361 名前:440と変な美ス男94[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:17:14.17 ID:PVfl7GbN
「まったくもー、アンタってば何時まで経っても本っ当に口が減らないわねー・・・。
ああ言えば、こう言うし・・・」
「私は理解のあるご主人様に恵まれている貴方が羨ましい」
「美しいものが好きと仰られるマスターは事こういった嗜みには糸目を付けませんので」
しれっと疲れ気味のご主人様を無視する元不死身とご主人様に視線を向けるGH440。
美ス男がその視線に気が付いた。
「あら。 アタシは美しいものが好きなだけよぉ。 それとぉ、妥協は美しくないわぁ」
「いっその事同じGH440同士ですから、ご主人様を交換しませんか?」
「謹んで、遠慮させて頂きます。 本人の人柄はまず置いといて、服と帽子に理解の無い
というのは何とも」
「何提案してるのよ、アンタはっ! そんなに服と帽子が大事かー!?」
「「GH440は帽子が無ければ始まりませんので」」
「あはは。 こういう所はよく似てるわねぇ。 あら。 着いたみたいよん」
更にご主人様をスルーして、爆弾発言を何気ない顔で顔でしれっと呟く元不死身に
エミリアの入れたツッコミは2人ががりのカウンターで跳ね返された。
そんな話を続けているうちにお目当てのホテルが見えてきた。 そこそこの大きさで
バーベキュー用の設備も見受けられる。 家族連れとかにはこういったサービスの方が
いいのだろう。
362 名前:440と変な美ス男95[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:23:05.22 ID:PVfl7GbN
[14/33]
「折角だからぁ、案内して貰ったお礼に良ければご馳走するわよぉ?」
「こういう点は是非とも見習って欲しいものですね、マイマスター?」
「う゛っ! な、何よ、この前奢ってあげたち゛ゃないっ!」
「でしたら、明日の昼食はここにしましょうか」
「それ、無理。 勘弁して・・・」
美ス男の提案に普段の不平をさりげなく言う元不死身に反論するもやはりあっさりと
言い返され、肩を落として俯きながら軽く両手を上げて、白旗を振るエミリア。
その様子を見てクスクスと笑っているGH440。
美ス男がホテルのフロントでレストランの利用が可能なのかと空きの状況を確認すると
OKとの事で案内役の赤帽がこちらに向かってくる。
「ご案内致します、ミスタ。 こちらへどうぞ」
「ありがとう、嬉しいわん♪」
案内されたレストラン内は満員一歩手前でそこかしこに家族連れと思われる子供の姿も
見受けられる。 示されたテーブルに一旦座った後に料理を取りに行く。
そして食事が進むにつれて呆気にとられる美ス男とエミリア。 最初の頃は普通に
料理を取り皿によそって持って来ていたGH440と元不死身だったが後半はケーキの
山と化していた。 それも2人してシフォン、ムース、ザッハトルテなどの
各種チョコレートケーキである。
それら全てをモギって、更に取り皿を持ってケーキバイキングのコーナーに向かう
GH440と元不死身。
363 名前:440と変な美ス男96[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:27:09.64 ID:PVfl7GbN
[15/33]
「貴方は千に纏わるPM間の都市伝説をご存知ですか?」
「はい。 聞ける程度には」
「Gコロニー在住と思いますが、”女帝”の噂は?」
「ええ、よく存じています」
「なるほど。 貴方も”そう”なのですね?」
「はい。 貴方と同じかと」
ケーキバイキングでケーキを取り皿に取りながら元不死身が聞こえるか聞こえないかの
小声で口早にGH440に質問をする。 お互いの反応を見て、腹を探りながら。
「その事を貴方のご主人様は?」
「はい。 バケモノでも疫病神でも美しければいいと、女帝の前で仰りました」
ごく自然に、さも当たり前の事のように答えるGH440と、ケーキを取る手が止まって
一瞬目が点になる元不死身。 その反応を楽しそうに見るGH440。
「”女帝”と”狂犬”は元気ですか?」
「狂犬は初耳ですが、女帝なら。 最後にちょっとしたゲームをしませんか?」
そんなやり取りからふとした事に気が付いたGH440がある事を思いついて元不死身に
提案を持ちかける。 思いついた事は伏せたままで。
364 名前:440と変な美ス男97[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:29:16.25 ID:PVfl7GbN
「アンタ達、よくそんなにケーキばっかり食べれるわねー?」
「「デザートは別腹です」」
呆れ顔のエミリアに互いに顔を見合わせた後に向き直ってハモるGH440と元不死身。
そんな2人のPMの様子を楽しそうに見ている美ス男。
食事が済んで美ス男が会計を済ませに行き、其の間にトイレに向かったエミリアの目の
無い間にお互いの立ち位置を変えるGH440と元不死身。
「じゃ、行きましょうかぁ」
「うー、ちょっと食べ過ぎたかも・・・」
エミリアが戻って来てからホテルのレストランを出る一行。
「いやー、何かすっかりご馳走になっちゃったね」
「元々気分転換のつもりだったからぁ、食事は大勢の方が楽しくていいじゃなぁい」
「うん、ありがと」
エミリアと一緒にさりげなくお辞儀をするエミリアの隣のGH440。 敢えて、
何も言わない美ス男の横の元不死身。
「じゃ440ちゃん、行きましょうかぁ」
自分の隣にいる元不死身の方を見て一瞬帽子に目が止まった美ス男だったが、
そのまま歩き出そうとする。
365 名前:440と変な美ス男98[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:32:43.90 ID:PVfl7GbN
「マスター、間違えていますよ?」
「トイレに頭の中身まで置いてきましたか、マイマスター?」
GH440と元不死身がお互いの本当のご主人様に声をかける。
やっちゃったかしらぁという風な顔の美ス男に呆気に取られているエミリア。
「あら。 アタシとした事が440ちゃんと元不死身を間違えるなんて、
美しくないわぁ。 ゴメンなさいねぇ」
「何それー? 引っ掛けたっていうの、信じられないしー!」
「幾ら同じ型番でも元不死身さんに失礼かと? お詫びの印にもう一度食事にでも
誘ってみては如何でしょうか、マスター?」
「そうねぇ。 じゃ、今集めてる素材集めが済んだら後で連絡するわぁ。 これで
勘弁してねぇ、元不死身ちゃん?」
「はい、私はそれで一向に構いませんよ」
「そこ、何無視して勝手に話進めてるかなー」
相変らずエミリアを無視した元不死身が話を決め、連絡用にお互いのパートナーカードを
交換して別れる美ス男達とエミリア達。
366 名前:440と変な美ス男99[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:36:12.15 ID:PVfl7GbN
「わざと間違えましたね、マスター?」
「そうねぇ、帽子位は交換しておくべきよぉ?」
「例え帽子を交換していても、5番と8番の服の違いで結果は同じと思いますが?」
「あはは。 そうなのよねぇ。 440ちゃんがあんな事するなんて何かあるとは
思ったんだけどぉ、あれで良かったのかしらん?」
「はい。 私の想定通りとなったので十分です。 元不死身さんにはこうなる事は
伝えてはいませんでしたけどね」
そう、元不死身さんの心情を察して仕組んでみたのですがご主人様が何かあると
いう事に気が付いてくれたからこそ成功しましたが。
まあ、ご主人様が私と元不死身さんを見間違える筈はないんですけどね。
万が一にでも見間違えようものなら、それはそれで後程に精神的慰謝料でも
請求するつもりでしたけどね。
「じゃ、用事の方を済ませようかしらぁ」
「この時間からですか?」
「そうよん。 夕方から開くお店なのよねぇ。 因みに待ち合わせ場所は、こ・こ」
「それで先程エミリア達と別れた後もこの場所にいた訳ですか」
「そうよん。 もうそろそろ来る頃ねぇ」
暫くするとアフロヘアーに星型のサングラス、派手なアロハシャツを着て短パン、
ビーチサンダルという、どちらかというと観光客と思われるような外見の一人の
ヒューマンの男性が現れました。
続く
367 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 05:55:52.82 ID:PVfl7GbN [19/33]
新参者で御座います。
更に続いているミッション?編の続きです。
今回長くなったのは元不死身(大規模な修復になって機体交換などの可能性も
考慮してそう呼ぶ事にしました。 普通のPMになっているかもしれないので)
とエミリアのやり取りが書いていて面白くて気が付くとこの長さに・・・。
あと、一度やってみたかったPM同士の取替えっこも今回の中で出来たので
楽しかったです。
今回自分の書いた元不死身でよければ、謹んで本来の書き手である小ビス子氏に
贈らせて頂きます。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
368 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/12(金) 11:38:34.25
ID:uyE0q8Ab
元 不死身が主役なPSPO2∞を想定 ナギサちゃんの扱いwが気になる?
369 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20:45:57.38
ID:PVfl7GbN
>>368
それ、いいですねぇ。 真面目で世間知らずなせいか何処かズレている
ナギサちゃんは元不死身に振り回される事間違いなしかと。
という理由で元不死身が主人公なのはいいとして、問題はワイナールが
元不死身に見えるかどうかという所でしょうか?
携帯版はやってないので是非とも他の方に書いて貰いたいですな。
最も不死身の扱い方に長けてる本家小ビス子氏、如何でしょか?
そしてたまには早い時間に少し投下
370 名前:440と変な美ス男100[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20:50:36.66 ID:PVfl7GbN
未だに続くミッション?編の続きです。
「お久ぁ。 すっかり観光地な格好ねぇ」
「まあな。 そういうお前さんのフォーマルは相変らずだけどな」
「あはは。 TPOは合わせるわよぉ?」
「そりゃ、そうだが。 まあいい、店の方に行くか」
「はぁい。 440ちゃん、行くわよぉ」
この派手な方に案内された先は観光客相手の土産物品店が並ぶ中にある骨董品店?
しかも夕方から営業って、色々と変わっていますが。
「本当に変わってるわよねぇ、真新しいもの好きの骨董品店ってぇ。 転居案内の
メール見た時は大笑いしちゃったわぁ」
「ほっとけ。 で、態々ここまで来るって今度は何を探しに来たんだ?」
「お鍋よん。 スキヤキ鍋」
「あったかな・・・。 探してくるから、茶でも飲んでてくれ」
そういってカップに入った乳白色のお茶を出して店の奥に入っていく骨董品店の
ご主人。 変わった味のお茶と思っていたら、ご主人様が後でバター茶だと教えて
くれました。
暫くお茶を飲みながら待っていると奥から骨董品店のご主人がスキヤキ鍋を持ちながら
戻って来ました。
「あったが、使われてた年代からすりゃあ、どっちかってーと日用品の範疇だな」
「それで構わないわよぉ。 骨董品としてじゃなくてぇ、お料理に使う為だしぃ」
骨董品店の主人にメセタを払ってスキヤキ鍋をナノトランサーに入れるご主人様。
店内を一通り見回してからご主人に聞いてみる。
371 名前:440と変な美ス男101[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20:54:47.42 ID:PVfl7GbN
「そうねぇ、来たついでに何か掘り出し物あるかしらん?」
「変わった物なら、こんな物があるぞ」
幾つか置いてある品物の中から一丁の短銃を取り出してテーブルの上に置くご主人。
「これって、武器じゃないのぉ。 売って大丈夫なのぉ?」
「そう思うだろうが、こいつは一切フォトンを使用していない実弾式でな。
撃とうにも、合う弾が無いから使えんのだ。 先ずは弾を見つけて来るか、自分で
何とかせにゃならん。 同じ型の銃はあるんだが、そっちはフォトンを使っていて、
撃った時に空薬莢が飛ぶのはダミーに過ぎん」
「何か随分とマニアックな銃ねぇ・・・。 フォトンを一切使ってないから骨董品扱い
なのねぇ。 じゃ、折角だからこれも頂いていくわぁ」
「毎度」
メセタを払って短銃もナノトランサーに入れるご主人様。 挨拶を交わして骨董品店を
後にするのであった。
「後から買った短銃はご主人様には必要無かったのでは? マスターの事ですから、
無駄遣いの類ではないとは思いますが」
「んー。 そうねぇ、付き合いってとこかしらん? こうしておけばぁ、ある程度は
融通とか無理とか利くしぃ。 何よりもこの商売って、意外と顔が広いのよぉ」
「どちらかというと、それが狙いのようですね」
「そうねぇ。 ああいったお店だとぉ、変わった物とか持ち込んで来る人がいるしぃ」
PPTシャトルポートに着いて渡航申請と搭乗手続きを済ませてPPTシャトルで
Gコロニーに戻り、自室に着いてから買ったスキヤキ鍋と短銃を倉庫に移す美ス男。
372 名前:440と変な美ス男102[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20:56:51.61 ID:PVfl7GbN
「じゃ、明日は朝食後に蒟蒻作っていた農家ねぇ。 着替えるだろうから440ちゃん、
先にシャワー使っていいわよぉ」
「はい、それではお先にそうさせて貰いますね」
「行ってはみるけどぉ、お友達がああなっちゃったら悲しいわよねぇ・・・」
GH440がドレッシングルームに向かった後に明日の事を考えて沈み込む美ス男。
暫くしてシャワーと着替えを終えてドレッシングームから何時も寝巻き替わりにしている
シャツ姿のGH440が出て来た。
「その格好、お気に入りなのねぇ」
「はい。 風呂上りなのど放熱にはこの格好が冷却効果が良いもので」
他の寝巻着もあるが、さり気無く最もらしい理由を言うGH440と入れ替えに
ドレッシングルームに向かうご主人様。
シャワーと着替えを済ましてドレッシングルームから出てきたご主人様と暫く
先程の事などをお茶を飲みながら話してから就寝となった。
373 名前:440と変な美ス男103[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:00:21.47 ID:PVfl7GbN
[24/33]
そして翌朝である。
「おはようございます、マスター」
まだ寝ているご主人様に、聞こえるか聞こえないかの小さい声をかけて寝ているかを確認。
起こさない様に細心の注意で腕枕にしていたご主人様の腕を元に戻す。
シャワーを浴びてから下着と服を身に着けて朝食の準備。 朝食の準備が終わると
ご主人様が起きて来て身支度をしにドレッシングルームに向かう。
「おはよぉ、440ちゃん」
「おはようございます、マスター」
「あら? この香り、ナルシス・ノワール(黒水仙)かしらん?」
あ。 寝る前に着ている香水を昨日は強く吹き過ぎましたか。 どうやら腕枕にしていた時に
その移り香がご主人様の寝巻着に移ったようです。 しかも流石というか、種類まで特定される
とは。
「それはシャツに使っている洗濯糊の香りでは? この前街頭で試供品を配っているのを
貰ってきましたから」
「あら。 そうなのねぇ。 でもその試供品いい趣味してるわぁ。 普通に売られない
かしらぁ?」
それらしい事を言ってごまかしてはみましたが、ご主人様残念ながらその洗濯糊が普通に
市販される事はまずありませんので・・・。
そして後程に知った事ですが、普通は香水はその人個人の体臭と合わさって若干香りが
変化するので本来の香りとは違ってくるそうです。 発汗作用などのないPM故に香水の
本来の香りのままで特定されたと。 これは今度から気を付けないといけません。
374 名前:440と変な美ス男104[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:04:05.48 ID:PVfl7GbN
[25/33]
朝食を済ませて再びニューディズの蒟蒻を作っていた農家に赴き、辿り着いた美ス男と
GH440。 畑に母子の姿があった。
「おはよぉ、お仕事中にゴメンなさいねぇ」
「おはようございます・・・」
「おはようございます。 昨日は遠い所より無駄足となってしまい・・・」
「その事なら気にしなくていいわよぉ」
母子に近寄って挨拶する美ス男。 娘さんの目が赤いのは昨晩ずっと泣いていたのだろうか。
お母さんが昨日の事を気にかけるのを気を使って途中で言い止める。
「お友達の事は心の整理が付いたのねぇ」
「はい。 こればっかりはどうしようもないですよね・・・。 悲しいですけど・・・
お母さんから話は聞きました。
私で良ければ知る限りで作り方をお教えしますね」
「ありがとう、嬉しいわん♪」
「お父さんと同じ様に作れるか?って不安で今迄作った事が無かったんですが、奥さんと
娘さんを亡くしたお豆腐屋さんのご主人さんも頑張ってるんですし、私も頑張ってみよう
かなって・・・」
目の隅に涙を溜めながら微笑む娘さんとその後ろで目頭を押さえているお母さん。
一旦作業の手を休めて全員で母屋に向かった。
着替えた娘さんと共に蒟蒻作りの作業場へと向かう美ス男とGH440。
美ス男も調理用の服装に着替える。
375 名前:440と変な美ス男105[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:08:34.52 ID:PVfl7GbN
「アタシの方も準備出来たわよぉ」
「はい。 じゃ、宜しくお願いしますね」
蒟蒻芋の球茎を粉状(実際には単に球茎を粉砕した荒粉とマンナンを精製した精粉に分かれ、
コンニャク製造の際は双方を混合して用いる)にして水とともにこねたあと石灰乳
(消石灰を少量の水で懸濁したもの。水酸化カルシウム水溶液)を混ぜて煮沸して固める。
純粋なコンニャクは白灰色をしているため、彩りのために細かく砕いたひじきなどの海藻を
固める際に入れて黒くしたものがもっとも一般的なコンニャクであり、完全に凝固する前に
糸状に固めて糸蒟蒻にする。
「出来た・・・。 お父さんと同じに出来てるといいけど・・・」
「大丈夫よぉ、ずっとお父さんのお手伝いしてた自分を信じるのよぉ」
念の為に、というので試食。 糸蒟蒻を茹でて、味噌を砂糖と味醂で溶いて味噌田楽風に
してみる。 食べ方がパスタ風なのが画期的ではあるが。
「ほら、ちゃんと美味しいじゃなぁい?」
「そうですね。 こういう食べ方したのは初めてですが」
「マスター、これは何という名前の料理なのですか?」
「一番近いのは味噌田楽って名前ねぇ。 本当は糸蒟蒻じゃなくってぇ普通の板状の蒟蒻を
切って茹でて串に刺して食べるのよねぇ」
「あ。 後はこれを個別包装しないと・・・」
「その必要は無いわぁ お料理で纏めて使うからぁ。 アタシ達が詰め込むから、
お片づけしててもらって大丈夫よぉ」
固まった糸蒟蒻を手早く等分に切る美ス男と切った糸蒟蒻をクーラーボックスに入れる
GH440。 個別包装機もかくやという其の2人の速度に、一瞬片付けの手が止まった
娘さんだった。
詰め終わったクーラーボックス16個をナノトランサーに入れる美ス男とGH440。
敢えてクーラーボックス4個分程は残しておく。
376 名前:440と変な美ス男106[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:11:27.43 ID:PVfl7GbN
「全部でお代は幾らかしらぁ?」
「初めての試作品みたいな物ですから、お代は頂けません」
「そういう訳にはいかないわよぉ」
「そうだ、それでしたら先程の試食の時の作り方、教えてくれませんか?」
「それ位でいいなら簡単よん」
先程の試食の時の作り方を娘さんに教える美ス男。 余談ではあるが、後にこの娘さんの
元クラスメイトに勧めた結果口コミで広まり、蒟蒻のダイエット効果と手軽に食べられる点、
付け合せのソースを色々と工夫して種類を増やして大ヒットしたのであった・・・。
その時に美ス男の元に送られた、パテント料は売り上げの一割でいいでしょうか?という
メールに心当りが浮かばずに暫く頭を悩ませた美ス男であった。
「じゃぁ、これでお暇するわねぇ。 そうそう、何ならお豆腐屋さんに一緒に糸蒟蒻
売ってもらうっていうのもいいんじゃないかしらぁ?」
「そうですね、それも考えてみます」
「娘も元気になったようですし、何とお礼を申してよいやら・・・」
「あら。 アタシは大した事してないわよぉ? ほんの少し作るお手伝いしただけよん」
更に余談ではあるが、この時に美ス男から教わった料理がダイエットパスタの名称で
ヒットした後にお豆腐屋さんの店先で糸蒟蒻を売る事になったきっかけが縁となり、
お豆腐屋さんのご主人と再婚する事となったお母さんだった。 まる
377 名前:440と変な美ス男107[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:15:20.53 ID:PVfl7GbN
「これで後は玉子だけねぇ。 440ちゃん、玉子は明日の夕方以降から出かけるから
それまで自由時間よぉ。 アタシは明日は朝から夕方まで出かけてくるわねぇ」
「じゃ、さっさと家事を済ませておきましょう。 それからゆっくりしましょうか」
昼食をご馳走になった際に幾つか糸蒟蒻を使って作れる料理を教えて自室に戻って
来てから美ス男がGH440にこの後の予定を告げる。
GH440が家事をしている間に倉庫やドレッシングルームのドレッサーから
幾つかの箱を取り出して中身を確認しては戻していく美ス男。
それらが終わると美ス男は溜まっていた未読書を倉庫から出しての読書タイム。
手持ち豚さんなGH440もご主人様が読み終わった本をお互いのお茶を淹れては
読んでみる。 美術関連とは予想しはいたが、中には専門書と思われる物まで
あったのは妥協は美しくないと言う美ス男ならではある。
「じゃあ、行って来るわぁ。 お留守番お願いねぇ。 そうそう、440ちゃんも
昨日読んでた本とかぁ、興味があるならアタシのデータベースとか見てみると
いいわよぉ。 アタシのIDだけで立ち上がるからぁ」
朝食後に幾つかの箱を倉庫やドレッサーからナノトランサーに移したご主人様は
昨日言っていた通りに出かけて行きました。
私はご主人様の許可が下りたので試しにヴィジホンを起動させてみます。
ご主人様のIDだけで立ち上がるって、それはパス何もかけてないって事なんですが。
まあ、隠す事は美しくないと言うご主人様らしいといえばそうなんですけどね。
そこにあったのは絵画、彫刻、文学に音楽、料理や珍しいものとなると武術の技に
気配の正体など、ご主人様が美しいと思ったものが分類事にファイリングされて
夥しい量のファイルがありました。
378 名前:440と変な美ス男108[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:23:27.84 ID:PVfl7GbN
[29/33]
「こ、これは流石に全部に目を通すのは時間がかかりそうですね・・・。 先に
家事を済ませておきましょうか」
家事を済ませて、お茶の準備をしてファイルを見る際の自分用の椅子をヴィジホン前に
移動してふと一つの事を思い出す。
そうですね、ご主人様のいない間にこれの処理だけは行っておかないと。
後々に影響が出ない今の内に。
『非常用ブレインコアを接続します。 接続完了まで15秒。 接続準備及びリアクターの出力の
上昇を開始』
本来はブレインコアが損傷した時に修復が完了するまで間の緊急退避用のブレインコアを起動
させる。 PMは元々キャストと違ってデュアルブレインコア対応として作られていないので
使える時間も限られてはいますが。
『非常用ブレインコアの接続終了。 容量の確保を確認。 現状のリアクター出力及び、
予備コンデンサの現状残存量より非常用ブレインコアの起動限界は320秒』
これだけ時間があれば十分ですね。 さてと、まずは。
コントラフェット・ミルトのプログラムを丸ごと非常用ブレインコアに退避。
次に移し変えたコントラフェット・ミルトを非常用のフォトンジェネレーターの
出力制御プログラムで上書き。
私の行動原則には自らの生存性を重視するというのが元々ありますから、こちらの方が
優先権が高いんです。 これも私の『生存特化』という特性若しくは欠陥なんですが。
書き換えが済んだら退避させていたプログラムを元に移し変えて非常用ブレインコアの接続を
終了させます。
これで本来はヒートポンプで廃熱を利用して起動する非常用のフォトンジェネレーターの
起動させた際の出力を運動用に回す事が出来るようになります。
このフォトンジェネレーターの本来の使い方はフォトンリアクターの急速な出力増加の際の
高熱をヒートポンプでフォトンジェネレーターに回す事での冷却とフォトンジェネレーターの
出力を使って強制冷却する為なんですけどね。
379 名前:440と変な美ス男109[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:27:31.59 ID:PVfl7GbN
[30/33]
「うん、これで良し」
え? 何故この様な事をするか、ですか? それは私達PMにも自我、理性、感情というものは
存在しますから、時間とそれに相応しい環境があれば自ずと自然にこういった恋愛感情もこんな
回路が無くても生まれてくるものです。
元々設定された偽りの恋愛感情、この先回路に囁かれてご主人様の前でデレデレしたりするなどと
そんな美しくないものは必要ありませんので。
そう、これは芽生えるのなら全てが作られた私にとって、私の中で唯一他人に作られていない
私の部分。 私だけの最も大切な宝物。
ですのでご主人様、この先に芽生えたのならこの大切な宝物だけはちゃんと受け取って下さいね?
質問は認めますが、異論は認めません。 反論は無し、受け取り拒否も受け付けませんから。
「さてと。 お茶が冷えちゃいましたね、淹れ替えましょうか」
お茶を淹れ替えてファイルに目を通して一人で昼食と夕食を済ますとご主人様は戻ってきました。
「ただいまぁ、440ちゃん」
「おかえりなさい、マスター」
「留守中に何か変わった事はあったかしらぁ?」
「いえ、特にこれといった事はありませんでした」
私自身にはありましたが、それを敢えてご主人様に伝える必要は無いかと。 ん? 倉庫と
ドレッサーにナノトランサーから出した箱を仕舞っているご主人様から今、何か別の香りが
したような気がしましたが?
嗅覚センサーを最大にまで上げてみる。 どうやら複数の香りが微妙に入り交ざっている
ようでハッキリとしません。 仕方が無いので再び私だけの裏技を使う事にしますか。
380 名前:440と変な美ス男110[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:30:38.46 ID:PVfl7GbN
『非常用ブレインコアを接続します。 接続完了まで15秒。 接続準備及びリアクターの出力の
上昇を開始』
待つ事暫し。
『非常用ブレインコアの接続終了。 容量の確保を確認。 現状のリアクター出力及び、
予備コンデンサの現状残存量より非常用ブレインコアの起動限界は320秒』
非常用ブレインコアを接続した事で増えた処理能力を嗅覚センサーに接続して再分析。
分析結果待ちです。
『分析終了。 複数のニューマン及びヒューマンの女性の体臭並びに香料が混合した結果の
可能性98、7% 尚、個体識別並びに香料の個別の識別は不可能』
はい? 結果に唖然とした私は再度、再分析をしました。 ご主人様の側に近付いてその
移り香りを確認した後に。
『再分析終了。 複数のニューマン及びヒューマンの女性の体臭並びに香料が混合した結果の
可能性99、8% 尚、個体識別並びに香料の個別の識別は不可能』
再分析の結果は結構堪えましたね・・・。 ええ、以前私が他のGH440よりも”重い”と
知った時以来でしょうか。
むしろ、あの時に先にあれ程のダメージを受けていたからこそ、今回は耐性が付いては
いたのでしょうが、余りにもタイミングが素敵ですね、ご主人様?
不意討ちのカウンターとしてはこれ以上ない程に、余りにも美し過ぎます。
流石、妥協は美しくないと言うご主人様だけの事はありますね、こんな時にまでも。
381 名前:440と変な美ス男111[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:34:35.48 ID:PVfl7GbN
「所で、マスター。 質問があります」
「何かしらん?」
努めて普段通りに、声も表情も。 なんせ、ご主人様の答えは時々かなり予想の範疇を超えた
内容になりますから。 まるっきり杞憂に終わればその逆もある訳で。 結果を聞くまでは、
どうなる事やら。
「複数の女性の方々と朝から晩まで何を為されていたのですか?」
「あら。 440ちゃん、鋭いわねぇ」
否定しないのですね、ご主人様? この先どうしてくれようと思案しているとご主人様が
先程ドレッサーや倉庫に仕舞っていた箱を持ち出して来ました。
「アタシ、頼まれて半月に1回位で習い事の先生やってるのよぉ。 今日が丁度半月に一度の
その日だったのよん」
長細い小さな小箱からセン・スを取り出して広げて手に持つと、ゆっくりとした動きで手と
足を動かす仕草は先程まで見てたファイルの中の古典芸能の伝統舞踊にあった様な気がします。
もう一つの大き目の薄い箱にはニューディズ風の薄い紫淡色の着物と煌びやかな細い帯が
入っていました。
という事は先程の移り香の正体は習い事のお弟子さん達という事ですか。 やれやれ、
人騒がせもとい、PM騒がせなご主人様ですね。 まあ、半月に一度という事とご主人様の
知られざる一面が知れたという事で今回は許しましょうか。 私は寛大ですので。
続く
382 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 21:49:31.49 ID:PVfl7GbN
新参者で御座います。
素材も遂にあと一つとなりました。 素材が一つずつ集まる度に何と言うか
作者へのスキヤキのカウントダウンだぁ、というプレッシャーでもあります。
今回美ス男と440ちゃんの知られざる一面の一部が出てきました。
440ちゃんの裏技の使い道は他にも色々とあったりします。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
383 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 01:47:04.52 ID:vqrY/tGJ
大長編投下乙
パシリの入れ替わりってのは凄く面白いアイデアだと思ったぜ
384 名前:特に山無し落ち無し意味無し[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 21:47:54.90 ID:1sxdBVB2
Gコロニー。イーサンのマイルーム。
ウキウキしながらイーサンのPMピートが帰宅。
両手にはカラフルなイラストが描かれた大きな紙袋。
中身は沢山の本がギッシリと詰まっている。
帰ってきたピートに声をかけるイーサン。
イーサン「あれピート?今までどこに行ってたんだよ?」
ピート 「あの、あの、その祭りの会場みたいな所です」
イーサン「祭り?星霊祭はもう終わったはずだけどなあ」
ピート 「まあ…祭りと言うより戦場かもしれませんね」
イーサン「戦場!!平和なこのグラールに戦場だって?」
ピート 「そう…数十万人が集まる…まさにそこは戦場」
イーサン「凄いな、まるで合の時みたいだな」
ピート 「ええ。まさに『ゴウ』の時ですよ」
イーサン「で、その戦場では主にどんな事をするんだ?」
ピート 「このドージンックを売ったり買ったりします」
イーサン「ドージンック?聞いた事無いなあ。何それ?」
ピート 「まあ個人製作のファン雑誌みたいなものです」
イーサン「それは凄いな!もしかしてオレの本もある?」
ピート 「それはもちろん!イーサン(受)×マガシ(攻)とか!!」
イーサン「EP1のクライマックスか!いやあマガシは強かったよな!」
ピート 「あとはヒューガ(受)×イーサン(攻)とかも!ジュルリ」
イーサン「ヒューガが後衛か!アイツ結構レスタ強くて助かるよな!」
ピート 「… … …」
イーサン「ん?どうしたピート?いきなり黙って」
ピート 「イーサンは純真なままでいて下さいね」
イーサン「何だよ、変なヤツだなあ。なあピート」
戦場に行かれる方はお身体に気をつけて。
385 名前:同時刻[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 21:54:50.63 ID:1sxdBVB2 [2/2]
ルミア「なによっこの本!『オレの妹がこんなにかわいいわけがない』って!」
386 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/14(日) 00:46:58.46 ID:CzxQMyBI
ピートの方こそデバイスZEROを投入すべきだと思うんだ…
「俺のパシリがこんなにかわいいわけがない」まだ~?チンチン
387 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/14(日) 01:50:21.96 ID:6e54YeHb
とりあえず妹ポジションのPMを誰にするかが問題だ
黒猫はニャンポコでいいんだろ?
388 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/14(日) 03:25:26.79
ID:HfabNiML
>>383
これはやり方次第でまだ他にも使えるかと。 そして何気にIDがGJとか。>>383
>>385
投下乙です。
ピートって腐○子だったのか・・・。 まあ、祭りの一日目は・・・。
あそこは確かに戦場です。 夏は熱中症、冬は風邪で体調崩して運ばれる人が
出る位に。 参加者総数から見れば微々たる数ですが。
装備を整えている者は訓練されたオタクだ! 欲しい物を全てゲットしたのは
よく訓練されたオタクだ! こんな感じですかね。
389 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/15(月) 01:47:34.39 ID:izHXtotA
そういえばOFFのピートはまったく育てなかった
GH-4XXのどれになるのがイーサンの育て方なのかな?
390 名前: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/15(月) 19:45:11.07
ID:lDtXeGrl
>>389
説明しよう。オフラインモードでは合成はセーブ&ロードで何度でもやり直しがきく。
つまり必死こいて合成のためにパシリを育てる必要なんかどこにもないのさ!
ピートだけ第1形態が通常のパシリと姿が違うのは、イーサンが育てないでそのままにしていることを前提にしているのだ!
ま、第4形態まで育てた場合を前提に書いても何の問題もないんですがね。プレイヤーの数だけイーサンはいるわけだし、パシリにハァハァするイーサンがいてもおかしくはない。。
つーか面白ければそれでいい。
391 名前: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 [sage] 投稿日:2011/08/15(月) 20:09:24.66 ID:5EFGXy01
>>389,390
ピートの第1形態が他のパシリと違うのは試作機だから。
型番もGHX-005と違う。とマジレスしてみる。
イーサンが第4形態まで育てた描写は無いのは、>>390の言うとおりだろうね。
392 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/16(火) 00:50:42.59 ID:kfN1tlLT
ピートってストーリーに登場する唯一のパシリだろうか
393 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/16(火) 17:17:04.78 ID:F0EPaNty
ガーディアンズ一人に一台支給されるという台詞は出てくるけど
EP3込みで映像があるのはピートだけだったと思う
394 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 01:25:40.85 ID:PJBven/v
育てて違うpmになったら面白そうだな
ロストナンバーズGHXシリーズ・・・005がいるなら009あたりまでの試作機で
009には加速装置がついてんのかな
005から105最終が305か・・・
395 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 01:52:13.00 ID:DQZswa7o
>>394
OK
じゃあ001を書いてくれたら002を書こうかw
396 名前: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/17(水) 01:57:34.17
ID:V7pC31jb
>>394
「イーサン、きみはどこに落ちたい?」
397 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 02:46:50.05 ID:PJBven/v
>>395
いや先行頼むわw
>>396
ちょw英雄死ぬwww
398 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/17(水) 04:03:50.42
ID:CqfA8nNV
>>394
仮に試作機がGHX1~5もしくは0~5までだとしてその内の一機は
箱の450(GH454)でもいいかも。 確か試作機って設定だし。
あと、パパと412氏の作品のカエデとソル編の中で出ている女性型試作機で
GH-400-X2イヴも入れるとこのスレ内の設定を使うのであれば2体は
確定すると。
399 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/17(水) 04:42:05.23
ID:CqfA8nNV
おっと、日付シリーズ氏の作品の「精霊の帰る日」の中にもGH400が
出ていたのを忘れる所だった。 これで合計3機
400 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 17:54:31.72 ID:XKG7vO1f
ほう、なかなか面白そうなネタではないか
401 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/17(水) 22:45:02.73
ID:3sONRwjx
細かい状況は過去スレを見れば解るが、全ての中から探すとなると時間が
掛かるので(書く為に一度経験済み・・・)自分の解説で良ければもう少し。
箱の450ことGH454はおっぱいケーキことマヤ。シドウが試作機と
気が付いているようで調べさせてくれと箱がいない時に450に言っている。
GH-400-X2イヴはGRM社内にて試作パーツの実稼動評価を行って
いて試作パーツのテストベッドとして稼動中。 世界初の子供を産んだPM。
「精霊の帰る日」のGH400は店長が直した後に機体稼動限界を迎え、
天寿をまっとうして整備の神様こと、ゴッドウッドの墓の隣に弔われた。
また、この時にGH410~450までのスタンダートタイプの先行量産型
(通称ピープ音シスターズ)も登場している。
余談ではあるが、男性型の先行量産試作機としてカエデとソル編に登場の
GH-XY1、ソルがいる。
男性型の試作機なのでGH101の頃から男性型の性格で固定されていて
最終稼動試験終了後に4人の名前すら付けないろくでもないご主人様のせいで
出戻りを繰り返した後に、5人目のカエデで落ち着く事に。
その後は元ジュエルズ(世代交代した為)のラピスと結婚して共にGRM社で
教導機として活動中。
その立場を悪用?し、自分の子供設定の小型PMを一人、二人の子供として
設けている。
おまけでガーディアンズ用のサポート用マシナリー導入の際のコンペションで
トライアルの際のPMのライバルだったテノラ・ワークス社のS・M・S、
サポートマシナリーシステムという物も存在する。
出力的にはPMよりも上だったが、感情が無く、感情回路を導入したPMに
負けてPMが正式採用になったのである。
最もS・M・Sが不採用となった理由の一つとしてテクニックが使えない
という欠点もあったのだが。 やはり感情が無い所為だろうか。
402 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 23:21:36.41 ID:DQZswa7o [2/3]
過去スレを漁るとなると大変だよな
外見のイメージも湧かないしうーん…
失われたプロトタイプPM GHX-410の物語
とかで練ればいい…のかな
403 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 23:49:03.20 ID:PJBven/v [3/3]
加速装置は・・・?
404 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/17(水) 23:57:11.27 ID:DQZswa7o [3/3]
>>403
じゃあ加速装置付きの為に爆裂四散した試作機の話に…
ってまんまの話がガ○ダムにあんだよ!w
405 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 01:26:09.34 ID:Zn8sW+8Q
[1/29]
>>402
「精霊の帰る日」のGH400は各種人工皮膚と髪の毛の発色を見る為に
肌と腰までの髪の色は白、天寿をまっとうするまでの間はGH450のボディ。
GH-400-X2イヴの外見はGH-410~450シリーズの特徴が
入り混じった姿で、黒い髪、青い瞳と明るい肌色の人口皮膚以外は、
オフホワイトで統一されたパーツや服。
現状で解っている物を応用してネタにするとすれば
GHX400 「精霊の帰る日」GH450e 天寿をまっとう
GHX400-1 プリミティブ・ワン 箱の450(GH454)
GHX400-2 イヴ GRM社にて試作パーツのテストベッド
GHX400-3
GHX400-4
GHX400-5 ピート 稼動試験終了後にイーサンの元に
GHX400-6
GHX400-7
GHX400-8
GHX400-9 PM用加速装置の実験中に暴走後、爆発四散
こんな感じ? 後は各々が空き番号を使って話を作ればいい、と。
試験中に失われたでもいいし、稼動試験終了後にガーディアンズに
配備されたでもどちらでもいいかと。
406 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 01:40:38.66 ID:xMBecVaM
>>405
それわざわざ調べてくれたのか?
流石に記憶しちゃいないだろうしマジありがとう
なんか書くか…加速装置で爆裂したPMいたのは困ったw
407 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 01:50:19.98 ID:Zn8sW+8Q
>>406
いや、実際に番号の末尾はピートの5が正解。 他に出てないから。
サイボーグ009の加速装置ネタが出てたから敢えて末尾を9まで引っ張った
だけだし。
実際の所は先行量産試験用で作られたのはピートの5まででも、その後の9
もしくはそれ以上でもいいんじゃないかな?
理由が出来て後から追加試験用に試作機を作ったとかでもいいんだし。
例えば、進化デバイスの実験用とか。
408 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 02:13:30.73 ID:xMBecVaM
>>407
ネタの方はわかるってばw
他の過去スレの分だよ!
とりあえず加速するのは2と9か…
409 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 02:21:33.97 ID:hTbM2FFl
爆発前提ワロタw
410 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 03:46:34.69
ID:Zn8sW+8Q
>>408
それは失礼しました・・・。 加速装置で爆発したPMいたのには困ったと
あったので、つい過去スレで既に出ていて困った、という風に思ってしまった
ので・・・。
あと今回の試作機の件で過去スレを調べたというより、ここの所書く為に
頻繁に過去スレ見ていたのである程度憶えていたりします。
理由はこれから投下する分を見れば、見当が付くかと・・・。
結構イメージを崩さないようにと、チェックする為に・・・。
411 名前:440と変な美ス男112[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 03:51:43.28 ID:Zn8sW+8Q
ようやく終りの見えたミッション?編の続きです。
「じゃモトゥブに玉子を採りに出発よぉ」
「はい。これで最後の素材ですね、マスター」
セン・スと着物を倉庫とドレッサーに仕舞って出発ですが、実に途中で多くの場所を周る
事となりました。
2階のルームグッズッショップで梱包用の緩衝材を買い、ドラッグショップで各種医薬品と
応急手当の道具にサプリメント。
5階のタイプセレクトカウンターでプロトランザーにライセンスを変更した後に備え付けの
アイテムショップでスリープトラップ全種と回復薬やスケープドール等全種に共有ボックスの
コスモアトマイザーも持てるだけ引き出しました。
そして極めつけは総務課で独身のビーストの男女のガーディアンズの名簿?
流石に一度は断られましたが、顔写真と名前と年齢だけに絞ったので何とかコピーを取らせて
貰えました。
「今回はぁ、モトゥブに着いたら急ぐわよぉ。 ちょっとした夜襲での奇襲って所かしらぁ。
村長が寝惚けていて、頭がハッキリしてない間に済ませるわん。
あと、極力戦闘は避けるようにするのよぉ」
「マスター、犯罪ですか今回も? 流石にこうも連続とあってはいい加減に私としても
止めますが」
「大丈夫よぉ、ちゃんと村長には先に話すしぃ、規定捕獲数量も守るから問題無いわよぉ。
玉子を採る事に関してわぁ。 って、そろそろ着くわねぇ。
そういうばキャスっ子ちゃんからはまだ連絡無いって事は、多分まだずっとモトゥブ
にいるみたいだけどぉ、もうそろそろ時差で1日位ずれるのよねぇ。」
「マスター、詳細は終わってからゆっくりと聞かせて貰いますね。 気になりますので」
最後の方で話をはぐらかされたのですが、私のカンが何かあると言っているのです。
こんにゃくとミルクを消した分、浮き足立つ事が無い為に冷静な結果かな。
村長というご主人様の言葉から推測される村、村落、集落。 そう、少ない人口
そしてコピーした独身ガーディアンズの名簿。 これらから、とある一つの推論が。
412 名前:440と変な美ス男113[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 03:55:13.41 ID:Zn8sW+8Q
「無理言ってゴメンなさいねぇ」
「最長でも、4時間。 これが限度ですからね」
モトゥブに着くと直ぐにフライヤーとフローダーを確保して更にフライヤーの
パイロットに無理を言って、最長4時間程これから向かう到着場所で待機していて
くれる様に頼んだご主人様。
そして小村落側の開けた荒地にフライヤーを降ろしてもらうとその場所から
フローダーに乗り換えて目的地の小村落へと向かいました。
「この花が咲いてるって事は繁殖期で間違いないわねぇ」
「マスター、どの植物ですか?」
「あれよぉ」
ご主人様の指差した先にはサボテンの仲間と思われる植物が花を咲かせていました。
そしてある程度小村落の側まで行くとフローダーを停めて歩き始めます。
「音で他の人まで起すとマズイのよねぇ」
「マスター、だんだんと疑惑の要素しか増えないんですが?」
そして小村落に着いて村長の家を見つけて訪ねる事に。 最も、時間が時間なので
叩き起こすという表現の方が相応しいですが。
413 名前:440と変な美ス男114[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 03:59:52.86 ID:Zn8sW+8Q
[6/29]
「夜分遅くに悪いわねぇ。 今年の規定捕獲量は例年通りかしらぁ?」
「お、おう・・・」 ウッツラ、ウッツラ
「じゃ、80個中の60個貰っていくわねぇ。 これ何時もの代金代わりよん」
口早に村長から今年の規定捕獲量を聞きだすと、ご主人様は半分以上寝惚けて
船を漕ぎ出している村長に先程買った各種医薬品と応急手当の道具にサプリメント、
自分の所持している回復薬やスケープドール等全種にコスモアトマイザーなどを
全て渡して早々に立ち去りました。 全力疾走で、フローダーの所まで。
「じゃ、次よぉ」
「マ、マス、ター、早すぎま、す・・・。」
流石にコンパスの違いから置いてかれたGH440が後から追い付く。
出力を全開にすれば余裕で追い越せるのだが、平常時にそこまでする気は無い
のである。
GH440がしがみ付いた事を確認するとフローダーのスロットルを全開に
する美ス男。 浮きそうになった前部を押さえ込んでそのまま高速巡航。
暫く走るとフローダーを停めて再度歩き出す。
414 名前:440と変な美ス男115[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:05:01.44 ID:Zn8sW+8Q
[7/29]
「これ以上は起す可能性があるから歩きよん」
「起すというか、起した時の為にまたプロトランザーに?」
「そうよぉ。 今回の目的は玉子だしぃ、お薬関係も全部置いてきたから
戦闘は極力避けるのよん」
「危険過ぎます、この辺りにだって原生生物はいるんですから」
「其の為にスリープトラップ準備したし、いざとなったら440ちゃんがいるしぃ」
相変らず危機管理能力が低いというべきか、何時ものご主人様らしいというか。
やれやれ。 ですが、そう言って下さらなくてもご主人様は私が護りますよ。
「この先が巣よぉ」
そう言って進んだ先にはラプチャの巣がありました。 起さないように静かに
ゆっくりと慎重に玉子を取り出すご主人様。
巣から少し離れた場所に移動してからナノトランサーからクーラーボックスを
取り出して緩衝材を中に詰めてからその上に玉子を載せます。
その作業を何度か繰り返し、玉子を集めましたが、規定捕獲量の80個中60個と
言っていたのですが、実際に持ち出した数は52個でした。
415 名前:440と変な美ス男116[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:09:41.84 ID:Zn8sW+8Q
「マスター、何故52個に変更を?」
「自然には決まり事が通用しない場合もあるしぃ、規定捕獲量一杯まで採らないと
いけないって事もないからよん」
フローダーを停めた場所まで歩くと、またフローダーのスロットル全開での
高速巡航で小村落の側まで走り、フローダーを止めたご主人様がメモ帳を
取り出して何か書き始めました。 ふと、後ろから覗いてみると。
(玉子は52個にしたわん。 アタシの代わりはこの中から見繕ってねぇ)
書き終わったメモを総務部でコピーした独身ビースト男女のガーディアンズの
名簿のディスクに貼り付けると村長の家に見つかる様に固定しておきました。
「これで後は帰るだけよぉ」
またもやフローダーのスロットル全開でで停まっているフライヤーに向かう
ご主人様。 掴まっている方は結構必死です。
「間に合ったみたいねぇ!」
「残り時間23分、フローダーを収納次第出発します!」
フローダーをフライヤーに積み込んでダグオラ・シティに着くとすっかり
朝方を過ぎていました。 レンタル料の半金を払うご主人様。
PPTシャトルポートに向かって歩いている途中でご主人様が何かに
気が付きました。
416 名前:440と変な美ス男117[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:15:46.18 ID:Zn8sW+8Q
「あら? あれ、キャスっ子ちゃんじゃないかしらぁ? キャスっ子ちゃーん!」
どうやら相手の方も聞こえたらしく、こちらに向かってトテテッと走って
来ました。
走ってきたのは黒のアモーレル・アームにトルソとディジエルCVの大きな
スカートが目立つ最低身長のキャストの女性とGH414。
女性というよりは女の子というべきですが。 身長が殆ど変わらないので
遠目にはGH414と姉妹のようにも見えます。
「マスター、この方々は?」
「今回助っ人頼んだキャスっ子ちゃん達よぉ。 おはよぉ、キャスっ子ちゃんと
414ちゃん」
「あはは。 おはよー」
「おはよー」
「おはようございます」
美ス男の紹介の後で挨拶を済ませる全員。 遠目で見ればPMが3人とも
見えなくない状況である。 最も、黒いスカートのGH44Xシリーズが
あればの話だが。
417 名前:440と変な美ス男118[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:30:47.47 ID:Zn8sW+8Q
[10/29]
「キャスっ子ちゃんも帰る所だったのかしらぁ?」
「あはは。 そうだよー」
「って事はぁ、素材全部揃ったのねぇ?」
「うん、そろったー」
「流石ねぇ。 どれ位集まったのかしらぁ?」
「にんじん15こー、はくさい30こー、ねぎ15こー」
「それって、渡したクラーボックスの数かしらん?」
「うん、そうだよー」
量の確認をした美ス男の額の脇辺りに汗が一筋流れ落ちた。
最低数以上は集められるだけとは言ったものの、目一杯まで集めてくるとは
思っていなかっただけに。 キャスっ子、恐るべし。
それに関しては美ス男達も人の事は言えないのであるが。
しかし、やはり美ス男は美ス男であった。 渡したクーラーボックスの数
目一杯まで集めた事に焦りはしたが、直ぐに何時もの調子に戻るのであった。
「その妥協しない姿勢は美しいわぁ。 今回はキャスっ子ちゃん随分頑張ったわねぇ。
そこまで集めてくれたからぁ、後で何か他にもお礼するわよん」
「わーい。 それならふたり、さそってもいいー?」
「あら? お友達でも誘うのかしらぁ?」
「ちがうー。 にんじんさがしたときに、おしえてくれたひとー」
「あら。 それなら、ちゃんとお礼しないといけないしぃ。 2人位なら
いいわよぉ」
「わーい。 ありがとー」
418 名前:440と変な美ス男119[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:36:09.06 ID:Zn8sW+8Q
そしてGコロニー行きのPPTシャトル内。
「さて、マスター。 総務課でコピーした名簿と急いで立ち去ろうとしていた
訳を教えてくれませんか?」
普段と変わらずにニコニコと微笑んでいるGH440の笑顔の後ろに美ス男と
キャスっ子とGH414には見えないが、他の人には、はんにゃが見えていた。
たまたまこのPPTシャトル内には、この4人以外の客がいなかったので
GH440本人以外誰も気が付かなかっただけの事であるが。
「アタシはあの小村落の出身じゃないんだけどぉ、あそこにはぁ、
優秀なビーストの血統を残す為のしきたりとかが、あるらしいのよぉ。
幼い頃から結婚相手の候補が決まっているんだけどぉ、成長するにつれて
候補が絞られていくらしいわぁ。
何ていうか、ブリーディングみたいな感じかしらぁ?
18歳で結婚とか言ってたわねぇ」
「部外者のマスターには関係無い事ですね。 寧ろ私はその先にあるマスターの
結論に興味がありますが?」
他のGH440だと武器を用意しそうな場の流れではあるが、PPTシャトル内で
武器を取り出す様な常識的におkじゃない事は間違ってもしない。
もとい、攻撃特化という訳でもないので武器を取り出して使うよりも殴った方が
早くて威力も高いかもしれないが。
419 名前:440と変な美ス男120[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:41:38.16 ID:Zn8sW+8Q
「さっきの村長曰く、この村の玉子を採るなら、この村の決まりに従え、って
言うのよぉ・・・」
それは即ち婚約もとい、ご主人様の年齢を考えると結婚していけ、と?
そのような事ですね、村長曰く。
どうやらこんにゃくとミルクは上書き消去して正解でしたね。 こうも立て続けに
そのままなら取り乱していそうな事柄が起きるのでは。
「それでマスターの代わりを先程コピーした名簿の中から見繕え、と?」
「そういう事よぉ。 それにぃ、その事で村長に引き止められるのも嫌だからぁ
寝惚けてる夜中に行って極力早く戻る様にしたのよぉ」
「それは唯単にマスターに結婚する意思が無いと?」
何を聞いているんでしょうか、私は? まあ、まだこの程度なら好奇心の範疇で
済むかと。 深入りしなければ。
「勝手に決められた相手と結ばされるのは美しくないって思っただけよぉ」
「その理由は如何にもマスターらしいですね。 既に候補が決まっていたなら、
相手にはお気の毒ですが」
420 名前:440と変な美ス男121[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:50:03.99 ID:Zn8sW+8Q
PPTシャトルがGコロニーに到着。 PPTシャトルから降りて各自の自室に
向かう前に美ス男が念の為に確認する。
「じゃ、日取りと時間が決まったら連絡するわねぇ。 ”飯店”の場所は知ってる
かしらん?」
「うん、わかるー」
「それなら大丈夫ねぇ。 じゃ、当日お願いねぇ」
「あはは。 わかったー。 またねー」
キャスっ子達と別れて自室に着いた美ス男達は先ずは玉子のクーラーボックスを
ナノトランサーから倉庫に移した。
「じゃあ、着替えてからお出掛けねぇ。 報告に行くわよぉ」
「はい。 そういえば着替えと言えば玉子の時は”E”の時の様な私服には着替えません
でしたね」
「んー。 知ってる人に会うのにあんな格好で行きたくないしぃ、何よりも二度と
あんな格好したくないわぁ。 美しくないしぃ」
「それに関しては、私も同意見です。 ひいて言わせて貰うなら”E”の様な事も
2度とご免ですが」
2人共シャワーを浴びて着替えをして身支度を整えると報告の為に女帝の住まう廃ビルに
向かうのであった。
421 名前:440と変な美ス男122[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 04:58:47.54 ID:Zn8sW+8Q
着いてみると、どうも先客がいるようで直ぐには中に通してもらえず、ドア前の
黒服な人に確認を取ってから、取敢えず声をかける事にした。
まずは扉をノックしてみる。 コンコン。 直ぐに返事が返ってきた。
「誰だい?」
この声は女帝ですね。 今までは黒服な方々が先に取り次いでいたのでこの様な声を
聞くのは初めてです。
「アタシよぉ。今はお取り込み中だったかしらぁ? 近くを通ったからちょっと寄って
みただけなんだけどぉ」
「構わないよ、入りな」
ほんの少しの間がありましたが、入室の許可が下りたので中に入ります。
先客はヒューマンの女性とGH450の2人でしたか。
「あらぁ、先客様がいらっしゃったのねぇ。お邪魔しちゃってごめんなさいねぇ。」
「いえ、私達も特に用があったわけでは無いですから、お気になさらずにどうぞ。」
「そぉ? じゃあ、遠慮なく入らせて頂くわねぇ。」
「すみません、お邪魔してしまったようで。 失礼致します。」
ご主人様と先客のヒューマンの女性の方が挨拶を交わしている間、GH450さんは
終始ポカンーンとした表情でした。 私が先客のヒューマンの女性に挨拶するまでは。
どうやら、初対面のご主人様に呆気に取られたという所でしょうか。 ご主人様は
個性的ですから。
422 名前:440と変な美ス男123[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:04:45.07 ID:Zn8sW+8Q
[15/29]
先客の方のお話の内容はプライベートの事もありますので割愛させてもらいましょうか。
先客のヒューマンの女性とGH450さんが先に帰ったのでこちらが出向いた用件を
済ませましょうか。 思いもよらぬ収穫もある事ですし。
「今日伺ったのはぁ、依頼の報告よん」
「ほぉ。 んで、良い話と悪い話のどっちさね?」
引き出しから愛用の煙管を取り出すと煙草の葉を煙管に詰めながら聞いてみる。
まあ、元々集まりゃ御の字って位でそう期待しちゃあいないがねェ。
「んー。そうねぇ、どっちから先がいいかしらぁ?」
ってェ言い方するたァ、やっぱりかねェ? ならここは先に悪い方から聞いてみると
しようかねェ。 嫌な事はとっとと済ますに限る。
煙草の葉に火を移して軽く吹かして火が点ってからゆっくりと吸ってからふと、上を
見上げながら紫煙を短く吹く。 吹いた紫煙の先を見ながら。
423 名前:440と変な美ス男124[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:09:47.32 ID:Zn8sW+8Q
「じゃぁ、悪い方から先に聞いとこうかい?」
「玉子。 数が人数分位しか手に入らなかったのよねぇ。 ラプチャのって、大きいから
それでも1個で2人分位にはなるけどぉ」
「は? ちょいと、お待ちな。 お前サン、今何て言ったんだい?」
女帝の目が点になった。 しかも言われた内容が予想外でどうも合点がいかなかった
らしい。 再度聞き返す程に。
「ラプチャの玉子、52個までしか手に入らなかったのよん」
悪い方の話から聞いてみりゃあ、いきなりこれかい。 ありゃあ、薬にも使えるってんで
採るにも数量制限あった筈なんだけどねェ。 よく手に入ったもんだ。
最初に玉子って聞いた時点でてっきりアタシゃ普通の玉子で済ませるもんだと思った矢先に
逆に採り難い規制品採って来るたあ、ちょいと驚いたが、アタシは知ってるんさね。
悪い話はもう一つあるってェ事を。 蛇の道はヘビ、ニューディズのエノキダケ扱ってる
うちと同業んとこに入り込んでバレたって風の噂でアタシの耳に届いてるんさ。
「あと、エノキダケなのよねぇ・・・」
「ああ、アタシん所まで聞こえてるよ。 どこぞのネズミが2匹、蔵で見つかったってェ
話がねェ」
紫煙を長く吐く女帝だが、既に聞いてた話のせいか表情は普段と変わらない。
やっぱりかい。 流石にマフィアん所からちょろまかそなんざ、厳しいってもんだろうに。
それでもやるだけ、アンタいい度胸してるよ。 そこの440の嬢ちゃんにゃ、お使いに
来た時詫びたが、やっぱりアンタのご主人様は職替えた方がいいんじゃないかねェ?
424 名前:440と変な美ス男125[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:16:47.82 ID:Zn8sW+8Q
[17/29]
「あら。 そうだったのねぇ。 恥ずかしいわぁ・・・。 途中でバレてぇ、栽培瓶全部
持ってこれなかったのよぉ。 隠した構成員でも見つかったのかしらぁ?」
「へ? 忍び込む途中で見つかったんじゃないんかい?」
再度目が点になった女帝。 一瞬煙管を取り落としそうになったのを慌てて咥え直す様を
GH440は見逃さなかった。 こんな女帝の顔など、まず滅多に見れないでしょうね。
中々どうして、可愛いですよ。 最初は間に合いませんでしたが、二度目は貴重なSSが
撮れました。 ご主人様にも見せませんので、ご安心を。
「栽培瓶のままでクーラーボックスに入れたからぁ、実際の量はぁ半分位かしらん?」
「って事は幾つか、持ち帰って来たのかい?」
んー、と顎に人差し指を当てて美ス男が何かを思い出している間に全員の湯飲み茶碗を
見回してご主人サンにお茶を淹れ替えてもらう。
脇に控えていたご主人サンが言われる事も無く全員のお茶を下げて淹れ直して皆の前に
茶碗を置いていく。 淹れ直したお茶が置かれた頃には美ス男も何かを思い出した。
「確か持ち帰ったのって、クーラーボックスで22個だったのよねぇ」
美ス男が思い出したクーラーボックスの数を聞いてお茶を一口飲んだ女帝が意地の悪そうな
笑みを浮かべながら内線の通話機を持つ。
425 名前:440と変な美ス男126[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:21:30.36 ID:Zn8sW+8Q
[18/29]
ちょいと、済まないねぇ。 話の腰、折らせてもらうよ」
「姐さん、失礼しやす!」
内線で幾つか用件を使えてから、暫くすると一人の黒服が入って来た。
女帝の座っているキングスチェアの隣に立って美ス男達の方に向き直って直立不動で控える。
「こちらの客人の方々がお前サンに成り代わって、エノキダケ用立ててくれたんさ。
よく礼を言っときな。 お前サンも、顔位は知ってる相手だろ?」
「へい! 美ス男の御仁と440の姉さん、この度は不肖の不手際の尻拭いにお手を煩わせて
申し訳ありやせんでした! この通りお礼申し上げやす!」
ドスの効いた声でお礼を言って大きく頭を下げる黒服を、どこかほっとしたような表情で
見ている女帝。 黒服の部屋からの去り際に背中に声をかける。
「落とし前、つけずに済んで良かったじゃないか」 バタン。
言い終わる頃にドアが閉まる。 こいつァ、楽しいやね。 今の奴が買い付けの使いに
出して足元見られて、吹っかけられて戻って来た時にゃ、どうしたもんかと思ったもんだ。
なんせ、どう見ても落とし前つけるか、殴り込みにでも行こうかって顔してたからねェ。
持ち帰った栽培瓶の数からすりゃあ、吹っかけられた金額よりも遙かに大きいじゃないか。
あん時に素直に売ってりゃあ、こんな目見ないで済んだんだ。 自業自得って奴だねェ。
426 名前:440と変な美ス男127[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:26:41.57 ID:Zn8sW+8Q
「でも、よくそれだけ持ち出して無事に帰ってこれたもんだ。 いい手並みじゃないか?」
「アタシ達だけじゃなかったからよぉ。 支援お願いして引き受けてくれた人がいたのよん。
その人がぁ、外の監視装置類とぉ、戦闘用マシナリー全部引き受けてくれたのよぉ」
「引き受けたって、どんな風にだい?」
アタシは座っていたキングスチェアから身を乗り出しかけてるのが自分でも解った。
引き受けたっちゃ言ったが、その引き受け方の内容次第ならこりゃあ、いいチャンスになる。
「頼んだのはぁ進入と脱出の際の支援だったんだけどぉ、裏口の外の監視装置類とぉ
後からの戦闘用マシナリー、全部狙撃してくれたのよん」
よっしゃ。 アタシは内心でほくそえんでお茶を飲む。 実にご主人サンの淹れたお茶が
今日は特に美味いねェ。
修理とマシナリーの補充が済んでないなら食い込むなら今がいいチャンス、終わってたと
しても弱み握っときゃあ、取引の交渉でのいいカードになる。
アタシらの商売で弱み掴まれるとどうなるか、エノキダケの分きっちり熨斗付けて
教えてやろうじゃないか。 素人相手ならまだしも同業にまで変な商売根性出すその性根が
気に食わないからねェ。 そん位のルールは守って貰わないとねェ。 くっくっくっ。
427 名前:440と変な美ス男128[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:31:23.52 ID:Zn8sW+8Q
[20/29]
「あーっはっはっは! こいつァいいや、オマエさん方良くやってくれたよ!
思いっきり損失出した上に、逃げられて面目丸潰れ、おまけに手薄にされたときたもんだ」
お茶を飲んだ後に突然大笑いを始めた女帝にキョトンとする美ス男とGH440。
なるほど、確かにこれは相手にとっては”仕事上”かなり痛い結果ですね。
何よりもその状況を女帝に知られた事が一番の極みでしょうけど。 これは間違いなく、
何らかの形でエノキダケの意趣返しする気満々ですから。
「で、そんな事頼んで引き受けてくれるなんざ、裏の連中にでも知り合いがいたんだねェ?」
「違うわよぉ。 アタシと同じガーディアンズで自分の事をレイキャストって呼んでたわぁ」
ちょいと手助けの相手が気になったんでカマかけてみりゃあ、即答かい。
隠す事は美しくないなんざ言う位だから、まあ喋るたァ思っちゃいたがお前サン、伏せた
つもりだろうけど、それだけで見当が付いちまったよ。
正直過ぎるたァ、アタシらの稼業にゃ向いちゃあいない様に思えるだろうが、そこまで
正直だとハッタリとか、裏があるんじゃないかってかえって疑ってまうもんさね。
アタシゃアンタにそういう裏が無いって知っちゃあいるからいいが、他の連中じゃ、
かえって疑心暗鬼になるからいいかもねェ。
428 名前:440と変な美ス男129[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:40:27.57 ID:Zn8sW+8Q
[21/29]
「”自称会長”かい」
「あら。 知ってたのぉ?」
「いんや。 会った事も見た事も無いねェ。 ただ、そんな事を名乗ってる奴ァ早々は
いないってだけさね」
女帝が目を細めて口の端を吊り上げて笑う。 これは間違いなくよからぬ事を考えて
いますね。 意趣返しの段取りという辺りでしょうか?
レイキャストなんて呼ぶのは確か移民組だァね。 移民で来るたァ変わり者の古株かい。
ガーディアンズの方が下手な鉄砲玉より実戦慣れしてる。 最悪はこの美ス男に渡り付けて
貰えばいいし、一度やった場所となりゃあ、これ以上の適役はいないねェ。
「んで、悪い方って奴はまだあるのかい?」
「これで終りよん。 あとは良い方よぉ」
控えていたご主人サンが再度お茶を淹れ直す。 悪い話でこれじゃあ、ついつい良い話に
期待しちまうじゃないか。 折角なんだ、気分のいいままで終わらせとくれな。
キングスチェアに深く座り直す女帝に淹れ直して貰ったお茶を飲んでそのまま湯飲み茶碗を
持っている美ス男。 ニコニコと普段ながらの笑顔でお茶請けに出された羊羹をモギっている
GH440。
429 名前:440と変な美ス男130[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:45:01.33 ID:Zn8sW+8Q
「頼まれた素材集め、全部集まったのよん。 それもぉ、一品辺りの最低量はぁ悪い方で
言った量なのよん」
「でかした! これで妹に・・・」
美ス男の良い方の話を聞いてキングスチェアから立ち上がった女帝が慌てて口を噤む。
しまった。 ついつい嬉しくって口滑らせちまったよ、アタシとした事が。
ばつが悪そうにキングスチェアに座り直す女帝。 こいつ等、変な所で勘がいいから
もう遅いだろうけどねェ。 まあ、いいさ。 そんな事ァどうでもいい位に嬉しいねェ。
「それとぉ、一つアタシから提案。 さっきの先客の人達も招待していいかしらぁ?
何かしら関わりあるようだったみたいだけどぉ。
それにぃ、アタシが忘れてたっていう事もあるしぃ。 あと、助っ人頼んだ二人は
数に入れても大丈夫なだけの素材は確保してあるわよぉ」
「そいつぁ、構わないが連絡はどう付けるんだい?」
「さっき、端末同士繋いだ時にパートナーカード交換してあるのよん」
「抜かり無いねェ」
「じゃあ、場所は”飯店”、日時は招待する人達のとの日取りの調整がつき次第で
連絡するわぁ」
「ああ、楽しみにしてるよ。 そうそう、お前サン達の駄賃ならいいのが見つかったら
言いにきとくれ。 出来る範囲なら大抵の事は聞くよ」
「ありがとう、嬉しいわん♪ じゃ、決まったら言いに来るわねぇ。
じゃ、これでお暇するわぁ。 440ちゃん、帰ったらお寿司よん
来客中にお邪魔様ぁ、またねぇ」
「失礼致しました」
「ああ。 またおいでよ」
430 名前:440と変な美ス男131[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:54:04.12 ID:Zn8sW+8Q
[23/29]
自室に戻って早速ナノトランサーから貰ったお寿司を取り出してテーブルに載せる。
美ス男がキッチンに向かい、調味料入れの容器に小皿とオハシを二組ずつ持って戻ってくる。
「440ちゃん、オハシ使った事あるかしらぁ?」
「いえ、知識でしかありません」
「じゃあ、丁度いいから使い方練習しましょうねぇ。 スキヤキの時にも使うしぃ。
でもぉ、本当はお寿司は手で掴んで食べるものなのよぉ」
オハシをGH440に渡して、持ち方、動かし方、使い方を教えるビス男。
箸の使い方を練習するGH440。
「この木の外箱、手作りよぉ。 凝ってるわぁ」
「なるほど、通りで珍しくマスターが欲しがった訳ですね」
「それもあるんだけどぉ、ほら、440ちゃんに生の素材使った料理食べて貰うのに
丁度よかったじゃない?」
ある程度GH440が練習してオハシが使えるようになった所で蓋を開ける。
「あら。 ガリまで添えてるなんて、本格的ねぇ。 これ、お寿司の付け合せで
生姜を薄く切って漬けた物なのよん」
431 名前:440と変な美ス男132[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 05:59:58.94 ID:Zn8sW+8Q
[24/29]
ふと、一緒に入れてあった醤油が入れてあると思われるお弁当用の調味料入れに
目が留まった美ス男。 小皿にほんの少しだけ垂らして、オハシの先に付けると
舐めてみる。
「これ、手作りの刺身醤油ねぇ。 やるじゃなぁい。
お刺身用の醤油ってあるんだけどぉ、それを態々自分で作ったのねぇ」
「という事はその調味料入れの中身も?」
「そうよぉ、刺刺身醤油よん。 こっちだとぉ売ってないから作ったのよねぇ。
ニューディズにでも行けば売ってるんだけどぉ。 じゃ、頂きましょうかぁ」
「はい」
初めて食べたお寿司は大変美味しかったです。 機会があればご主人様に催促
してみますか。 言ってた矢先に生の食べ方でお刺身じゃなくお寿司はラッキーと
ご主人様が言っていたのも頷けます。
話を聞いている限り、材料の入手がかなり困難そうなので余程の事でもない限りは
要求しない事にしてあげますよ。
432 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 06:06:05.19 ID:Zn8sW+8Q
新参者で御座います。
長かったミッション?編ことスキヤキの素材集めもようやく終りました。
これで次はやっと、スキヤキ編です。
待っていた方々、遅くなって申し訳ありませんでした・・・。
書いていて妙に伸びた事が多々あった所為で・・・。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
433 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 11:03:25.97 ID:yQ8L4/hY
乙
終わるのがもったいない
434 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 11:17:47.03 ID:xMBecVaM
おおスキヤキ投下乙
今回も美ス男が光ってるねえ
435 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 12:04:58.53 ID:LjnQTawa
>>432
投稿乙!
材料がそろっていよいよ第2回スキヤキ編の始まりですな。
話数が増えるごとに、参加予定人数が増えているようだが、そんな材料で大丈夫か?
第1回以上のカオスっぷりが目に見えてめちゃくちゃ楽しみだぜw
後、1箇所気になった部分がある。少し前のGH-440の入れ替わりね。
かつて元不死身は他のGH-440に成りすまして、コロニーハッキングのチャンスを伺ってたでしょう。
「一度でもアクセスできた制御装置を完全に自分の支配化におく」能力から、
他のGH-440の制御装置にアクセス出来れば、全てを把握し、成りすますことができた。
とはいえ、額の傷は隠す事が出来なかった(しなかった?)から、
そこは突っ込めたはずなのに、マスター達は誰一人、傷に気づかなかった。
そんなマスター達と、成りすましの生活をする兵器としての自分を心底嫌悪していたと思う。
精神が壊れかけてた時の事で、今は回復して過去の罪を受け入れてるし、
エミリアという心から信頼できるマスターにめぐり合えて、今に至るけど、
元不死身が遊び半分で入れ替わるという行為はやらないと思ったので。
あくまで俺の印象です。勝手な事書いてゴメン。
スキヤキ本編楽しみに待ってます。
436 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 12:21:26.71 ID:GN0J8p3S [1/2]
乙とまずは言わせてもらおう
しかしみんなこういうのを所望するのか?
なんというか長いわりに起伏のない作品で、俺は好きじゃない
まあ始めたからには最後まで頑張ってくれ
そこは応援する
437 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 12:54:54.64 ID:ZM4pq4jd
>>404
グフ飛行試験型だっけ?
GH440をベースに建造された加速試験型の4号機に通算4度目の改装を施した機体。
フォトンエンジンを換装、帽子の大型化が図られた。
スカートアーマーは直線的デザインとなり近接戦用ショットが廃されていた。
一部の資料では「帽子様型」とも記されている。
アンド・ユーが御主人を務め加速試験にて優秀な成績を収めたが、
フォトンエンジンの調整は難航し、最終テスト中に空中爆発を起こす。
438 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 14:08:49.45
ID:Zn8sW+8Q
新参者で御座います。
ちょっと長くなりそうなので、分割してお返事をば。
>>433
元々はスキヤキに様々な方々を招待する為にと、始めたミッション?編で
そう言って頂けると幸いです。
書いていて妙な方向に進んだり、思いの外に長くなったり、予想外なキャラが
人気があったりと、色々ありましたが・・・。
>>434
どちらかというと、美ス男も戦闘よりもこういった普通のやり取りの方が
多いかもしれませんねぇ。
特に戦闘ともなれば、なんせ美ス男より強いキャスっ子にガンナーなら
エノキダケの時のキャストもいますから・・・。
パシリスレで美ス男の方が目立っていますが、あの性格ならではかと。
それに440ちゃんに関しては後々に・・・。
439 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 14:54:08.63 ID:Zn8sW+8Q
[27/29]
>>435
まずは材料から。 基本的な量として分量はおおよそ4人前。
牛肉 - 400g、白ねぎ - 2本、しらたき - 1玉、シイタケ - 12枚
焼き豆腐(生豆腐よりも崩れにくいため良く用いられている) - 2丁
後はお好みで人参、ゴボウ、エノキダケ等の野菜を入れるとあります。
そこでミッション?編で集めた素材の量を思い出してみて下さい。
素材集めに使ったクーラーボックスの大きさは釣りなどに使う肩掛け式の
大型の物位の大きさを想定しています。
具体的な解り易い大きさの例を挙げると、白菜が丸ごとそのまま入るだけの
大きさがあります。
キャスっ子が白菜を詰める際に4分割に割ったのは目一杯詰め込む為で
白菜そのままの長さで立てて4分割にしたものとお考え下さい。
はい、この時点で実際にはかなりとんでもない量の素材になります。
肉にしてもスキヤキ用に出したクーラーボックスの数は30個、1個辺りでも
数キロできかない量の肉の塊が入っている訳ですね・・・。
スキヤキの中で書きますが、用意した量は既に決まっています。
そして、入れ替わりの件ですがまず元不死身の額の傷に関してはコロニー落しの
前にすり替っていた時には額の傷は帽子と髪の毛で隠していたと思ってます。
なんせ、オシャレなレディの元不死身ですから、その辺りは気にするかと。
その後のエミリアがマスターになった後は傷は修復されていると想定しています。
クラウチ、ウルスラ、チェルシーの3人が傷をそのままにしておく筈はない
でしょうし、元不死身としても忌まわしい過去の思い出との決別の意味も兼ねて、
残しておく必要は無いと思っています。
元不死身が入れ替えに応じた理由ですが、美ス男が気が付かなかったフリを
した後の440ちゃんの台詞に「お詫びの印にもう一度食事にでも誘って
みては如何でしょうか、マスター?」とありますね。
440ちゃんが元不死身に持ちかけた提案は美ス男が間違えたらGコロニー
で今準備しているスキヤキに誘う、という事でした。 なので、440ちゃんが
話を切り出しているのです。
それを聞いたので元不死身は440ちゃんの提案に乗った訳です。
今お答え出来るのはここまでですね。
はい、440ちゃんが元不死身に伝えていなかった事のうち一つは美ス男が
入れ替わった事に気が付かない訳がない、という事です。
こういった気が付いた点などもどんどん書き込んで下さい。 現状でお答え
出来る範囲内で答えていきますので。
440 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 15:13:21.44 ID:Zn8sW+8Q
[28/29]
>>436
現状でこれといった大きな出来事が無いので、そんな印象もあるかと思います。
自分の以前の癖といいましょうか、プロットを組む際に数話先までを考えていて
今はこの様な流れです、はい。
ほのぼのとしたものがいいかな、と言う方、アクションが好きな方、
ラブコメが良いという方など好みは人其々です。
次とか、短編で今度は違う方面を書いてみようかな、などとも思ったり
するので、寧ろこういった意見も是非お送り下さい。
そして、これといった終わりの形が見えるまでの間この様な駄文でよければ
続けさせて頂きます。
>>437
よく憶えてますな。 確か直線的なスカートアーマーは原文だと肩アーマー
でしたか。
スカートアーマーの記述で「スカート付き」こと、ドムを思い出しました。
飛行試験型?GH440がアンドウ・ユウを無理矢理肩車して、飛んだ後に
爆発する様を想像してしまった・・・。
441 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 15:22:19.66 ID:xMBecVaM [4/4]
>>436
まあ長くなるのも仕方ないんじゃない?
好きな話が書かれた時に精一杯GJしてさ、そんでいろんな人が楽しめるように一緒に短いネタもの担当しようぜ
>>437
帽子の大型化フイタw
俺が思ってたのはヅダって奴だよ
スレチごめんなさい
442 名前:435[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 15:52:35.61 ID:LjnQTawa [2/2]
>>439
傷はリトルウィング所属になった時点で治療してるかも?とは思ってたけど、予想通りだったか。
入れ替わりの件はそういう理由か。そこまで先の展開を読めてなかったよ。
材料に関しては、大丈夫だ!問題ない。あたりで軽く流してもらえればよかったのにw
解説サンクス!
443 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/18(木) 18:20:06.03 ID:GN0J8p3S [2/2]
>>440
好み?そんな問題じゃないんだが・・・
大きな出来事もいくつもあったしな
この先気づかないようなら改めて指摘しようか
がんばってくれ
444 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/18(木) 21:48:02.12 ID:Zn8sW+8Q
[29/29]
>>442
自分の場合は張った伏線が判明するのが数話先とかあるので疑問に思う事も
多々あると思いますので。
あんまり複線の結果が出るのが先になると時々張った本人も忘れる事も
ありますが・・・。
>>443
起承転結って事かな?
445 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/19(金) 01:54:11.55 ID:vpork71m
>>432
乙です!
人間ドラマ主体ってのはメリハリが難しいよね。
これで主人公がはっちゃけてるキャラなら
まだ勢いで押せるだろうけど、
美ス男氏も440も変わり者とはいえ周囲に気を配るタイプだから
どうしてもまったりした印象になるというのはあるかな。
自分はこの雰囲気好きだけどね。
名物キャラ勢揃いのスキヤキ編はまた違う印象になりそうで楽しみ。
446 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/19(金) 13:26:08.54 ID:mRB1fUXm
>>444
投下乙です。
リアルがバタバタして暫く見れてなかった間に一気に進みましたね。
いよいよ本編、楽しみにしてますよ!
>>443
私も含め書き手も素人なわけですから、思う所があるなら濁さずに言ってみては?
悪意のあるような書き方でなければ受け取る側も参考意見として見ますし、自分の書いた
作品が読み手にどう伝わっているだろうか?と言うのは、やはり気になる所です。
ラピ「(ピー)よしっと」
450「ご主人様、何か調べ物ですか?」
ラピ「いえ、この前刀匠の方を紹介して頂いたお礼のメールを美ス男さんに送ってたのよ」
450「ヒィ・・・思い・・出したく・・ないです・・・」
ラピ「なによ、3時間くらいの道のりでそんな事言ってたら立派なハムスターにはなれないわよ」
450「ハムスター・・・?」
ラピ「ガーディアンズのモルモットかのように、与えられたミッションをぐーるぐーる・・・」
450「!?」
ラピ「エリートと呼ばれるハムスター達は来る日も来る日も何百周と休みなく・・・(目がピカーン)」
450「ヒィィィィィィ!!」
ラピ「さ、ラズリィ、ミッションにいくわy・・・」
450「イヤァァァァァァ―――!!」
ラピ「ニヤリ」
447 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/19(金) 19:59:09.15 ID:UnMoNmQg
>>446
そうしてもいいんだが、楽しみにしている人がいるなら今は黙ったほうがいいと判断した
最後に今までの悪い点を利用したどんでん返しがないとも限らないしな
終わって次の作品でも改善されていなかったら、そのときに書くとするよ
448 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:12:06.02 ID:7X8gNLPW
[1/21]
新参者で御座います。
>>445
美ス男の場合、周りのあらゆる物事は全て其々個性的であって、故にその数
だけ美しさがあるという認識を持っている為に、周りに対して自分の認識を
押し付けないので、結果的にそうなっているのでしょうか。
後は周りのものが美ス男の認識で美しいか、美しくないか、ですか・・・。
今の所は美ス男の美しさの認識、結構普通な気が・・・。
ただ、そこで美しいか、美しくないかって事の方を優先するかー?という
場面は多々ありますけどね・・・。
美ス男発投下の時はあの性格故にどうなるかと、内心冷や汗だったのですが
意外と受けがいいのでちょっとビックリです。
スキヤキ本編、色々な意味で「寡黙なキャスト」の時以上になるかと
思いますので、ご期待に副えるかどうかですが、努力致しますので。
>>446
待たせている方々もいますし、ご期待に応えられる内容になる様に極力努力
致します・・・。
実際はここまでなら書き終わっていたのですが、何度も読み返しては内容を
ちょこちょこと修正の繰り返しで今迄かかりました・・・。
お待たせしました。 暑中お見舞いの代わりに季節外れの鍋物ですが、
投下します。
449 名前:440と変な美ス男133[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:17:50.41 ID:7X8gNLPW
スキヤキ編開始前
スキヤキの素材も全てが揃い、女帝への結果報告も済ませ、各自各々が連絡を
取り合い、ご招待した方々の都合の調整も付いたので、スキヤキ会の開催の
日取りも決まりました。 開会は皆様の都合に合わせ、午後6時です。
そして今日はその開催日です。 スキヤキを知っているご主人様は準備の為に
既に飯店に行ってまして只今スキヤキの準備をしています。
私は?といいますと、何度か飯店と自室を往復してスキヤキの素材を飯店に
置いた後に一人で自室に戻り、今迄ショップスペースに置いて熟成させていた
ゴル・ドルバツザカ(ご主人様命名)のクーラーボックスを倉庫に仕舞っています。
なんせ、今回で使う分といって持っていった分を除いた残りのクーラーボックス
ですら40個ありますから。 仕舞い終わったので次は私の準備です。
「まずはこれで良し。 後は私の番ですね」
ドレッシングルームに向かってドレッサーから先に着替えを用意します。
お気に入りの帽子に外出用のPMスーツの8番。 下着はどうしましょうか?
ふむ。 たまには趣を変えてみますか。 たくさんフリルの付いた若草色の
ショートドロワーズとお揃いのブラに丈の短めのペチコートを合わせてと。
着替えの準備が終わったので服と下着を脱いでバスルームで軽くシャワーを
浴びてから用意していた着替えを身に付けてゴスドレッサーの前に座り、
自分のナノトランサーから化粧箱を取り出します。
鏡を見ながらPM用の化粧水を染み込ませたコットンで顔全体を軽く叩いて
下地を作り、一番薄い色のファンデーションをスポンジで馴染む様に薄く
延ばしていきます。
アイシャドーは使わずに、一番薄い黒のマスカラを睫毛に塗ってから、
これも一番薄い色で赤というよりピンクに近い色のルージュを唇に引いてから
ティシュペーパーを軽く唇で噛んで完成。 では皆様方、暫くの間ご機嫌よう。
450 名前:440と変な美ス男134[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:24:16.77 ID:7X8gNLPW
[3/21]
所変わってこちらは戦場もとい、飯店内厨房。
美ス男とGH440にキャスっ子とGH414がナノトランサーから出した素材の
クーラーボックスの量に方や圧倒され、方や目が点になり、方や顔全体に満面の笑みの
花を咲かせた,開催時間より先に来ている調理方の面々だった。
「はぅー。 割下出来たのです。 味見して欲しいのです!」
「流石に作り慣れていますね、美味しいですよ」
「えっと、調味料の割合は・・・」
「じゃあ、小ビス小ちゃんとヒュマ助さんはそっちお願いねぇ」
「肉のボックス、空きました」
「こちらも白菜一つ終わりましたので、次をお願いしますね」
「はい、こちらですね」
(何なんだ、このクーラーボックスの山ぁぁぁっ! ちっとも減らねぇぇっ!)
大量の割下を作っている小ビス子とその味見をしているヒュマ助。
作り方を教わりながらメモを取る、「寡黙なキャスト」に登場したGH410。
物凄い勢いで素材の下準備をする美ス男とご主人サンの2人に流石に遅れるGH442。
素材のクーラーボックスを忙しなく運ぶ狂犬。
席と食器の用意をしているGH422とGH43X。
素材を置いた後これといってやる事が無いので空いているテーブルに座って一緒に絵本を
読んでいるキャスっ子とGH414。
同じく、カウンターで持ち込んだ酒を一人でチビチビ飲みながら時折下準備をしている
ご主人サンを見ている女帝。
451 名前:440と変な美ス男135[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:31:06.99 ID:7X8gNLPW
「こんにちわ、今日はお誘い・・・ って、あれ?」
暖簾をくぐって入ってきた銀髪の小柄なヒューマンの少女とGH450だったが、
店内の中の様子を見て挨拶が止まった。
「ラピスちゃん、丁度いい所に来たわねぇ。 スキヤキの作り方、知ってるわよねぇ?」
「は、はい。 来る時間、早過ぎましたか?」
「そんな事ないわよぉ。 人手が足りなくなると思って早めに来て貰うように連絡を
したのよん。
ラピスちゃん、小ビス子ちゃんとヒュマ助さんの方のお手伝い、お願いねぇ。
ラズリィちゃんはGH430ちゃんのお手伝いよん」
そう言われて見てみると既に厨房で6個のスキヤキ鍋が具材と共に火にかかっていて、
小ビス子とヒュマ助が鍋の加減を見ていた。
言われるがままに厨房に赴く2人。 ラピスは鍋の調理に、ラズリィは狂犬と
共にクーラーボックスの運搬と空のクーラーボックスの片付けである。
「ご主人サン、ちょいとあれ見ておくれな」
作業の終りの目処が付いた辺りを見計らって、女帝が厨房内で下準備中のご主人サンに
声をかけた。
美ス男とGH442に断りを入れてから、厨房からカウンターに回ったご主人サンが
言われるままに女帝が顎を向けて指した先にいる一緒に絵本を読んでいるキャスっ子と
GH414を見る。
暫く2人の様子を見ていたご主人サンが女帝と二言、三言小声で何かを呟き合う。
452 名前:440と変な美ス男136[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:42:42.32 ID:7X8gNLPW
[5/21]
そして全ての準備が終わった頃に準備方以外での最初の招待客が訪れた。
「失礼する」
「こんばんわ」
暖簾をくぐって入ってきたヒュマ男とGH410を見てあからさまに嫌な顔をする狂犬であった。
「こんばんわなのです! はう! ヒュマ男さんと410さん、お久しぶりなのです!」
「こんばんわ」
(マジかよっ、こいつ等呼んだのかっ! 冗談じゃねぇぞっ、あの時の悪夢の再来じゃねぇかっ!)
「スキヤキにまた呼んでもらえるとは光栄だ。 410、今度は恥をかくなよ」
「えうう・・。 ご主人様、解ってますよぉ・・・」
(あん時、この泥酔色情脳筋放っぽってたのはお前ぇだよ、このクソヒューマン!)
ここの場所にいる全員に見えない様にビームガンとバーストのチェックを行う狂犬。
マイスィートなご主人様がいるので黒化は抑えてはいるが、時間の問題な雰囲気である。
寧ろ誰も気が付かないなら、開始前にこの脳筋ワンコこと、GH410を屠る気満々なのは
言うまでもないのだが・・・。
453 名前:440と変な美ス男137[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:46:52.51 ID:7X8gNLPW
[6/21]
「こんばんわ、ヒュマ助さんお久しぶり」
「夜分、失礼します」
「大勢で押しかけて、済まんな」
「こんばんわ~♪」
ルドルフ&ロザリオ夫妻にルドルフのPMのリカことGH451、ロザリオのPMのジャスミンこと
GH433と夫妻が其々が抱き抱えているマリアとイヴの双子の赤ちゃん。
「はい、お久しぶりですね。 無事出産、おめでとうございます」
「あ。 450の姉さんに口の悪い430さんも。 430さんはともかく、姉さんがこういう場所に
来るって、珍しくない?」
「まあ、ちょいとした付き合いって奴さね。 双子の方も元気そうだねェ」
「430がいつもお世話になっているのです、ありがとうなのです。 はう! 赤ちゃん可愛いのです!」
「よう。 元気そうだな、ロザリオ。 それとパパ。 ぷくくっ。 本当に”パパ”になっちめぇやんの」
「一体、これはどういう集まりなんだ? 俺が最初に聞いてたのは、飯店から日頃お世話になってる
お得意様にって、事だったんだぞ?」
赤ちゃん見たさで人だかり&PMだかりとなるのであった。 その上で顔見知り同士の間で挨拶が
交わされていく。 その中で唯一人、ルドルフだけは苦笑とも微笑ともとれる複雑な表情を浮かべていた。
454 名前:440と変な美ス男138[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:50:46.03 ID:7X8gNLPW
「夜分に失礼致します。 本日はお招きに預かり馳せ参じさせて頂きました」
短く刈上げた髪にキナガシと呼ばれるニューディズ伝来のパーツの渋い顔の造りのキャストの男性が
丁寧な挨拶と共に深々と頭を下げる。
(”寡黙なキャスト”参照、後に表記を黙キャスとします)
「手前の410がお世話になっております。 つまらない物ですが、どうぞお納め下さい」
そう言いながら片手に下げていた先が二股に別れていてその先端を紐で縛ってある紫色の布包みを
ヒュマ助に渡す。 真っ赤になって俯いている黙キャスのGH410。
「そう、これよぉ!」
暫く黙キャスを見ていた美ス男が声を上げながら黙キャスに近付くとナノトランサーから出した
白鞘直刃の実剣を黙キャスに手渡した。
「これはアナタが使うのが一番美しいのよぉ! 是非とも使ってねぇ!」
黙キャスが刃を引き抜いて切っ先を下に向けて刃の付け根から切っ先まで目を通して白鞘に戻す間、
周囲の視線がその刃に吸い込まれれた。
黙キャスが刃を見つめるその様を楽しそうに見ている、美ス男以外が。
チン、と小さく鳴った鞘に戻す音で周囲がふと、我に返る。
「これ程の業物、手前には度が過ぎたる物では御座いますが、謹んで拝領させて頂きます」
渡された刀を美ス男に捧げ持ち、一礼してナノトランサーに収める黙キャス。
周囲上の空でオーバーヒート寸前の顔どころか全体まで真っ赤かな黙キャスのGH410。
(ああ、美ス男様。 貴方のその選択は素敵過ぎです。 よくお似合いです、ご主人様。
ご主人様のいる手前オーバーヒートは出来ないわ、帰るまで、辛抱よ! 思い出しただけも
10回はオーバーヒート出来るもの!)
455 名前:440と変な美ス男139[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 06:54:32.01 ID:7X8gNLPW
「その刀の銘はガツ・サンっていうのよん」
「美ス男さん、 今の刀は刀匠殿の作ですか?!」
「なんだってェ! アンタ、そっちにも伝手があったんかい!
ちいっ、あん時骨董品屋でトンズラしたのはそのせいだね!
ちょいと、そこのキャスト! 糸目は付けないから、その刀アタシに譲っとくれ!」
美ス男が刀の銘を告げた途端に驚くラピスと女帝。 何かを思い出して目を瞑ってギュッと胸の前で
手を組むラピスと対照的に、同じく何かを思い出した女帝は悔しそうな表情の後に食い付く様な勢いで、
黙キャスに交渉を迫った。
「これ程の業物、そのお気持ちは解りますが手前に過ぎたる物とはいえど、拝領した以上は美ス男様の
顔を立てる事、お察しの程を」
丁重に断られて渋々諦めて席に座るももの、諦めきれずに悔しそうな表情の女帝を珍しいものでも
見るようにずっと見続けている狂犬。
(こんなに悔しそうな顔なんざ、人前でそうそう見せる事なんざねぇのになぁ。
よっぽど悔しいって事かぁ。 けっけっけっ、ざまぁ)
この女帝がここまで悔しがっている理由を知っているのは恐らく美ス男、ラピス、当の本人の
女帝だけだろう。
456 名前:440と変な美ス男140[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:10:24.54 ID:7X8gNLPW
[9/21]
「いよぉ。 悪いな、呼んでもらって」
(うぉ、何でこんな所に女帝とニューマンのご主人サンがいるんだよ?)
「ヒュマ助、ご馳走になりに来たぞ」
(ヤクザお姉さん、裏町から出てくる事あったんだ・・・)
店に入ってくるなり女帝とご主人サンの姿を見て一瞬焦る中年ヒュマとGH440の2人。
だが、直ぐにヒュマ助との世間話になる。
「いえいえ、何時も来て頂いているお礼ですよ。 440ちゃんも遠慮せずに食べていって下さいね」
「うん、そうさせてもらう。 おっさんの分も」
「おい! 誰がお前に飯食わせてやってると思ってんだ?」
「おっさんに給料払ってる上司?」
「しまいにゃ、飯抜きにすんぞ?」
「そうなったら、おっさんのツケでヒュマ助の所で食べるから別に構わないぞ?」
「お前、ツケにかこつけてどんだけ喰う気だ!」
「心配するな。 給料で足りなければボーナスから引いて貰うように言っとく」
そんな2人のやり取りを先程の悔しそうな顔は何処吹く風で楽しそうに見ている女帝、その傍らに
控えているご主人サンも何気に心持ち楽しそうに見えた。
457 名前:440と変な美ス男141[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:13:06.81 ID:7X8gNLPW
[10/21]
「ヒュマ助、来たのじゃー」
「何時もオマケして貰ってるのに、招待までして貰ったら悪いんよー」
「ヒュマ助様、本日はお招きありがとうございます」
「そんな事はないですよ、たゆんさん。 今日は何時も皆さんでご贔屓にして頂いているお礼ですから」
ヒュマ助達と話しているたゆんさんの胸を見て、自分の胸に手を当てて溜息を付くロザリオ。
(う゛。 ヒューマンサイズになっても、やっぱり勝てないかぁ・・・)
ふと、夫であるルドルフの方に視線を回すと真剣な表情でたゆんさんを見ていました。
「ルド?」 ゴズッ!
「痛ってぇ!?」
敢えて、あなたと呼ばずに私は最愛の夫であるルドルフの足の小指を思いっきり踵で踏みました。
あ、痛みの感情と共にテレパスが来ました。
「(いきなり何をするんだ、ロザリィ?)」
「(あんなに真剣に見てて、どうせ私の胸はあそこまで大っきくはありませんよーだ!)」
「(あのなぁ、お前忘れたのか? 前に”銀髪の肉食獣”に一緒に浄化されたって話)」
「(あ。 そういえば、そうだったっけ・・・)」
「(はぁ、ったく。 あんな事があれば警戒するに決まってるだろ? それにお前も大破した事に
なってるんだぞ。 幸いに俺の事にはまだ、気が付いてないからいいけどな)」
「(あはは・・・。 すっかり忘れてた・・・)」
流石に呆れ果てたのかそこまででテレパスによる会話は途切れました。
最もこれ、余り長時間は使えないんですけどね。
そうでした。 私、以前にGH412の頃にたゆんさんに会っているんです。
下手に声をかけていたら面倒な事になる所でした。 危ない、危ない。
458 名前:440と変な美ス男142[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:15:48.65 ID:7X8gNLPW
[11/21]
「ヒュマ助、今日は皿洗いはしなくていいと聞いたのダガ、本当なのカネ?」
「うう、ご主人様、お腹空いたですぅ・・・」
「もう少しの辛抱ですよ、411」
「はい。 今日は何時も来て頂いている方々へのお礼ですから、遠慮なさらずにどうぞ」
台詞に似合わないルウボイスな青キャス子さんに今にも倒れそうなGH411を励ますGH441。
そして顔を見合す三人。 小声で囁きあう。
「聞いた通りダ。 今日は食べまくるゾ。 準備は大丈夫ダナ?」
「ははーい。 ちゃんとタッパー入れてありますぅ」
「はい、準備は万全です」
「青キャス子さん達、お久しぶりですね」
「ほあっ」X3
黙キャスのGH410に声をかけられて驚く三人。
「? どうかしましたか?」
「イいイいヤ、べべツニ何も無イのダよ」
「「・・・」」 コクコク。
そんな様子を不思議がる黙キャスのGH410に、何も無いと伝えるが声が裏返っている青キャス子に
無言で頷き合うGH411とGH441の2人。
459 名前:440と変な美ス男143[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:25:20.49 ID:7X8gNLPW
[12/21]
「ヒュマ助、今日はスキヤキだってぇ? やるなぁ」
「まったく、バカ虎も少しは見習って欲しいよねぇ」
「なら、おチビちゃんはゆっくりスキヤキ食べていればいいのですわ。 その間に私は沼虎様と
店の奥で・・・」
「これだけ人数いるんだから、少しは遠慮しろー!」 ゴスッ!
「今日、店の奢り、聞いた。本当か?」
「ええ、そうですよ。 今日は何時も来て頂いているお客様方へのお礼ですから」
沼虎への嫌味を言った後に、不埒な虎子に見事なコークスクリューブローを決めるGH420。
無料という事をヒュマ助に念を押し、正しく獲物を探す獣の様な目で店内を見回す獣虎。
「見習うも何も、前に旅館に連れていっただろーが!」
「あれだって、招待だろっ!」 ゲシッ!
「あら。 何でしたらおチビちゃん、百合の園にご招待して差し上げますわよ?」
「誰が行くかー! 一人で行ってろー!」 メシッ!
「あてて・・・。 おま、スキヤキじゃなくて病院食、食わす気か?」
「私はおチビちゃんがつきっきりで看病してくださるなら、それでもいいですわよ?」
「今日、店の奢り、ヒュマ助言った。 なら、GH43Xテイクアウト!」
「お前ら、全員そこになおれーっ!」
反論する沼虎に膝裏へのローキックを打ち込み、危険な場所にご招待しようとする虎子に
足払いからの身長差を利用した急降下の尾?骨割りを決める。
それでも口の減らない連中に未だに懲りてない獣虎の一言でGH420がついにキレて、
周りの他の連中に取り押さえられるのであった。
460 名前:440と変な美ス男144[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:36:08.68 ID:7X8gNLPW
「おう、来たぞ。 ヒュマ助」
「へへっ、呼んでもらって悪ぃな」
「はい、ご無沙汰してます。 いえいえワルパシリさん、今日は何時も来て頂いている
方々へのお礼ですから」
相変らずに派手な外装のワルキャスと、ワルパシリことGH411。
二人して久しぶりに訪れた飯店な為か、懐かしそうに店内を見渡すのであった。
「いやー、モトゥブ務めになっちまった所為で顔出せなくて済まんかったな」
「仕事ですから仕方が無いですよ、こればっかりは」
「まあ、それもこれもこいつが元ローグスって所為なんだけどな」
「うるせーよ! 昔は昔、今は今、だぜ? あ? お前さては姉貴の事で妬いてんな?」
「ば、ば、ば馬鹿野郎っ! 違ぇよっ! おい、あれ青キャス子じゃね?」
「おっ。 本当じゃねーか!おーい、青キャス子!」
「む? おお、ワルキャスにワルパシリじゃなイカ! 久しぶりダナ!」
ヒュマ助との世間話から始まったのが何時の間にかワルキャスにからかわれて真っ赤になった
ワルパシリが視線を逸らした際に見つけた青キャス子の存在をワルキャスに教え、青キャス子に
声をかけるワルキャス。
青キャス子にGH411とGH441の三人も加わって久しぶりでの再会に世間話の花が咲く。
話の最中に背中に悪寒を感じて振り向く青キャス子。
ふと振り向くとGH430と目が合った。 そう、GH430こと”狂犬”と。
テイクアウト作戦の時の事を思い出す青キャス子。 青キャス子と目が合ったGH430が
ほんの一瞬”狂犬”の笑顔で青キャス子に対して微笑む。
何事も無かった様に話に戻る狂犬に対して青キャス子は己の命の危険を感じたが、ここまで来て
スキヤキを食べずには帰れない、と固く決心するのであった。 スキヤキと命を天秤に懸けて。
461 名前:440と変な美ス男145[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:46:10.26 ID:7X8gNLPW
「おー、結構集まってるなぁ」
「まったく、折角早めに出たのに。 あんな所でナンパなんかするから遅くなるんですよ、変態」
「可愛い娘に出会った時は声をかけるのは、男としてはこれ即ち最低限の守るべきマナー!
そして声をかけたら次はホテ・・・」 ゴスッ!
「ヒュマ助さん、今日はお誘いありがとうございます」
「440さんもお元気そうで何よりですね。 今日は普段来て頂いている方々へのお礼ですので」
妙な理屈で自室を出た時間の割りに遅く着いた理由を、得意げに語る変態をシッガ・ボマで
殴って黙らせてからナノトランサーに仕舞って、何事も無かった様にヒュマ助と挨拶を交わす
変態のGH440。 後頭部にクリーンヒットしたらしく、床で悶絶している置き去りの変態。
「何時までもそんな所で寝ていると風邪を引きますよ、変態」 グリグリ
悶絶している変態をシッガ・ボマの銃口でグリグリと抉って起す変態のGH440。
「もう少し、マシな起し方しろっつーの・・・。 たまには、こう熱いキッスとかだな・・・」
「解りました。 今度からはシッガ・ボマのキッスで起して差し上げますね」
「いや、散弾銃の顔面至近発射はまずいって・・・」
「明日の朝辺り、起きなければ試してみましょう」
「いや、440さん、勘弁してください。 普通に死ぬって・・・」
シッガ・ボマを口元に向け、表情は笑ってはいるが、目がまったくもって全然笑っていない
変態のGH440であった。
462 名前:440と変な美ス男146[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 07:58:17.81 ID:7X8gNLPW
[15/21]
「貸切とは、随分っとお! 本当に貸切にする位に人がいるな・・・」
「ご主人様、先に進んで貰わないと入れませんが?」
「おお、悪ぃ、悪ぃ。 しかし、随分今日は集まってるな、ヒュマ助?」
「ええ。 今日は其々普段お世話になっている方々にお礼をしようと、集まって頂いたんです」
取敢えず時間がまだ早いので席に座って待つ事にした『』とGH440。
既に集まっている招待客を見回していた『』の視線がふと、止まった。
『』の視線の先にはたゆんさんとロザリオ夫妻(旦那さんは『』の目には映ってはいない)
すなわち、『』の目に映っているのは爆乳と人妻(若奥さんでも可)。
おもむろにシッガ・ボマをナノトランサーから取り出して他の人達に見えない様にテーブルの
下で『』の脇腹にシッガ・ボマの銃口を突きつける『』のGH440。
「オーケィ、440君。 落ち着いて話し合おうじゃないか。 まずはいい子だからその散弾銃を
仕舞おうね?」
「どうしたんですかぁ、ご主人様? こんなに人が多い室内で散弾銃を撃つようなPMは普通
いませんよ?」 グリグリ
変な事を言うご主人様ですね?といいつつ、テーブルの下で散弾銃の銃口ををグリグリと『』の
脇腹に押し付けている『』のGH440である。
確かにシッガ・ボマを撃ったPMは今日はこの場所にはいなかったが、シッガ・ボマで殴った
PMなら既にいるのだが・・・。
仕方がなしに視線を外す『』だったが、視線を外した際に脇腹に散弾銃を突きつけられている
現状よりも更に危険が待っているという事実を見つけてしまうのであった。
「おい、こんな事してる場合じゃないぞ」
「?」
珍しく真面目な『』の声に疑問を抱きながらも散弾銃を元に戻す『』のGH440。
『』も見つけてしまったのだ。 視界の隅にGH430こと”狂犬”を。
ルウシリーズDVD初回限定版フィギュア付きの仇であり、ウォーキングパノンの仇でもある、
狂犬と目を合わせない様にする2人であった。 直ぐに逃げれる準備をしつつ。
463 名前:440と変な美ス男147[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 08:15:38.92 ID:7X8gNLPW
「どうやら間に合ったようですね、主よ」
「だからぁ、言ったじゃない? 十分時間に余裕あるって」
「そうは言いますが、主は何時も緊張感が足りなさ過ぎです!」
「大丈夫よぉ、今日スキヤキを食べた事は既に決まっている事なのだから」
GH432に文句を言われながら入ってきたヒューマンの女性を見て、先程まで絵本を
GH414と一緒に読んだり、GH414が他のPMとおしゃべりをしているのに付き合っていた
キャスっ子が近付いていった。 直ぐにGH414もキャスっ子の後を追う。
「あはは。 こんばんわー。 にんじん、みつかったよー。 ありがとー」
「こんばんわ。 そう、良かったわ。 貴方は闇の先の光の一つを見出す事が出来たのね」
しゃがみ込んでキャスっ子に目線の高さを合わせたニューマンの女性がキャスっ子が探し物を
見出せた事を祝福する。 (今後、明記を光の主とさせて頂きます)
ちゃんとここに来てくれた事が嬉しいのか、人参を見つけた事を祝ってくれた事が嬉しいのか
傍から見ていると解らないキャスっ子ではある。
「おしえてくれたおれいだから、きょうはいっぱいたべていってねー」
「ええ、それじゃあお言葉に甘えて、そうさせて貰うわ。
それと、パートナーカード渡す時は普通に渡しなさいよねっ! もう少しで別天地に
旅立つ所だったじゃないっ! 少しは自分の力を考えなさいっ!」
「あう」
「色々とブチ壊しです、我が主よ・・・」
「そう言うなら、今度はあんたが受け取りなさいよねっ! 無茶苦茶痛かったんだからっ!」
「我が主よ、謹んで辞退させて頂きます」
キャスっ子の招待に応えた後に、以前にキャスっ子にパートナーカードを投付けられた時の事を
注意する光の主と、更に光の主のその際の姿にツッコむGH432。
光の主の反撃をパートナーカードが後頭部に直撃した際の、光の主の悶絶っぷりを思い出して
逃げの体勢に入るGH432であった。
464 名前:440と変な美ス男148[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 08:20:33.08 ID:7X8gNLPW
「ふふっ、大人数で食事なんて初めてじゃない? 430は?」
「はい、そうですね。 普段は多くてもご主人様位ですから」
GH430と共に店内に入ってきた黒キャス子が店内を一目見た途端に足を止めた。
「ご主人様、どうしましたか?」
「何でもないわよ、430。 うふふふっ・・・」
「あーっ、黒キャス子さんなのです! GH430さんもお久しぶりなのです! はぅ。
2人共来てくれたのですね! はうはう!」
耳をパタパタと動かす小ビス子の後ろで目付きが悪くなって黒化する寸前の狂犬に
顔をしかめた後に逸らす女帝。 さり気無くナノトランサーの側に手を動かすヒュマ男と
ヒュマ男のGH410。
「今日は随分と楽しくなりそうね、430?」
「え・・・?」
ゆっくりと店内を見回す黒キャス子の目に自分の訓練をしている時の目の光を見出した
GH430。 ゆっくりと店内を見回す黒キャス子の目がキャスっ子で止まる。
「あら、随分と私好みの子がいるじゃない?」
「ご主人様ってロリ・・・」 ゴスッ
「私はデガーナ・カノンにしか興味ないって言ったわよ?」
ご主人様の視線の先を確認したGH430の素直な感想を、ゲンコツで中断させた
黒キャス子であった。 これも余談だがキャスっ子のボディカラーも黒である。
465 名前:440と変な美ス男149[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 08:38:11.82 ID:7X8gNLPW
「間に合って良かったね、450」
「まったく忘れ物などするから、このような時間に着く羽目になるんです。
あれ程前もって準備するように言った筈ですが?」
「ごめんね、450。 次からは気を付けるからね」
「大体、ご主人様は何時もそうやって・・・」
GH454に叱られながら入ってきた、相変らずに自分のPMに対しても腰の低い
蒼箱こと箱。
そしてGH454なのに何故か型番でなく、箱に450と呼ばれているのが理由を知らない
他の方々は不思議に思うのであった。
「箱さんなのです! 間に合って良かったのです! はぅはぅ。 もう直ぐ始まりますから
お席の方へどうぞなのです」
「変わりないようで、何よりだ」
「本当、変わり様が無いよなぁ・・・」
「ちったぁ、変わってくれると思いたかったがなぁ・・・」
「仕方がないダロ? 箱ダシ・・・」
「うふふふ・・・。 箱さん・・・」 ジュル
そろそろ始まるので、と席を促す小ビス子、挨拶の筈が他の連中にとって違う意味にしか
聞こえないヒュマ男、箱と450のやり取りを見て溜息を漏らす『』に呆れるワルキャスと
納得して諦める青キャス子。
そんな箱を楽しそう、もとい今にも涎を流しそうな表情で見つめ続けた挙句に散弾銃を
取り出そうとして『』に止められる、『』のGH440。
「う・・・」 ガクガク
「? どうしたのですか、ご主人様? 折角招待されているのですから、こういう時位は
シャンとして下さいね」
『』のGH440の自分に向けられている視線に気が付いて震え始める箱を叱咤する、
箱に対して向けている『』のGH440の視線に気が付いていないGH454。
箱の脳裏には、今迄『』のGH440の手で自らに行われた様々な出来事が克明に
思い浮かんでいた・・・。 頑張れ、箱・・・。
466 名前:440と変な美ス男150[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 08:54:59.61 ID:7X8gNLPW
そして場所が解らないであろうと、美ス男のGH440こと440ちゃんが迎えに行った
本日最後の招待客である。
440ちゃんを先頭に店内に入るエミリアと元不死身。 440ちゃんが素早く店内の
人数を数えて自分達が最後という事を確認する。
時間は開始5分前、ブリンシバル(真打ち)は最後に登場という所ですか。
狙った訳ではなかったのですが、こういった役割という事で。
左足を前に、右足を後ろに交差させて右足の爪先を床に付け、膝を軽く曲げる。
同時に両手でPMスーツのスカートの両端を軽く摘んでほんの少し持ち上げながら軽く会釈。
カーテシー(淑女の礼)をしながら。
カツン、と爪先が床を打つ音が小さくもよく響き、皆の目線と意識が音の元に集まった。
ゆっくりと口上を述べる440ちゃん。
「お集まりの皆様方、夜分に失礼致します。 お初にお目にかかりまするは、私美ス男様付の
PMこと、名をGH440と申します。
マスターの命により、本日最後のお客様こと、エミリア・パーシバル様並びに元不死身様の
ご両名をお連れ致しましてに御座います」
カーテーシーを解いてゲストの2人を前にへと導く。 元不死身は何時も通りニコニコと
しながら前に出たが、エミリアの方はこの人数相手にああいった紹介の仕方をされた所為で
ややあがってしまっているようだ。 ぎこちない表情で前に出て440ちゃんに2人揃って
席の方に案内されて行く。
所々で育て方間違えたとか、交換して欲しいとか、などの声が聞こえては、その後の打撃音
もしくは武器を構える音でかき消されれていく。
そして元不死身の姿を見るや呆然とする女帝、狂犬、中年ヒュマ、中年ヒュマのGH440。
元不死身の様子を微笑を浮かべて暖かく見守るルドルフ。
467 名前:440と変な美ス男151[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 08:59:02.30 ID:7X8gNLPW
そして開始時間の午後6時となった。
小ビス子とヒュマ助が前に出て並んで挨拶をする。
「はぅ。 今日はお忙しい中に集まって貰ってありがとうなのです!」
「常日頃お世話になっている皆様方に感謝の気持ちを表したく、この場を持たせて頂きました」
「今日はいっぱい用意したのです! はう! たくさん食べていって欲しいのです!」
「この度は素材集めに尽力なさって下さった美ス男さん、GH440さん、キャスっ子さん、
GH414さんに感謝致します。 皆さん、拍手を」
言われて立ち上がった美ス男だが、女帝の方を見るもあさっての方を向いている女帝を見て、
何も言わない事にすると440ちゃんもそれに習い、2人でお辞儀をして拍手に答える。
キャスっ子とGH414も立ち上がって嬉しそうに両手振って拍手に答えている。
やがて拍手が止んで席に座る4人。 店内の冷房を少し強くする。
「それでは、第2回スキヤキ会の始まりなのです!」
数多くの奇なる縁にて、其々集った面々の夜はこれより始まりけり。
忌まわしくなるかはさておき、これにて数奇夜忌の幕開けで御座います。
続く
468 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 09:15:10.96 ID:7X8gNLPW [21/21]
新参者で御座います。
今回、さるさんは一度も引っ掛らなかったのですが、投下前の最終チェック
でも書き直したのでこれだけ投下開始から終了まで時間がかかりました。
内容は読んだ皆様方の思う所として、「寡黙なキャスト」で飯店内で様々な
キャラ&PMの方々をお借りした時以上の登場者数と容量になりましたが、
今回これで開始前です・・・。
自分の事ですので、この先は更に容量は増えるかと・・・。
今回キャラ&PMをお借りした各作者様方、事後承諾ご了承の程を。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
469 名前:『GH450の人』 忍法帖【Lv=8,xxxP】 [sage] 投稿日:2011/08/21(日) 21:53:08.82
ID:xg93v8NF [1/3]
>>468
各作者様に事後承諾も大事だが、他にやることがあるだろう。
みんながみんな、最初からこのスレにいる訳じゃないし、過去スレ把握してる訳じゃないんだ。
って訳で勝手に軽く出演者まとめてみた。
各作者様方。記入ミス、俺(私)はこんな呼ばれ方してねーよ!うちのPMが違う等
いろいろ不備があるとは思います。お許しください。
つ ttp://a-draw.com/contents/uploader2/src/a-draw1_7365.jpg(パス スキヤキ)
主 「俺も参加してみたかったな・・・」
GH450 『仕方ないですよ。ヒュマ飯店さん所には行ってないですし。
そもそも、他作者様の作品とも深く関わっていないじゃないですか。』
主 「分かった!じゃあ今からヒュマ飯店に乗りm」
GH450 『分かってない!!!今更無駄ですから、
ご主人はおとなしくヴィヴィ・デッザでも上げててください。
他にもまだまだ上げなきゃいけないPAが残ってるんですから!』
主 「(´・ω・`)」
GH450 『そんな顔しない!ほら、早く準備していきますよ!』
主 「全く、PA上げは地獄だぜぇ・・・orz」
470 名前:469[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:00:02.06 ID:xg93v8NF
リンクミスったorz
ttp://a-draw.com/contents/uploader2/src/a-draw1_7365.jpg.html
(パス スキヤキ)
ちょっと450のフォイエ食らってくる ノシ
471 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:15:57.58 ID:L1tcUqiD
>>468
投稿乙。もうちょいで最後ですな。
ちょっとうちのキャラはイメージが違いますが、「光」と「闇」の概念は少々難しかったですかね。
まあGH432の本来の主人ってことにすればいいわけですし、こういうのもありかとw
では、気分転換に書いたホラーものをお送りします…
472 名前:狭間鉄道444 1[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:18:55.06 ID:L1tcUqiD
"席のある部屋"へようこそ。
残念だけど、私はとても大事な用事があるから出かけるの。
この事実がある限りこの世界には戻ってこないから、帰りを待っても無駄よ。
すき焼きをやっているし、そこへ行くのをおすすめするわ。
どこでやってるか知らないし、かわりに何か話が聞きたいって?
なら、一つ面白い話をしてあげましょうか。
あるところに、パシリとご主人様がおりました…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私はGH444X-009。X以降がついているのは、私が試作型だからです。
そして私のご主人様は最強のガーディアンズ。聖剣と魔剣を組み合わせた双剣である
ワールドオブガーディアンを操り、どんな任務も成功させてきた人です。
ご主人様はファイガンナーですが、補助回復がなくてもやられたりすることはありません。
なぜなら、私がパートナーだから。試作型の私は加速装置をつけられていたのですが、
それが想定外の働きをしたのか、ワンオブサウザンドと言われるものになっていました。
その能力は「時間を止めること、止まった時間の中で動けるようにすること」。
止まった時間の中では、攻撃や防御などできるものなどいません。
私がひとたび能力を使えば、どんな敵でもヨワヨワなのです。
ハウザーであろうと、イーサン・ウェーバーであろうと、絶対に負けることはありません。
だから、ご主人様も私も最強を自負しています。どんな敵が出てこようと、失敗はない
はずでした。
473 名前:狭間鉄道444 2[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:21:53.92 ID:L1tcUqiD [3/13]
その日は任務を終えて帰ってきたところでした。
亜空間研究をしているさなかに現れた、巨大なデルナディアンに似たものの討伐。
初めて見るそれは対策などなく、他のガーディアンがやられたため呼ばれたのでした。
いつものように私が時間を止めご主人様を動けるようにし、むろんダメージを受ける
こともなく完全勝利。
「これくらい軽いものです、ね、ご主人様」
「楽勝、楽勝。困ったらまた呼んでくれ」
「ありがとありがとーまたよろー」
呼んでくれた方に別れを告げ、帰宅のためリニアラインに乗ることにしました。
しかし、道すがらにいい匂いが漂ってきて、夜遅いのに夕食をしていなかったことを
思い出し、私とご主人様はリニアラインの時間ぎりぎりではありますがその料理屋で
食べていくことにしたのです。これが間違いだったのかもしれません…
「食ったなー。444はどの料理が良かった?」
「私はやっぱりクシカツですね。70種類もの食材薬物を精密なバランスで配合し
特殊な味付けを施して煮込むこと七日七晩とうたうだけあって、クワッとなるような
力強い味と、おいしく作ろうとするシェフの情熱を感じました。レシピが秘密なのが
残念です…他にはゴシカァンという料理も気になります」
「そうかー、また来ような…あ、食事に時間かけすぎたか。終電に間に合わないぞ」
「それはだめですね、時間を止めますからホームまで走りましょう」
時を止めてリニアラインホームまで猛ダッシュ。しかし、止めた時間のところでも
リニアラインは出発してしまっていました。
時間を止めて時計がずれているぶんを多く見積もりすぎたようです。
474 名前:狭間鉄道444 3[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:24:57.46 ID:L1tcUqiD [4/13]
「あーあ、参ったな…」
しかも困ったことに、時間を止めたために終電が出る少し前にはセンサーで人が入らない
よう確認して閉じてしまう駅入口には入れてしまった状態。駅から出ることもできなく
なってしまいました。
リニアラインはコンピュータによる自動制御なので、誰かに開けてもらうよう言うことも
できませんし、こんなことでガーディアンズ本部に連絡したら、どうやってこの状況に
なったのか聞かれてしまいます。
センサーにかからなかった理由が時を止めたからなんて言えるわけがありません。
「ごめんなさい…ご主人様…」
ご主人様がこんなリニアラインの冷たい床で一晩を過ごすなんてことがあっていいわけは
ありません。こんな状況を作ってしまったのは私のせいです。
「いいよいいよ、リニアラインの突破ならしたことあるし、終電過ぎたんなら次の列車も
こないだろうから、線路を歩いて非常口から出て帰ろう」
私のミスでご主人様に負担を強いてしまった、どうしよう…と思ったそのとき。
ぷぁーん、と聞き慣れない音がしました。
振り向くと、リニアラインのレールのところに、列車が来て、ぷしーっと排気のような
音を立てて乗降口が開くところでした。
「ご、ご主人様!きましたよ列車!」
「え?終電の時間、一本間違えてたかな…」
ご主人様と二人きりだというのに居場所がない感覚から逃れたかった私には渡りに船です。
歩いて帰ったらこういう列車がまた来るかもしれないと進言しました。
ご主人様はせっかくきたんだからということで乗ることに決まりました。
駅の入口が閉まっていたことなど、すっかり忘れていました。
475 名前:狭間鉄道444 4[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:27:50.33 ID:L1tcUqiD [5/13]
長細い箱のような形をしていて、冷えているのかかすかな白霧に包まれたその車両は、
私とご主人様が乗り込むと、一呼吸置いて扉が閉まり、列車は出発しました。
「なんだろうこの列車…初めて見るものだしどうしようもなくぼろっちいのに、
なんだか懐かしい感じがするな」
中の金属部品はところどころ錆が浮いていました。今時こんな処理もしていないなんて。
それに動き出した列車はがたんごとんと揺れ音もほとんど立てないリニアラインを知って
いると、まるで未開地の列車だと思いました。
座席は一つ一つがあるわけでなく、何人か横並びに座れるような構造で、私はご主人様に
体を預けるようにして座りました。この車両に乗客は一人もおらず、気兼ねなくご主人様
と二人きりの時間を過ごせるなと思いましたが、ご主人様は何か違和感を感じている
ようでした。
「なあ…今、乗ってから何分過ぎた?次のダルガン展望広場前まで、たしか3分で到着
だったはずだよな…」
「5分過ぎてますが、急行なのでは?それなら途中の駅も飛ばすでしょうし」
「ダルガン展望広場前は急行も止まるはずだ」
そういえばそうです。何か不具合でもあったのでしょうか?あからさまに古そうな車両
でしたし、あってもおかしくないとは思いますが、それはそれで大変です。
「がたがた揺れていますし、そのぶん遅いということも考えられますね。もう少ししたら
着くんじゃないでしょうか」
「あ、ああ…そうかもしれないな」
でも、何分待ってもダルガン展望広場前には到着しませんでした。
476 名前:狭間鉄道444 5[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:32:34.33 ID:L1tcUqiD
「…通り過ぎてしまったのかもしれません。次の駅で降りて、線路を歩いて帰るしか
なさそうですね…すみませんご主人様…」
「違う」
「え?」
その言葉の意味がわからず、目を合わせられずうなだれていた私が顔をあげると、
ご主人様は青ざめた顔をしていました。
「違う…そういう問題じゃないぞこれは。さっきから外は見てたんだ、通り過ぎたんなら
駅は見えないとおかしい」
そういえば先ほどからずっと暗闇の中を走ったままで、駅が見えた覚えがありません。
「速度が出てるのはわかる。リニアラインには他のルートはないから間違えて進んでいる
ということもありえない。じゃあなんでなんだ?どうして次の駅がこないんだ!?」
試作路線の運行テスト?そんな路線の開発は聞いたことがありません。
さらに列車はなぜかトンネルを抜けて、極彩色の風景の中を走るようになりました。
地面らしいものはあっても遠景はまったく見えず闇に閉ざされた奇妙な風景でした。
どうやっても説明がつけられなくなり、私は背中から上ってくる寒気を感じました。
「ガーディアンズ本部に連絡しよう、これは何かおかしい」
通信機に手をかけるご主人様。しかし…
「どうなってるんだよ…圏外ってどういうことだよ…」
グラール太陽系内ならどこでも通じる強力なガーディアンズの通信機で、Gコロニーの内部
なのに圏外などということは絶対にありえません。電波妨害なら電波妨害と出るはず
です。故障したのでしょうか?私の通信機を使っても同じ結果でしたが、二つ同時に故障
することだって十分ありえます、きっとそうです。
477 名前:狭間鉄道444 6[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:35:34.33 ID:L1tcUqiD
ピピピ、ピピピ、ピピピ…
突然通信の音が入り、座ったまま飛び上がりそうになりました。故障していたはずの
通信機、私とご主人様の両方のそれが同時に鳴り響いたのです。
藁にもすがる思いで出ると、突然怒鳴るような声が飛び込んできました。
「こらぁ!お前ら、なんでこんなところにいんだ!」
わけがわかりません。事情も何も知らないし、怒鳴られる筋合いはないのでちょっと
むっときました。
「何を言ってるんだ?この列車はなんなんだ、あんたどこからかけてるんだ」
「そんなこたぁどうでもいい!どっから入ってきやがった、まったく…」
「どうでもいいとは何だよ!もういい、こっちからあんたを探しに行くぞ!」
このままでいることの不安から逃れたかったのもあり、列車の中にいるであろうその人
を探しに行くことを決めて、ご主人様は通信を切りました。
切る寸前にいいからそこを動くなと聞こえたような気がしましたが、確かめるすべは
ありませんでした。着信記録を見てみると、空白になっていたからです。
「腹の立つやつだったな。とにかく話を聞いて、降りよう」
「ご主人様、やめましょうよ…なんだか怖くなってきました…」
「怖いって…なんだよ、俺と君ならどんなことがあっても絶対に負けないんだから大丈夫
だって!何かあったら時を止めてくれ。止まってる間に列車から出ればいい」
「そ、そうですね…大丈夫ですよね…」
ご主人様のそばにいると安心します。手をとっていれば、怖くなんかありません。
前に立っても開かないという気の利かない扉を手で開き、連結部を通って前の車両に。
何かもやのようなものが見えたような気がしましたが、その車両には誰もいませんでした。
温度が急に下がったような気がしましたが、センサーでは変化ありません。
気にせず先頭車両まで行こうとしたとき、後ろで何か声がしたような気がして、驚いて
振り向きました。すると…
478 自分:!ninnjya[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:40:08.69 ID:vwz1s+Gv
支援~
479 名前:狭間鉄道444 7[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:44:02.38 ID:L1tcUqiD
「…あ…あ…」
「どうした?444、何かあったのか?」
「ち、違います…今の声は、私じゃ…!」
ずるり、ずるり。ご主人様の身長の1.5倍はある、巨大な黒い柱のようなおぞましい何かが
地面を這いずっているのです。
半透明な黒い姿に、上の方に二つ紫色に光る点が並んでいて、まるで顔のようでした。
「SEEDか!封印はされたはずだが、亜空間実験でさっきも出たということは…!」
「SEED特急の事例と同じということですね!」
そうです、それなら納得がいきます。SEEDに乗っ取られたから次の駅につかないんだ。
SEEDがいるから通信がうまくいかないんだ…正体がわかれば怖くなんかありません。
目の前の新種とおぼしきSEEDは、先に相手したデルナディアンの変種らしきものと
比べればずっと小さく、動きも遅いので、私たちの敵ではないと思いました。
「444、新種は何をしてくるかわからないんだ、あなどるな。ここは時を止めていくぞ!」
「はい!時よ!」
がちっと奥歯のほうから音が聞こえて、周囲の時間が停止しました。さあ、今です!
「うおおおおっ!」
ナノトランサーから一瞬で出現したワールドオブガーディアン。聖剣と魔剣が閃き、
ブレードデストラクションで黒い柱を滅多切りにしていきます。
バラバラにされた敵は、時を動かせば崩れ去るはずです。いつも通りの安定した勝利を…
「!…どうなってるんだ!?」
しかし、黒い柱は崩れるどころか切りつけた痕跡すらありませんでした。
まるで最初から切っていなかったように…
黒い柱がこちらを向きました。ゆっくりゆっくりと這いずってきます。
「くそ、もう一度だ!444、頼む!」
「と、時よ!」
480 名前:狭間鉄道444 8[sage] 投稿日:2011/08/21(日) 22:46:07.99 ID:L1tcUqiD [9/13]
ご主人様は切りかかろうとするのにあわせ、もう一度時を止めようとしましたが…
「あ…ぁあ…あ…」
黒い柱は、動きを止めませんでした。
「444、早く時を止めるんだーっ!」
「ち、違います…ご主人様、もう…止めてるんです…!」
思えば、さっき時を止めたときに、電車は止まっていたでしょうか?そして今、時を
止めているはずなのに、なんで電車も黒い柱も動いているんでしょうか?
理解不能、理解不能、理解不能。
「あ…あああ…あ…ぁ…」
黒い柱はかすれたような声をあげて迫ってきます。
「うわあああああああ!!」
絶対であったはずの戦法が破られ、最強の武器であるワールドオブガーディアンを
最高クラスの実力を持つご主人様がふるっているのにまったく通用しないという相手に
袋小路に追い詰められているというこの状況。
しかも、黒い柱はいつの間にか最初にいたものの後ろに何十と出現していました。
ご主人様は列車の窓を破って逃げようとしているようですが、それを行動に移そうとする
たびにいつの間にか向きが変わって黒い柱のほうへと走り出そうとしてしまっています。
私はといえば、グレネードも撃ちつくしてしまい、ただへたり込んで震えるばかりでした。
ついに黒い柱が目の前に迫りました。かがむようにしてご主人様を見ているのがわかります
。
どうしても逃げられないご主人様は半狂乱になって涙を流し、まったく効果がない、
金属弾が吸い込まれるようにして消えるヤスミノコフの射撃をただ連発するだけでした。
「……………」
何を言うでもなく、何かを出したり殴りかかってくるでもなく、黒い柱から異様な雰囲気
が発されました。
「ぎゃああああぁぁぁ!!」
ワールドオブガーディアンが床に落ちて、軽い音を響かせました。