※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

>>883氏


883 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:01:13.09 ID:6fllH26q
俺「今日はショップに寄って来るから、帰りは少し遅れる。じゃあ、行ってくる。」
そう言うと、俺はマイルームを後にした。
『ちょっと言い過ぎたかな?』
それは朝の出来事だった。
朝起きると、ベッドの傍らに430が立っていた。
俺「おはよう。どうした?何かあったのか?」
430「あ、お早うございますご主人さま!…あ、あのですね。」
そう言うと、430は俺にモノメイトを差し出した。
430「合成を依頼されていた”アルテリック”を失敗しちゃいました。ごめんなさい!」
俺「あ、ああ。そうか、分かった。」
『クバラ品だし仕方ないな。』と思っていると、更にブルースの軟骨を差し出した。
430「あのぉ。実はお昼のお弁当用に作った“コルトバサンド”も失敗しまして…。」
俺「お前はコルトバサンドもロクに作れないのか!」
今日は2人でパルムに行く予定だったが一人で出てきてしまった。
今考えればそこまで怒らなくてもと思ったのだが、ここ最近合成は失敗ばかりだった事もあり、その時は虫の居所が悪かったらしい。
『帰ったら謝るか…。仕方が無い、今日は別のミッションでも受けるか…。』
俺は一人ミッションカウンターへと向かった。


430「いってらっしゃいませ。ご主人さま…。」
“プシュー”と言う音と共にドアが閉まり、ご主人様は出かけてしまった。
『今日はパルムに連れて行ってくれるって言ったのになぁ。』
430「隣の410ちゃんや、向かいの420ちゃんは毎日の様に連れいってもらっているっていうのに、私は今日もお留守番…。ねぇ。どうしてかな?」
と、部屋に飾ってある“パノンオブジェ”に話しかけてみるも、ただ台座の上を歩いているだけで何も答えてはくれなかった。
430「合成失敗した“アルテリック”もクバラウッドの加工が難しいのよね…。もう、君のせいだぞ…。」
“コツン”とクバラウッドをつついても、やはり返事は返ってこなかった。
430「クヨクヨしていてもしょうがない。今日も合成がんばりますか。」
“ヨシッ”と430は気合を入れると、”アルテリック”の合成作業を始めた。

885 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:02:44.45 ID:6fllH26q
俺「なかなか上手く行かないものだな…。」
予定を変えて受けたミッションは、最近流行っている犯罪で“人型に変化したパシリの記憶データを改ざんして、客に売りつけているバイヤーを捕まえる”と言う物だった。
この手のニュースが増えてから、430には「知らない人には付いて行ってはダメだよ。
」と強く言ってある。
リストを手に街を何時間か周ったものの、そう簡単に見つかるわけも無く、ただ時間だけが過ぎていった。
俺「今日はこの辺にして、買い物でもして帰るか。早く見つかると良いが…。」
そう言うと、俺はお目当ての物を探しにショップ巡りを始めた。


 ドゴォォオン!!
派手な音が部屋に鳴り響く。
430「うぅ…。また失敗かぁ。これで5本目だよぅ。どうしよう、またご主人様に叱られるよ…。」
とりあえず部屋の片付けをして途方に暮れていた430だが、何か思いついたのか430はイスから立ち上がり外に出かけた。

886 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:03:40.35 ID:6fllH26q
俺「ただいま…。あれ?」
何とかお目当ての物を見つけ、マイルームに戻りドアを開けると部屋の明かりが消えていて、いつもなら真っ先に迎えに来る430の姿がなかった。
リビングに入ると、テーブルの上にモノメイトが置いてあった。
『あいつまた失敗したのか…しょうがないやつだな。』
と思いつつ、都合が良いと準備を整える。


430「もうちょっと安くなりませんか?」
アルテリックの完成品or再度作るべく、ショップ巡りをしていた。
店員「すまないね。こっちも商売でやっているから…。」
お小遣いではとても足りず、ションボリとショップを後にした。
『困ったなぁ。』
と、途方に暮れていると、人の良さそうなおじさんに話しかけられた。
おじさん「嬢ちゃん。何か困った顔をしているけど、何かあったのかい?おじさんで良ければ話を聞くよ。」
ちょっと戸惑ったけど、人が良さそうだったので事情を話すと、
おじさん「だったらちょっときついけど、短時間で稼げる良いバイトを知っているから紹介してあげようか?でも、お嬢ちゃん大丈夫かな?」
430「私、がんばります!」

887 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:04:40.52 ID:6fllH26q
俺「遅い…。」
ご飯の時間になればお腹が空いて帰ってくるだろうと思っていたが、なかなか帰ってこない。
流石に心配になったので、街に探しに出かけると同僚Aに声をかけられた。
A「おう!久しぶり!」
俺「ああ。久しぶりだな。ところで、俺のPM見かけなかったか?」
とりあえず聞いてみる事にしたが、意外な答えが返ってきた。
A「見たよ。髭おやじと一緒だったけど、知り合い?」
『髭おやじ?まさか…。』俺は、リストの中から一人の男を選んでAに見せた。
A「ああ、こいつだよ。今時カイゼル髭なんて珍しいからな。」
俺「で、そいつと何処に行ったか分かるか?」
A「裏通りに入っていったのは見たけど、その後までは分からないな。何かあったのか?」
俺「まあ、色々とな…。ありがとう、助かるよ。」
A「おう。たまにはこっちの方にも顔を出せよ。」
俺「ああ。そのうちな。」
俺はその場を後にして、裏通りに向かった。



おじさん「ちょっとここで待っていてもらえるかな?」
そう言われると、一室に案内された。
部屋には応接セットと、机がある位で、他には調度品がなく質素な部屋だった。
フルーツジュースを出され、イスに座って飲んで待っていると、外からおじさんが電話で話す声が聞こえてきた。
おじさん「はい、はい。ええ…その点においてはご心配はいりません。データをいじって前のマスターではなく、お客様のデータを入れ替えれば…。」
『え?何?どう言う事?…あ!』
最近ニュースで見た事件を思い出した。
430「どうしよう。早く逃げないと…。」
この事でご主人様に知らない人に付いていったらダメって言われていたのを思い出した430。
430「またご主人様に叱られちゃうよ…。」
でも、どうしたら良いのか分からない430。
ふと、朝ご主人様からおやつにと“フリーズトラップ”を貰っていた事を思い出した。
430「そうだ!これで…。でも、お腹すいたなぁ。」
などと考えているうちに、おじさんが帰ってきてしまった。
おじさん「やあやあ、待たせたね…。」
今はそんな事を考えている場合じゃない!と、
430「おじさん!ごめんなさい!」
“えいっ!”とおじさんにフリーズトラップを投げつけると、おじさんの頭に当たって……そのまま床に落ちた。
430「…アレ?何で??」
床に落ちているフリーズトラップを見て430は気付いた。
『あーッ!セーフティー解除するの忘れてたぁ!ばかばか、私のばかぁ!!こんなんだから合成失敗するのよぉ!』
おじさん「お嬢ちゃん。これは一体どう言う事かな?」
430「えっ!えーっと。ちょっとトラップの練習を…。」
おじさんの顔は、笑っているが目が笑っていない。
430「あははは…。あっ!そうだ!ちょっと用事を思い出したので、帰りますね。お邪魔しました~。」
そう言ってドアを出ようとした所で、おじさんに腕を掴まれた。
おじさん「悪いけど、帰すわけには行かないな。それに、そろそろ痺れ薬が効いてくる頃だろう…。」
430「えっ?」
おじさん「お嬢ちゃん。フルーツジュース美味しかったかい?」
430「はい!とっても!!」

888 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:05:41.13 ID:6fllH26q
“バタンッ!!”と派手な音と共に、430は後ろに倒れた。
『か、体が動かない…。』
男は430を担ぐと、奥の部屋にある手術台の様なベッドに寝かせ、逃げれない様に両手両足をロックした。
おじさん「次に目が覚めた時には、今までの事は綺麗に忘れているから、安心して新しいご主人様に可愛がってもらうんだよ。」
そう言っておじさんが近づいて来る。
『いや…そんなの嫌だ!ご主人様助けて!』
瞼を固く閉じ、身を固くする430。
…。
………。
………………………。
『あれ?』
恐る恐る瞼を開けると、そこにはおじさんの姿は無く、代わりにご主人様が立っていた。
430「ご主人様!?」
ご主人様は両手足のロックの解除してくれた。
いつの間にか薬の効果は切れて体が動くようになっていて、起き上がるとおじさんが床でのびていた。
俺「姫、お目覚めはいかがですか?」
おどけているが、怒っている事は聞かなくても分かっていた。
俺「…はぁ。あれほど知らない人には付いて行くなって言っただろ?」
返す言葉が無い。どんな顔をすれば良いのか分からない…。
気が付くと、走り出していた。
ご主人様「あ、ちょっと!430!何なんだよ!」
バイヤーを放って置く訳にも行かず、ガーディアンズ本部に引き取りに来てもらう連絡を入れた。

889 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:06:47.35 ID:6fllH26q
430「私、どうしたら良いの…。」
その場を逃げるように出てきたが、この後どうすれば良いのか分からなかった。
このまま帰らない訳にはいかないし、かと言ってどんな顔をして会えば良いのか分からない。
当ても無く歩いていると、ルームグッズショップを通りかかった時に『PMデバイスZERO』が目に入り、朝のご主人様の言葉を思い出した。
「今日はショップに寄って来るから、帰りは少し遅れる。」
『まさか、ご主人様は私をリセットするのでは?』
普段は思いもしない事も、今の430には当たり前の様に感じられた。
『ご主人様にリセットされる位なら、いっそ自分で…。』
ショップに入り、『PMデバイスZERO』を手に取るとお金も払わずに逃げ出していた。もう、430止まらなくなっていた。



ようやくガーディアンズに引き取って貰い、報酬を貰って430を探すも見つからない。
2階を探している時に、ルームグッズショップに人だかりが出来ているのを見かけ聞いてみると、430型のPMが『PMデバイスZERO』を持ち逃げしたらしい。
『まさかな…。』を思いつつも、逃げていったと言う上の階には心当たりが一箇所あったのを思い出した。

890 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:07:37.80 ID:6fllH26q
何処をどう走ったのか分からないが、いつの間にかオロール展望広場に着いていた。
そこは、まだ生まれて間もない430が、戦闘に慣れさせる為に良く通った場所だった。
いつもの場所に腰を下ろし、辺りを見渡すと星を見に来たカップルや、PMを連れたパーティーの姿があった。
430「星が綺麗だなぁ…あ!パルムだ!楽しかったなぁ…ご主人様といったパルムの草原。それも、もう終わるのね…。」
そう言うと、430は『PMデバイス ZERO』を取り出した。


俺「やっぱりここだったか。」
俺はオロール展望広場で、『PMデバイスZERO』を手に持っている430を見つけた。
慌てて近づこうとしたが、どうも様子がおかしい。
『PMデバイスZERO』を口元に持って行っては止め、持って行っては止め、を繰り返している。
俺はゆっくりと430に近づいき、その手から『PMデバイスZERO』を取り上げた…。

891 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:08:31.49 ID:6fllH26q
430「あッ、ご主人様…。」
今にも泣きそうな顔で俺を見上げる430。
俺「お前、これを食べたらどうなるのか分かっているのか?」
静かに俺は言った。
少しの沈黙の後、430はその重い口を開いた。
430「知ってるよ。それを食べたら私はリセットされて、GH101に戻るの…。」
俺「知っているなら何でそんな事をするんだよ!」
分かっていながら自らリセットしようとしていた430に腹が立った。
430「ご主人様のお役に立ちたかったの…。」
俺「えっ??」
430「でも私、合成は失敗ばかりでッ!戦闘でも役に立たない!おまけに今日は言いつけを破って知らない人に付いていって売られそうになってッ!」
俺「…。」
430「嫌だよね?もう、嫌いになったよね?こんなダメな子いらないよね?今日も帰りにショップによって『PMデバイスZERO』を買って私をリセットしようとしたんだよね?だから、ご主人様にリセットされる位なら自分でリセットしようと思って…。」
俺「430…。」
430「でも出来なかった!何度も何度も食べようと口に持っていってけど、ご主人様との楽しい思い出が頭をよぎって食べられなかった!ご主人様の事を忘れるなんて出来ないよ!」
俺「…。」
430「何で私は430なの?410や420なら戦闘でも役に立つし、打撃系の合成だって得意でもっとご主人様の役に立てるのに!私410や420に生まれたかった!そうすれば、こんな思いしなくて済むのに!ご主人様何で?どうして私は430なんですかッ!」

892 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:12:45.22 ID:6fllH26q

430に泣きながら言われて、俺は思い出した。
俺「…初めてGH430を見た時に、その可愛らしさに俺はPMをお前にする事を決めたんだ。」
430が泣くのを止めて、顔を上げた。
俺「戦闘で役に立たない事や、ハンターで打撃特化を目指していたが、途中で路線変更してステータスは中途半端になって合成では特にメリットが無い事も分かっていた…。」
430「ご主人様…。」
俺「お前がいれば、単調でつまらない周回も楽しかった…。
合成だって、お前が初めて作ってくれたオートガンは、今でも大切に使っているし、
ミッションから疲れて帰って来てお前が笑顔で出迎えてくれた時は、それだけで疲れが吹き飛んだ。
だた、そばにいて欲しかったんだ…。
なのに俺、その事を忘れてお前の事叱ってばかりでッ!」
俺は430を抱きしめた。
430は華奢で小さくて、こんな小さな身体で悩んで、自らリセットしようとするまで追い込んでいた自分に腹が立った。
そして誓った。
俺はこの両腕で抱きしめられる世界を守っていくと…。
430「ご主人様…。」
俺「悪かった、本当にごめんッ!」
430「私、ご主人様のそばにいても良いですか?GH430のままで良いですか?」
俺「ああ…。俺は”お前に”そばにいてもらいたいんだ…。」
そう言って頭をなでると、夏のひまわりの様な笑顔になる430。
そう、俺はこの笑顔に助けられてきたんだ。
430「ご主人さまぁ~。」
その後、パルムを見ながら草原に行った時の話などをして笑いあった。

893 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:13:48.26 ID:6fllH26q

俺「それじゃあ、帰ろうか?あ、そうそう。今日は何の日か憶えてるか?」
一瞬考える430だが、直ぐに気付いたらしく笑顔で答えた。
430「私が生まれて1歳の誕生日ですね!」
俺「当たり!お祝いする為に『セレブケーキ』をショップで探すの大変だったんだぞ。
」430「えッ?ショップってその事だったんですか?言って下さいよ!」
ほっぺたを“プクッ”と膨らませて起こる430。
俺「言ったら意味が無いだろ?」
430「変に勘違いしたじゃないですか!もうッ!早く帰ってケーキ食べましょう!」
俺「その前に、ルームグッズショップによって謝らないとな。」
430「あ…。」
俺「お前、忘れてただろ…。」
ショップに立ち寄り事情を話すと、定員には怒られたけど被害届けは出さないと言ってくれたが、弁償させられたお陰で今日のミッションの報酬は無くなってしまった。
その後マイルームに帰って、ささやかながら2人でお祝いをした。
『PMデバイスZERO』は、マイショップに半値で出して置いたらいつの間にか売れていた。

894 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/04(土)01:16:33.50 ID:6fllH26q
翌朝、目を覚ますとベッドの傍らに430立っていた。
俺「おはよう。」
430「あ、おはようございます。ご主人様。あ、あのですね…。」
俺「何だ?」
430「じゃじゃーん!今日のお昼『コルトバサンド』が上手に出来ましたッ♪」
俺「おお!良くやった!」
そう言って430の頭をなでる俺。
430「今ならセットでモノメイトが付いて来ま~す♪」
俺「それはサービスが良いな!って、それ昨日頼んだデスダンサーだろ!」
430「てへッ♪バレました?」
逃げだす430。
俺「コラァ~!待て~!430!」
430「ごめんなさぁ~い!」
言葉とは裏腹に、2人の顔は笑っていた…。




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー