廃棄される可能性を考えなかったのですか?」
「私はあなたにとってどうでもいい存在ですか?」
「もう二度と会えないのかと思いました」
「私はあなたの・・・、あなただけのパートナーなんです」
「・・・なんて言うと思いましたか?」
「あなたみたいなマスターを持ってしまった私はグラール一不幸なPMです」
「でも、どうせ私がいないとダメなんでしょうね」
「仕方ないのでついていってあげますよ」
「だから、二度と私を置いていったりしないでください」
『おい、お前のマシーナリーって・・・、その、なんだ』
『悪くはないんだが、変わってるな・・・』
(PMに脅威を感じるなんて、私は馬鹿か)
(どうかしてる・・・と言いたいが、なんだこの嫌な予感は)
52 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
16:35:54.36ID:M6QZ4LUk
このすれ見てたらいつの間にやら最小サイズビス子たれ耳付をつくりたくなったのだが
どうすればいい
53 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
16:37:11.72ID:QwZSkztg
>>52
最近3人見かけた
何れも低LVだった
54 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
16:40:32.30ID:GwAPBdhv
まず最初に、勝手にキャラ借りてスマンかった
55 名前:あるGH410の話 1/8 :2006/11/22(水) 16:41:46.17ID:GwAPBdhv
私はGH410、とあるガーディアンのパートナーマシナリーをしています。
最近、合成に合成を重ねてきたせいか倉庫がきつくなってきたので
マイルームショップを開き、一気に処理してしまおうと言う話になりました。
今、正にショップオープンをしたばっかりです。
主人「さーて、まずは何を売ろうかね」
410「せっかくの店開きですから、記念サービスなんてどうですか?」
主人「じゃあ、適当に作ったこのパノンとラプチャでも並べてみるか」
ご主人様はそう言いながら、広告文を書き込みました。
私はパノン、ラプチャオブジェをショップ側のナノトランサーに準備をしていると
ドアが開くと共に、早速お客様第1号が来店しました。
410 「いらっしゃいませー」
箱 「あ、ご丁寧にどうも…」
お客様第1号の青いキャストさんは私がお辞儀をすると、お辞儀で返してくれました。
ヘルメットタイプだけど、何だかとても気弱そうなキャストさんです。
頭を上げるとキャストさんは、申し訳なさそうな声で聞いてきました。
箱 「あの、ラプチャとパノンオブジェ、おいくらでしょうか?」
主人「開店したばかりだから言い値で構わんぞ、何せまだ並べてもいない」
箱
「え、本当ですか!?でもそれって、何か悪いような…」
410「早速来て下さったのですから、お気になさらずにどうぞ!」
箱 「そ、そうですか…それじゃお言葉に甘えて」
??? 「ご主人様」
突然の謎の声に、キャストさんはギョッとして後ろを恐る恐る振り返っていました。
私達もその声がした方向を見ると、そこには腕組みをした450さんがいました。
56 名前:あるGH410の話 2/8 :2006/11/22(水) 16:42:30.16ID:GwAPBdhv
450 「ご主人様、ただでさえ収入が少ないのですから
無駄遣いは控えて下さいと以前仰いませんでしたか?」
箱 「ご、ごめんなさい…」
450さんはそのまま、お説教をその場で繰り広げました。
圧倒的に背の高いキャストさんがペコペコ頭を下げる光景は、とても不思議です。
私とご主人様がそれを眺めていると、450さんがこちらに振り返りました。
450「すみません、そういう事情がありますのでこの話は…」
主人「無かった事にしておく」
450 「本当に申し訳ありませんでした」
410 「いえいえ、またお越しくださいませ~」
450 「ほら、行きますよご主人様」
箱 「は、はい…せっかくのラプチャとパノンが…」
キャストさんは450さんに引っ張られ、トボトボと帰って行きました。
その場に取り残された私とご主人様は、しばらくドアの方を見つめていました。
主人「マシナリーに窘められる奴の話は聞いた事があるが、あそこまでとはな」
410 「何だか、立場逆転してますよね…」
私達は気を取り直して、別の物を並べる事にしました。
一番最初にお話した、ハンゾウを大量生産した時に出来た微属性品を
他の店では見ることも出来ない格安値段で並べて、広告文を新調です。
すると今度は、420さんがお店にやってきました。
57 名前:あるGH410の話 3/8 :2006/11/22(水) 16:43:15.83ID:GwAPBdhv
410 「いらっしゃいませー」
420 「こんちはー、ハンゾウあるー?」
410 「はいっ、微属性だけど格安で置いてありますよ」
420 「おお~、この値段なら買える!」
420さんは属性値をそっちのけでハンゾウを購入しました。
410 「ありがとうございましたー…って、ああ!?」
420「モギモギ…ん~やっぱりA武器はンまぁーーいっ!
最近ご主人様が古いのしかくれないから格別ゥ!」
420さんは買ったばかりのハンゾウを、躊躇いなくその場で食べ始めました。
あまりに豪快なその姿に、流石に私とご主人様もあーんぐりです。
420「ごちそうさまー、値段はこの人にツケといてねー」
410 「え、あ、ちょっと!」
主人「オイ、ちょっと待て!」
420さんは私達の静止の声を聞かずに、パートナーカードをポイっと投げて帰って行きました。
そのパートナーカードは、とある男性ガーディアンズさんの物に間違いありませんでした。
410 「…どうしましょう、ご主人様?」
主人「ツケろと言われても買った時点で清算済みだから、問題ないだろ」
そんな事を話していると、突然男の人が息を切らしながら駆け込んで来ました。
58 名前:あるGH410の話 4/8 :2006/11/22(水) 16:44:15.20ID:GwAPBdhv
男
「す、すいません!ここに俺の420が来ませんでしたか!?」
主人「420ならハンゾウ買って帰った、値段ツケとけとな」
男 「え…おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
俺の全財産がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
どうやらこの人が、さっきの420さんのご主人様のようです。
勝手に使われたお金を確認すると、雄叫びを上げてその場に倒れ込みました。
410 「あ、あの~…大丈夫ですか?」
男 「ウフフフフフフ…これでまたペロリーメイトの日々じゃぁぁぁぁ!!!!」
420さんのご主人様は涙を流し、笑いながら走り去って行きました…。
またも、私とご主人様がその場に取り残されます。
410 「な、なんだか悪い事しちゃいましたね…」
主人「マシナリーの地位が向上しているという話は聞いたが…」
プシュー
ハンゾウが売り切れてしまい、何も残っていないのにドアが開きました。
今度のお客様は430さん、またしてもマシナリーのお客様です。
410 「あ、ごめんなさいー。売り切れちゃいました」
430 「すいません、ドアロックして下さい!」
主人「あ?」
430 「急いでください、一刻を争います!」
430さんはとても必死な顔で私達に迫ります。
私はご主人様に目で合図をされ、急いでドアをロックしました。
追われているのかと思い、私達が武器を何時でも取り出せるようにすると
ドアをコンコンとノックする音が鳴りました。
59 名前:あるGH410の話 5/8 :2006/11/22(水) 16:45:03.23ID:GwAPBdhv
??? 「すいません~、開けて下さい~」
430 「(開けちゃダメです、このままで!)」
430さんは小声で私達に言います。
只事ではないと思い、私達は武器を取り出して身構えました。
??? 「お願いです~、開けて下さい~…」
ドアから聞こえてくる声は、とても気弱そうな小さい声でした。
追われているにしては変だなと思い、430さんの方を見てみると…。
そこには鼻から黒い液体、口からよだれをだべら~と垂れ流している430さんがいました…。
2人 「!!!???」
430 「(あぁ~、この泣きそうな声、たまらん!!)」
??? 「あけてください~…グスッ」
とても悲惨そうな声がドアから聞こえてくると同時に
430さんの顔はどんどん歪み、黒い液体とよだれの量が倍増していきました。
430
「(ああ、もう辛抱たまらん!!しかしここは堪え時よ430!!
ここでグッと堪えてこそ、至高の悦びがそこに待って…)」
主人「オイ」
60 名前:あるGH410の話 6/8 :2006/11/22(水) 16:46:11.17ID:GwAPBdhv
430さんはご主人様の声に気付き、こちらに振り返りました。
黒い液体とよだれが混ざったその姿は、もう言葉に表せない程に悲惨です。
430 「あ、申し訳ありません。床汚しちゃって」
410「いいから止めてください、滝のよーに流れてます」
主人「何をしている」
430 「何って、ご主人様の可愛い…ッハ!?」
??? 「430? やっぱりここにいるんですよね?
すいません、おねがいですからあけてください~」
430 「気付かれてしまいましたか…。
けどまだ大丈夫、ここで出て行かなければ更に不安を煽りそこには…」
主人「………」
ご主人様はナノトランサーからハリセンを取り出しました。
そしてリモコンでドアロックを解除し、ドアが自動的に開くと同時に…
スパパーン
430さんをご丁寧にライジングストライクでドアの方に吹き飛ばしました。
黒い液体を噴出しながら430さんが吹っ飛び、ドアの向こうの壁に叩きつけられました。
ドアが閉まると、先程までの気弱な声が更に悲惨になって聞こえてきました。
主人「…変な客ばかりだ」
410 「…わ、これオイルですよ!?」
主人「何ィ!? 掃除だ、すぐ掃除!!」
私達は再度ドアをロックして、ショップスペースの大掃除をする羽目になりました…。
61 名前:あるGH410の話 7/8 :2006/11/22(水) 16:47:27.56ID:GwAPBdhv
ショップスペースの大掃除が終わり、私達は今度こそ気を取り直して
新しい物を商品棚に陳列する事にしました。
主人「今度は昔、洒落で作ったスケドのプレゼントを50で置いてみるか」
そして、どれかに新発売の幻視の巫女写真集が入っていると広告文に書いてみる」
410 「ご主人様、それじゃ立派な詐欺ですよ!」
主人「冗談だ、ささやかなプレゼントと書いておく」
プシュー。
ご主人様が広告文を訂正しようとする前に、またドアが開きました。
そこには血眼になり、背後に炎を燃やす男の人が立っていました。
410 「あ、い、いらっしゃいませ」
男 「そのプレゼントは何処だァ!?」
410 「は、はい、これになります…」
私はその気迫に圧倒されてしまい、写真集なんか入ってもいない
ささやかなプレゼント数個を差し出しました。
主人「オイ、あの広告文はジョークで…」
男
「おっと黙っていてくれ!今俺のセンサーを全力にしている所だ!
これが怪しい…いや、これも捨て難い…おのれ孔明、石兵八陣の計か!」
ご主人様の忠告そっちのけで、訳のわからない事を言っていると
その男の人はくわっと目を見開き、1つのプレゼントを指差しました。
男 「よぉぉぉぉし、君に決めたああべし!!??」
62 名前:あるGH410の話 8/8 :2006/11/22(水) 16:48:32.11ID:GwAPBdhv
男の人は突然の後ろからの発砲で吹き飛ばされ、カウンターにつんのめりになりました。
ドアの側には、シッガ・アムザを構えて怖い顔をしている440さんがいました。
440さんはシッガ・アムザをしまって私達の方を向き、ぺこりと頭を下げました。
440 「すいませんでした、この変態がお騒がせして」
主人「…いや、元はと言えば俺のせいだと思うし気にしないでくれ」
440 「それでは失礼します、よいしょっと」
440さんは感電して身動きの取れない男の人を引き摺り、部屋を後にしました。
変なお客様ばかり来る中、私とご主人様には共通の思いが生まれていました。
主人「410さん」
410 「ご主人様」
主人「どうやら俺達は店を開かない方がいいようだ」
410 「いいようです」
私達のショップは、開店したその日から閉店となり、二度とオープンしない事になりました。
何より、疲れた…。
63 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:18:52.18ID:pFvwBS5+
>>62
ものっそいうけたwwwwwwwww面白かったです[゚д゚]
64 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:24:25.60ID:aCk2g1E3
うはwww変態wwwww何やってんだwwww
GJです b
65 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:24:31.11ID:W+auNVBI
今北。延長なかったのか…ツマンネw
仕方ないからメンテ中に書いた演劇編のラスト投下。
一部の御期待にお答えして箱頑張った!
>>62
クソワロタwwwww またオープンしてくれwww
66 名前:箱と450と親指姫(1/5) :2006/11/22(水)
17:25:57.98ID:W+auNVBI
―数時間後―
コロニーのショッピングモールをツカツカと歩く450。
その表情は…相当不機嫌であった。
その後を所在なさげについてくる箱。
「あのぉ…」
この空気に我慢できず、箱が声をかける。
「なんですか?」
顔だけでじろりと箱を見て、450が答える。ああ、不機嫌極まりない声…
「ご、ごめんなさい… 変な依頼受けちゃって…」
「別に気にしてませんっ!」
ぷいとまた正面を向きなおして歩き始める。
「あうあう…」
うろたえる箱。
確かにこんな依頼を受けてきたこと自体には450は怒ってはいなかった。
むしろ彼女の怒りどころは、箱をカエル役にしたスタッフと、変態王子、
そして貞操の危機(?)の時に助けてくれなかった箱に対して向けられていた。
「ごめんなさい……」
また謝る箱。
「謝って頂かなくても結構です」
歩きながら箱のほうを見ずに答える450。
「あう… ねえ、どうしたら許してくれるの?」
「…」
箱の問に、450の足が止まった。
「ご主人様」
相変わらず正面を見たままの450。
「は、はいっ!」
「ご主人様は最後のシーンの時、どこにいらっしゃったのですか?」
67 名前:箱と450と親指姫(2/5) :2006/11/22(水)
17:27:00.44ID:W+auNVBI
「最後のシーン?」
まるで理解していない箱。
「…キ…」
「キ?」
「キ、キスされそうになった時ですっ!」
450が振り向いて、怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして言う。
「あ、え、えと、あの、その……」
「言えないんですかっ!?」
つい語気を強める450。
「あ、うあ、その…」
「言えないところなんですか?」
しかしすぐにクールな口調になるあたり流石450だ。
「ち、ちが…」
「じゃあどこなんですか?仰ってみてください」
ずいと迫る450。
「えっと…その…」
「仰ってみてください。さん、はい」
「……舞台裏です…」
しょんぼりとする箱。
「私が、あんな物体にキ…キスされそうになってるときにそんなところにいたんですか」
『キス』の部分の声がちょっと裏返る。
「…ごめんなさい…」
心底申し訳なさそうにする箱。
流石に450もだんだん可愛そうになってきた。
「……別に、いいですけど。うやむやになりましたし」
「ごめんなさい…」
と、ふと450が思いつく。
「……先ほど、『どうすれば許してくれるか』と仰いましたよね」
ちょっと意味深な表情で尋ねる450。
そんなことを気付きもせず、許してくれそうな雰囲気にちょっと嬉しそうに顔をあげる箱。
「う、うん。言った。言ったよ!」
68 名前:箱と450と親指姫(3/5) :2006/11/22(水)
17:27:43.33ID:W+auNVBI
「じゃあ、今度お買い物に連れて行ってください」
「う、うん!」
「その後お食事に連れて行ってください」
「うんうん!!」
「その後、映画に行きたいです」
「うんうんうん!!」
「必要経費は全額ご主人様のお小遣いから出しますよ」
「うんうんうn… え、ぼ、僕の!?」
「嫌なんですか?」
ちょっと身体を斜めにして拗ねたように箱を見る450。
箱は……渋々答える。
「……倫理的におkです…」
「ふふ」
450が少し微笑む。しかし当分お小遣い天引き宣告を喰らった箱はそれに気付きもしない。
と、450が何かを思い出す。
「………そういえばご主人様、何か忘れてませんか?」
「え?」
ぽかーんとして答える箱。
「ほら、先ほどの劇に関してです」
思い出した。そういえば箱からおやゆび姫に扮した自分の感想をなにも聞いていない。
「劇?劇のことで?」
「はい。よーく思い出してみてください。何かあるでしょう?」
(べ、別に「綺麗だったよ(声色)」とか言って欲しいわけじゃないですけどっ!
でもちょっと感想聞いてみたかったりみたくなかったり…)
やはり450も女性なのだろうか。そういうところが気になるらしい。
「なんだろう?何かあったっけ?」
が、そういうのに極めて鈍感なのが箱なのだ。
(あーもう、早く思い出してくださいっ!ここ、結構人通りもあるんですから!)
そんな450の祈りが通じたのか、ついに箱が動いた。
「ああー、はいはい。あれね!」
手をポンと叩く箱。
(そうそう、それそれ!)
期待に目を輝かせる450。
69 名前:箱と450と親指姫(4/5) :2006/11/22(水)
17:29:03.50ID:W+auNVBI
「ほんと照明が450に当たらなくてよかったよね」
にこにこして450の頭を撫でる箱。がくーんとくる450。
(まあ、私を心配してくれてくれてるみたいだから100万歩ゆずってよしとしてあげます…)
一応満足はした450。うんうん、箱も進歩してるようだ。
「でも…王子さんには悪いことしちゃったなあ… 痛そうだったし…」
と、申し訳なさそうな顔をする箱。
(あんなの心配しなくていいんです… …え?)
450がふと気付いた。
「あの、今なんて?」
「え? 何?」
急な質問にちょっと驚く箱。
「今、悪いことしたとか…」
「え? あ、しまった…」
慌てて口を抑える箱。しかしもう手遅れ。
「も、もしかしてあの照明って事故で落ちたんじゃなくて…」
驚きの表情で箱を見る450。
「あー、そのー、なんというか… 内緒だよ?」
人差し指を立てて、シーッとする箱。
驚きと、嬉しさ、意外さ、etc そんな感情が混ざり合い、腰が砕けてその場にへたり込む450。
つい、目尻に涙が溜まってしまう。彼女の嬉しさが、実体となって溢れたのだ。
「あ、ちょ、450? ごめん、怒っちゃった? 450に当たらないようにはしたから許してっ!!」
それを見て慌ててしゃがみこんで手を合わせて謝る箱。
「あ、ち、違います。怒ってません。怒ってませんから…」
慌てて目尻をこする450。
「馬鹿…ほんと馬鹿なんですから…」誰にも聞こえなさそうな、小さな小さな声で呟く。
70 名前:箱と450と親指姫(5/5) :2006/11/22(水)
17:29:17.54ID:W+auNVBI
もう、450のココロには嬉しさしかなかった。
お買い物はなるべく安いものにしよう… 食事はオープンカフェで安めに…
この箱さえ居てくれたら、自分は幸せなんだと思う450。
拭いた目尻がまた湿り始めた。
「じゃ、じゃあ、帰ろっか?」
立ち上がる箱。それに続けて立とうとする450。しかし…
「あ…」
脚と腰に力が入らない。
「どうしたの?」
「ぐす…申し訳ありません、駆動系の調子がよくないみたいです」
すまなさそうな苦笑い気味の笑顔。動けないのに、妙に嬉しそうだ。
「え?大丈夫? 運んでいってあげようか?」
存外に訪れた幸運。そういえば今日は大星霊だっけ…
たまにはご主人様に抱き上げてもらうのも悪くない。
贅沢を言えば、劇の時にしてもらえなかったお姫様抱っこがいい。
しかし、箱にそこまでの贅沢を言うのは酷だ。
「…はい。お願いします」
手を差し出してご主人様に抱き上げてもらうのを待つ450。
マイルームまでの距離はそれほどない。でも、それまでの間、存分に甘えよう。
久しぶりに、450は幸せを感じていた。
71 名前:箱と450と親指姫END :2006/11/22(水) 17:30:28.85ID:W+auNVBI
ひょいっ
450を小脇に抱える箱。
「へ?」
450は何が起こったのか理解できていない。
「じゃあ、いこっか」
にっこりと右腕に抱えた450を見下ろして微笑む箱。
「………………………………………」
嬉しさが、怒りに変わるとき、
その爆発力が相当のものだということを箱が知るのは、ほんの数日後であった。
72 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:32:46.67ID:W+auNVBI
ということで長々とぶつ切りに投下した演劇編はこれでおしまいです。
wktkしてくれた方、乙でしたw
73 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:39:49.44ID:SVHd1m3r
ちょ・・・・・・・・
5/5で終りかと思ったらそんな落ちがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
GJ!!!!!!
つか、450哀れ…
74 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:44:15.62ID:aCk2g1E3
>>72
GJ
箱かわいいよ箱
75 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:46:01.30ID:mRLd8v4y
>>55
オールスターものGJ!
ネタが思いつかなかった変態&440を出すとは見事。
76 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
17:49:49.05ID:C3WsUWXQ
>>72
そこでそう来るか・・・w
ともあれGJ
77 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
18:01:55.57ID:7cAznzNj
>>72 お疲れ様でした。
最後の450を小脇に抱えるだけの体格がある箱と
親指姫に求婚するカエル役の箱を想像して・・・・GJ。
(確か・・・でかいカエルって小動物も食ったよなぁ)
78 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
18:50:59.24ID:3/u5w6tv
>>72
箱がいいところ見せてくれた!
…でもやっぱり箱は箱だった
まぁ、とりあえず投下
79 名前:440もの1/3 :2006/11/22(水) 18:52:54.03 ID:3/u5w6tv
<最終進化完了>
440「お陰さまでここまで成長することが出来ました」
主人 「……話には聞いていたけど…正直大したものね…」
<3日経過>
440「マスタ~、マスタ~どこなの~」
主人 「はぁ、困った子ねぇ。この調子で大丈夫なのかしら…」
<35日経過>
440「見てください!アゲハセンバ完成しました!!」
主人 「へぇ、やるじゃない」
<98日経過>
440「マスター?お洋服にお金をかけるのもほどほどにしてください」
主人 「う…、ちゃんとこのあとシールドラインを…」
440「すぐばれる嘘はやめることです。まずは装備品からでしょう?オシャレもいいですが、命あってこそです」
<257日経過>
主人 「…ってわけでね、また振っちゃった」
440「またですか?確かこれで九人目になりますよ」
主人 「あら?じゃあ後一人で10機撃墜ってところ?頑張らなきゃね」
440「…頑張るようなことではないでしょう」
440「今回の方は腕の方も中々でしたし、何より真面目そうでした。悪くなかったと思いますが」
主人 「へぇ~、あなたが褒めるほどとはね。それは惜しいことをしたわ」
440「あの、マスター」
主人 「何かしら?」
440「…マスターはどうして誰ともお付き合いなさらないのですか?」
主人 「あら?気になる?気になるの?」
440「自分のマスターについて、どんな細かい情報でも知っておくことはPMの大事な仕事ですから」
主人 「仕事ぉ?なら教えな~い。そんなつまらない理由で知りたいのなら教えな~い」
440「……分かりました。仕事ではありません。個人的に興味があるからです」
主人 「うんうん。そういうことなら教えてあげる。ってわけで、うっふ~ん、こっちへいらっしゃ~い」
440「ベッドで手招きされても…。私は一応女ですし…よいしょっと。ではお話してくれますね?」
主人 「ええ。少し長くなるかもしれないわ…それでもいい?」
440「かまいません」
主人 「どこから話せばいいかしら…そうね…」
80 名前:440もの2/3 :2006/11/22(水) 18:54:01.32 ID:3/u5w6tv
主人 「私が物心ついたときには、母さんしか居なかったわ。父さんに関しては顔すら知らない」
主人 「母さんはガーディアンズだった。それなりに腕もよかったらしくて、私一人楽に食わせるくらいには稼いでたみたい」
主人 「あなたも分かってると思うけど、この仕事って危険よね、場合によっては命に関わるくらいに」
主人 「でも母さんは逆にね、そのスリル無しでは生きられなくなっちゃったらしいの。ふざけた話よ全く」
主人 「お陰で私は家ではいつも一人ぼっち。母さんは一度も帰ってきてくれたことなんて無かったから」
主人 「私は母さんが嫌いだった。当然よね、娘をいつも一人ぼっちにするような母親なんだから」
主人 「だからこそ、私もガーディアンズを目指すようになった。ガーディアンズになれば母さんに会える、そう思って」
主人 「会って一言、ううん、沢山文句を言ってやるつもりだった。……でも、でもね…」
主人 「私が新人研修を終えて、必死に頑張り続けて、ようやく追いつけるって思った頃、……母さん、死んじゃった」
主人 「結局、私に文句の一つも言わせてくれないまま…ね」
440「……」
主人 「もう、そんな顔しないの。私は平気。全然大丈夫なんだから」
主人 「…私には幼馴染の男の子が居てね、彼は私のことが昔から好きだったみたい」
主人 「母さんが死んじゃって、進むべき道をなくして、塞ぎこんでいた私に彼は言ったわ」
主人 「「今度は追いかけるんじゃなくて、僕と一緒にゆっくり歩んでいかないか」って」
主人 「まぁ、早い話がプロポーズね。私はOKしたわ」
主人 「私がガーディアンズになった後も、ずっと気にかけていてくれたことが素直に嬉しかったから」
主人 「結婚して、子供が生まれて………」
440「マスター…お子様がいらしたんですか!?」
主人 「ふふ、知らなかったでしょ?…………でもね、結局は思い知らされたわ。私は母さんの子だって」
主人 「どうやっても忘れられないのよ。戦闘のスリルを、自分の命が危険にさらされるあの興奮を」
主人 「結局私は旦那と子供を捨てて、ガーディアンズへと戻ったわ」
主人 「…彼はね、すごく素敵な人だった。少し頼りなかったけど、涙が出そうなくらい優しい人だった…」
主人 「…それなのに…それなのに、ダメだった」
主人 「…わかる?私には普通の暮らしは無理なの。母さんの子である私には、母さんと同じ生き方しか出来ないの」
440「……そういうわけ、だったんですか」
主人 「…………」
440「……あの、マスター」
主人 「…何かしら?」
440「私は、ずっとマスターの側に居ますよ」
81 名前:440もの3/3 :2006/11/22(水) 18:54:43.87 ID:3/u5w6tv
主人 「…………」
440「私は戦闘用マシーナリーとしての機能もあります。戦場にだってご一緒できます」
主人 「…………」
440「たとえ地獄の底までだって、お供しますよ」
主人 「……ふふ、ありがとう。でもあなたに地獄は似合わないわ」
440「なぜですか?」
主人 「だってあなたは天使だもの。地獄に天使なんておかしいでしょ?」
440「ご、ご冗談を…。私は天使なんかじゃ…」
主人 「ううん、天使よ。可愛い可愛い私の天使」
440「も、もう…何を言い出すのかと思えば…」
主人 「だから地獄だなんて言っちゃダメ。わかった?」
440「…はい」
440「……あの、マスターの髪の毛、綺麗ですよね。銀色で…色々な色に光って見えて…」
主人 「うふ、ありがとう。ちょっと触ってみる?」
440「…はい。やっぱり綺麗です…。私も同じ色がよかったなぁ…」
主人 「そんなことは無いわよ。あなたにはその髪が一番良く似合っているわ」
440「そうでしょうか?」
主人 「私の言うことが信じられない?」
440「マスター、結構嘘つきですから」
主人 「あ、酷いなぁ」
440「でも、今回は信じます」
主人 「うんうん、それでよし」
主人 「あなたって普段はしっかりしてるのに、ベッドの中では可愛いわよね」
440「…その言い方、ちょっと卑猥です」
主人 「ふふ、本当のことなんだけどね」
主人 「そろそろ寝ましょうか」
440「はい」
主人 「おやすみなさい、440」
440「おやすみなさい、マスター」
主人 「…おやすみ、私の可愛い天使」
82 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
19:14:56.91ID:TmpY24YS
>>71
頭部だけはシャレにならんので勘弁してやってください・・・。
83 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
20:54:24.80ID:N5qTm8E7
箱が箱たりえる動――――無理wwwwwwww
気が付いたら>>69を描いてた訳で(ttp://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu1096.jpg
つか気が付いたら俺も無断でキャラと話利用してた事に気づく。
でもまぁ、いいよな?な?
ここは本当描きたくなるネタがよりどりみどりだから困る
84 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
20:56:37.09ID:UlvbELP2
>>83
全俺が萌えた
GJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!
85 名前:10の続き 1/3 :2006/11/22(水) 21:16:33.00 ID:TTSGV9rB
「ただいまー…っと」
大体いつもご主人様はこの位の時間に帰ってくる。
その時間、私はショップの番をしているので、帰ってくるといきなり顔を合わせる。
と言っても、ヒューマンの男性としてはかなり大きいご主人様と
小さな私では、いきなり目線が一致する言う事は希なのだが。
「おかえりなさいませ」
いつもの挨拶。
だが――
「ん?どうしたんだ440、帽子を取っているなんて珍しいな」
そう、今日の私は帽子を被らず、両手で胸の前に持っていた。
「…はい……その……」
私は思わず目を伏せる。
最近はどうも廃れつつあるようだが、ヒューマンの古来の文化として、
相手に挨拶をするなど礼儀を重んじる時は帽子は取るべきだ、と言う物があるらしい。
だから私もそれに従ってみた。
……とりあえずそう説明したかったのだが…
「えっと……申し訳ありません…」
いきなり謝ってしまった。思考が正常に働かない。
「え…どうした、何かあったのか?」
ご主人様が片膝を付き、私と顔の高さを合わせる。
私は一度下げてしまった視線を何とかご主人様に向け直す。
(参考:前スレ>>334 http://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu0949.jpg)
ご主人様の表情は少し心配そうで…当たり前だ…いきなり謝られれば誰だってそうなるだろう…
説明…しないと……何から…
86 名前:10の続き 2/3 :2006/11/22(水) 21:16:52.12 ID:TTSGV9rB
「その…私、戦闘でも役に立ちませんし…」
いきなり随分飛んだ部分から話してしまった。
頭の中で順序立てると言う事が出来ない。
ご主人様の顔を見ることが出来ない……
「いや、そんな事は」
ご主人様が咄嗟に反論してくれる。
でも、嬉しいと感じるより先に、私は次の言葉を発する。
「ショップでにこやかにする事も出来ませんし…」
「きちんと相手が出来れば充分だよ」
また、ご主人様は即答してくれた。
しかし私は続ける。
「合成も失敗ばかりです…」
「……。…でも、頑張っているじゃないか」
「…失敗は失敗です…お金も…無くなりました…」
今…ご主人様は明らかに言葉に詰まった。
そう、合成失敗は紛れもない事実だ。
事実だからこそ、その一瞬の間が生まれたのだろう。
返答をしながらそれを解釈し、私の感情が暴走しそうになる。
だめ…ここで感情に流されたらただのだだっ子…
「…一体どうしたんだ…何かあったのか……?」
ご主人様が本当に心配そうに問いかけてくる…
「……」
言葉が出ない…
「何かあったなら、良かったら話してくれないか…?」
とにかく…答えないと…落ち着いて。
「………ご主人様…最近……」
…下を向いて、一つずつ、言葉を押し出す。
「何処にも連れて…行ってくれないじゃないですか…」
しかし…自分の言葉が引き金になってしまった。
「だから…わたし…ごしゅじんさまにきらわれてしまったのではと……しんぱい…で…」
頬を何かが伝うのを感じた。泣きたくなんて…なかったのに……
おちついてまじめに…きちんとあやまって……
これじゃもっときらわれ……
87 名前:10の続き 3/4 :2006/11/22(水) 21:20:25.27 ID:TTSGV9rB
不意に、頭の上に何かが載るのを感じた。
大きくて暖かい何か……
ゆっくりと私の頭の上を動いている。
そうか、これはご主人様の手だ。
以前一度だけ手を繋いだことがある。私とは比べ物にならない、大きな大きな手。
これが『撫でる』って奴なのかな…いつも帽子だから初めて……
暖かさが、そしてそこから感じられる優しさが、とても心地よい……
「……ごめんな…俺は昔からどうしても、何かを始めると極端になってしまう性格なんだ。」
そのまま、ご主人様が申し訳なさそうな口調で言う。
「……」
「今回も、考えてみればちょっとやりすぎた。…お前のことも考えず。」
「……いえ…」
何だろう、あれほどまでに感情を支配していた不安が薄れていく…
「でも、決してお前のことを嫌いになったりはしていないんだ。」
「………はい…」
暖かい安心感が不安を消していく…
「…だが…この性格だと、もしかすると、またこう言う事もあるかもしれない。勿論努力はするが…」
「…いえ……いえ」
それに反して涙が勢いを増す…
「その時は…」
「いえ…もう……大丈夫です…」
そう言って私は、目の前のご主人様に倒れかかる。
ぽふっ、と服がぶつかる音がした。
「そうか……」
ご主人様はそのまま優しく抱きしめてくれた。
…暖かい。
「ありがとう…ございます」
88 名前:10の続き 4/4 :2006/11/22(水) 21:20:51.01 ID:TTSGV9rB
――その後、暫くは私をこまめに連れ出してくれたご主人様だったが、
結局本人の予告通り、最近ではまとまった期間に渡って私を呼んでくれない事も珍しくない。
こういう時、大抵は、あの時も原因になった『パーティミッション』とやらでまとめてお金を稼いでいるようだ。
(そう、あの時、ご主人様は私の失敗した分の損害を補おうとしてくれていたのだ…)
どうやらシティから直接受けられるらしい。道中の突破ミッションがないのも当たり前だ。
……正直、ブルースさんがちょっと憎い。
でも、もう大丈夫。
あの時強力な安心感を感じた御陰か、私の感情回路は相当安定したらしい。
ちょっとやそっとの期間で強い不安を感じると言うことなくなった。
ご主人様が笑顔で帰ってきてくれる、それだけで大丈夫。
…ま、たまに帽子を取って帰りを待ってみたりもするけど、ね。
マシナリーと主人の付き合い方は十人十色。
でも、皆さんも、たまには貴方のパートナーを、安心させてあげて下さいね。
89 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
21:21:39.73ID:TTSGV9rB
上手くまとまらねぇ…難しいなorz
前スレ>>334さん、こんな作品で勝手に引用してしまって申し訳ない。
余りにもツボだったのでどうしても頭の中に浮かんで…。
(ストレートに『あの……私を撫でていただけませんか…』とかも言わせてみたかったなぁ)
お目汚し失礼した。では440と出掛けてくる。
90 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
21:26:44.13ID:8949KgsV
>>89
こんな440だったら撫でて撫でて撫でまくるwwwwww
防具失敗しても許すw
91 名前:小ビス子と430 1 :2006/11/22(水)
21:27:49.44ID:7E40FGH+
ニューデイズの街並みを飾る街路樹は、すっかり紅葉の赤に彩られていた。
商店街の通りを人の流れに沿って歩きながら、私はふうと息を吐く。丁度舞い落ちてきた紅葉の
一葉がくるりと舞って、またどこかへ流れていった。うん、雅です。
「綺麗ですね、ご主人様。……この葉っぱは何という植物なのですか?」
「綺麗ですねぇ、430――わぷ、あぅ、ご、ごめんなさぃ……、わたたた、
ええとですね、この葉っぱは……、はぷっ! はうはう、すみませんー! あわわ、
モミジと言って……、ひぅっ! ぶつかってごめんなさいぃいい……」
「風流」という言葉を堪能しつつ歩く私とは対照的に、ご主人様は大変なことになっている。
別に何か変わったことをしているわけではないのですが、不器用なご主人様にとっては、
「人混みの中を歩く」というのはとても大変なことのようです。
あっちでどしん、こっちでぼすん、はうはう言いながら謝っては、私と並んで歩きながら
会話を続けようとして……、またぶつかる。そしてまた謝る。
「……ひぅ、ひぅう、430ぅ……」
耳をぺたんこにして、ご主人様は間の空いてしまった私の元に小走りに寄ってくる。
小さなお体でトテトテと。あ、またぶつかった。また謝ってる。
――たまんねぇ……ェッ!
私がちょっと意地悪して足早に進んでるのにも気付いてねぇっ!!
愛しの小ビーストご主人様。そう、この方は私のご主人様。
それはつまり! この思わずかっ攫いたくなるようなファンタジスタは私のモノ!
しかもあれで二十歳! フラグさえ立てれば何しても倫理的におk!
(ああ神様。思えば随分アンタにゃ唾吐いたもんだけど、
今はアンタの頭を撫でくり回してやりてぇと思ってるよ……)
「……何もこんな人混みを歩かれなくても。大丈夫ですか?」
やっと追い付いてきたご主人様に、私は思わず苦笑する。……そして、さりげなぁく
おててを握る。ふはははははー! しあわせー!
「で、でもですね、430…。メインストリートの紅葉はとても綺麗なのです。
いっぱい賑やかで楽しいところですし、……はう、430を連れてきてあげたかったのです」
散々人にぶつかってきた罪悪感があるのか、ちょっと困ったような顔の上に、
それでも一生懸命の笑顔を浮かべて言うご主人様……。
「喜んでくれたら、嬉しいな、って。…はうはぅ」
ああ……、ああん、もう、もぉう……
……ぶばっ
鼻から吹き上がったオイルが、モミジの舞う空に綺麗なアーチを描き……、
一帯は一時騒然となりました。
* * * *
「わぁっ、430、430、コレ見てくださいー」
デート――ええ、誰が何と言おうとコレはデート。異論あるヤツはそこに並べ――、
の最中、ご主人様はちょこんと店先に屈み込んで、私においでおいでをします。
「何でしょう? ご主人様?」
私は小用で場所を離れていました。大した用じゃないです。……穏和で優しいニューマン
の中にもご主人様に因縁付ける阿呆がいたので、『打ち上げ式地上4mの旅』をプレゼント
してきたところです。そっちの路地裏で。……喧嘩はツレを見てやるもんだ、ゴミ屑。
ぱたぱたとご主人様の隣に駆け寄り、私も同じように屈み込む。
お店は骨董品屋さんです。ニューデイズの伝統工芸品が好きなご主人様には、まさしく
宝の山なのでしょう。おめめがキラキラしていてとても可愛い。……食いつきたい。
「じゃぁん。これはなんでしょうー」
92 名前:小ビス子と430 2 :2006/11/22(水)
21:28:46.39ID:7E40FGH+
そう言って私の前に差し出してくるのは……、な、何なんでしょうね、これは……。
随分野暮ったい感じのする食器です……。でも、食器にしては大きすぎるなぁ……。
「これはですね、『オナベ』というのです」
「……男装する女性のあれですか?」
「は、はう、ごめんなさい430、よくわからないけど多分勘違いしています……?」
ご主人様は顔一杯に疑問符を浮かべながら、
「オナベというのは、むかぁしのニューデイズの調理道具なのです。色々種類があるのですが、
これは『スキヤキナベ』というものなのです」
ご主人様のニューデイズびいきは相当なものです。マイルームをオハナミで埋め尽くすのが
目下の目標だと、ちいちゃい手を握って息巻くくらいなのですから。
そして私は、ご主人様が一生懸命に説明するニューデイズの話を聞くのがとても好き。
「他にも『ドナベ』とかいうのもあるのですよ? はう、信じられますか?
なんとですね、ドナベというのは、土をこねて作るのですよ」
とってもとっても優しい目で、幸せそうに、楽しそうに、話をされるから。
私は両手で頬杖をつきながら、ご主人様のお話に聞き入ります。
しわあせ。……うん、私は、本当にしあわせ。
「決めましたっ」
心地の良い歌を聴いているような気持ちの私は、ご主人様の熱っぽい言葉にはたと我に返る。
「ど、どうかなさいましたか?」
「この『スキヤキナベ』買いましょう!」
「え!? で、ですが、今日はご主人様のシールドラインの新調を……」
そうです。本当だったら、この後ヨウメイショップに行って、新しいシールドラインを 買う予定なのです。……ちらりと見ましたが、このスキヤキナベとかいうヤツ、
骨董品だけあって結構高いです。これ買っちゃったら……。
「シールドラインは沢山あります。いつでも買えるのです。でも、このスキヤキナベは
なかなか見付からないものなのですよ。私みたいな人が見付けたら、すぐ売れちゃいます」
いや、ええと、申し訳ありませんが、ご主人様ほどのニューデイズ好きはそんなに……、
ふと、キセルタバコをふかしてホホホホホと笑うあの女郎の姿を思い出して、俯く。
買うね。……これが伝統工芸品で、貴重品だってのなら、アイツは速攻買うね……。
「それにですね、430?」
「はい?」
「いつも美味しいご飯を作ってくれる430にプレゼントなのですよ。
430も『スキヤキ』を食べたことはないでしょう? このオナベで作るものなのです。
私も作り方を知っているだけで食べたことはないのですが、とても美味しいそうです。
……430に、ご馳走してあげたいのです」
胸の奥がきゅうっとなって、鼻の奥が湿って、目の後ろが熱くなって……、
もう、ご主人様が何を言ってるのか、聞こえないくらい……。
「あのヒューマンさんと、410さんも呼んで、みんなでスキヤキを食べましょうね」
……は? ビキッ
「恩返し、何にしようかずっと考えていたのですが、これはきっとステキです。
うん、とっても楽しそうです! はうはう、すごいわくわくしますね! 430!」
「そ、そーですねー……」
93 名前:小ビス子と430 3 :2006/11/22(水)
21:31:55.45ID:7E40FGH+
そうか……、そう来たか、神様よゥ……。
ぐらりと、腹の奥底で、何かが動いた気がした。……久々だな、この感覚は。
全身を駆け巡る循環油は沸騰寸前まで熱いのに、演算は恐ろしくスピーディーで、何一つの無駄もなく。
ただ一言に全駆動系に命じるのだ。
オーダー パーフェクト
キル
『 命 令 ブ ッ 殺 せ 』
つつぅっ……、と秋風が撫でる頬にひとしずくの涙を伝わらせ、
私はそっと立ち上がる。一人スキヤキ計画にはしゃぐご主人様を見下ろすのではなく、
悠々と大気が舞う広大な空を、私は独り、見上げる。
やってやる。ああ、やってやるさ。
勘違いするなよヒューマン。私の敵はお前なんかじゃない。お前など眼中にはねぇんだ。
くそったれな神様め……!
この筋書きはテメェのシナリオか? 笑えるぜ? ああ心底な!
テメェのその嘘くせぇ台本を私がぶんどってやる! 全部書き換えてやるぜ! 全部だ!
ご主人様とのハッピーエンド以外のシナリオなんざ必要ねぇって教えてやる! この機会にな!
「はーーーーーーーーーーーーーーーはっはっはっはっはっはっはっはっはァッ!」
「そうですよねっ。430も楽しみですよねっ。よ、よし、私も真似してみよう……、
はーーーーはっはっは、っぐふっ! けほけほっ! はっは! けほ! ははー!」
一帯は、やはり一時騒然となりました。
* * * *
「……なぁんで、お前さんトコで飯食わにゃならんのかねェ?」
「たーのーむーよー!」
相変わらず薄暗くて趣味の悪い450の部屋。主を控えさせてソファにふんぞり返る450を目の前に、
私はぱんっ! と両手を合わせて頭を下げる。……畜生、畜生、こいつに頭を下げる日が来るなんて……!
「アタシを誰だと思ってんだい? 数千以上のはみ出しモンを束ねる『女帝』だよ?
……そのアタシが一般ご家庭で仲良くご飯だなんて、ゾッとしないねェ?」
あの日、結局スキヤキナベを買った私たちは、そのままニューデイズで食材も購入したのですが、
何しろ調理道具が骨董品になるような昔の料理です。揃わない食材も多く、幾つかは
後日発送ということになりました。それが届くのが明日。……運命の日は明日の夕食なのです。
ヒューマンどもには案内のメールを送りました。相変わらず無愛想な返事は「了解」のみ。
決戦は避けられなくなったのです……。
「……ぶっちゃけねェ、あのねんねの小ビーストがオトコがどうだとか言い出すとは思えないんだがねェ?」
「そんなのは私が一番良く知ってるわぁっ!
でもね! 問題はもっと微細なところなのよ! 今は確かに恋心なんて微塵もない!
でもこれが積み重なっていったらどーなんの!?
いつか『430、私、気付いたんです……』とか言い出したら、私どーすんの!?」
「……アタシの組にでも来るかい?」
はっ、と、退屈そうに笑って、450はキセルタバコをふかす。こ、こんのやろぅ……。
「ぶち殺すのは簡単よ! 腐ったって『狂犬』よ!? 私!
でもそんなことしたらご主人様はすごい悲しむでしょー!?
ベストなのは! あのクソヒューマンが一生を『良いオトモダチ』で終えることなのよ!
その為には、お食事会の人数は多い方が良いに決まってるの!」
あのご主人様のことだ、私の友達も呼びました、とか言えば、きっとごく普通に喜んでくれるに違いない。
大事なのは、そこから発展させないことだ!
94 名前:小ビス子と430 4 :2006/11/22(水)
21:32:59.61ID:7E40FGH+
「アタシにゃ、その『狂犬』が、お食事会ごときに死にモノ狂いになってるほーが、
よっぽど終わってると思うがねェ……」
ぽわん、と、450はタバコの煙でわっかを作って遊んでやがる。
こ、こいつ、誰がテメェの玉砕特攻を止めてやったと思ってんだ……。
「くっそ……、この年増PMめ……、もう良いよ! 二度と頼まねぇよ!
この件はなし! その代わり……」
まぁ……、断るとは思っていたんだ、何となく。
「スキヤキって料理のこと教えなさい。……くそ! それぐらいならいいだろー!?」
問題はこれだ。……正直、一体スキヤキとは何なのか。これが判らなければ当日の
作戦に大きく支障が出る。ニューデイズの古い料理だというのだから、
450なら何か知っているだろう。
こいつは、むかつくがご主人様と同じ趣味を持っている。ニューデイズの骨董品には
まるで目がなく、異様な数の蒐集品を大事にしてやがる。スキヤキナベくらい持ってるかもしれん。
「……お前さん、今なんつったぃ?」
「耳まで遠くなったかよ年増! スキヤキだスキヤキ! アンタなら知ってんだろ!」
「……ご主人サン、明日の夕食の予定はキャンセルしとくれ」
む?
ふてくされて言い放った一言に……、450の様子が変わった。
ビジネスの時に見せる蛇のような眼光で私を見据え、有無を言わさぬ言葉をマスターの
女ニューマンに告げる。
「……僭越ながら、450のお食事は私が……」
「ご主人サンにもたまには楽させてやろうってんだ。ごちゃごちゃお言いでないよ」
「……はい」
な、なんだこいつ……。何に反応しやがったんだ……?
「そうかい……、アンタのご主人サンはスキヤキを作れるのかい……。
大したモンじゃないか。見直したよ。今じゃ作れるヤツも作る道具もねぇってのにねェ。
アタシが最後に食ったのはいつだったかねェ?
……組の接待だったと思うが、……いや、あれは悪くなかった」
ちょっと、ぞっとする。
正直コイツは金持ちだ。それも、かなりとんでもない規模の金持ち。伊達に裏町のボスを気取ってない。
私たちが言う豪遊なんてコイツにとっては暇つぶし同然だし、
世の中の美味い食い物は、既に食い尽くしたと豪語する食い道楽でもある。
その450が感心するなんて……、一体なんなんだスキヤキ!?
「ちょいと興が乗ったねェ? ……聞かせとくれよ、その『お食事会』のコト」
* * * *
「つまり、お前さんはスキヤキが何たるかを全く知らない、と」
「そーゆーことよ。何でもエラい昔の料理だそうじゃない」
「まァ、ありゃぁ料理ってよりァ風情を楽しむ食い物だからねェ。
廃れちまえば誰も作らなくなっちまう類のもんさね。簡単に言やぁ……」
ぴ、と指を立てて、450は何かを言いかけ……、ふと、にんまりと笑う。……何で?
なんかそこ、笑うトコ?
「ご主人サン、ちょいとこのモノ知らずにスキヤキを教えてやっておくれよ。
出来るだけわかりやすく」
「かしこまりました」
きょとんとする私に、ニューマンの女性は深々と頭を下げて、
「では、僭越ながら私が450の代わりにご説明させて頂きます」
この450のマスターやってるんだもんな、この人もスキヤキ食ったことあるんだろ。
影みたいに目立たない人だけど、結構綺麗だ。ご主人様とは全く対極的な魅力がある。
裏社会のボスの、その(形だけとはいえ)マスター。
詳しく聞いたことはないけれど、この人もそれなりの過去があるんだろうな。
何となくぼーっと見詰める先で、彼女は口を開いた。
95 名前:小ビス子と430 5 :2006/11/22(水)
21:34:01.17ID:7E40FGH+
「スキヤキとは、ニューデイズに古くから伝わる食卓決闘法の一つです」
はぁあァッ!?
しょ、しょくたくけっとうほう!?
正しくはこう書きます、と、ニューマンはどこからともなく持ってきたホワイトボードに、
マジックペンを走らせる。……『数奇夜忌』。なんかコエぇ。
「数は運命、奇は食い違うの、の意味です。夜に行う忌まれる勝負。己の運命を賭して
未来を勝ち取る闇のゲームなのです」
私は口をパクパクさせていた。あ、あ、あのご主人様が、まさかそんな恐ろしい勝負を……!?
で、でも、わからなくもない! あの450が興味を示すような食事なんだ! 普通のはずがない!
「この勝負で主導権を握る者は『ナベブギョー』と呼ばれ、そのゲームの参加者全てに
対して絶大な権限を発揮出来ます。数奇夜忌は、実質上、ナベブギョーの地位を奪い合う
勝負と言って過言ではないでしょう」
私は夢中になって聞く! ニューマンの言うことを一字一句漏らさず記憶する!
ご主人様! ご主人様! 私が浅はかでした!
ご主人様は、私との未来を勝ち取る為に、あのヒューマンどもに決闘を挑むつもりだったのですね!
私がお手伝い致します! あらん限りの知恵と技を駆使し、私もまた、ご主人様との
未来をあのクソヒューマンどもから勝ち取ります!
「大切なのは、この決闘法がニューデイズで生まれたという点です。
何より重要なのは雅。無骨な振る舞いは許されません。肝に銘じてください」
「はい!」
「見た目は和気藹々と、楽しく朗らかに。
しかしながらその水面下では、権謀術数が蠢く真剣勝負です。
敗者に与えられる肉など一枚も無いと心得てください」
「はいっ!」
「参考にはなったかねェ? 430?」
「……お、恐ろしい勝負なのね、スキヤキ……」
顎の下の汗を拭って言葉を返す私に、450は、くっくっく! とさもおかしそうに笑う。
スキヤキのキーパーソン、『ナベブギョー』。
そして、そのナベブギョーを意のままに操り、戦況を更に上から支配する『ナベショーグン』。
更にはそのナベショーグンの存在を利用した必勝法――『エチゴヤ』。
他にも「トス役」「アガリ役」「握り込み」「積み込み」等々、スキヤキとは実に恐るべき
ルールが交錯する、まさしく闇のゲームだった。
そしてこのゲームの勝者は常に一人だけだということ。
誰か『が』負けるのではない。誰か『以外』は皆全て負けるのだ――! なんて恐ろしい!
「マージャンとスキヤキには手を出すな。……ニューデイズの裏を知る人間の鉄則さ」
「……ところでさ」
「なんだい?」
パンクしそうな量の情報を記憶しながら、私はふと、450ではなく、ニューマンの女性を見る。
「……なんであの人、さっきから後ろ向いて震えてんの?」
背中を丸め気味で、肩をぴくぴくさせて。
……手は何故か、口元とお腹を押さえているように見える。
「まさかお前さんのネンネが、そんな強い意志を持っていたなんて知らなかったんだろうさ。
感動して震えてんだィ。……ああ見えて感激屋なんだ、アタシのご主人サンは」
96 名前:小ビス子と430 6 :2006/11/22(水)
21:34:36.74ID:7E40FGH+
そうだ。重要なのは、ご主人様が鉄の意志でこのスキヤキを選んだと言うことだ!
私は絶対に負けるわけにはいかない!
ご主人様は、私にさえ打ち勝つつもりでスキヤキに臨むに違いない。
それに手心を加える……? ご主人様を勝たせてあげる……?
そんなのは――忠誠心でもなければ愛でもない! ただの侮辱だ!
「明日の晩には邪魔させてもらうさね。……忘れるんじゃないよ? 食卓に着いたら全てが敵だ」
ガーディアンズコロニーの裏通り。……マスターに抱っこされて見送りに出た450が、
私の背中に向かって言ってくる。
「……この意味、判ってるね?」
私の意志を確かめるように。――多分、彼女なりの、思いやりだったのかも知れない。
「ええ」
冷たい風の中、私は振り返る。首に巻いたご主人様のマフラーの端が、風に舞い上がって、たなびいた。
「やれるのかい? ……アンタに」
「やるわ。それがご主人様の為になるというのなら……」
過去と過去を知る者同士、私たちはしばらく、射るような眼差しを交わし合って、
「辛い勝負になるねェ……?」
「知れたこと」
私は、風に弄ばれるマフラーを、ばッと背中の後ろに跳ね――、告げる!
「肉は誰にも渡さない。そう……、ご主人様にもよ! 明日のスキヤキは、私が勝つ!」
夜を匂わせる風はもう随分と冷たかった。
明日は……、きっと鋭く凍てついた風が吹くだろう。
嵐でもなんでも来ればいい。そんなことで私のココロは折れない! くじけない!
くそったれな神様め! そこで見ているが良い!
私が肉をイッパイに頬張って、スキヤキの勝者に選ばれるのを!
既に明日のスキヤキへの思いで胸がいっぱいになっていた私は…、気付かなかった。
私の背中を見送った450とニューマンが、やがて――、
たまりかねたように、大爆笑していたことを。
97 名前:小ビス子と430 :2006/11/22(水) 21:38:43.25ID:7E40FGH+
ご飯食べてたら思いつきました。が、
書いてみたらなんだかすごく長くなってしまいました。うわあ…。
何やってるんだ、オチも考えついていないのに、私は…。
三組のマスターとパシリがスキヤキという戦場で地獄絵図を繰り広げるかもしれない次回は……!
……いつやってくるんでしょうか(==;
98 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
21:48:43.89ID:W+auNVBI
>>83
全俺も萌えた!!
これはGJだっ ああ、顔が緩むwwww
以前の|д゚]氏のとはまた別の魅力があるなあ。くそう、箱めw
99 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
22:11:01.17ID:M6QZ4LUk
すき焼きGJだが民明書房を思い出したわけだが
100 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
22:12:29.97ID:8949KgsV
俺、箱になりてぇ
えっ、だめですかそうですか・・・orz
101 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
22:27:46.46ID:W+auNVBI
>>97
スキヤキワロタw
俺は銀魂を思い浮かべたw
>>100
箱と450の箱のレシピだお。ダンボールで作ってみてはどうかw
顔:10 目の色:黄 ヘッドタイプ6 人工皮膚:一番左
プロポーション:左右=一番左 上下=真ん中 身長:最大
アーム:3 トルソ:3 レッグ:3
メインカラー:4 サブカラー:白
せいかく:おんこう ぞくせい:はこはこ のんびり
ついでに、HIVEAでいぢめられまくってきたのでむしゃくしゃして書いてみたので投下する。
反省と言う文字は知らない。
102 名前:箱と450、そして教官 :2006/11/22(水)
22:31:10.57ID:W+auNVBI
―HIVE内
箱「あちっ!あちちちちっ!!」
箱「ピキーン」←凍っている
450(うわぁ…面白いようにテクの被害にあってる…)
ルゥ(物理攻撃のダメージは0ばかりなのに…)
450(ハッ!?)
箱「あうあう、物理半減って卑怯だ…」
ルゥ(箱さんのHPが黄色に!)
450&ルゥ(ちゃーんす!!)
450&ルゥ「レスタ!」
箱「あ、ありがとです教官、450」
450&ルゥ「ジロッ」
―以下イメージ
きしゃーっ!!(ラッコ@450)
しゃぎゃー!!(カンガルー@ルゥ)
450「大体貴女ファイガンナーでしょ!? どうしてレスタできるんですかっ!!」
ルゥ「……………愛でカバーしているんですよ」
450「それ私の台詞ッ!!またパクった!鼻押しますよこのコピーロボット!!」
ルゥ「ププッ…届くんですか?貴女のちんちくりんな身長で」
450「こ、このっ!このっ!」(ピョンピョン)
ルゥ「どうしました?届いてませんよ」←必死に背伸びしている
450「くっ、胸の大きさなら勝ってるのにっ!!」
ルゥ「………そういうところに話を持っていく辺り、劣等感があるのではないのですか?」
450「フフフ… 一応言っておきますけど、ご主人様は私の胸を触ったことあるんですよ(照れニヤリ)」
450(私がGH101の時ですけど…)
ルゥ(なんですって? まさかあの奥手っぽい箱がそんなことを…)
ルゥ「フッ……きっと仕方なくだったんでしょうね。そんなちんまりしたモノを…ププッ」
450(うっ…!なぜそれを… 基盤挿す場所がわからなくてたまたま触っただけというのは秘密なのにっ!)
―イメージ終了
ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」
箱(二人とも仲いいなあ…あんなに楽しそうに微笑んで…)
箱(ところでこのガオゾランの群れはどうすればいいのかなー やっぱり僕ひとりでやらないと駄目なんだろうなー)
103 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
22:33:03.94ID:ybZVW0lD
ここまで読んで、本当に飯食ってる時に見なくて良かったと心から思ったぜ。
104 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:00:28.14ID:Tk6hfkSb
流石メンテ日、ネタが豊富だ・・・w
>>83
これは・・・w
GJGJw
>>97
数奇夜忌でふいたw
>>102
どんどんエスカレートしてるな・・・w
この先泥沼化するかハーレムENDなのか・・・w
105 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:18:39.64ID:7E40FGH+
>>102さん
カンガルーはともかくラッコってどう戦うの!? どう戦うの!?
かわいいよー!><
ネタ看破お見事ですw はい、銀魂を前に読んだのを思い出したわけでw
箱がんばれー!!
…数奇夜忌のオチ考えなきゃ…orz
106 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:22:20.44ID:+0lX1seH
ラッコは胸に乗せた石に叩きつけるというエグい必殺技があるんだぜ。
その威力は貝をも砕く。
107 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:27:35.12ID:Tk6hfkSb
足技のカンガールに寝技のラッコか・・・凄まじい勝負になりそうだ・・・w
しかし何気に箱ってHU系なのな、物理ダメージが殆ど0でガオゾランに苦戦してるってことはフォルテファイター辺りだろうか?
108 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:32:55.86ID:vgp0cp43
ああ見えてな教官ってハンターレベル1なんだぜ
109 名前:名無しオンライン :2006/11/22(水)
23:43:24.28ID:Tk6hfkSb
装備で言ってもFGじゃないしな
双剣と両剣はともかくライフルもレーザーもFGじゃ装備できないものばかりだし
110 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
00:08:08.65ID:CRBSC/PS
>>83
私の絵によって数倍の萌えが生まれた。GJすぎるよ[゚д゚]!
>>97
まじオチが楽しみで仕方ないネタだな・・w
しかも結構大風呂敷広げちまってるあたり苦労しそうだw
>>102
感情的なルウがかなりウケルわwwwww
111 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
00:11:50.92ID:+5MPjRuK
さむいふゆのあるひ
はこが450にふゆもののふくをかってきてくれました
450「あっ、ありがとうございます。でも無駄遣いは控えてくださいね」
ttp://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu1112.jpg
部屋が寒かったからノリで描いた
正直スマンカッタorz
112 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
01:11:05.38ID:gXITjwud
ほのぼの~(*´ω`)
113 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
01:33:54.35ID:PHEgpqAU
絵本風だなぁ
こういうのも割と好きかも
114 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
03:30:06.81ID:6tsBU+Rd
>>104
どうなんだろうw 俺としては
いつもの箱&450→ほのぼの らぶらぶ しあわせ
もしソニチが(ry→シリアス悲恋ストーリー(ソニチの対応により展開が変わる)
450vsルゥ→ショートギャグ
と言う感じで書いてるんだ。本筋は一番目の奴で、他の二つはパラレルワールドかな。
>>105
ちょwwwwマジで銀魂だったのかwwww
姐さん450が大家のばーさんに見えたw
>>107
そそ。モデルの箱はFGなんだけど、今メインで動いてるキャラ(箱じゃない)がFFなのでこの箱もFFに。
因みに闇50メイガです。メギド怖いです(´;ω;`)
>>102
イメージ内ですから!イメージ内!wwwww
なんとなく450を茶化したかったんですwwww
>>111
GJ!ふとこんなのを思い出した。
箱「はい、マフラーだよ」
450「あ、ありがとうございます。 あったかい…」
450(そ、そういえばこの前見たアニメ番宣のワンシーン…)
(※参考資料:ttp://www.uploda.org/uporg589207.jpg.html)
450(どきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどき)
箱(うわぁ、マフラーで首締めて頭突きしてる…痛そう…)
115 名前:1/2 :2006/11/23(木) 04:04:14.38 ID:7zRN8IYJ
男「バイトの俺にドゴーンした武器押し付けるか、フツー・・・」
男「いくら廃棄に金かかるからってなぁ・・・」
~マイルーム~
101「おかえりなさいませ、マスター」
男「ただいま。今日はお土産持って来たぞ」
101「どういう風の吹き回しですか?気持ち悪い」
男「気持ち悪いとはなんだ気持ち悪いとは。まぁいいから食え」
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
101「・・・全部壊れてるじゃないですか」
男「知ってて食えと言っているんだが」
101「わたしはゴミ箱ですか」
男「近い」
101「・・・」
男「冗談だ。今日からしばらく飯はこれだから覚悟しておけ」
101「・・・モギモギ・・・凄く微妙な味・・・」
~1ヶ月後~
410「お陰様でここまで成長することができました」
410「今までさんざん食らったせいか、オプションとしてドゴーンされた武器に話しかけると心の叫びが聞こえます」
410「また、オプションとしてPA『みんなのうらみ』が使えます」
男「よくわからんが凄そうだな。早速このドゴーンされたてホヤホヤのブラスターの心の叫びを聞いてみてはくれまいか」
410「わかりました。・・・『倫理的におk』と申しておられます」
男「なんだそれは。まぁいい、次はそのPAとやらを見せてくれ」
116 名前:2/2 :2006/11/23(木) 04:05:36.17 ID:7zRN8IYJ
~惑星パルム・草原~
男「見るだけだしここでいいか・・・まてまてまて、なんだその左手に持っているものは」
410「『ホウチョウ』古来よりニューデイズで調理の際に使用されてきた、女性専用武器だそうです」
男「そんなことは聞いていない。しかも料理道具は武器じゃない」
410「オプションとしてこのホウチョウには今まで食べたドゴーンされた武器の怨みがこもっています」
男「では早速あのコルトバにPAを使ってみてくれ」
410「わかりました」
トテトテトテトテトテトテトテトテトテトテッ
プスッ Critical! 9999
トテトテトテトテトテトテトテトテトテトテッ
410「どうでしょうか」
男「ツッコミ所満載だな。それにまず、嬉しそうに走ってくるな。恐ろしい」
410「気を付けて下さい。私に背を向けると、勝手に『みんなのうらみ』が」
男「よしわかった。まず落ち着いてホウチョウをしまう作業から始めようか」
~マイルーム~
男「お前のオプションはあまり使えないと思うんだ」
410「お言葉ですが、マスター」
男「何かねパシリ」
410「マスターがあんなもので私を育てたからでは?」
男「一理あるが口答えは許さん」
410「要するに、大変申し上げ難いのですが・・・その・・・」
410「怨みますよ」
誤って主人を刺したと言うPMが紙面を賑わせたのは、それから数日後のことだった・・・
こんな時間の脳の状態で考えたから中身の保証は致しかねる
後悔はしてない
オヤスミおまいら
117 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
05:44:06.51ID:+5MPjRuK
>>112
>>113
>>114
レス㌧クス
次の機会があるならもっとうまく書けるといいな、と思う orz
>>116
剥ぎ取りオンラインによって生み出された440もこんな感じになるかもな・・・
118 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
05:47:28.82ID:QM0fw12C
>>117
ほのぼのとした絵に愛(ソウル)を感じたぞ[*゚д゚*]
>>116
てくてく歩く410を想像してかわいいんだが死ぬほど顔が怖かった・・・{{;゚;д;゚;}}
119 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
06:44:01.56ID:lcymISRX
440.「モノメイトとモノメイトと、ディメイトです」
主「これはまた惨劇だな」
440.「私の力及ばず、申し訳有りません」
主「…」 ダバー
440.「何故私にメイトを浴びせるのですか」
主「深い意味はない」
120 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
08:09:54.05ID:0eRpUci7
「ご主人様」
『なんだ?』
「ご主人様はなぜ内装をゼブラにしたのですか?」
『それは・・・ いや、それぐらい別にいいだろ』
「いえ、資金管理も任されている身としても
なぜチケットが12000メセタもするゼブラなのか納得できません」
『それは』
「それは?」
『レ・・・・・・ボソボソ・・・・・・』
「?? もう一度お願いします」
『レオ様の写真が、ビジフォン脇に飾られるからだ』
「アッー!」
121 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
09:43:11.14ID:GrmPDdJL
>>115
トンベリ吹いたw
122 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
10:22:11.44ID:nhSV7iuY
読んでたら無性にスキヤキが食いたくなった。
今夜は数奇夜忌だな。
食卓バトルを楽しみにしているんだぜ。
メンツ的に、あの小ビス子が肉にありつけるとは思えんが…。
123 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:41:55.75 ID:+7GiY519
前スレでレスをしてくれた方、ありがとうございますじゃ。
ちょっと2本立てですじゃ。(性的な意味で)
ワルキャスとワルパシリ~妄想編~
それはあるキャストとパシリのお話。
ミッションから帰り、ベットの上でヤング・ヴァンダを読みふける悪キャス男。
その背中に垂れるのは彼の悪パシリ。
ミックスジュースを飲みながら「職業パシリ屋。」の単行本を読書中。
410 「…おーい、この万年発情キャス男」
キャス男「なげぇよ! つかなんだよその歩くわいせつ箱みたいな言い方は!」
410 「違うのか?」
キャス男「ちげぇよ! 俺はもっとこう…ジェェェントルゥぅぅな…」
410 「はいはい若本若本」
キャス男「この野郎!」
背中を合わせながらも吠え立てあう二人。
しばしの間を置いて、悪パシリが話を切り出した。
410 「そーいえばキャス男。キャスト男性のナニはデガーナ・カノンって噂だが…」
キャス男「また唐突に古い話を振るなぁ…しかももう少し恥じらい持てよ」
410 「はっ! そんなPM育てたのは何処のキャス男だよ」
キャス男「YesIam!」
410 「はぁ…でー実際のところどーなんだよオラッオラッ」
頭を後ろに振ってコツコツとキャス男の背中を叩く410。
その頬は微かに赤いのは気のせいだろうか。
124 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:45:26.36 ID:+7GiY519
もう慣れっこなのかキャス男はおもむろに天井を見上げる。
キャス男「そーだなぁ…ぶっちゃけ、キャストって換装が効くからなぁー。
サイズなんて関係ないだろう? ま、男性の象徴ってもんだから、
『優等種たるものナニも優等でなければ!』てな考えで、
デガーナ・カノンなんだろ?」
410 「へぇー…つーことはキャス男もデガーナ?」
キャス男「ハッ! そんなでかけりゃいいってもんじゃねぇーよ。
デカイだけならナノブラストしたビーストのほうがすげぇっての」
410 「じゃあなんだよーもったいぶらずに言えよ」
女性的な好奇心が首をもたげてコツコツ頭をキャス男の背中にぶつけるパシリ。
キャス男も何気ない顔でポロリと漏らす。
キャス男「俺の場合クバラ品だからなぁ…例えるとすれば…ディ・ラガン・ヘッド!」
410 「へー…ディ! ディ・ラガンッ?!」
キャス男「アルティム・クリムも標準装備でオプションでディ・ラグナスも可能だぜっ」
410 「クリムッ!? ラグナスッ!?」
キャス男「もちろん、スキルレベルは30だから…すごいぞ?」
410 「うっ…うわぁっ…」
いつもなら悪びれるパシリの顔が妄想思考にメモリを使い、赤くなってゆく。
顔は見えないものの、背中から伝わる熱で状態を把握したキャス男はニヤニヤと煽り出す。
125 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:47:33.51 ID:+7GiY519
キャス男「フフフッ…なぁーに厭らしい事考えてんだよ、このエロパシリッ」
410 「うっ…くううううううっ!」
漫画的な表現で言えば頭から湯気が上がると言うのが正しいだろう。
恥ずかしさに赤面する410を楽しげにからかう悪キャス男。
拳をプルプル震わせながら悪パシリが反撃に出る。
410 「ジ ョ ギ リ!」
キャス男「?!」
410 「ディ・ラガン ジョギリ! ディ・ラガン ジョギリ!!」
キャス男「やっやめろ! 今そんなフレーズ聞かれたら…」
410 「ジョギリジョギリジョギリジョギリジョギリ
ジョギリジョギリジョギリジョギリジョギリ!!!」
キャス男「いぃやあああああああっ!!」
まさにナニとその効果音的なフレーズが合わされば、
思わず股間を手で覆いたくなる事をシミュレーションしてしまう。
キャストの自己妄想(戦略シミュレーションとも言う)能力は伊達ではないのだ。
126 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:49:44.73 ID:+7GiY519
半分ヤケで叫ぶ悪パシリ…これは溜まらんと耳を塞ぎ、
ドレッシングルームに飛び込む悪キャス男。
勝利(何の闘いかは謎だが)を収めた悪パシリは、
ドレッシングルームに向かってガッツポーズをとる。
410 「うっしっ! ざまぁみろ!」
と、勝利の美酒に酔いしれようとするが…悪パシリの頭に、
さっきのフレーズがリピートされる。
410(…ディ・ラガンなアレな上、クリムがソレで…
ナニがアレで、ソレがナニで…うわぁ…うわあああぁ♪)
途端にパシリの顔が赤くなり、キャス男のふぉとんに包まってしまうのであった。
引 き 分 け
(妄想合戦の末)
キャス男△ - △410
今日もコロニーは回り続けている。
それは変なキャストと変なパシリのお話。
127 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:52:04.44 ID:+7GiY519
事後承諾になってしまうが…箱の人の箱と450お借りしますじゃ。
ワルキャスとワルパシリ~謀略編・1~
それは変なキャストと変なパシリ…そして、
ソレに巻き込まれた小心キャストと誠実パシリのお話。
キャス男「なぁにぃ? パシリの機嫌を治したぁいぃ?」
箱 「う…うん…そうなんだ…」
ミッション帰りの昼下がり。
パルムカフェで軽食を取る二体のキャスト。
片方はパープルカラーでガラが悪そうな悪キャス男。
もう片方はブルーカラーで450の尻に敷かれてそうな小心箱。
キャス男は具沢山スパイシア丼をガツガツ喰らう中、
箱のほうはペロリーメイトと水をちょびちょびと味わっている。
軽食の肴は互いのPMネタ…今は小心箱のパートナー、450の話。
キャス男「そりゃ、あれだよオメェ…こう、夜にベットに連れ込んでだ…
『俺にはお前しかいない…そんなに嫌いにならないでくれ…』
とか何とか言って…後はもうボッカ・ズッパなグッレネイダよ…」
箱 「ええっ…そんなPMにPAするなんて…ひどいよキャス男さんっ」
キャス男「…だめだこりゃ」
キャス男のアドバイスにも問題があるが、箱のあまりの朴念仁っぷりにさじを投げる。
キャス男はフォーク入りのカップをゴミ箱に投げ捨て、ドンと両手でテーブルを叩く。
箱はコップとペロリーメイトを握り、ブルブルと震えている。
そして、キャス男は指差しながら箱に言い放つ。
128 名前:前スレ188 :2006/11/23(木) 10:54:22.15 ID:+7GiY519
キャス男「箱よ…おめぇはレディーの扱い方がなってねぇ!
450の機嫌が悪いのはそれが原因だ!」
箱 「なっ…なんだってーっ!」
キャス男「PMは俺らの相棒でもあるが…仮にも女性型!
お前さんの場合、女心を理解した上での対応ってもんが…
なってねええええっ!」
箱 「そ…そうだったんだ!」
ズバリ…とまではいかなくとも、原因の一端を指摘するワルキャス男。
箱はと言うと、驚きの効果線が伸びきっている。
そんな箱の肩に手を載せサムズアップするキャス男。
キャス男「だが…安心しろ友よ…」
箱 「…?」
キャス男「俺 に 良 い 考 え が あ る!」
そんな失敗フラグを立てつつも、二人は今後の計画を立てるのであった。
よもやあのような惨劇が起こるとは…二人は知るよしもなかった。
***
410「チョット待てこら!」
450「私達の出番はっ!?」
次回に続く!
…と、ココまでですじゃ。
129 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
12:55:05.51ID:Qd3LJvLz
>>128
ディラガン、ディラガンだと・・・・(゚Д゚)
失敗フラグが立てつつも良い考えにwktk
130 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
13:12:17.75ID:MCZWk3SD
ディラガン吹いたwwww
ぶっきらぼうな410もなかなかに乙だわ(*´д`)
131 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
15:04:07.44ID:xDflt2Fg
ディ・ラガンにディ・ラグナス・・・
予想もしてなかったこれは・・・w
てかジョギリが効くなぁ物理的に・・・w
132 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
16:50:43.46ID:e75oMd+J
主「ただいまー。」
410「お帰りなさいませご主人様・・・?」
主「エステに行って眼鏡を買ったんだが、どうかな?」
410(・・・素敵です・・・。)
主「?」
410「あ、お似合いですよ。でも、どうしてエステに?」
主「気分転換でもしようとおもってね。」
「・・・そうだ。410も行ってこいよ。」
410「私はマシナリーですから・・・。」
主「キャストの親戚みたいなもんだからできるだろ。たぶん。」
410「・・・はあ。」
???「ただいまもどりました。」
主「お帰り。どうだった・・・!?」
414「?何か変ですか?」
主「パーツ交換どころじゃねーぞ!!」
133 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
17:03:35.77ID:6tsBU+Rd
>>128
ちょwww箱wwwww
そういえばこの箱は3惑星で爪弾きにされ、コロニーに移って来たものの、
友達は全然居ないというつもりでいたんだけど、
内気な箱にも相談できる友達出来たんだなあ(つ∀`) とふと思ったw
134 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
17:20:59.40ID:yBvgNmFt
上げますよ、と
135 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
18:26:21.96ID:2wNzgH7K
○月×日
マスターが修行場でレア素材を拾ってきた
滅多に出ないジャッゴが落としたって喜んでたのでこっそりすり替えておいた
これだけごちゃごちゃしてるし多分当分は気付かないと思う
今度こっそりもぎもぎしようと思う
△月□日
店番中におなかが減ったから売り物のムーンアトマイザーを一つもぎもぎ・・・
お腹いっぱいになったら眠くなったので昼寝した、 何人かお店に来た気がするけど気にしない
マスターが戻って売り上げを確認する、でも細かい売り上げまで覚えてないので気付いてないみたい
☆月▽日
マスターが安く買った料理基板で店の売り物を作ってる
甘い香りに誘われたからこっそりダンゴモチを失敗と言って一つ軟膏とすり替えた
後で見つからないように店番中にこっそり食べた、甘くて美味しい
そろそろ隠しておいたジャッゴ・デルマも食べようかな
◇月◎日
マスターが少し感づき出してきたみたい、何度も倉庫を確認してる
そろそろ食べた方がいいかも
とりあえず今日は無難にモノメイト(売り物)をもぎもぎ・・・微妙な味
◇月★日
今日実行しようと思う、マスターがミッションに出かけたときがチャンス
きっと凄い美味しいと思うからその時の為にお腹を減らしておこう
ご飯の時いつもの半分も食べてないからマスターが心配してた、ちょっと嬉しいかも
420「さってと・・・マスターも出かけたしそろそろ・・・」
待ちわびたこの瞬間、お腹の虫も今にも暴れだしそうにしてる、おっととよだれが・・・
ナノトランサーの奥にしまっておいたジャッゴ・デルマをテーブルに取り出しじっと見る
調理法は何がいいかな、いつも生の丸かじりだけど貴重な食材もとい素材だしたまには凝ってみるのもいいかも
デルマといえば皮、やっぱりここは塩焼きかな・・・
420 「よし決めた、串に刺して塩焼きにしよう!」
基板も無いから一から全部やらないとダメだけどそれはそれで楽しい
キッチンで鼻唄交じりに調理器具を探す、と言っても普段普通の料理なんてしないから勝手がわからない
包丁は――見つからないからシンツキザシで代用、焼く時の串は――ガミサキでいいかな
最初はちょっと不安だったけどやれば出来るもんだ、うん、いけるいける
136 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
18:26:41.49ID:2wNzgH7K
420 「えっと、後は・・・お塩、お塩~どこ~?」
ビス男「塩ならそこの小棚の中だ」
420 「あ、ここか~ありがとう」
ビス男「まあそれは置いといて・・・何してんだ、それもキッチンで?」
420 「えっと・・・これはその・・・あはは・・・」
ビス男「珍しく様子が変だから早く切り上げて戻ってみれば・・・全く・・・」
◇月★日 追記
後一歩と言うところでマスターに止められた、残念
あの後散々怒られて食材も没収、でも実は端をこっそり切り取って隠しておいたから後でもぎもぎした
ぷにぷにもぎもぎ
次はばれないようにもっとこそこそやらないとね
今度はレリック・エッジを食べようと思う
137 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
18:29:52.60ID:2wNzgH7K
ついこの間ジャッゴに遭遇したのでそっからネタを引っ張ってみた
今回は420側からにしてみたので一部日記風に
ついでに420視点だから試験的に主の方の表記も変えてみたと言うのは秘密
138 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
18:47:50.08ID:AbToK9FN
俺の420イメージにぴったりでGJ!
ステレオタイプではあるがやっぱり猫は奔放に限る。
139 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:00:56.72ID:6tsBU+Rd
―モトゥブ酒場
450「…ふぅ…」
カランカラーン
マスター「いらっしゃいませ」
ルゥ「あら?」
450「あ、ルゥ様」
ルゥ「450さん、珍しいですねこんなところで」
450「ご主人様のお迎えに。ルゥ様こそ、何かあったんですか?」
ルゥ「ええ。ガーディアンズの仕事です」
450「そうですか、ご苦労様です」
ルゥ「いえ」
―以下イメージ
くぇぇぇぇぇっ!!(キーウィ @450)
けこーーーーっ!!(名古屋コーチン@ルゥ)
ルゥ「ププッ 貴女にお酒は似合いませんよ…っておもったら、それフルーツジュースじゃないですか」
450「う、五月蝿いですね!お酒はあまり呑まないんですっ!」
ルゥ「それにしても貴女、そうしているとまるで…」
450「な、なんですか!」
ルゥ「主人に捨てられた野良パシリのようですね。 プッ」
450「お、大きなお世話です!!」
ルゥ「なんでも、新規クエが配信されたというのにフリーミッションに全然連れて行ってもらえないとか」
450「そ、それは私のせいじゃありませんっ!ブルースクエに篭りっきりのご主人様が悪いんですっ!」
ルゥ「主人に責任転嫁ですか? ああ、箱さん可愛そう…うるうる」
450「…ていうか、連れて行ってもらってないのは貴女もじゃないですか…」
ルゥ「……私のは連れて行ってもらってないんじゃありません。放置プレイなだけです」
450「うちのご主人様にそんな趣味はありませんっ!!」
ルゥ「箱さんになくても私にはあるからいいんです」
450「………そ、そういう趣味だったんですか?」
ルゥ「………そんなわけないでしょう」
450「………」
ルゥ「………」
―イメージ終了
ルゥ「フ…フフフフフフ フゥ……」
450「フ…フフフフフフフ フゥ……」
450&ルゥ「マスター、きつめの一杯ください……」
140 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:26:38.94ID:KfsNjVvG
>>139
キーウィとか懐かしすぎw
ジャンピングフラッシュのアレだろ?
バロスw
141 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:39:09.06ID:2wNzgH7K
相変わらず凄いな・・・w
しかしこれイメージの部分って目だけで語ってるってことなんだろうか
キャスト同士だし凄まじい計算能力でこの間0.05秒、とか・・・w
142 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:43:35.19ID:K5ePRpDt
ぶっちゃけルウが「らしく」ない
143 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:49:25.67ID:2WyBpZEU
>>142
おまえ、ルウが何体いると思ってるんだ
144 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
19:55:46.76ID:AbToK9FN
ルウが何種類あると思っているんだ
なら突っ込みやすいのに。
145 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:01:40.30ID:3G9C2U5J
よく見るんだ
「ルゥ」
146 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:01:51.72ID:2wNzgH7K
むしろこのギャップがあるからいいと思うだがな
個人的にだがらしくないキャラのが面白いぜ
147 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:02:39.09ID:K5ePRpDt
>>143
何体いても同じ反応を返すのばっかりだから同じコトだ
148 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:03:28.10ID:K5ePRpDt
>>145
理解した
ルゥという名前のどこの馬の骨とも知れぬキャストだな
それならおーるおっけー
149 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:16:59.44ID:2WyBpZEU
自分のイメージしてるルウじゃなきゃヤダなんて香ばしい奴めw
150 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:20:45.30ID:2wNzgH7K
しかし今思えば本家ルウも最後の方はキャライメージ崩れてたよな
151 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:40:13.69ID:hBdEXjX9
数奇夜忌食ってきた。いや、全くの偶然なんだが…。
>>139
キウィ450とか可愛すぎるぞ!
お持ち帰りして……440と一緒に可愛がってみたい。
152 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:43:49.59ID:AbToK9FN
元設定にこだわりすぎるとこのスレ自体がお役御免になっちゃうよ。
153 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
20:53:24.61ID:6IdjwnRb
>>97
吹いた
そしてひぐらしを思い出した
154 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
22:27:38.64ID:ddWZArox
心を許した人には素の自分を見せてくれるんだよ
って、何気にルウもパシリ扱い?
155 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
23:55:33.69ID:Dt/jXtoW
・・・よし、この餌で念願のLv80だ。
wkdkな気持ちを抑えつつニュマ男は、手の生えた緑玉にエサを与えた。
その瞬間、緑玉はまばゆい光に包まれ、中から少女の形をしたPMが現れた・・・・。
ニュマ男「あっ、えと・・・はじめまして、かな。これからよろしく」
440「ハァ・・・。形が玉から人型になっただけでそんな態度を取るのですか。
だからニューマンってやつは愚かで弱(ry」
ニュマ男「ちょと待てお前、この本によればPMは人型になった時にお礼を言うそうなんだが・・・」
そう言いつつ、手に持っている本『PMの育て方』を440に見せる。
440「あぁ、そうでした。それを忘れてました~、てへへ」
そう言って440はニュマ男に挨拶をする
ニュマ男「これから440に強い防具を作ってもらって打たれ強いFTになるんだ」
ニュマ男は笑顔で話す、それに440も笑顔で答える。
440「はいっ。私がんばりますねっ!」
----------------------------------
ニュマ男は440と部屋でコルトバヌードルを食べながら昔の頃の話をしていた。
ニュマ男「あの後お前、確かアゲハセンバの基板でアグタライド作ってくれたっけ・・・」
440「あれ、そうでしたっけ?私は成功したような気がするんですけど・・・・」
ニュマ男「いんや、アグタライドだ。知り合いのビス男にあげたからよく覚えてる」
440「ん~、違うような気がするんだけどな~」
440はしばらく考え込む、そしてピコーンという効果音とともに頭の上に電球が出る。
440「あ~っ、聖地用にグラフォトンでと頼まれていたのですが、間違ってメギフォトンを入れちゃいまして~」
ニュマ男「・・・お前その間違い方はないだろ・・・・」
440「それでですね、出来上がったのが闇50%のアゲハだったんです。
私、こんなのご主人様が装備していったら間違いなく死んじゃうと思って・・・」
ニュマ男「うん・・・・それで?」
ニュマ男は全てを悟ったような声でつぶやく。
440「えへへ~、食べちゃいました~♪」
440はモギモギする格好をする。
156 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
23:57:02.46ID:Dt/jXtoW
ニュマ男「・・・ちょっと連絡通路S逝って来る」
440「えっ、ちょっと、ご主人様ぁ、一体何を言い出すんですか。
通路Sなんて行ったらメギドオンラインですよ?それに今の防具で敵に殴られでもしたら
明日の朝にはアンノウン・ミートになっちゃいますってば~」
ニュマ男「大丈夫~、俺には440が作ってくれた闇50%のアゲハがあるから~。
それにメイガ/レインボウをつければ怖いもんなしだよあはははぁぁぁ~」
ニュマ男はそういい残すと、天にも昇るような素敵な笑顔で走り去っていった。
440「食べちゃった防具でも装備できるのかぁ。さすがは私のご主人様です」
440はそこでひとつ思いつく
440「ご主人様が装備できるように、他の防具も食べなきゃ」
440「ん~、倉庫内に防具残ってないよぅ・・・」
ぺたんと地面に座り込む440。
そんな440のCPUに、合成が終わったことを知らせる信号が届く。
440「あ~っ、そういえばヤマタセンバを作ってたのを忘れてました~」
440はヤマタセンバを取り出す。もちろんモノメイトではなく完成品だ。
440「ちょうどいい具合の闇46%です」
440は完成したヤマタセンバを手に持ち、それを口に運ぶ・・・・
440「ご主人様、この防具、お使いください・・・」
プシュー
ドアが開く
ニュマ男「いやぁ、俺どうかしてたわ。このまま突っ込んだら間違いなく特売品のアンノウン・ミートになって・・・」
440「モギモギモギ・・・・元気が出る味です」
ニュマ男「(゚Д゚)」
440「あ、ご主人様。おかえりなさ~い。闇46%のヤマタセンバ、食べておきましたよっ。
これでいつでも装備できますね」
440は屈託の無い笑顔でそう言った。
157 名前:名無しオンライン :2006/11/23(木)
23:57:29.57ID:Dt/jXtoW
ニュマ男「あ、あ、あ~、あははは・・・そっか、元気が出る味か・・・うひひっ」
ニュマ男は自分のシールドライン、テイセンバをはずして手に持つ。
ニュマ男「お、おおお俺も元気に・・・・げげ元気にになるぜっ」
ガリッ
ニュマ男はテイセンバにかじりついたまま気を失う。
440「ご主人様、なんだか楽しそう。でも、食べ残しはよくないんだから・・・」
440「ご主人様の噛んだところ・・・これじゃぁ間接キスですね・・・・」
440の顔はみるみるうちに赤くなる。
440「ちょっと恥ずかしいけど・・・いただきますねっ」
そう言うと
440は
テイセンバ(聖地用にニュマ男が買った)を
モギモギモギ(・ω・)
----------------------------------------
・・・・・薄れゆく意識の中で、俺は・・・・間接キス、という440の声を聞いた・・・・
ニュマ男「あ~そんなことで顔を赤くしちゃって、かわいいなぁ440・・・・。
そうだ、明日は特別にウォーキング・パノンを買ってやろう・・・・
前から欲しそうに見てたしな・・・・・。440の喜ぶ顔が目に浮かぶぜ・・・・
どうせだから知り合いもたくさん呼んでパーティを開こう・・・
明日はきっと楽しい一日になるぞ・・・・」
・・・・そして俺は明日まで眠りについた・・・
つづく?
158 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:03:29.31ID:Dt/jXtoW
防具特化440が出来た勢いで・・・・
今度は描くじゃなく書くほうで行ってみますた・・・・
>>111の人より
159 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:07:41.16ID:zKxwyFde
>>157
何だか救われ無さ過ぎて頭痛くなってきた。。。
160 名前:ごまえー ごまえー :2006/11/24(金)
00:30:08.69ID:9U8IL43u
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-+レハ.' 、(⌒ ;;;:;´'从 ;' ;:;;) ;⌒
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/〈Θ〉 |,;;-=o=-,ッィ=。ゥィヘj (´;`ヾ,;⌒)´´・ω・`]
从⌒ ;) `⌒)⌒:`_,,..・ヽ/´
|/レ/:| ', '; `ー /;;!i、'';
,!/l` ′': ;゜+′、:::::.>(,ゞ、⌒);:::)::ノ‐' "..
ー''`ヽ`,ーi' !、 //, `一'//
/、 __ `:::、 ノ ...;:;_) ...::ソ,. ''
`
`il `i ! ヽ、  ̄ ̄ / iヽ、/ ,.ヽ_
i! !` `ーァ、-ー' ! ノ!トi,!'",ノ-、
,..=、i! iヽ-、 rィ',;'!ヽー-、! `/_,i' _,.!'、
ーニー-、._ `ヽゞニ-、.;' i! ! , `ト_ノ`x-'" ノ
=ニヽ、 , `, /ヾ=ソ ノ !/ !、`ー`''イ、
-ー-、 `i, / / ヽ `イ_, i -'" ̄`! ! ヽ
ゝノ /-'" ` ' ! ヽ !
まいるーむにかえるんだな おまえにもぱーとなーましなりーがいるだろう
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O
。
/〈Θ〉 | ○ ○|ヘj
|/レ/:| | // //l/l` わんおぶさうざんど…
|/、/.l .ト、.. lフ ,,イ./、
161 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:30:33.38ID:ctZU0Q+N
| | |;:::| |
ノ L.
|:::| | ご主人様がキャンディをくれました。
\
::| .|_| /) 星霊の涙と言うそうです。とてもおいしかったです。
ゞ ィ `ゝ、._ _.|
_,,...ィ'ハ やっぱりご主人様はやさしい方です。
../ ,l /.レ'‐-|/ .j -+レハ.'
/〈Θ〉 | ○ ○|ヘj ご主人様が私を見てわらっています。
|/レ/:| | // //l/l` 今、私が食べたのは本当はドグマドロップだそうです。
|/、/.l .ト、.. lフ ,,イ./、
一般的に食べるとダメージを受ける代物だそうです。
/ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
/
|゙ヽ  ̄::[_]... ゙l そうこに ジョギリが ありました。
|;/"⌒ヽ, \ く\、ヽ
162 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:40:42.96ID:ctZU0Q+N
ゞ ィ `ゝ、._ _.| _,,...ィ'ハ
../ ,l /.レィ',|/ .j`ヽ,レハ.'
/〈Θ〉 | ○::: ○.|ヘj て すごいタイミング悪かった
|/レ/:| |U l/l` そ ごめんなさい
|/、/.l .ト、.. □ ,,イ./、
/ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
163 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:47:10.22ID:9o64YCcg
>>159
っ[バファリン]
半分はパシリのやさしさでできてるんだYO
>>160
お預かりした武器は完全に破壊しましたサーセンwwwwwwwを思い出した
>>161
切 る の か
164 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
00:55:21.98ID:tVxBGQSs
どっちの440にしても中々凄いな・・・w
165 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
01:01:45.96ID:CpxuKpb0
>>161-162
なんかすげー萌えたw
166
名前:あいますとがいると440がwwww:2006/11/24(金)
01:10:44.68 ID:LTCN/3f2
>>160
いろいろ混ざりすぎてカオス過ぎるwwっウェww
167 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
01:20:31.06ID:lZCOUWjX
>>157
ZEROデバイス食わしそうだ俺なら[゚д゚]
>>160
紅茶ふいた
168 名前:ココロの在るトコロ(1/12) :2006/11/24(金)
01:31:48.18ID:29cGsoGT
>>155-158氏の440に感化されて、ばばっと書いてみる。
流れに乗っただけなので、勢いだけで推敲もしていない。
今反省している。もぎもぎ。
-- ココロの在るトコロ --
聖地奪還へ行くための道中の虹色の法獣。
通過するだけなのにランクがAで、プラムは必死に戦っていた。
「後ががら空きっ」
そう言いつつ、自慢の散弾銃で次々とアギータを蹴散らしていく。
だが、彼女は気が付かなかった。後ろにゴーモンが出現したことに…。そして
(ピキーン!)
「…はっ。フリーズ……」
なかなか凍結状態が溶けないまま、次々と周りに出現したゴーモンからバータを
浴びせられる。まずい、と死を予感したその時
「ったく、何やってんだ! ラ・フォイエ!」
一瞬でゴーモン達は煉獄の炎に包まれ、消えていった。
「お願いします。私をガードして下さいっ!」
「威勢良く『突っ込みます!援護をお願いします!』って言ったのは何処の誰だか…」
そう言って、黒い柄に星のフォトンが付いた杖で、ぽこり、と叩かれた。
自慢の帽子を潰されて、ちょっと腹が立ったから、主を散弾銃でべしっと撃ってみた。
「「痛ッたー!」」
これは彼女の、しあわせなきおく。
169 名前:ココロの在るトコロ(2/12) :2006/11/24(金)
01:32:56.45ID:29cGsoGT
-- ココロの在るトコロ --
ガーディアンズ寄宿舎のとある一室。
そこでは、全身を若草色で統一したマシーナリーの少女が一人、
両腕を胸の前に突き出して静かに目を閉じていた。
その小さなてのひらの上で、合成基板がくるくると踊っている。
心を静めて、基板に描かれた武器の形を思い浮かべる。
(…青い持ち手)
素材の声を聞き、イメージをより輪郭のあるものに仕上げていく。
(……炎の様に広がった飾り)
基板の中で混ざり合う輝きを、消さないように、けれど激しく燃えたたせて。
(………その先に付くフォトンの星!)
「ささやき いのり えいしょう ねんじろ!」
「す、すまないな。マジムラは…失敗した」
そう言って、いまやデフバイトとなってしまった生成物を主の前に差し出した。
口下手な私はこれ以上は言えない。少しはすまなさそうな顔になっていればいいのだが、
どうも私は感情というモノを、上手く表せないらしい。
向かいに居る、細身で童顔で長身のニューマンは私の主。
名を…いや、私は主(あるじ)と呼んでいる。
「無理な合成とは思ったがな。まぁいいさ、プラン」
主の諌めの声が脳の回路に優しく響くが、かえってそれが辛い。
そうなのだ。マジムラなんて高級品は荷が重過ぎたのだ。
解ってはいたが、主の助けになりたかった。
「…はぁ。やっぱり、何をやっても半端者だな。私は」
パートナーマシーナリーGH440-13:プランには悪い癖がある。
卑屈な子供のような、ちょっとした自嘲癖。
俺と彼女が出会って2日たったのだが、
未だ、涙目で見上げる彼女(自分では抑えてるつもりらしい)への対処方法が解らない。
カノジョもいない一人身なんでな。
…俺が落ち込んでいたとき、両親はどうしてくれたっけ。
…ああ、そうだな。撫でてやればいいんだ。
思って、僕は彼女の頭に手をのばした。
170 名前:ココロの在るトコロ(3/12) :2006/11/24(金)
01:34:16.41ID:29cGsoGT
(ぱぁん)
途端、のばした手が振り払われた。
「…え?」
いや、弾かれたのだ。彼女のその小さな手に。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
振り払った手で自身をきつく抱きしめながら、プランはよろよろと後ずさる。
背が壁に付いた所で、その場にへなへなと座り込んで泣き出してしまった。
「だ、大丈夫か、プラン? やっぱり合成の疲れが…」
その虚ろな紫眼は、起こそうと近寄る俺を見ているようで見てはいない。
「いや……!
やめて……!
もういや…!
ごめんなさいごめんなさいごめんなサイゴメンナサイゴメンナイサイゴメンナサ」
「プラン! 俺だ。大丈夫、大丈夫だから…」
けれど、俺の声は彼女に届くことはなかった。
「その子、何処から"拾って"きたの?」
あとあと、直ぐに何でもないように立ち振る舞ったプランだが柄にもなく心配になったので、
今日はこうしてガーディアンズの医療施設に来ている。
キャストやマシーナリーの調整整備を仕事とする友人を訪ねてのことだ。
「は?」
「だから、何処で拾ってきたの、って聞いたのよ」
「拾ってきた?
はぁ?彼女は最初から俺が育てたパートナーマシーナリだぜ」
ガーディアンズには一人一体"のみ"のパートナーマシーナリが支給される。
ガーディアンズの規則により管理とメンテナンスと闇取引を防ぐ目的から
複数体の所持は厳しく禁じられている。
「貴方は知らないかもしれないけどね。GH440-13って登録表記。
プライムナンバー13って事は"欠陥により破棄"って事なのよ」
171 名前:ココロの在るトコロ(4/12) :2006/11/24(金)
01:36:27.78ID:29cGsoGT
あの日は朝から定期メンテナンスとして部屋に缶詰にされ、夜頃に開放された日だった。
受けていたのはエンドラム機関の残党狩り。
モトゥブのクゴ砂漠で、解体されたはずのエンドラム機関が独自に開発所持していた
大型戦闘用マシーナリが出現したのを受けて、設定された任務らしいが俺には関係のない。
「血肉が飛ぶ戦いでないのはいいが、こうも残骸のパーツが転がっていると歩き難いな」
そうぼやきながらも、一番危険とされるSランク指定のミッションを進んでいく。
首謀者の確保が任務だが、僕はそんなものには興味はない。
「ちっ…また基板/コスモアトマイザーか…。湿気てやがる」
そう。俺の興味を引くものは、エンドラム機関の残したレアな品物だ。
エンドラム機関は少し前まで一般に知られることのない秘密組織で、相当の武装組織であったらしい。
組織内でも上位にランクする者は、武具ランクで言う所のAやSを所有していたという。
一個人でこれらのランクの武具を購入するとなると、莫大な資金が必要だ。
事実上解体されたとはいえ、残党が旧エンドラムの武装をまだ所持しているのだ。
「狩りがいがあるぜ」
一人ごちながら首謀者が乗っている中型戦闘用マシーナリも撃破し、首謀者が隠し持っていた
物品を箱の中から回収していると、ふと、見慣れないモノが箱の中に入っていたのだ。
上半身には酷くボロボロで薄汚れていて、その機能を果たしていない若草色であっただろう
布を巻き、下半身にいたっては何もつけては居ない。
首には真紅のネクタイが巻かれているが、どう見ても本来の使い方ではない巻き方だ。
解散させられた残党の資金稼ぎの品、といえば納得のいくその元商品。
「…おいおい。これ、パートナーマシーナリだろ
こんなのまでアレな商品として取引されてるのかよ」
彼女はその箱の中で息を潜めていたのだった。
172 名前:ココロの在るトコロ(5/12) :2006/11/24(金)
01:37:02.36ID:29cGsoGT
「ふぅーん。で、貴方はそれをオモチカエリしました、と」
「残党の所持品に関しては、残党内の資料以外の物品はハンターズが各自で処理していい
という通達が出ただろ? 別に問題は無いだろ」
そう。今までだって、基板/ファントムやドラムラインをしこたま持ち帰っては
高値で売りさばいていたのだ。
「はぁ…ガーディアン登録時にサインしたでしょ?パートナーマシーナリは1体のみって」
「パートナー?いやいや、あいつは唯の合成用マシーナリだ」
事実、他のヤツが戦闘中に使っているのは戦闘が得意とされる410や420、回復が得意と
される450だ。一度だけミッションに同行させてみたのだが、あいつは戦闘はろくすっぽう
駄目だから、出来ることといったら合成ぐらいしかない。
合成だけだったらマシーナリ用の合成キットを買ってきて、掃除でも洗濯でもしてくれる
唯のマシーナリの機能拡張してやったのと変わりはしない。
「ただのマシーナリーにだって、感情の自由はあるのよ。馬鹿にしないでくれる?」
ダンっ、と机を叩いて友人が立ち上がる。
忘れてた…。こいつは無類のマシーナリマニアだったんだ。
「いい?パートナーシーナリっていうのはね、普通のマシーナリと違って主人を持つの。
そしてその主人に好かれるために行動せよ、とプログラムされ、擬似恋愛状態にさせるの。
私達の間では"コントラフェット・ミルト"と呼ばれているわ」
「そんな都合のいいプログラムあるはずが…」
「残念ながら、実在するの。つまりね。自分の感情がプログラムによって強要されてるのよ
彼女達は。で、強要されて押しつぶされた意思のケアやメンテナンスを彼女達の
無意識下で調整しているのが、私の仕事ってわけ」
そんなプログラムが存在しているかどうかは俺には解らないが、友人がそういうのだ。
それに、そういうプログラムが内在しているとしたら、これほど夜の生活の商品として
闇市で売りさばき易い商品もないだろう。
「毎週木曜日にメンテナンスをするから部屋に居ろ、というのはそういうことなのか」
あのうざったいメンテナンス時間は、そういうとだったのか、と納得する。
「でもね。稀に強奪されたり闇に売買されるパートナーマシーナリもいるの。
そういう子達にはメンテナンスをしてあげられないから、コントラフェット・ミルトは
やがて崩壊してしまうの。自我とともにね」
「でも、プランはこの間まではあんな事はなかったんだぜ」
「1つだけ。自我が崩壊してもコントラフェット・ミルトを再設定する方法があるわ。
彼女達が元々持っている自我の領域の断片を削除して、その領域に新たな
コントラフェット・ミルトを設定するアイテム…」
「…PMデバイスZEROか」
「ご名答。だけどね、さっきも言ったとおり再設定するたびに彼女達の自我を削るのよ。
メンテナンスも無しに削り続けると、大変なことになるわ。削られすぎた末期症状として
感情の制御や記憶領域のフラッシュバック、生物におけるPTSD等が報告されてるわ」
「どうしたら俺のプランを治してくれるんだ?再登録でもすれば、メンテナンスさせて
もらえるのか?」
俺の馬鹿。だいたい答えは解ってるだろ。
友人は一瞬目を伏せて、こちらに向き直り、真っ直ぐ俺を見ながら言う。
「……どうしようもないから末期症状って言ってるんじゃない。そうなってしまった子達は
もう、自我の修復どろか崩壊のペースの方が早いの。最後は本当にカラッポの機械に
なっちゃう。そうなる前に私達がしてあげられることは、スクラップにする事だけ。
科学者だって万能じゃないわ」
最後まで話も聞かず、俺はガーディアンズの医療施設を飛び出した。
173 名前:ココロの在るトコロ(6/12) :2006/11/24(金)
01:38:06.19ID:29cGsoGT
あれからの崩壊は早かった。
プランを拾った日から4日目。
「なぁ、プラン。今日は何処のミッションを受ければいいと思う?」
「ああ。それだが、先程本部からの通達で…あれ、あれ?なんだったかな」
「おいおい、しっかりしてくれよ。それが取り柄だろ」
「すまない主。もう一度確認を取るよ…」
話しかけても時々言葉が詰まるし、
「主、確認が取れたぞ。ニューデイズのミズラキ保護区の防衛の任務が発令されているよ」
「そうか、ミズラキ保護区防衛戦だな。難易度Sだと、オルゴーモンが…」
「やめてぇぇぇ! いやっ、いやなの…」
急に怯えだしたりする。
心配で心配で、とても任務も手に付かないから、一緒にセレブショコラを作ったり
ルームグッツがどれがいいか、カタログを見たりして過ごしていた。
前の俺にはもう戻れない。経験値とメセタとレア意外要らないと思っていた頃の俺には。
プランを拾った日から5日目。
「プラン、ちょっと倉庫から氷属性のソリゼンバを取ってくれないか?」
「…(ぼー)」
「プ・ラ・ン!」
「な、なんだ主。急に大声出さないでほしいよ、まったく」
ぼー、っとして反応がない事が多くなり、
「少し寝るから、何時もの時間に起こしてくれ」
「…(ぽー) …がばっ」
「お、おい。何してるんだ!」
「あるじぃ…。私、私…あついのぉ」
ぽー、っとして馬乗りにされたりした。
勿論、それに漬け込んでアッチの方な展開に持っていく程、腐ってはいない。
…淫靡な雰囲気を纏っていて、理性が危うかったが。
プランを拾った日から6日目。
「プラン、昨日の売り上げを」
「…」
呼びかけても反応を示さず、虚空を見つめて座っているプラン。
今までのぼーっとしてる感じではない。何かが、何かがおかしい。
「どうしたんだ? おい、プラン」
"どうしたんだ?"だと? わかっているくせに。
壊れた。いや、壊した。手を打たなかった俺の失態だ。
…仕方ないさ。どうしようもなかったんだ。俺は悪くない。ただ拾っただけ。
壊れたって、引き取られれば俺はもう関係ない。
パートナーマシーナリなら育てては居ないが、元々貰ったGH100が居る。
なに、居なかったものが居なくなるだけ。別に、
「別に………クソッ!」
いつの間にか俺の心に入りやがって!
無効は擬似恋愛なのに、こっちはホンキかよ、馬鹿か…。
「ああ、俺は馬鹿者さ」
174 名前:ココロの在るトコロ(7/12) :2006/11/24(金)
01:38:53.54ID:29cGsoGT
(ピコッ)
メール着信音が空虚な部屋にこだました。どうやらPMマニアの友人からのメールらしい。
"大バカモノへ
解っているとは思うが、明日は定期メンテの日だよ。そのGH440-13を置いている限り
貴方はガーディアンズの規約違反者としての処罰…つまり、ガーディアンズとしての
一切の権限を剥奪されるでしょうね。当然、そのまま見つかれば、彼女はほぼ確実に
スクラップ工場へ配送されるわ。そこで研究用スクラップとして一生、生かされる
でしょうね。
私はそういう結果は許さない。だから、一つだけ方法を教えてあげるわ。
その子、その場で殺してあげなさい。
メールに「PMデバイスREBOOT」を添付してるわ。それを使って殺しなさい。
貴方自身の手で。
大バカモノの友人より"
…やる事は決まった。
プランの事を、きちんと最後まで面倒見てやろう。
ほんと、世話の掛かるヤツだ。
175 名前:ココロの在るトコロ(8/12) :2006/11/24(金)
01:39:29.58ID:29cGsoGT
プランを拾った日から7日目の朝。
友人からメールを貰ってから、俺は一晩中プランに声をかけ続けた。
拾ってきた日の事。
帰る途中、あの格好のままのプランを連れていて白い眼で見られた事。
服選びに10時間もかかった事。
プランが店のオヤジと激しい値切りバトルをして手にいれた散弾銃の事。
ニューデイズで初めて実践に出した時の事。
初めて完成した防具ソリセンバ氷26の事。
いらなさそうな素材を見繕って、こっそりモギモギしていた事。
でも、実はバレバレだぞ、という事。
ナケナシのメセタで買ったマジムラを6連続失敗し続けた事。
ルームグッツはパノンで統一と意見が一致した事。
一昨日の夜の事。
そして窓から日が差し込む頃、彼女はようやく眼を覚ました。
「プラン、おはよう」
「おはよう御座います、主。定時通りに起きるとは、珍し…いや、失敬。
良い日もあるものですね」
そこには何時もの彼女が居た。けれど、これが長く続かないのは俺自身が一番良く知っている。
「ああ、プラン。早速で悪いんだが、これ、今日の餌だから」
何度も練習した言葉と動作。
そう言って後ろ手で隠していた「PMデバイスREBOOT」を差し出そうとする。
ああ、駄目だ。腕が震えて動かない。
肝心な時に、俺は、なんてヤクタタズ。自分で面倒見るって決めたんだろ!
「主…わかっている。だから無理をするな」
震える腕にきゅっと抱きついたプランの体は温かく、とても頼りなかった。
「私の自我機能が停止している最中も、メールのウィルスチェック機能は動作している。
ご友人からのメールも了承済みだ」
「プラン…」
「主が辛ければ無理しなくてもよい。定期メンテナンスが入る前に、私はここを退くよ。
なに。今度、ZEROを使われたらもう駄目だと思っていたんだ。それを主が見つけて
介抱してくれた。私は…」
だめだ。
私の削られてボロボロになったはずの自我が、コントラフェット・ミルトを
突き破って、スクラップになって辛い思いをしたくない、と訴えてくる。
主は私に、こんな私に、優しくしてくれた。
今までの主はみんな酷い人達ばかりだったけど、最後に良い主に出会えた。
その人に、最後の最後で辛い思いはさせたくない。
コントラフェット・ミルト! ここがお前の出番だろ!
しっかり、最後まで…。
「私は…このままでいい。さいごまで あるじと いっしょに………」
コントラフェット・ミルト! 笑顔で言ってやるんだ!
腕に痛いくらいにしがみついているプランは、ぼろぼろと泣いている。
「…自分では笑ってるつもりだろうが、泣いてるぞ」
ひっくひっくと震えているその小さな肩に手をかけ、強く抱いてやる。
「主こそ」
朝の静かなガーディアン宿舎の一室に、二人の嗚咽が長いことコダマした。
176 名前:ココロの在るトコロ(9/12) :2006/11/24(金)
01:41:48.95ID:29cGsoGT
「主。私は主の方針に従う。だから…消える前に最後に一つ我侭を聞いてくれるかい?」
「なんだ? 俺に出来ることなら何でもやってやるさ」
少し照れつつ、若草色の少女は口を開く。
「私は壊れているから、戦闘も合成もからっきし駄目で、主には迷惑ばかりかけていた。
最後に一つくらい、私の得意な分野で奉仕させてもらいたい」
そういうと、パサッと上着を外し細身の体でニューマンをベッドに押し倒した。
着やせしている少女のシルエットが、窓から入る朝日によってくっきりと浮きでている。
「なっ…プラン。ちょっと待て!」
「わ、私だって自分で望んでやるのは初めてだから恥かしいのはお互い様だっ。
それとも、私のような体型は好みではないのか?」
「いやいやいや。そんなことは無い!現に、一昨日の夜だって」
「主。その時の記憶は無いが記録があるのだ…。
恥かしいからその先は言わないでくれ……頼む」
「…プラン」
「…主」
177 名前:ココロの在るトコロ(10/12) :2006/11/24(金)
01:42:25.71ID:29cGsoGT
(ピコーン)
【運営チームからお知らせです。本日只今より、定期メンテナンスを行います。まだログ…】
(バンッ)
「ガーディアンズ警備隊第6部隊だ!パートナーマシーナリの保持規約違反の現行犯で
逮捕、及び、そのパートナーマシーナリを回収する!」
くっ…仕方ない。覚悟を決めろ、俺!
俺は右手に握っていた「PMデバイスREBOOT」を素早く口に含み、
目の前のプランを抱き寄せ口付けをした。
舌で「PMデバイスREBOOT」をその小さくふっくらとした唇を通して押し入れてやる。
びっくりして、うっとりして、ないて。
ほんと、表情がころころ変わって可愛いやつだ。
名残惜しいが、最後の時まで唇を味わっている訳にはいかない。
キチンという事を言わなくては。
「プラン。好きだ。ありがとな」
それを聞いたか聞かないか。
プランは今迄で一番綺麗に泣きながら嬉しそうに笑って、朝日の中に溶けて逝った。
(ぱさっ)
赤いネクタイだけが、部屋に残り、俺はそれを握り締めて子供のように泣いた。
それからが大変だった。
警備隊に拘束され、法廷にかけられ、ガーディアンズの権利を剥奪されて
Lvも装備も職業ライセンスも取り上げられた。
だが、あのお節介者の友人が色々と取り計らってくれたようで、なんとか
ガーディアンズの免許の新しく再取得するという条件での復帰を許されたのだ。
178 名前:ココロの在るトコロ(11/12) :2006/11/24(金)
01:43:26.69ID:29cGsoGT
ガーディアンズ復帰より1ヶ月後。
Lvも装備も職業ライセンスも元通りとまではいかないものの、ノウハウが解っていた
だけに、思ったよりすんな大分整ってきた。
そろそろ聖地Sの周回でもするべきだろう。
通過するだけだからランクがCのptに便乗させてもらおう、と思いptを探していると
ソロptで虹色の法獣Cを1時間も掛かっているフォルテガンナーが居る。
「おいおい…Cで1時間って、どんな戦闘下手なヤツだよ」
そのキャストの必死の戦いぶりを、ちょっと見たくなった俺はptに乱入してみた。
中に入り挨拶をすると、なにやらブロック4で戦闘しているらしい。そこに行ってみると
「後ががら空きっ」
という台詞を言いつつ、自慢の散弾銃で次々とアギータを蹴散らしていく
ライトグリーンの体の女キャストが戦っている。
だが、彼女は気が付かなかった。後ろにゴーモンが出現したことに…。そして
(ピキーン!)
「…はっ。フリーズ……」
なかなか凍結状態が溶けないまま、次々と周りに出現したゴーモンからバータを
浴びせられる。あれはまずいな、と彼女を死から救うべく
「ったく、何やってんだ! ラ・フォイエ!」
と、一瞬でゴーモン達は煉獄の炎に包み、消してやった。
「お願いします。私をガードして下さいっ!」
そういいつつ、その女性キャストはこちらを振り返った。
ライトグリーンのボディに、手に光るは散弾銃。そして、胸元には真紅のネクタイ。
「コメントに『突っ込みます!援護をお願いします!』って自信満々に書いてると
思ったら…後方不注意だ」
そう言って、黒い柄に星のフォトンが付いた杖で、ぽこり、と叩かれた。
あれ? この感覚…。
「「どこかで会った事、ありました?」」
おしまい。
補足:「PMデバイスREBOOT」は、パートナーマシーナリを初期出荷前の状態
GH000に戻します。その際、初期前の一切の記録を持ちません。
ですが、元の素体は一緒なので、癖や嗜好が重複する可能性もあります。
179 名前:ココロの在るトコロ(12/12) :2006/11/24(金)
01:46:52.51ID:29cGsoGT
12分割のはずが、話は11分割で終わってしまった…。
板汚しの長駄文、失礼しました ili orz ili
(440 ・-)oO(もぎもぎ…この話、だいぶ不味いですね)
180 名前:名無しオンライン :2006/11/24(金)
01:50:31.64ID:9o64YCcg
>>179
この深夜帯にこれだけ書く頭の回転数を維持できるあなたはワンオブサウザンドに違いない
m9っ`・ω・´)