121 名前:ワンオブサウザンド? 4[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:37:39.76 ID:EJ3iNfHt
そうして幾度となく暗転を繰り返しHIVEらしき何処かの奥深くに進んで行った。
やがて、私はある事に気付く。
何処までも暗く、悲しく、全てを拒否する「闇」とでも言えばいいのだろうか。
ドス黒い憎悪が渦巻き死の恐怖すら飲み込み、喰らい尽くす感情。
それは余りにも恐ろしく、悲鳴を上げてすぐにでも逃げ出したかったのだが、
今の私には逃げ出す事は出来ず、ましてや悲鳴を上げる事すら許されていない。
私と隣り合わせのように居座る「それ」は恐らくご主人様の「心」なのだろう。
私はそれに心当たりがある。
以前、ご主人様はご両親を亡くされたショックで心に闇を抱えていた時期が
あったと聞いている。
今ではそれから立ち直り、前向きに生きていると聞いているのだが、まだ
完全には心の闇は癒えてないのだろうか?
気が付けば、次が最後だ、と言うような会話が聞こえていた。
周りに居る人達は一様に疲弊し、息も絶え絶えと言わんばかりの様相だ。
私の―――――いや、ご主人様の息も荒い。
冒頭で出てきた、ご主人様と勝負をした男性、
―――途中の会話からその男性の名前はアッシュと言う事が判明した―――
が先頭になり、周囲を警戒しながら歩を進める。
「諸君、ここまで来るとは大した物じゃないか。」
トーンの低い男の声が響き、白い服を纏った男が姿を現す。
刹那、張り巡らしていた五感がその男へと向き、全身に気が巡る。
私が躯体稼動用のフォトンエネルギーをチャージし、フォトンが体を巡るのに似た感覚だった。
「私に逆らうとどうなるか、その身を持って思い知るが良いッ!」
白い服を纏った男はそこまで言うと姿が掻き消え、同時に気配も消えた。
その場に居る全ての人が固唾を飲み、五感を張り巡らせている。
―――――居ない―――――何処?―――――
ご主人様の思考が私にも流れ込む。
122 名前:ワンオブサウザンド? 5[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:40:23.52 ID:EJ3iNfHt
その時、正面に微かな気配を察知した。
位置は丁度先頭を進んでいた彼――――アッシュのすぐ背後。
―――――どうする!?
―――――狙われているのはアッシュ。
―――――気付いているのは私だけ。
―――――今なら叫べば彼を助けられるだろう。
―――――しかし、あの位置に出現するとなれば、私の位置は敵の背後。
―――――確実に仕留められる又と無いであろうチャンス。
―――――敵に気付かれないよう近付き、一撃で仕留める自信はある。
―――――しかし、それをすれば彼は、アッシュは犠牲になるだろう。
瞬きをするような一瞬の時間に、一気にご主人様の思考が流れ込んで来る。
刹那、私の隣に居座る闇が膨張し、視界、音、息遣いや心臓の鼓動、全てを
飲み込む。
―――――お父さんとお母さんの敵、覚悟!!
全ての思考は闇に飲まれ、アッシュと言う男を助けると言う選択肢はかき消され
ただ一つ残った憎悪が広がる。
既に体は動いていた。
気配を殺し、ヤツの気配に詰め寄る。
―――――射程圏内!!
―――――隙を突かなくては意味がない、グッと堪えて!
ヤツの気配が射程圏内に入ると、気配を殺したまま一閃の構えを取り、
切り掛かりたい衝動を抑え込む。
直後、同時にヤツは姿を表し、アッシュへ手刀を突き出す。
「隊長!後ろ―――――――――――!!」
誰かの声が響くが、それは既に遅かった。
ヤツの手刀はアッシュの背中に深々と突き刺さっていたのだ。
ヤツの意識はまだアッシュに向いていた。
こちらにはまだ気が付いていない。
―――――今だ!!
「雑魚が。安らかに眠るが―――――――」
―――――ザシュッ!!
渾身の斬撃が正確に首筋を捉える。
確かな手応えと共に、ヤツの首から上が吹き飛ぶ。
それは一瞬だった。
―――――お父さん、お母さんやりました―――
アッシュがゆっくりこちらを振り返り、崩れ落ちる。
それと同時に再び視界が暗転し、余りにもリアルな感触と出来事に、
私はそれが夢なのか現実なのか分からないまま意識が遠退いて行った。
123 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:43:14.80 ID:C9YwrgeG
さるよけ砲火
124 名前:ワンオブサウザンド? 6[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:45:09.45 ID:EJ3iNfHt
―
―――
―――――!!
気が付くと、そこには見慣れたマイルームの天井が広がっていた。
私はどうやら夢を見ていたようだ。
「・・・・・ぅぅ・・・・ぅ・・・」
ご主人様の寝苦しそうな吐息が聞こえる。
私は強張った体をゆっくり起こし、ご主人様の方へと顔を向ける。
ご主人様は眉間に皺を寄せ、小さく呻きながら涙を流していた。
「ご主人様、ご主人様!」
不安になった私は、ご主人様の体をゆすり、呼びかける。
額には玉のような汗がびっしりと浮いている。
「・・・・ん・・・ぅ・・・・んん」
私の呼びかけに気が付き、ご主人様の目が開いた。
「ご主人様、だいぶうなされて居たようですが、大丈夫ですか?」
「・・・・ん・・・ああ・・・夢だったのね・・・。
ラズリィ、ありがと・・・・昔の・・・昔の夢を見てたわ。」
ご主人様は辛そうな表情でゆっくり体を起こし、こちらに向き直ると私に
向かって力なく微笑む。
「お水入れてきますね―――――」
「ありがとう」
私はコップに一杯の水を入れるとすぐに戻りご主人様に手渡した。
ご主人様はそれを受け取り、一気に飲み干す。
「んっ・・・んっ・・・んっ・・・はぁ・・・・ありがと。楽になったわ。」
ご主人様からさっきまでの辛そうな表情は消え、いつものやさしい表情で微笑む。
その顔を見て安堵したのか、私の中にさっき夢で見た黒い憎悪のようなものに
感じていた恐怖が甦る。
――――――怖い―――!!
私の顔が脅え、引き攣り、全身が震え、気が付けば泣きだしていた。
「ご主人様・・・ひっく・・・怖い・・・怖いよぅ・・・・ぐすっ・・・・」
「大丈夫、もう大丈夫よ。」
ご主人様が慌てて私を抱き寄せ、ゆっくり頭を撫でる。
しかし、きっと彼女は自分の様子に恐怖を感じたのだと思って、もう大丈夫と言って
いるのだろう。
いつものやさしいご主人様に安堵はするものの、恐怖が消えない。
「・・・ひっく・・・・・違うの・・・・ぐすっ・・・ご主人様・・・ひっく・・・・違うの・・・」
「どうしたの?何が怖かったの?」
「・・・・・ぐすっ・・私もね・・・・・ぐすっ・・・・・怖い夢を・・・見たの・・・ひっく・・・・」
「そうだったのね。でも、それもね、もう大丈夫よ。」
125 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:46:25.44 ID:C9YwrgeG [3/10]
もいっちょ
126 名前:ワンオブサウザンド? 7[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:47:50.34 ID:EJ3iNfHt [11/29]
ご主人様の温もりを感じていると、やがて恐怖は薄れ、消えて行った。
落着きを取り戻すと、今度は先程まで感じていた恐怖が疑問に変わって行く。
私は意を決して、ご主人様に自分の見た夢を話してみる事にした。
「ご主人様、少しお話しをしても大丈夫ですか?」
「ええ、いいわよ。」
「また怖くなったら嫌なので、このまま抱きしめていてください。」
いつもなら恥ずかしくて到底こんな事は言えないが、またあの恐怖に襲われたらと
思うと、自然と口に出す事が出来た。
ご主人様は私を抱き上げ、膝に乗せるとやさしく抱きしめ、ゆっくりと頭を撫でてくれた。
「それで、どうしたの?」
「私は・・・・いえ、キャストやPMである私達は、睡眠を取る間に表層にある一時記憶域を
整理して、必要な情報を深層にある蓄積領域へデータ移動するようになっています。
その過程で、整理中の記憶の断片を、ヒトのように夢で見る事があります。」
私はそこまで話すと、一息つき、ご主人様の胸に顔を埋める。
ご主人様は先を促すでもなく、やさしく頭を撫で続けてくれている。暖かくて安心する。
「ですから、最近現実で起こった事を「夢」として見る事は珍しくありません。
・・・・でも、今日はそうじゃ無かったんです。」
「・・・・どんな夢を見たの?」
「・・・・・気が付いたら、私は知らない場所で、私と出会う前のご主人様が居て――――」
私はさっき夢で見た事、感じた事の全てをご主人様に打ち明けた。
静かに聞いてたご主人様が頭を撫でていた手を止め、私を見つめる。
「ラズリィ、さっきね、私もその夢を見ていたのよ。全く同じ夢・・・」
「えっ・・・!?」
「・・・・それとね、その夢で起きた事は、全て現実だった事なの。
アッシュって言う人はね、私の戦友だった人で、貴方の前の主人だった人よ。」
思い出した。言われてみれば、前に私がご主人様の経歴を勝手に調べてしまって、
泣きながらそれを打ち明けた日、ご主人様が話してくれた内容にあった人だ。
127 名前:ワンオブサウザンド? 8[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:50:20.10 ID:EJ3iNfHt
夢の中で感じた複雑な感情はそれでだったのか、と納得する。
記憶は消去されても、きっと何処かに前のご主人様の事が残っていたのだろう。
「でも、ご主人様、私は自分が知りえない事の夢を見る筈は無いんです。
もし、以前の記憶が何処かに、僅かに残っていたとしても、その時の私は夢に
居ませんでしたし、当時の私は部屋でご主人様のお帰りを待っていたと聞いています。」
「そうね・・・・」
「・・・何でこんな事が起きたのか、分かりません。自分が自分じゃないみたいで怖い―――」
そこまで言うと、私は体が微かに震えているのを感じた。
私は、自分には起き得ない事に答えの無い疑問と恐怖を感じていた。
「そうね、でも、今それをどうする事も出来ないわ。」
時計に目をやると、まだ深夜の3時だった。
「私が抱きしめていてあげるから、今日はもう一度休んで、明日になったら調べてみましょう。」
私は無言でご主人様の服をキュっと掴むと小さく頷いた。
また夢を見てしまうかもしれない恐怖はあったが、ご主人様が抱きしめていてくれると言う
安心感からか、程無く眠りに落ちていた。
128 名前:ワンオブサウザンド? 9[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 14:52:04.24 ID:EJ3iNfHt
ピッ―――――
電子音と共に私のOSに起床時刻が来た事が表示され、意識が覚醒する。
―――――いつもと変わりのない朝―――――
しかし、今日は少し違っていた。
「くー・・・・・くー・・・・・・」
耳元でささやくかのように聞こえるご主人様の寝息、背中に感じる鼓動と温もり。
昨日の夜の出来事が夢ではない事を再認識せざるを得ない状況だったが、私は暫く
ご主人様の温もりを堪能することにし、静かに目を閉じる。
「・・・・んー・・・・・ラズリィ・・・・ムニャムニャ・・・すきよ・・・・・」
―――――!!
ご主人様がまだ眠っているのは間違いないので明らかに寝言なのだが、それをまともに
聞いてしまった私は頭部ユニットが一気に過熱する。
このままでは危険だ。名残惜しいがここは一旦離れよう・・・。
私はご主人様を起こしてしまわないようにそっと腕の中から抜け出すと急速冷却機能を
作動させながらドレスルームで着替えを済ませる。
「よしっ!」と小さく呟くと、少し元気が出てきた気がした。
洗面所で身嗜みを整え、キッチンへ行き朝食の準備をする。
朝食の準備もおおよそ済んだ頃に、ドレスルームの方から物音が聞こえてきた。
ご主人様が起きたのだろう。
ご主人様はいつも決まった時間に起きる。
最近出来たPMのお友達は、ご主人様が朝起きてくれなくて大変だと愚痴をこぼしていたが
その点、いつも規則正しい生活をされているご主人様の事を話すと、羨ましがられる。
129 名前:ワンオブサウザンド? 10[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:02:10.26 ID:EJ3iNfHt
配膳が丁度終わったタイミングで、計ったかのようにご主人様が食卓に現れた。
さっきの寝言を思い出し、一気に発熱して倒れそうになるがぐっと堪える。
「おはようございます、ご主人様。」
「おはよう、ラズリィ。いつもご飯作って貰って悪いわね。」
「ご主人様、冷めないうちに食べましょう。」
「そうね、いただきます。」
「いただきま~す。」
―――――モキ゛ュモキ゛ュ――――
「えっと、今日は急ぎの用件は無かった筈。
全部キャンセルするから、ご飯が終わったらすぐ出かける支度をして頂戴。
貴女の事が心配だし・・・昨日の事、私もちょっと気になる事もあるのよ。すぐ調べてみましょう。」
「はい、わかりました。」
食事を摂りながら今日の予定を話す。いつもの日課だ。
手早く食事を済ませ、支度をする。
ご主人様は先程から慌しく何処かへ連絡を取っている。きっと今日の予定をキャンセルしているのだろう。
程なく私の支度は終わり、準備できた事をご主人様に告げる。
「それじゃ、行きましょうか。」
「はい。」
ルームを出てロックを掛ける。
PPTスペースポートからシャトルに乗り、向かった先はパルムのGRM社だった。
GRMの敷地に入り暫く歩くと、ご主人様がとある建物の前で立ち止まった。
建物の入り口には「GRM研究施設棟」と書かれている。
「さ、入るわよ。」
扉を開け、中に入ると空調の効いたヒンヤリとした空気が心地よかった。
パルムは今、夏真っ盛りだ。外気温は先程のセンサーの計測値では33度。道理で暑い筈である。
130 名前:ワンオブサウザンド? 11[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:03:58.36 ID:EJ3iNfHt
「この施設は入館許可の―――――」
「お久しぶりです、ラピスです。」
「なにっ!?おぉ、大きくなられましたな。お久しぶりです。」
「これ、身分証。で、ヒューガさんから入館許可が下りている筈だから確認してみて。」
「少々お待ちを・・・・ラピスさんと連れのPMが1名、確かに。
・・・入館ID証です。どうぞ。」
「ありがとう。本当は積もる話もあるからゆっくりして行きたいんだけど、今日は急いでいるから
また遊びに来るわね。」
「ええ、是非来てください。楽しみにお待ちしておりますよ。」
滞りなく入館手続きも終わり、中へと入る。
「ご主人様、お知り合いですか?」
「ええ、私がまだ小さかった頃、お母さんに連れられて良く来てたのよ。」
「そうなのですね。」
「・・・っと、ここね。」
ご主人様はとある一室の前で立ち止まると、部屋に掛かったネームプレートを確認し、ノックする。
―――――コンコン
中から小さく「どうぞ」と声がする。
ご主人様の後ろについて入ると、大きな机に書類の山、その向こうに頭の先だけが見えた。
「主任、お久しぶりです。」
ご主人様が書類の山の向こうに声を掛けると、主任と呼ばれた人が勢い良く立ち上がった。
「君は――――ラピスちゃんじゃないか!!」
「ふふ、お久しぶりです。」
「やぁやぁ、大きくなったねぇ。って、もう子供って歳でもないだろうし、この言い方は失礼だったか。」
「いいえ、お気になさらずに。私にとっては主任は今でもお兄ちゃんですもの。」
「それにしても久しぶりだねぇ。来るなら来ると言ってくれれば―――――」
「ごめんなさい、本当は連絡してから来たかったのだけど、この子の事で急いだものだから。」
ご主人様がチラリと私に視線を送り、それにつられて主任さんもこちらに視線を向ける。
131 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:03:58.79 ID:C9YwrgeG
支援
132 名前:ワンオブサウザンド? 12[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:06:34.06 ID:EJ3iNfHt [16/29]
「ちょっと気になる事があるから、この子をちょっと調べて欲しいのよ。」
「ふむ――――――検査項目は?」
「全身スキャンと精神鑑定、後はバグチェックもお願い。」
「ガーディアンズモデルか―――――
もし所有権を買い取っているなら、権利証と所有者の検査承諾書が必要なんだが―――――」
「用意済みよ。今そちらの端末に送信したわ。」
「―――――OK。今確認出来たよ。それじゃあ早速検査室へ行ってくれ。僕もすぐ行く。」
「分かったわ。」
ご主人様と親しそうに話す主任さんを見て、ちょっと嫉妬していましたが、ご主人様が部屋を出たので
慌てて後ろについて部屋を出る。
でも、あの主任さんの目、まるでご主人様が私に向けるようなやさしい目だったなぁ・・・・。
後でご主人様に聞いてみよーっと。
そんな事を考えていると、先程言っていた検査室に着いた。
少しして、さっきの主任さんが部屋に入ってくる。
「えっと――――――ラズリィちゃん、まずは全身スキャンをするから―――」
検査は思っていたよりもあっと言う間に終わった。
主任さんから、第一応接室で待つように言われ、ご主人様と移動する。
少し時間が掛かると言っていたので、私はさっきの疑問を聞いてみることにした。
「ご主人様、さっきの主任さんっていう方――――お兄ちゃんとも言われていましたが、どう言った
ご関係の方なのですか?」
「あの人はね、私がお母さんに連れられてここに来ていた時、いつも私の遊び相手をしてくれた人なの。
その時はね、まだ私は子供だったから、彼のことをずっとお兄ちゃんって呼んでたのよ。
だから血が繋がって居なくても、お兄ちゃん、なのよ。
他にもまだ子供だった私とお話ししてくれたり、一緒に遊んでくれた人は沢山居るわよ。」
「へぇ、そうなのですね。」
133 名前:ワンオブサウザンド? 13[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:07:43.56 ID:EJ3iNfHt
そう、彼がご主人様に向けた眼差し、それは家族に向けるような愛情に溢れた目だった。
私はそれに気付き、それなら仕方ないと納得した。
そんな事を考えていると扉が開き、主任さんが入ってきた。
―――――ガチャッ
「お待たせ、これが診断書ね。」
「で、どうだった?」
「特に異常は無し。一応調べたら、以前に初期化をした時のデータが残ってたから、それも確認はしたよ。
物理的にも回路的にも問題は無いし、進化時のバグによる変形も見られない。
システムのバグチェックも、5箇所ほど自己修復の形跡はあったけど十分想定範囲内だし、全て自己修復
によって問題無い状態に書き換えられている。」
「ふーむ・・・・・」
ご主人様は診断書に目を落とし、何かを考え込んでいるようだった。
「・・・確かに異常は無いわね。何箇所か誤差は出ているけど、確かに全て想定内に納まってるわね。」
「何か気になる事って言ってたけど、どうしたんだい?」
「いえ、検査結果に問題が無ければ、それで構わないわ。
お兄ちゃん、本当はゆっくりして行きたいんだけど、行かなければならない所があるから――――」
「そうか、それは残念だな。今度来る時は連絡してから来いよ?」
「ええ、分かってるわ。忙しいのに付き合ってもらって悪かったわね。」
「ラピスちゃんの頼みなら、お安いもんさ。それに、今の時期は比較的仕事も落ち着いてるからね。」
「ありがとう、お兄ちゃん。それじゃあまた来るわね。」
「ああ、またな。気をつけて帰れよ。」
134 名前:ワンオブサウザンド? 14[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:10:58.14 ID:EJ3iNfHt
来た時と同じように入り口で手続きをして、建物の外へ出た。
ご主人様はさっきからずっと、何かを考えているようで無言だ。
私も特に話す事も無く、異常が無かった事に少し安堵し、次は何処へ行くのだろう?と考えていた。
暫く歩くと、ご主人様がちょっと休憩して行きましょうとオープンカフェへと入っていく。
ご主人様はパルム原産ハーブのアイスティーを、私は冷たいミルクとコルトバサンドを注文した。
「それにしても暑いわねぇ・・・・」
「そうですねぇ・・・私は汗はかきませんが、さっきから躯体の冷却装置がフル稼働してますよ。」
ご主人様はたわいも無い話をしながら、携帯用の通信端末を色々と操作されている。
私は特にすることもないので、出来立てのコルトバサンドを頬張り、その味を堪能していた。
「・・・よしっと、次はコロニーに戻るわよ。」
「は~い。モキ゛ュモキ゛ュ・・・コ゛クン。
そう言えばご主人様、何時の間に私の所有権を買い取られたのですか?」
さっきはさらっと聞き逃してしまったのだが、ふと思い出したので聞いてみる。
確かにご主人様はお金に困っている風は無いが、PMの買取はかなりの高額だと聞いた事がある。
「ああ、それね、いつか話そうと思ってたんだけど、貴女が私の所へ配属された時には、既に
貴女の所有権は私にあったのよ。
出荷が決まっていた貴女を、私の所へ配属させる時に、ヒューガさんに頼んで日付を遡った
所有権売買契約書を作ってもらったの。この事は内緒よ。ちなみにお金はちゃんと払ったわよ。」
「ご主人様、確かにお金には困っているように見えないですが、実はお金持ちなんですねぇ。」
アイテムや財布の管理はPMに任せる人が多い中、ご主人様はどちらもご自分でされている。
私がするのはせいぜい、渡されたアイテムの整理くらいだ。
135 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:14:20.63 ID:C9YwrgeG [5/10]
偉い主人だ支援
136 名前:ワンオブサウザンド? 15[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:14:49.80 ID:EJ3iNfHt [19/29]
「そうねぇ・・・・ガーディアンズの私の口座に8500万メセタと、グラール統一銀行に、
1億5000万メセタ、これは私の個人資産。それにまだ両親の遺してくれた遺産もあるわね。
・・・そう言えば、貴女に預けてあるキン・カイも私の個人資産よ。」
想像していたよりも遥かに大きい桁に、危うく手に持っていたコップを落としそうになった。
確かに、ガーディアンズの隊員同士で取引されるアイテムの中には、1つが数千万メセタする
高級品や、1億メセタを超える超高級品もあるが、それらを売買している人達は一部の人で、
私には関係の無い世界だと思っていた。
・・・そう言えば確かに私がまだ玉だった頃、金色に光る謎の塊をいくつもナノトランサーに
入れられた記憶がある。キン・カイと言えば一つ1000万メセタ・・・もう頭がどうにかなりそうだ。
「ご主人様、それだけあれば一生遊んで暮らせるのに、何でガーディアンズを続けられてるんですか?」
「それは前にも言った通り、私は私の守りたいものを守るためにガーディアンズをやってるだけだから、
それ以上でも、それ以下でも無いわ。
まあ、確かに欲しい物とか特に無いから、お金は貯まる一方なんだけどね。」
やっぱりちょっと変わった人だ。でも、ご主人様らしいと言えばその通りである。
私はもう気にしない事にして、残ったミルクを一気に飲み干した。
「さ、次に行きましょうか。」
「はい、ご主人様。」
私達は軽い休憩を済ませると、Gコロニーへと戻った。
137 名前:ワンオブサウザンド? 16[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:17:17.11 ID:EJ3iNfHt
何処へ行くかは告げられていないが、どうせ一緒に行くのだから気にしてもしょうがないだろうと思い
特に聞かなかったのだが、さっきからすれ違う人が減り、パシリばかりになってきていた。
この方向で思い当たるのは一つしかない・・・・「パシリ大通り」
まさかとは思いつつも黙ってついて行くと、予想の通り大通りへ入る入り口で立ち止まった。
「ラズリィ、この地図の場所分かる?この奥らしいのだけど・・・」
ご主人様が私に携帯端末から地図データを送ってくる。
手書きの粗末な画像だが、この地図は大通りの物で間違いない。
地図に記された場所は、私が良く使う抜け道の一本裏の通りだった。
「地図にある通りの一本表にある通りは、私が良く使う道なので大丈夫だと思います。」
「ラズリィ、案内してもらえる?」
「分かりました。狭いところもありますから、気をつけてくださいね。」
先程まではずっと私がご主人様の後ろだったのだが、今度は逆だ。
パシリの身長に合わせた狭いトンネル状の通路を抜けると見慣れた大通りの景色が目に飛び込む。
ご主人様は四つん這いとまでは行かないが、腰を屈めて歩きにくそうに出てきた。
「えっと、ご主人様、ここは人が来る事は滅多に無いですから、目立たないようにお願いしますね。」
「ええ、分かったわ。出来るだけ目立たずに済む道を選んで頂戴。」
「分かりました。」
既に周りからは冷たい視線がご主人様に集まっていたが、気にしてもしょうがないのでメインの
通りを避け、裏通りに入る。
幾つか路地を曲がり、暫く歩くと目的の場所に着いた。
「噂には聞いていたけど、本当にコロニーのPMと言うPMが集まってるのね。」
「そうですね・・・私もまだ良く分かってない所も多いのですが、ご主人様を失ったはぐれパシリや、
クバラ製のパシリなんかの、正規に登録されていないパシリも居ますからね。」
「なるほどね。それじゃあ入りましょうか。」
ご主人様は目的の建物の扉を開き中へと入っていく。私も続けて入る。
PMサイズに作られた扉は小さく、小さく丸まって入っていくご主人様がちょっとかわいかったのは
ナイショだ。
138 名前:ワンオブサウザンド? 17[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:21:20.40 ID:EJ3iNfHt
[21/29]
「ここに何の用だ?」
入るとそこには門番?らしきPMが居り、私達に用件を尋ねてきた。
「えっと、ここでわんわんサンドのレシピを教えて頂けると聞いたのだけど、間違っていたかしら?」
「そうか、ちょっと待て。」
わんわんサンドと言う初めて聞くサンドウィッチの名前に、ご主人様が何をしたいのかが謎だったが
門番らしき人にはそれが通じたらしく、奥の端末で誰かと話をしていた。
「お会いになられるそうだ。通れ。」
「ありがとう、お邪魔させて頂くわね。」
さっぱり何の事だかやっぱり分からなかったが、わんわんサンドと言う未知の食べ物に期待が高まる。
やがて、奥へ辿りつき、扉をノックすると、中から「入りな」と女性の声が聞こえてきた。
「さ、入るわよ。」
「はぃ。」
扉を開け、中へ入ると豪華な椅子に深く腰掛けたPM―――GH450が一人。私と同じタイプの型だ。
手にはキセルを持ち、そこから紫煙が立ち昇っていた。
どうやら先の声は彼女のものらしい。
「女帝さん、お会い出来て光栄です。」
「アタシは厄介事は嫌いなんだがねぇ・・・」
「そんな大した事ではないわ。少しだけ、「わんわんサンド」を良く知ると言われる貴女の意見を
聞かせて貰いたいだけよ。」
「で、お前さんは何を聞きたいんだい?内容に寄っちゃ教えられないし、場合に寄っちゃ高く付くよ。」
「とりあえず、まずこちらの話しを聞いて貰いましょうか。」
「長くなりそうだねぇ。ちょいと待ちな。ご主人サン、お客様にお茶を入れておくれ。」
「かしこまりました。」
いつの間にか横に控えていたニューマンの女性は、私のご主人様から「女帝」と呼ばれた450に返事をすると
奥へ行き、暫くするとお盆にお茶を入れた湯呑みを載せ、戻ってきた。
慣れた手つきでお茶を並べていく。
「どうぞ。」
「ありがとう。頂くわね。」
139 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:21:47.22 ID:C9YwrgeG
支援
140 名前:ワンオブサウザンド? 18[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:22:42.37 ID:EJ3iNfHt
ご主人様はお礼を言うと、出されたお茶を一口含み、静かに飲み込むと話しを始めた。
昨日の夜の出来事から、先程行ったGRMでの検査の事まで一通りの話しをするご主人様。
未知の食べ物の話しだと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
とは言え、私自身の事でもあり大事な事なので私も静かに話を聞いていた。
「――――――と言う事なのよ。それで、女帝さん、貴女はこの現象をどう思います?」
「・・・・そうだねぇ・・・・・ちょっとお前さん。」
女帝さんがこちらを向き声を掛けて来た。
「えっ!?私!?」
「アンタ以外に誰が居るんだい。ちょっとお前さんのご主人サンの手を握ってみな。」
「は・・・はぃ。」
私は急にそんな事を言われ、ドキドキしながらご主人様の手を取った。
「これで・・・いいですか?」
「それでいい。次に、お前さん、意識を集中して何かを強く念じてみておくれ。」
「分かったわ。」
ご主人様はそう言うと、私の手を握ったまま部屋で見慣れたいつもの瞑想状態に入った。
「よし、それじゃあお前さん、お前さんのご主人サンの手に集中してみな。
目は閉じた方がいいかもしれないね。」
「はい、やってみます。」
私は女帝さんの言うままに、ご主人様と繋いだ手に意識を集中させる。
暖かくて柔らかい、いつものご主人様の手だ。
「・・・何か感じるかい?」
「いえ、何も・・・・あっ・・・
何だか今、暖かい何かが流れ込んで来た気がします。」
ご主人様と繋いだ手から、何か暖かいものが断続的に流れてくる。
さらに集中して行くと、断続的だったそれの感覚が縮まり、連続したものへと変わっていた。
すごく暖かい。何だろう・・・何かを慈しむ様な優しい感じがする。
141 名前:ワンオブサウザンド? 19[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:25:16.01 ID:EJ3iNfHt
「・・・凄く暖かい何かが流れてきてます。」
「・・・それだけかい?」
私はさらに意識を集中させてみるが、それ以上は変わらなかった。
「・・・それだけです。でも、ご主人様に包み込まれているような、すごく暖かい感じがします。」
「お前さん方、もういいよ。
次に、お前さん、アタシのご主人サンの手を取って、同じようにやってみな。」
私はご主人様から手を離すと、ゆっくりと目を開いた。
今度は女帝さんのご主人様であろう、ニューマン女性の手を取る。
意識を集中させ、何かを感じ取ろうとしてみる。
―――――ダメだ、さっきと違って何も感じない。
「――――ダメです。何も感じません・・・。」
「そうかい、これでハッキリしたねぇ。」
「お前さん、さっきの検査のデータはあるかい?」
「これよ。」
女帝さんがご主人様に向き直り、データの有無を問いかける。
ご主人様が携帯端末を差し出す。
女帝さんが「ご主人サン」と声を掛けると、ニューマン女性が端末を受け取り内容をチェックしていく。
彼女は「確認出来ました。少々お待ち下さい。」と言うと奥へ入っていった。
「お前さん方が心配しているような事は、恐らく無いよ。」
女帝さんがそう言いながら、キセルの中身を火鉢にコンコンと落とし新しい煙草を詰め直すと
それに火を着けた。
「お待たせ致しました。」
「ご主人サン、どうだったかい?」
「正常かつ健康なPMで間違いありません。全て規格範囲誤差内です。
進化による変形も見られませんし・・・強いて言えば、精神鑑定結果の「感受性」の項目が
一般的なPMよりもやや高い数値が出ています。」
「ふむ・・・。」
女帝さんはゆっくり紫煙を吐き出すと、ゆっくりこちらに向き直った。
142 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:32:46.52 ID:C9YwrgeG
支援中
143 名前: 忍法帖【Lv=36,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:52:40.31
ID:m/4pWB1B
支援
144 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 15:58:50.45 ID:7tk6ufXU
申し訳ない。
さるがやってきてしまったようだ・・・。
少し時間を置いてから再開します。
145 名前:ワンオブサウザンド? 20[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:20:29.06 ID:EJ3iNfHt
まだか?
「この子はワンオブサウザンドじゃあないよ。安心しな。間違いは無いよ。」
「そう、それを聞いて安心したわ。私の考えだけじゃ自信が無かったの。ありがとう、女帝さん。」
「欠陥品なんて悲劇はもうこりごりさね。アタシもホッとしてるよ。」
「・・・想定の範囲内に置ける、個性の具現化・・・・・・」
ご主人様が小さく呟き、その言葉を聴いた女帝さんが一瞬目を見開いた。
私には相変わらず良く分からない話しばかりだが、ワンオブサウザンドと言う都市伝説のような
噂話は「大通り」で何度か耳にしたことはあった。
「・・・・・お前さん、それを何処で知ったんだい?」
「この子を調べてもらったお礼に、少し私の知っている事を話すわね。
・・・・私の母は研究員だった。
研究対象はPMの個性と人格・・・及びそれに付随するブレインコアの研究。」
女帝さんはゆっくりと紫煙をふかし、ご主人様の話しに耳を傾けていた。
私は冷めたお茶に手を伸ばすと、口に含み飲み込む。
ご主人様は話しを続けていた。
「戦闘可能タイプのPMはその性質上の動作性を向上させる為に、自我を持つAIが与えられている。
マシナリーとは呼ばれるものの、その実体はキャストに限りなく近いわ。
マシナリーはヒトが使役する為に作られた一種の道具。
感情が与えられる前のPMは、自我を持つ事で、命令を遂行する事によるストレスに耐えられない
機体も多く、暴走が絶えなかった。
それはそうよね。自我があれば、戦いで受けるストレスは少なくないわ。
暴走を抑えるために研究された結果が、感情プログラム―――――
PMが感情を持ったことで、PMをヒトに近いものとして扱い、労われる様になった。
それに、感情がある事で、戦闘や無理な命令で受けたストレスを発散する事も出来るようになったわ。」
少しの沈黙――――
その場に居るすべての者が、静かに次の言葉を待っていた。
146 名前:ワンオブサウザンド? 21[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:21:58.21 ID:EJ3iNfHt [25/29]
「PMはキャストと違って、生産されれば試験稼動して、問題無ければすぐ出荷される。
キャストの場合はヒトと同じように時間を掛けて教育され、その過程で個性や性格も形成される。
すぐに出荷されて使用されるPMには、時間を掛けて教育をする事が難しかった。
――――キャストと同じように時間とコストを掛ければ、それは既にマシナリーと呼べる固体では
無いし、1体当たりのコストも跳ね上がる。
そうなれば、今みたいに普及するような事は無かったでしょうね。」
ご主人様は湯呑みに手を伸ばし、唇を湿らせた。
「PMに感情を与える為に、回路の増設とそれに合わせたコアの改良が行われた。
感情を持ったPM達の暴走は確実に減った。
でも、それとはまた別の問題が発生した。それは主人との相性――――
PMとは元々、固体のヒトを支援する為に作られたもの。
ヒトには個性があり、それぞれが違う。
感情があるが故に、主人とPMが反発してしまうような事が後を絶たなくなった。
ヒトはヒトと接する時、相手を認め、個性を尊重する。
そして、恋愛感情を抱けば相手に尽くし、慈しむ。
研究者達はそこに目を付けたわ。」
私は恋愛感情と言う言葉に不安を感じた。
何故なら私は、今ご主人様の事が恋愛感情として好きだからだ。
この気持ちはプログラミングされ、予め与えられたものなのか――――――
ご主人様の言葉はまだ続いていた。
「PMにはコストの都合上、人格や個性を形成する為に与えらる時間は無かった。
だから、予め設定された個性を植える事でそれに対応しようとした。
最初は上手く行かなかった。
何故なら、ヒトによって作られた個性はあくまでも作られたものだったから。
・・・とある研究者がそれに気付き、個性の中に不確定要素を盛り込んだわ。
基本情報を幾つかのパターンの個性情報からランダムで選び出し、不確定領域を与える事で、
ベースになった個性を成長期間に起きた経験を元にブレインコアがそれを増幅した。
そうして、最終形態に育つ迄の短期間で本当の個性に近いものを作り出す事に成功した。」
147 名前:ワンオブサウザンド? 22[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:25:18.19 ID:EJ3iNfHt
私は確かにヒトに作られた存在だ。
でも、私と言う固体は望んでご主人様のお傍に仕えていると信じたいのだが、ご主人様の話しは、
今を生きる自分が自分でないような錯覚を呼び起こし、陥り、混乱する。
「恋愛感情も同じだった。
ヒトの手によって仕組まれた感情は、所詮作り物だった。
だから、感情と同じように、恋愛を司るコンフェラット・ミルト回路に不確定領域を与え、
基本的には好意を持つように設計はされているけど、そこから先の恋愛感情は他の感情と
同じようにPMの個性に委ねられた。
そして、それが今のPMの形になった――――――」
続きの話しを聞いて少し安心した。
確かにPMと言う性質上、主人に好意を持つべきであることは理解できる。
でも、それ以上の感情は、あくまでもPMである私自身の気持ち――――――
私のブレインコアが求めた結果だったのだ。
「不確定領域で育まれた個性は、通常は自然に発現するわ。
でも、不確定である部分にバグが発生する事がある。
それは通常、PMが持ち得ない個性だったり性能だったり・・・・
でも、それは規格の中に納まった想定の範囲内のバグで、あくまでも個性の延長としての
星霊様が与えて下さったかのようなほんの少しのサプライズ。
発生したバグは自己修復プログラムによって自動でで修正され、僅かに残る歪が生み出した
産物だったから、ヒトを脅かすような極端な性能は発現されないし、自動修復によって
異常部分にはリミットが掛かるケースも多く、それが発現する事もそう多くは無かった。
だから特に問題視される事も無かったし、研究者達はそれを個性として受け入れることにした。」
ご主人様がそこまで話すと、女帝さんはコンコンとキセルの中身を火鉢に落とし、机の引き出しに
仕舞った。
148 名前:ワンオブサウザンド? 23[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:27:11.60 ID:EJ3iNfHt
「その通りさね。だから、ここに居るお前さんの450はちょっと変わった能力「ハウリング」を
持っちゃ居るものの、特定の相手にしか発現しないような僅かな能力・・・・
何らアタシの他の異常の無い健康な妹達と変わらないよ。」
ご主人様は女帝さんの言葉を聞き、静かに微笑むと話しを続けた。
「そう。私もそう思ったのだけど、初めての事だからどうしても自信が無くってね。
それでここに来たのよ。
さて―――――折角ここまで話をしたのだから、話しを続けるわ。
―――――ここまでは、PMの研究者なら大体誰でも知っている事。
そして、公にはなっていない―――そう、不確定要素を与えた事によるもう一つの副産物があった。
数万体に1体とまで言われる僅かな確率――――――
製品検査の目をすり抜けて出荷されてしまった、元々抱えていた身体的バグ―――いわゆる製品上の
物理的な不良と、不確定要素内で発生したバグの重複が見られるケース。
そして、悲劇は起こった。ついに生まれてしまった。
進化上で発生してしまったバグが、身体的バグを増長し、異常進化を遂げてしまった固体――――
その性能から、「ワンオブサウザンド」と呼ばれるPM――――」
私は酷く驚いた。あの話しは都市伝説では無かったのか。
今のご主人様の話しでは、確率こそごく僅かではあるが、確実に存在すると認識できた。
自分のちょっと変わった能力など、些細な事でありどうでも良く感じてしまう―――――
ふと女帝さんの顔を見ると、その表情は酷く険しいものだった。
「お前さん、そこまで知っているのかい!?
やれやれ、何でアタシの所にはこんな変わったお客さんしか来ないんだろうねぇ・・・」
「たまたまよ。母の論文の受け売りだもの。」
「でも、妹を見てると、お前さんが如何に大事にしてくれているかが良く分かるよ。
さて・・・そろそろ次の来客が来る頃だ。アンタ達みたいなのを見てると心が安らぐ。
また、今度は遊びに来ておくんな。」
「分かったわ。悪かったわね、長居して。ありがとう、女帝さん。」
「そうそう、今度は表のヒト用の入り口から入っておいでよ。お前さんが大通りを通ってたら
目立ってしょうがないよ。」
149 名前:ワンオブサウザンド? 24[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:32:51.17 ID:EJ3iNfHt
ご主人様が立ち上がると、私はその後をついて部屋を出た。
廊下を歩きながら、私はさっき気になった事を聞いてみることにした。
「ご主人様、さっき私が感じた暖かさは何を念じられていたのですか?」
「ふふっ、私の今の心よ。貴女、夢で私の心に闇が渦巻いていたって言ってたでしょう?」
そうか、確かに夢の中で、私はご主人様の心の闇がまだ癒えてないのかと疑問に思った事を
ご主人様に話していた。それを覚えていて下さったのだ。
「そうだったのですね。すごく・・・安心しました。」
「さあ、部屋に帰りましょう。ほら、手。」
ご主人様は私の手を取ると、手を繋いで歩き出した。
廊下で曲がったところで、一人のビーストの男性とすれ違う。
ご主人様と手を繋いで居る所を見られた私は、恥ずかしさで一気に頭部ユニットが加熱する。
顔が熱くなり、凄く恥ずかしいのだが、部屋に帰るまでのこの一時を大事にしたかった私は
頭部ユニットを精一杯急速冷却しながら、家路へとついた。
以上です。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
また投下中のご支援、ありがとうございました。
PMには人格がある。人格があるなら個性があっていいじゃないですか。
全てのPMとその主人が幸せであればと願います。
150 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 16:46:08.39 ID:C9YwrgeG
投下乙
いい話だった
しかしPMってどこで寝るんだか気になってきたw
151 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 17:57:25.33 ID:DvaSFLOe
投下乙
プログラミングでもいいじゃない。そこに痺れるもの
>>150
勿論、ご主人のベ(ry
書き終わったので二つ目の駄文投下テロを行う。
週刊誌フィルターで倫理的にアウト率を軽減させてあるとはいえ、元々は別スレでNTR枠で書こうと思ってた代物だったんだけどいいよね('A`)
152 名前:リア充爆発しろ2 その1[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:00:06.68 ID:DvaSFLOe
本日のニュースです
「昨晩G・コロニー1階で主人の居ない部屋を狙ったパートナーマシナリーに暴行を働く変質者
がいるとの通報がありました。外出する際には戸締りをするように現在周辺に呼びかけています。」
といったニュースとは全く関係無しに本日も「寝取られGH440」で自慢のラトルスネークを磨くご主人と
別のパシリで興奮している主人を見て微妙な気分になっているGH430の話である。
「マイマスタぁ…パシリモノは止めましょうよ~」
ビジフォン<ドウヤラシュジンハルスノヨウダナ…イヤータスケテーゴシュジンサマー
「パシリのよさも分からんとはお前それでもパシリか」
「こんなのでパシリのよさが分かってたまるものですか。消しますよ~」
リモコンに手を伸ばそうとしたら主人に腕を掴まれてしまった。
「黙ってろ、今いい所なんだよ!、この強がってる所がいいんだよ。くう!」
「あ~もう…」
ビジフォン<キモチイインダロ?チガウワ…カンジテナンカ…
「これだ、これぞ待っていたシチュエーション!」
「こんなの気分が悪くなるだけです!このDVDパシ権を何だと思ってるんですか」
(マイマスターが他のパシリで興奮してるのもですけど…)
「真面目にツッコミ入れてやるとパシ権なんぞにぃ…うっ!」
「うう…酷いですマイマスタぁ…」
…数分後
ビジフォン<アア、ゴシュジンサマヨリオッキイ…ギシギシ…アンアン
「ふぅ…やっぱパシリモノは440型に限るな…強気な所が崩れる瞬間がいい」
(私の方が可愛いのに…)
…さらに数分後
ビジフォン<テメェ…オレノパシリニナニヲスルカキサマラー!ヌワー…ゴシュジンサマヨワスギ…サァツヅキヲハジメヨウゼ…ハイ…アタラシイゴシュジンサマ…シッショォォーー!
「やはり寝取られものはこうじゃないとな」
「実際私がこうなったらマイマスターだって気分悪いじゃないですか…」
「俺は別にお前が寝取られようがどうでもいい、むしろ目の前で寝取られる方が興奮するかもしれぬ」
「そんなぁ、私は嫌ですよぉ」
「まぁ万が一にもそんな事はありえないがな」
「え、もしかして…」
「俺のラトルスネークより大きい奴はそうそういないからだ。つまり「ご主人様より大きい」なんて事はありえない。
そしてこの俺がこんな雑魚に負ける訳がない(キリッ」
「どうして論点がそこになるんですか…私寝取られちゃう事前提なんですか…もう知りませんよぉ」
153 名前:リア充爆発しろ2 その2[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:02:32.13 ID:DvaSFLOe [3/8]
飽きたのかご主人がビジフォンの電源を切るとベッドの上でゴロゴロし始めた。
ちなみに主人、今回はGH440ではあったが、パシリモノシリーズは全て手に入れてあるのだ。
酷い時は自分と同じ型番のパシリで興奮している時すらある。
これだけの変態ならそのうちガバッと倫理的におkじゃない行為を要求してきてもおかしくない。
しかしながら、不思議な事に一度もそういった事はないのだ。
パシリに倫理的におkな行為を要求するような主人は珍しくはない。
先ほど主人が言ったようにマシナリーには人権がないのだから拒む権利がないのだから。
まぁそういった解説も実はあんまり関係なかったりする。
「マイマスター、もうこういうDVD見るの止めましょうよ」
「なぜ止めなければならない」
「パシリの倫理的におkじゃないですよぉ。こんなの見せられる身になってください」
「俺は別に見る事は強制はしていない。嫌なら見るなと前から言ってるだろ?ん?ん」
「腕掴んで止めたじゃないですか~」
「お前は俺がDVDを見るのを止める権利は持ってないからな。フゥハハハ」
「あ~もう…」
ピロン
一通のメールが届いた
「飲み会行こうぜ 今回は可愛い子も揃ってるぜ! byぬまお」
新人時代から旧友のぬまおからのメールだった。
「お、アイツにしては珍しく気が効くじゃないか」
「マイマスター、友達いたんですね~」
「お前、さり気に俺を馬鹿にしただろ」
「だってパートナーカードいつも携帯してないじゃないですか~」
「うるさい」
「うう…酷いです…」
頭部パーツに凹みが一つできてしまった。
「ぬまおの奴も飲み会言っても陰薄すぎて誰にも相手されんのによくやる気になるよなぁ」
「マイマスターは変態すぎて誰も近寄って来ないでしょうけどね~」
「うるさい」
「うう…」
頭部パーツに凹みがまた一つできた。
「という事お前留守番、俺飲み会、今回こそリア充になってやるぜ。ヒャッハー」
「はい、行ってらっしゃい。マイマスター」
(大丈夫ですよね…きっとリア充になんかならないですよね…だってあんなに変態だし…)
154 名前:リア充爆発しろ2 その3[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:04:41.81 ID:DvaSFLOe
ここはガイークの酒場
どうやらメンツは主催を除いて揃っている…ような気がしたけれど抜群の存在感のなさでいないように錯覚させていただけだったようだ
「お前、居ると分かってなけりゃ気がつかなかったぞ」
「実際俺に気がついたのお前だけだよ;;」
「主催の癖になさけねぇな」
「ビス子 20歳でぇ~す☆」
ぬまお以外全員の自己紹介タイムが過ぎた。
ぬまお「ぬまお です。好きな事は…」
一同「それじゃ席替えね~」
ぬまお「;;」
「お前なんで飲み会やろうと思ったんだ?」
ぬまお「たまには俺の事思い出して欲しいからだよぉおおお;;」
「まぁ飲めや…」
ぬまお「おう;;」
時間が過ぎていく…
一方マイルーム
主人の帰りを待ちつつ、掃除をして待つパシリ
ヴォンっとドアが開く音がした。
「あ、マイマスター、早かったで…」
「主人は留守のようだな…ウヘヘ…」
「へ?」
目の前にいるのは主人ではなく、明らかにヤバイ精神状態のビス汚だった。
ベルトをチャカチャカいじっている。どう見ても間違いなく変質者である。
(え…これってどこかで見た事がある展開なんですが…確か寝取られ…)
「俺のデガーナ・カノンで精霊様の元へ連れて行ってやるぜぇ!」
「いやー!!!助けて~マイマスター!!!」
すぐさま奥の部屋へ逃げてドレスルームへ立て篭った。
「どうしよう、どうしよう、そうだ、メールを送らないと…でも…)
少し前の主人のセリフを思い出した。
「俺は別にお前が寝取られようがどうでもいい、むしろ目の前で寝取られる方が興奮するかもしれぬ」
でも他に頼れる人は主人しかいなかった。
「お願い…」
メールを送った後にしばらくすると返信が帰ってきた
メール
「今ビス子ちゃんといい所だから邪魔すんな。自分で何とかしろ」
「そ…そんなぁ…マスタぁ…」
ドレスルームをガンガン叩く音は止まなかった。
155 名前:リア充爆発しろ2 その4[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:07:18.54 ID:DvaSFLOe
一方その頃
何だかよく分からないうちにビス子ちゃんといい感じになっていた
「面白い人だね~」
「そう思ってんのはビス子ちゃんだけじゃないか」
「ねぇ、二人で外でない?私酔っちゃったフリするからエスコートしてよ」
(なん…だと…?これはフラグだというのか?ついに俺に春がアライブするというのか?
つまりこの展開は倫理的におk?倫理的におkでいいんだな?リア充?アイアムリア充?ヒャッハー)
というのは声には出さない
「ゴクッ…ああ、分かった」
ぬまお「ドーセオレハカゲガウッスィデスヨ。ビスコチャンノトナリニイルノニイチドモコエガカカラナイシー」
「どんまい^p^」
「誰に対して言ってるの~?」
「そこの幽霊さんにだよ^p^」
「キャーこわーい」
ぬまお「;;」
…
何だかんだの途中の流れは省略して今ダグオラシティのホテル街にいる
「きちゃったね…」
「うむ」←落ち着きがない返事をする
そんな時に一通のメールが来る
件名に「助けて」とだけが書いてある
(これからビス子ちゃんとのランデブーの旅だというのにこんな空気の読めないメールを送りつけるようなアホはパシリしかいねぇ。
無視だ無視。もはや誰も俺を止める事はできんのだぁ!ヒャッハー)
「ねぇ、誰からのメール?」
「知らん」
「そっか、それじゃ行こっか」
…
ここはマイルーム
ついにドレスルームの防衛線が破られ、ビス汚に捕まってしまった。
「フヒヒ…手間取らせやがて子猫ちゃん」
「離して!変質者!」
抵抗してもビス汚とパシリでは体格差も力の差も相当あるため、腕を掴まれるとヒョイっと持ち上げられ、そのままベッドの上まで連れて行かれて押さえつけられた。ビス汚は興奮しながら服をガンガン破っていく
「もっと叫んで抵抗してくれよ、捨て鉢じゃ面白くないんでね。ブヒヒヒヒ…」
「ビーストのくせに…にマイマスターのより小さいくせに…」
もはや皮肉を言う力しか残されていなかった。
「ブヒー、俺のデガーナカノンを馬鹿にしやがって、許さんブヒー、覚悟するブヒー
ナノブラストして進化したアダーナデガーナカノンをぶち込んでやるブヒー、ウナジュウ、メアアアアア!!」
ビス汚はナノブラストして体格がさらに巨大化する。
倫理的にアウトな物体のサイズはもはや凶器と化している。
「ひっ…いやあああ!」
「これだよぉおお、これが聞きたかったんだブヒィィイ」
ビス汚が下着も剥ぎ取ろうとしたその時。
(もうだめだ…ごめんなさい…マイマスター…)
156 名前:リア充爆発しろ2 その5[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:11:15.63 ID:DvaSFLOe
[6/8]
「あ~あ~、全く、人の部屋に勝手に入り込んでは汚い体臭撒き散らさないで欲しいもんだな。臭くてかなわん」
「誰だブヒー」
「死ね」
スブシュ
キラーエリートの一撃でビス汚の頭部が消し飛んだ。
「あ、マ…スター?」
「ほら、とっととこの不愉快な物質片付けろ」
「は、はい、って危なっ」
片付けようにも主人が立て続けにNug-2000バズーカ で死体撃ちを続けるので近寄れない。
ビス汚の肉塊であったものは消し炭と化していた。
「あまりやりすぎると床に穴空きますからやめてください~」
「俺のリア充への道を冒涜した罪は重い、其は俺の下に滅せよ 。汚物は消毒だぁ!ヒャッハー」
「それやりたかっただけですか…はぁ」
汚物の消毒が終わると普段どおりのように主人はベッドにゴロゴロしだした
「あの、どうして助けにきてくれたんですか?」
「勘違いするな、実はビス子ちゃんの化粧を落とした素顔が物凄い破壊力だったから逃げてきただけだ」
「はぁ…そういうことですか…ですが、ありがとうございます。マイマスター」
「ふん、一生感謝しろ。あと、とっととその服を着替えろ。」
「あ…」
すっかり自分が襲われていた事を忘れていた。
ほぼ下着しか着用していない状態をさっきから主人に見られていたのだ
今更ながら恥ずかしくなってきた。
「見ないでください~」
「うるせぇから黙って着替えろ」
157 名前:リア充爆発しろ2 その6[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:12:24.38 ID:DvaSFLOe
数分前
ここは倫理的なおkではない場所。まさに禁忌を犯そうという手前である。
「ふふ…アタシ実は始めてなんだ…優しくしてね…」
「悪い、用事思い出した」
「え…?」
「いや~パシリモノ限定版、「陵辱GH430」を買うの忘れててなぁ、すぐ行かないと売り切れるんだわ、じゃあの」
「な…」
ビス子は一人ポカーンと取り残されてしまった。
「何で…急に…わけ分からないよ…」
…
そして今現在
「あの、マイマスター、一ついいですか?」
「どうした?」
「やっぱり私が寝取られるの嫌ですよね?」
「別に」
「じゃあこの次変質者来ちゃったらあのDVD みたいな展開になっちゃいますからね」
「それはまずありえない。何故なら俺のラトルスネークはビッゲストゥ」
「ですからどうしてそこが論点になるんですか…もういいです…マイマスターは意地悪です…」
「寝取られるのはどうでもいいが、俺の所有物とマイルームがあの汚い有機体に汚されるのは許せん」
「あっ…はい!、マイマスターがそう言うならそういう事にしておきますね」
「ふん」
「あ~リア充爆発しねぇかな~」
「ふふっそれじゃあ私爆発しちゃいますね~」
「俺を差し置いて爆発するのは許さん」
「じゃあ一緒に爆発しましょうよ~」
「なぜお前と爆発する必要がある」
「なぜって…」←モジモジしている
「まぁいいや、疲れたし寝る」
「は…はい、おやすみ、マイマスター」
「あ~もう、私の気もしらないで…」
本日もグラール太陽系の倫理は守られたのである。
158 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:17:37.23 ID:DvaSFLOe
以上で投下終了
ビジフォンが倫理的にアウト?アーアーキコエナイー
ご都合主義すぎて締まらない感じかもしれないけど週刊誌フィルターが悪いんです^p^
159 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 18:41:08.38 ID:C9YwrgeG
>>158
投下乙
楽しかったぜ!
160 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 20:52:41.49 ID:ghL7Lrrp
>>158
投下乙。
こういうの好きだw
161 名前: 忍法帖【Lv=37,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/07/31(日) 21:45:03.95
ID:m/4pWB1B
>>115
そう言って頂けると幸いです。 と、言うか既に使う気満々寧ろかくtry
乙女回路→オートマータ→オートマチック→オートメチック(乙女チック)
という相変らずの文字遊びな訳で。
最初は454は”欠陥持ち”だったのです。 こんにゃくとミルク特盛り
大暴走な、という下りだったのですが、その位でわんわんというのもどうかと
変更した訳ですが、寧ろ後々見てみると変更した方がしっくり来てるような。
>>116
セイバーマリオネットシリーズは、生身の女性がいない世界でご主人様に
お仕えする、機械仕掛けの夢見る乙女達のお話です。
>>117
なんて言うか、鈍感さとPMのお世話過ぎとで凹凸コンビ?
>>149
投下乙です。
ご主人様とPMの相性云々の下りでちょっとギクッってしてたり・・・。
>>158
投下乙です。
本命の子の前では素直になれないタイプと見ました。 その分、身体的欲求
には忠実な気が・・・。
162 名前:アナザーサイド編1[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:06:19.85 ID:m/4pWB1B
新参者で御座います。
440とビス男シリーズ?のミッション?編内アナザーサイドが少々
まとまったので投下。 6か7レス分位かと
尚、今回は440とビス男は最初の方にチラッと出るだけで後は出ないので
440とビス男じゃなきゃいいや、という方及び頭の弱い子はダメという方は
スルーをお薦めします。
モトゥブのPPTポートから出てすぐ側のベンチに座る黒の通称メイドパーツの上半身に
ディジエルCVの大きなスカートが目立つキャス子とGH414。 身長が殆ど変わらないので
遠目には姉妹のように見える。 携帯端末を取り出すとそれを見てGH414も携帯端末を
取り出す。 端末同士を繋いで起動。 現在位置から一番近い目的地までのルートを検索。
順々に次の目的地のルートを検索。 接続コードを外してナノトランサーに戻して顔を見合す。
「「ごはんー」」
2人して同時に同じ事を言うと、それらしい店の看板を見つけてトコトコと向かう。
とはいえ、ダグオラ・シティだと食堂やレストランよりも酒場の方が多く、彼女らの向かった
店も昼はレストラン兼夜は酒場な一軒。 夜ともなれば既に酒場の有様で、あからさまに柄の
悪そうな連中の姿も見る。 キョロキョロと見渡して空いてるカウンターに向かう。
「おい、あれ見ろよ」
「パシリ連れてるぜ。 ガーディアンズだろ?」
「パシリも売っちまえばいいだろーが。 あの背格好だ、いっその事セットでいいんじゃね?」
「それもそうだ。 んじゃ、連絡入れとけよ。 声かけっから」
「そこの嬢ちゃん達、飯かい? だったら俺たちが美味いもん、ご馳走してやるよ」
気付かれないように笑顔を取り繕って声をかける。 どっちにしろ、付いてくりゃあ
こっちのもんだ。 幾らガーディアンズだろうと多勢に無勢でオマケにこんなチビっ子だ。
キャストだろうと2人相手にSUV撃てるようになるまで手間取るとも思えねぇ。
最初は2人してキョトンとしてたが顔を見合わせて「いくー」だと。 こりゃあ楽だわ。
頭の中身も2人して見た目通りってかぁ。
163 名前:アナザーサイド編2[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:08:15.59 ID:m/4pWB1B
「ようこそ、嬢ちゃん方。 なぁに、行き場所が決まったら飯位食わせてやるよ。 最後の
晩餐って奴だ」
「この人数相手だ。 悪足掻きして痛い目見たくないだろ?」
「それはそれで燃えるけどなぁ」
「売る前にはちゃんとチェックしないとなぁ? ヒッヒッヒッ」
「何だ、お前ら。 そんな趣味あったのかよ?」
言われている内容と状況が解らずに首を傾げてキョトンとしている2人。 周りはざっと
見ても7、8人。 既に武器をちらつかせて下卑た笑いをしている者も何人かいる。
周りを見渡して武器を持っている者を確認したキャス子がトテテッと走っていく。
3、4人が固まっている中心辺りに着くと男達の間を走り抜ける際に両剣を取り出して
その場で自分ごと回転。
「えいっ、やぁっ」ザンザンザンザンッ ザンザンッ
「はいーっ」 ザンザンザンザンッ ザンザンッ ザクッ!
グラビティダンスを2段目で止めるキャス子。 ローグス達は生きてはいるが麻痺していて
動けそうも無い。 反対側では同じく414が両剣を取り出してのグラビティダンスで3人程が
転がり、スピー、スピーと寝息を立てている。 唯一人残った最奥の首領格にキャス子が
テンイムソウを持ったまま近づいて左手で携帯端末を取り出す。 スウィートデスを持ったままの
GH414が近づいてキャス子の持つ携帯端末を操作して地図を呼び出すとキャス子が首を振る。
再度操作して再度キャス子が首を振り、3箇所目の地図を表示すると端末の画面を男に見せる。
164 名前:アナザーサイド編3[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:10:39.97 ID:m/4pWB1B [21/26]
「何なんだよ、お前ら一体・・・。」
「ちがうー。 ちがうー。 そこー。 ここにいきたいのー」
結局出さざるを得なくなった夕食を食べているキャスト2人を遠巻きに食事をする怪我人達。
これ以上機嫌損ねてまた暴れられたらたまったもんじゃない。 唯一の救いはさっきの攻撃は
武器を見ての自己防衛って事か。 言葉の意味を思い出されてキレられたらそれこそ今度こそは
死人が出るんじゃねぇか? そんな考えがふとよぎって自然とこいつらを拾ってきた二人組みに
視線が集中する。
「ところで、マスター。 その助っ人ってどんな方なのですか? 頼んだ以上は興味があります」
「んー、そうねぇ。 外見と言動はお子様ねぇ。 後、一応はガーディアンズよん」
「それならPMと2人としても、そのような2人が夜のモトゥブは危険では?」
「あはは。 それなら心配ないわよぉ。 外見は子供かもしれないけどぉ、あの子アタシよりも
強いしぃ。 自分から名乗ってる位よぉ。 じゃ、明日の朝からニューディズに行くわよぉ」
夜の砂漠をライトを点けて走る中型のカーゴ。 運転席と助手席にはキャス子達を連れて来た
2人組み。 後部座席にはスゥスゥと寝息を立てているキャス子とGH414。 キャス子が
見せた携帯端末に表示された地図の場所に着くのは10時かそこら。
手前らが連れて来たから以上は責任持って最後まで面倒見ろと言われたが、如何考えてみても
捨て駒か体のいい厄介払いだ。 途中で捨てようにも起こした時の事を考えると危険過ぎる。
165 名前:アナザーサイド編4[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:12:55.65 ID:m/4pWB1B
「おい、この先って・・・」
「ああ、そうだな・・・。 あいつ等の残党が何かやらかそうって集まってるって話だ」
「いくよー」
朝方に着いたガレニガレ鉱山にカーゴを停車させて車中で朝食を取り、坑道を歩いて着いた
目的地のアジス・クグに行く為の通過点の場所。 この坑道の先にイルミナス残党とそいつ等が
配置したマシナリーがいる筈だ。 立ち竦んでいるとキャス子がこちらに声をかけたので
振り向くと既に両剣を片手に持っている。 しかもアグタライドを取り出して飲んだ。
戦っても、逃げて捕まっても、相手がその気なら殺されるだろう。 進むも退くも命の危険。
「よろー」
切羽詰った2人に緊張感のかけらも無い声をかけて中に進んで行くキャス子とGH414。
次々と向かってくるイルミナス残党のキャストやマシナリーをキャス子のスパイラルダンスと
GH414のトルネードダンスが吹き飛ばす。 仕損じた敵は大抵が麻痺か眠りの状態に
陥っていて状態異常の間に近づかれたいずれのどちらかに止めを差される。 何度も自爆に
巻き込まれては2人共起き上がって、ソルアトマイザーやアンチメイトで火を消す。
「手前ぇ、ここで生き残っても後で俺が死なす!」
「あんだよ、お前だって乗り気だったろうが!」
こっちといえばひたすら逃げ回って、逃げ損ねる度に回復薬やアンチメイトを使う。
銃を撃った所でマシナリー相手じゃ微々たるものだし、その間に残党の連中に寄られるか、
ライフルの的にされるのがオチだ。 そして現れた巨大な人型マシナリーのグリナビートCが
3体。 俺たちにどうしろってんだよ・・・。
166 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:14:55.97 ID:C9YwrgeG
支援
167 名前:アナザーサイド編5[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:15:10.42 ID:m/4pWB1B
「さあ、行きますわよっ」
GH414の上に転送ゲートが現れて巨大な束ねられた砲身を持つヘーゲルアタッカーが
降りてくる。 回転する銃身からの斉射に薙ぎ払われてグリナビートC達の動きが止まった。
「ないすー」
その隙にキャス子が両剣のフォトンアーツを組み替えて大きくジャンプ。
頭上で回転させて勢いを増した両剣を体重を乗せて振り下ろす。 両剣と自身を回転させて
最初の1体目と2体目を巻き込みながら 2体目と3体目の間に移動。 移動直後に
巻き込まれた1体目が崩れ落ちる。 巻き込まれた2体目と3体目が火花を上げ始める。
身を屈めて両剣を脇に引き、力を溜めてから一気に抜き放つと残りの2体も崩れ落ちた。
扱いの難しさ故に使う者の少ない両剣奥義、アブソリュートダンス。
「俺達、カモるつもりが逆にカモられたんじゃかいか・・・?」
「おい。 後の祭りって言葉知ってるか・・・?
戦ってるのを見ていて、気が付いた。 こいつらかなりレベルが高い。
まさか、最初っから声をかけた俺達を利用するつもりだったんじゃないだろうか?
途中で逃げようとも思ったが、こいつらキャストだ。 顔は記憶しただろうし、
アジトの位置もバレてる。 逃げ帰った所でもぬけの空になってそうだけどな・・・。
168 名前:アナザーサイド編6[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:17:53.81 ID:m/4pWB1B
「なあ、相棒。 俺、生きてアジトに帰れたら堅気になるんだ・・・」
「奇遇だな。 俺も今、そう思ってるよ・・・」
マガス・マッガーナを目の当たりにして遠い目の呆けたローグスコンビ。 キャス子達が
トルネードダンスで突っ込んで行く中をミサイルから走って逃げ、機銃の掃射を転げ周って
避け、巨大な刃の回転を身を屈めてやり過ごす。 何度目かの攻撃を受けた足に該当する部分が
破損して青いフォトンの刃が見えた時、今迄に聞いていた子供然とした声でなく、凛とした声が
響いた。
「見てなさい!」
キャス子の頭上に先程GH414の頭上に現れたのと同じ転送ゲートが現れ、巨大な剣が
転送される。 キャストのみに使用許可が下りているSUVウエポン中での最大級の威力を
持つアレス・エスパダを振りかぶるとマガス・マッガーナと同等の大きさを持つ巨大な剣を
振り下ろす。
「電光剣 オーロラ ちゃぶ台返し 改」
奇妙な技名?の元にマガス・マッガーナは両断されて爆発した。 その光景を見ていた
ローグスコンビが再度呆けていたのは技名のせいか、剣の威力のせいかは彼らのみぞ知る。
アジス・クグのオアシスに着くと消耗品の補充の後にキャス子達は適当な場所に腰を
下ろしてオルアカロールやコロトバサンドなどを取り出して昼食を取り始めた。
169 名前:アナザーサイド編7[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:19:33.72 ID:m/4pWB1B
「なあ、おい」
「ああ?」
「いい、天気だなぁ・・・」
「ああ、そうだなぁ。 空がこんなに綺麗だったなんて初めて知ったよ」
しみじみと空を見上げながら煙草を吹かすローグスコンビ。 何かに気が付いたキャス子が
食事の手を止めてローグス達の方にトコトコと歩いて行く。 何事かと、ギョッとなる2人に
食べかけのコルトバサンド片手に、ナノトランサーからスパイシアを取り出して2人に渡した。
「あげるー」
トコトコとGH414の隣に戻って食事を再開するキャス子。 手渡されたスパイシアを
見つめる2人。 こみ上げる罪悪感と自嘲。 暫くしてから見慣れた筈の青空の下で食べた、
食べ慣れた筈のスパイシアは今迄の中で一番美味しかった。 昼食を済ませて上流に向かって
歩いていくと先程と同じ様なオアシスの側に畑のようなものが見え始めた。
続く
170 名前:アナザーサイド編[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:25:31.46 ID:m/4pWB1B
新参者で御座います。
今回は取敢えずここまでです。 支援して頂き有難う御座います。
ビス男に次ぐ変なキャラですが、恐らくミッション?編アナザーサイド以外は
数奇夜忌編に出るか出ないかだと思いますので。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
171 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:53:16.78 ID:EJ3iNfHt
>>158
投下乙です。
430、かわいいよ430。
>>170
投下乙です。
また変りダネが出てきましたな。
ローグスの2人組がいい味出してますね。
172 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/07/31(日) 22:56:09.97 ID:PxjJZ4ZV
>>170
批判じゃないので安心してほしいんだけど
冒頭の雑談?と本編の間に仕切りをいれてくれるとわかりやすくて助かるw
173 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 00:58:01.12 ID:3gYLetYj
>>171
ええ。 自分で言うのも何ですが、かなり変わりダネかと。 ビス男と
どっちが変だろう? どっちもどっちでした・・・。
イメージ的には黒くて小っちゃいのがチョコマカと動き回っています。
身長の割りには服のパーツは大きいですが。
総構成員7、8人のローグスならこんなものだろうと。 こういう勝手に
動くキャラは書き易いです。
>>172
了解です。 ちょっと考えてみます。 気にしていませんので、寧ろ
こうした方が読み易いなどの意見がありましたら是非とも書いて下さい。
では日付けが変わったのでもう少しだけ続きを投下
174 名前:アナザーサイド編8[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:01:15.64 ID:3gYLetYj [2/15]
「にんじん、わけてー」
「何処から来たかは知らないが、済まないねぇ、お嬢ちゃん方・・・。 今年は病気で全滅
なんだよ・・・」
「あう」
トボトボとアジス・クグまで戻るとヒューマンの女性とGH432の姿があった。
ミッション後かこれから向かうのかは定かではないが、この場所に来るガーディアンズは
かなり稀だろう。 適当な場所に腰を下ろて携帯端末を出して仕方なしに次の場所の地図を
出す。 何と声をかけていいか解らないGH414とローグスコンビは押し黙っている。
「今、貴方の目に映っているものは光の一面にしか過ぎないわ。 光は何処にでも在り、
闇があるという事はその先には光が在るという事。 光が在るからこそ闇は生まれる」
ハッとしたキャス子が携帯端末から顔を上げて周りを見回す。 他の3人には声が
聞こえてなかったのか声をかけあぐねたまま俯いている。 先程のヒューマンの女性と
GH432が坑道の入り口に向かって歩いているのを見つけるとパートナーカードを
取り出してヒューマンの女性の後頭部に向かって投げた。
「ぽいっ」 スッコォォーンッ!
キャス子の投げたカードは見事にヒューマンの女性の後頭部に当たるとクルクルと
回転しながらやや前方の足元に落ちた。 キャス子は攻撃力を強化したFMだった。
カードを投げて直ぐにヒューマンの女性の元にトテテッと走っていって、頭を抱えて
しゃがみ込んだヒューマンの女性に声をかける。
175 名前:アナザーサイド編9[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:03:47.66 ID:3gYLetYj
「ありがとー。 じゅんびできたら、れんらくするねー。 かーど、ちょうだいー」
「危うく別世界に旅立つ所だったじゃない・・・。 まだスキヤキ食べてないのに」
やっと後頭部の痛みが治まりつつある涙目のヒューマンの女性がパートナーカードを
渡して坑道への入り口の中にGH432と共に入っていった。
「ところで主。 先程のキャス子はお知り合いの方なのですか?」
「あー、さっきが初対面ね。 けれどもこれは既に差し込んだ光の先端にしか過ぎないわ。
新たに見出された光のね。 そして既に在った光と合わさり、より大きく輝くでしょう。
そうそう、皆で食べるご飯は美味しいわよぉ?」
置き去りにしていた3人の元に戻って、携帯端末に表示した地図の縮尺を変える。
現在位置から水の流れを遡って先程の畑、更にその先へと進めていく。
他の水源の側の開けた平地。 ここまでシティから遠く離れた場所は恐らくは今迄に誰も
足を踏み入れた事のない場所だろう。 可能性だけを当てにしてその場所を目指し、夕方に
先程の畑に差し掛かったら畑の主人が寝床と夕飯を提供してくれた。 そして朝一で出発。
「あはは。 あったー。 わーい」
「わーい」
「ある所にゃ、あるもんだなぁ」
「ああ、自然って凄ぇや」
目の前一面に広がる自生のニンジン。 ニンジンは白菜やネギと違って収穫量を増やす為
以外はそうヒトの手を必要としない。 土壌の状況次第でこの様に群生地とまで育つのだ。
ビス男に渡されたクーラーボックスをナノトランサーから取り出すキャス子とGH414。
その数計60個・・・。 1本ずつ抜いて簡単に土を払ってクーラーボックスに入れる。
満タンになるとナノトランサーに格納。 ローグスコンビも言われる訳でもなしに手伝った。
176 名前:アナザーサイド編10[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:05:45.55 ID:3gYLetYj
「あはは。 ただいまー。 そうこ、どこー?」
「おや。 お嬢ちゃん達、どうしたんだい?」
昼過ぎに収穫が終わって遅めの昼食の後に畑に着いたのは午後3時半位だろう。
主人に挨拶して、倉庫の方に案内してもらうとナノトランサーからクーラーボックスを
取り出し始めた。 実際にビス男から頼まれた最低確保量からすればクーラーボックスの
数は多過ぎるのだが、大体の装備や必要品の合計で各々30位と考えて30個ずつ持たせて
確保出来るなら、出来るだけと頼んだのだった。
「22こ、だすー」
「はーい」
「お嬢ちゃん方、こりゃあ一体どうしたんだい?」
「はえてたー。 ごはんのおれいー。 あげるー」
計45個のクーラーボックスから倉庫にニンジンを移して、空になったクーラーボックスを
洗ってからナノトランサーに戻す。 作業が終わると夕方なので、今晩も主人が寝床と夕飯を
提供してくれた。 朝食までご馳走になってから次の場所に向かう。 クバラ・シティ郊外の
生鮮食品卸問屋街。 通称キジツ。 本来はツ・キジという地名の卸問屋街が有名だったらしく
今はその名前の名残が変化し今に至る。 俺達は行かない方がいいと、ローグス達はお留守番。
177 名前:アナザーサイド編11[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:07:48.03 ID:3gYLetYj
「はくさい、わけてー」
「嬢ちゃん、うちは一見さんはお断りなんだよ。 特に、白菜となりゃぁ尚更だ」
「あう。 それじゃ、あしたまたくるー」
こちとら、卸問屋だ。 一般人にゃ、売る気は無ぇ。 ましてや、白菜だぁ? ありゃあ
ああなるまでかなり品種改良されてる。 今時なら原種なんざ存在しないある意味貴重品だ。
お? カーゴ停めて明日まで待つってか。 まあ、いい。 どうせ来たって売らねぇ事にゃ
変わりねぇんだ。
「はくさい、わけてー」
「本当に来やがったか。 っても売る訳にゃいかないねぇ」
「あう。 それじゃ、あしたまたくるー」
カーゴは停まってるか。 嬢ちゃん、中々粘るじゃねぇか。 けど、俺だってぇ商売人だ。
自分で決めた取り決め事ってぇもんがある。
「はくさい、わけてー」
「嬢ちゃん粘るねぇ。 けど、売れねぇのは決まり事なんだよ」
「あう。 それじゃ、あしたまたくるー」
流石に三度目の正直で駄目なら諦めんだろ。 今回はちゃんと理由も言ったしな。
お? 停まってたカーゴが無くなってらぁ。 いい加減諦めたか。 それでも3回も
顔出す奴は珍しいってもんだがよぉ。
実際は人参畑の主人の所に皆でお風呂を借りに行っていたのだが、この卸問屋の主人は
その事を知る由もなかった。
178 名前:アナザーサイド編12[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:11:08.93 ID:3gYLetYj
「はくさい、わけてー」
「嬢ちゃん、諦めたんじゃあなかったんか・・・」
「?」
今までは言い放ってさっさと店の中に戻っていたが、改めてキャス子の方を見る。
俺の言った意図が解っていないらしく、小首を傾げながらこっちを見上げていた瞳の無い
青い目と目が合った。 キャスト特有の瞳の無い目はイマイチ感情が読み難れぇ。
けど、こりゃあ信じてる目だろうな。 頼めば売ってくれんだろと。 何度か通って
一見さんじゃなくなりゃあ、売ってくれると信じてるってか。
「解ったよ、嬢ちゃん。 で、幾つ欲しいんだい?」
「わーい。 ありがとー。 15こ、だすー」
「はーい」
ナノトランサーから互いに15個ずつクーラーボックスを取り出して両剣で白菜を
四分割に割ってきっちり詰めてナノトランサーに収納する。 倉庫の在庫の白菜の大半が
無くなった。 えれぇ用意がいいじゃねぇか、嬢ちゃん達。 いっその事ここまでサッパリ
すりゃあ、気持ちがいいもんだ。 しかもこれだけの買い物メセタで払うときた。
こりゃあ今日は店仕舞いといくかぁ。
「あはは。 またねー」
「ああ、またおいで。 嬢ちゃん達」
「ただー」
「お帰り。 どうだった? また駄目だったのか?」
「わけてもらったー」
「良かったなぁ。 しかし、よく卸問屋で売ってくれたよなぁ」
続く
179 名前:アナザーサイド編[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 01:15:40.79 ID:3gYLetYj [7/15]
新参者で御座います。
続きは後程書き上がり次第という事で。 しかし、後からよく見てみると
材料1種類ゲットするまでに今迄投下した短編位の長さが・・・。
180 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 17:37:06.84 ID:JcTXG6gc
投下乙
読んでて腹が減る
181 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 18:41:49.48 ID:noqCgMUc
なにこのキャス子可愛い・・・ローグスども、俺と代われ!
182 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 19:12:32.32 ID:6gvp0GUX [1/2]
>>179
投下乙です。
順調に材料が集まり出しましたね。
しかし、問屋の主人、生鮮食品だと「在庫」と言えど出荷先決まってるんじゃ?
とリアルな疑問かついらない心配をしてみるテスト。
183 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 19:41:10.63 ID:3huBBLAp
ローグスがんばれ。と思った。
184 名前: 忍法帖【Lv=38,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/01(月) 20:59:04.47 ID:3gYLetYj
新参者で御座います。
>>180
ええ、夜中とかに食べ物の話を書くと空腹に・・・。
>>181
このキャス子、常に終始この口調です。 カタカナや漢字を使うのは人の
名前位です。 ちょっと日常を。 実はこのキャス子既に3、4人から声が。
両剣を振り回して周囲にハートを舞い散らせているキャス子。
「ちょっと、キャス子ちゃん、こんな所で両剣振って何やってるのぉ?」
「こんど、がーでぃあんずばとんとわりんぐくらぶのはっぴょうかいが
あるから、れんしゅうしてるのー」
「あら、そうなのねぇ。 でもぉ、幾らバトンっ名前に付いててもぉ
プリティ・バトンは使っちゃダメよぉ?」
「あう」
こんな感じです。
>>182
それはですね、希少故に値段が高い事、肉とかと違って白菜単体ではさほど
売れない事、特にスキヤキなどの材料が揃えられる事は稀ですし。
サラダにしようにも高価なのです。 故に売れない理由が肉と違って、
売約済みでなく一見さんだからだったのです。
白菜サラダに高額のメセタをかけるような物好きはそうそういないかと。
って、やりそうなのがいましたね・・・。 今お休み中の・・・。
「あら。 呼んだかしらん?」
>>183
ええ、本当にそう思えます・・・。 彼らも、何で野菜の買出しで俺らが
こんな目に会わなきゃいけないんだろ?と思っているでしょう・・・。
さるよけの為に、ほんの少しばかり投下を。 続きは日付けの変わった後で
185 名前:アナザーサイド編13[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:02:03.19 ID:3gYLetYj [9/15]
カーゴの中で昼食を取って最後の場所を携帯端末で確認する。 ダグオラ・シティから
余り離れていない。 近付くにつれ、細い緑色と盛り上がった土の列が見え始めた。
「全部で500万メセタ、今直ぐにきっちり耳を揃えて返してもらおうかぁ!」
「そんな! お借りしたのは100万メセタじゃ・・・」
「世の中にゃ、利息ってもんがあるんだよ!」
「それは利子が付き過ぎじゃ・・・」
「るせぇ!借りといて何言ってやがる!」 ガスッ
「ああっ! お父さんっ!」
「そうだなぁ、何ならアンタが働いて返してもいいんだぜぇ?」
「止めろっ! 娘は関係ない!」
「お父さぁん!」
3人組のローグスがビーストの親子と思しき2人に言い寄る。
父と思われた男が殴り飛ばされ、傍に駆け寄ろうとした娘と思われる少女の手を
ローグスの一人が後ろから掴んで引き寄せて羽交い絞めにした時だった。
「ねぎ、わけてー」
「嬢ちゃん、今取り込んでんだ。 関係ないから、さっさと引っ込んでな!」
「かいにきたから、かんけいあるー」
「大人しく帰らねえと怪我すん・・?」
不意にかけられた場違いな声に一瞬全員が唖然としたが、我に返った一人が凄む。
聞き訳が無いならと、他の一人が片手剣を取り出して構えようとして途中で手が止まる。
急に片手剣の消えた手を見つめていた男だが、顔を上げると目の前ギリギリの位置に
片手剣を弾き飛ばした槍の切っ先。 目だけを動かすとその先に槍を握っているキャス子が
見えた。 ヒュンヒュンヒュンヒュン、ザスッ。 弾き飛ばされた片手剣が回転しながら
落ちてきて三人目の男の目の前の地面に刺さった。
186 名前:アナザーサイド編14[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:03:58.93 ID:3gYLetYj
「きょ、今日の所は勘弁してやらぁあ!」
「明日来っからそん時までに用意しとけ!」
「命拾いしたなぁ!」
羽交い絞めにしていた娘を突き放すようにして解放すると、各々に捨て台詞を吐いて
走り去っていく三人組。 娘が父親を抱き起こして表情が曇る。 キャス子はPMを
連れているからガーディアンズとして、後ろの2人はどう見てもローグス。
何故ガーディアンズがローグスと一緒に?とは思うがそれでも恩人には違いない。
何か事情があるのだろう。
「娘を助けて頂き、有難うご座います」
「父を助けて頂き、有難うご座います」
「?」
2人して同時にお礼を言われて頭を下げられたがキャス子はその理由に心当たりが
無いらしく、小首を傾けてキョトンとしている。 キャス子にとっては自己防衛の為に
反射的に武器を排除したに過ぎないのだから。
「ねぎ、わけてー」
「はい、収穫出来る分でしたら幾らでもどうぞ」
「わーい。 ありがとー。 7こ、だすー」
「はーい」
ナノトランサーから2人で合計15個分のクーラーボックスを取り出して葱と白葱を
詰め込んでは戻していく。
187 名前:アナザーサイド編15[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:05:52.14 ID:3gYLetYj
「いくらー?」
「お代でしたら構いませんよ。 もう、必要ありませんでしょうから・・・」
「お父さん・・・」
「先祖代々でこの土地を耕しては来ましたが自分の代で終りというのが情けないですが」
代金を受け取らない事に納得しないキャス子に、全員を室内に招き入れて父が理由を
話し始めた。 先祖代々この場所で農家を営んでいて普通に暮らしいていたのだが、母が
病にかかって治療費を借り、今となって膨大な利息を請求されている事。 払えないなら
畑を担保に取られてもう農業は続けられないので代金は必要ないという旨。
「確かさっきのあいつ等、この辺りじゃ中堅所でそれなりに人数も多い。 多分明日は
他の連中への見せしめ兼ねてとんでもない人数引き連れてくるぜ・・・」
「「あう」」
キャス子とGH414がハモった。 頼まれていた材料は全部揃った。 ここに留まる
必要は無い。 速やかにビス男に連絡する為にGコロニーに戻るのが普通だろう。
今夜はせめてと夕食をご馳走してもらい、納屋でよければ、と寝床の準備もしてくれた。
買い物をすればメセタを払う。 当然の事だし、キャス子も自室でケーキ店を営んでいる。
白菜を買った時の事を思い出して手持ちのメセタを確認するとキャス子とGH414は
モトゥブ支部へと走った。 夜中でもガーディアンズの設備は利用出来る。
188 名前:アナザーサイド編16[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:08:03.66 ID:3gYLetYj
「これ以上ここにいるのは危険です・・・。 貴方達だけでもどうか」
「そうです、これは私達の問題なのですから・・・」
「お父さん、お母さん・・・」
「おい、首領自らで総出かよ・・・」
「ああ、あの数はどう見てもそうだな。 面子保ちに来やがったか」
「きたー。 いてくるねー。 このひとたち、よろー」
キャス子達は朝になっても、この家から動かなかった。 やがて窓の外に一際目立つ
被り物をした男を先頭に夥しい数のローグス達と戦闘用マシナリー達が見えた。
ローグスコンビに彼ら一家の事を任すとキャス子達は外に出ていき、トコトコと
首領らしき男の前まで歩いて止まった。
「おじさんたちがいると、おかねうけとってくれないー。 あとでおかねわたすから
かえってー」
「おい、お前ら。 こんなガキ相手に追い返されたってぇのか! 随分と舐められた
もんだな、後でガキに小遣い貰って喜ぶとでも思ってんのか! やっちまえ!」
ブチ切れた首領の号令でローグス達とマシナリーが動き出す。 射撃武器を携えて。
キャス子は気付かなかったが、このローグス達の中にキャス子達の事をを売り飛ばそうと
したローグス一味の姿があった。 彼等がキャス子達が飛び道具を一切持っていない事を
教えたのだ。
189 名前:アナザーサイド編17[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:10:10.09 ID:3gYLetYj
「近付かせるな、ブッ放せ! そうすりゃあ、手も足も出ねぇ筈だ!」
距離をとって周りを取り囲んでの射撃武器による攻撃の前に、間合いまで思うように
近付く事が出来ず、キャス子達の攻撃よりも敵の銃弾の方が多くなり、どんどんと
消耗させられていく。
「! 嬢ちゃん、危ねぇ!」
「うぉっ! 掠った・・・」
流れ弾の一発が農業一家の家の窓ガラスを破った。 咄嗟に窓の側にいた娘を引き寄せ
飛び散るガラスの破片から庇うローグスA。 ガラスを割った際に向きの変わった銃弾が
ローグスBの肩を掠めた。
「嬢ちゃん、怪我無いかい?」
「ありがとうございます、私は大丈夫で・・・! って、血が出てるじゃないですか!」
先程庇った時に窓ガラスの破片が当っていたらしく、手の甲から血が流れていた。
娘が救急箱を取りに行ってる間にローグスコンビがテーブルをガラスの割れた窓の前に
立て掛けて塞ぐ。
190 名前:アナザーサイド編18[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:12:40.94 ID:3gYLetYj
「おい、トラップ持ってっか?」
「んあ? バーン1、2個なら?」
「俺もそんな所だな」
「けっ。 こんな事ならもっと持っとくんだったな」
「違いねぇや。 こういうのをなんつーか、知ってっか?」
「後の祭り、つーんだろ? 祭りならもっとでけぇ花火用意しとくんだったな・・・」
娘が救急箱を持って戻り、ローグスAの手当てをしている間に手持ちのトラップの数を
確認するローグスB。 バーンGが2個。 仕掛けて使うにしては少な過ぎる。
そうなると後は・・・。
「おい、お前は嬢ちゃん連れて奥の寝室のおっ母さんとお父っあんの所に行きな。
あと、お前のトラップ寄越せ」
「何だよ、それ?」
「非難するにも病気のおっ母さんがいるからお父っあんと嬢ちゃんだけじゃきついだろ?」
「お前はどうすんだよ?」
「言われたろ? 最後まで責任持ってあいつ等の面倒見ろって? そうすんだよ。
ほれ、さっさと嬢ちゃん、連れてけ!」
「後で返せよ?」
ローグスAがローグスBに手持ちのバーンGと煙草を渡して娘を連れて夫婦のいる寝室に
向かった。 ローグスBがローグスAの背中に声をかけた。 ヤバくなったら、俺の事より
お前らだけでもとっとと逃げろ。
「いい機会だから、いっその事禁煙しろ」
続く
191 名前:アナザーサイド編[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:19:12.70 ID:3gYLetYj [15/15]
新参者で御座います。
続きは後程日付けが変わった後で、という事で。
何ていうか、ノリがこう・・・。 材料集めの話を思い付いた時は何も
考えていませんでしたが・・・。 ローグスの明日はどっちだ・・・。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
192 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:37:10.23 ID:6gvp0GUX [2/2]
>>191
投下乙です。
ローグスコンビがカッコ良くなって来てる件。
やれば出来る子なのか。
193 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 21:40:27.40 ID:sEMHGnzI
支援
194 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/01(月) 22:38:28.82 ID:sEMHGnzI
支援になってなかった投下乙
195 名前: 忍法帖【Lv=38,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:35:47.18
ID:nHInnSne
新参者で御座います。
>>192
真人間に近付いてるというか、人としての何かを思い出し始めてると
いいましょうか。 ローグスコンビがこんな方向に行くとか書いてて
ビックリです。
>>194
いえいえ、こちらこそ折角支援して頂いたのに・・・。
では、日付けが変わったので続きを投下
196 名前:アナザーサイド編19[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:38:58.78 ID:nHInnSne
遂にGH414が力尽き、キャス子が慌てて駆け寄ってナノトランサーから出した
コスモアトマイザーを使う。 ガァンッ! その隙に一発の銃弾がキャス子の足に
当たり、バランスを崩した。 ガガガガガガッ マシナリーの機銃がキャス子を捉え、
キャス子のスケープドールが作動した。 このままだと、全ての敵を倒す前に回復薬と
スケープドールが尽きるだろう。 チャンスは、お互いに全快状態の今。
「「よろー」」
キャス子達が同時に向き合いって声をかけ合うとキャス子とGH414の視界の片隅に
シンクロナイズドフラッターシステムの起動アイコンが点滅し、GH414の緑の瞳が
キャス子と同じ青色に変わった。
『It's a Show Time! Lt's Go,DOUBLE SABER'S♪』
寸分違わぬタイミングで2人してトルネードダンスで間合いを詰めるかと思いきや、
途中で銃弾を避ける様にお互いに右と左に曲がって敵の中に突っ込み、両剣を持ち替えて
グラビティダンスを発動させながら更にどんどんと敵の中に斬り込んでいく。
フォトンアーツの最中にフォトンチャージを使い続ける事で常にグラビティダンスを
発動し続け、マシナリーの所にまで到達すると互いに両剣を持ち替えスパイラルダンスで
吹き飛ばしていく。 両剣というバトンを手に、常に寸分違わぬ動きで踊る鏡写しの舞。
197 名前:アナザーサイド編20[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:40:46.78 ID:nHInnSne
「何だ、こいつ等! さっきと動きが違う? 何やってんだ、距離取れ、距離ぃ!」
距離を取ろうとすればトルネードダンスで詰められる。 離れた場所から撃とうとすれば
同じくトルネードダンスで射線から外れる。 トルネードダンスが通り過ぎたと思って
振り返れば、トルネードダンス発動中に組み替えたアブソリュートダンスを発動させて
背を向けたままで頭上で両剣を回転させながら、こちらに振り向くキャス子達。
目が合うよりも早く、回転で勢いの付いた両剣が体重と重力を乗せられて振り下ろされる。
「うわっ! おい、下手に撃つな! 味方に当るっ! 同士討ちに・・。 ゴフッ!」
今度は逆に銃を仕舞って近接武器を取り出す間に斬り込まれ、徐々に数を減らされる。
GH414の攻撃力が上がっているというよりもキャス子が使うのと同じフォトンアーツを
同じレベルで使っているので2人が合流すると撃破速度が一気に加速した。
2人が同時に同じ目標に向かうので、単純に考えても攻撃力は2倍。 実際は2方向から
同時に攻撃され、内部で逃げ場の無い力がぶつかり合う事で2倍以上の威力になるだろう。
「いい気になるのはこいつを倒してからにしな! 軍用の特別品だ!」
首領がコントローラの様な物を取り出して操作すると、グリナビートSが三体現れた。
2人同時にSUVウエポンを起動。 ヘーゲルアタッカーの銃弾にグリナビートS達が
足止めされている間にキャス子が巨大な剣を振りかぶり、勝利へ導く為の言葉を紡いで
振り下ろす。
198 名前:アナザーサイド編20[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:42:45.19 ID:nHInnSne [4/10]
「電光剣 オーロラ ちゃぶ台返し 改」
「う、うわわわあっ!」
グリナビートS達を一刀両断したアレス・エスパダは首領の数メートル手前で止まった。
キャス子達が同時に向かい合って頷き合うとキャス子とGH414の視界の端に点滅していた
シンクロナイズドフラッターシステムの起動アイコンが消えてGH414の瞳の色が青から
元の緑に戻った。 キャス子がトコトコと歩いていき、腰を抜かしてしゃがみ込んでる青い顔の
首領に500万メセタを渡す。
「おかねー。 いま、わたすー。 しょうしょ、ちょうだいー」
コクコクと無言で頷きながら首領が携帯端末を取り出す。 キャス子も携帯端末を取り出す。
借用証書を呼び出して完済の処理を済ませた証書のデータをキャス子の端末に転送する。
内容を確認したキャス子が何かを検索し始めた。 その様子を見て首領もある事を思い出す。
慌てて飛び起きて走り出した首領の脇を、トルネードダンスのキャス子が抜けて首領の目前に
着地すると右手で両剣を持ったままで左手を首領に差し出した。
「おつりー」
借用証書の金額は300万メセタだった。 その金額自体の子息でも違法だったのだが、
更に水増し請求してたのだ。 キャス子がダグオラ・シティの警察組織に連絡する。
先程キャス子が検索していたのはこういった場合の対応マニュアルだった。 Gコロニーと
違い、ここではガーディアンズには警察権限は無い。 やがて警官達が到着して首領、父、
証人としてキャス子とGH414の4人に同行を願い出でて組織の建物に戻っていった。
199 名前:アナザーサイド編21[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:48:45.78 ID:nHInnSne
「おじさんたちいなくなったから、おかねうけとってー。 いくらー?」
「いえ。 完済分の時点で既に代金以上ですから、十分です。 これ以上受け取る訳には」
「ええ、何と御礼を申してよいやら」
「ガーディアンズさん、ありがとうございます。 それに、ローグスさん達も・・・」
父とキャス子達が警察組織から戻って父が完済済みの証書を見せながら母と娘に事の顛末を
告げ終わるとキャス子が葱の代金を聞いた。 借金分を立て替えてくれただけでも十分過ぎると
父が断り、母と娘がお礼を言う。
「せめて、今夜は泊まっていって下さい」
「私も一生懸命、料理しますから食べていって下さい」
父の申し出で一泊しての翌朝に葱の代金以上を受け取ったのでせめてこれを、と父が壁に
飾ってあった古い鏡を外してキャス子に渡した。 昔から代々伝わっている物で何か由縁が
あったとの事で聞いたのは幼少の頃で憶えていないのですが、と。
「わーい。 ありがとー。 またねー」
「じゃあな、おっ母さんは体に気を付けてな」
「嬢ちゃんも、無理するなよ」
200 名前:アナザーサイド編22[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:51:08.90 ID:nHInnSne
集めるべく材料は全て揃い、後はGコロニーに戻る為にダグオラ・シティに戻るだけ。
ダグオラ・シティに着けばローグスコンビもお役御免。 キャス子達とローグスコンビを
乗せた中型カーゴが街道をダグオラ・シティに向かっている途中で数メートル先の地面が
爆発して視界が遮られ、慌てて急ブレーキを踏む。 トラップか? それとも砲撃?
どちらにせよ固まっていると危険なのでカーゴから降りる。
「手前らだけのうのうとしてるたぁ、いいご身分だなぁ!」
「頭! 何でこんな所に!」
「るせぇ! こっちはあん時で残ったのは俺だけだ。あん時に手伝いもしなかった
馬鹿野郎共に落とし前付けに来たんだよ! 解ったらとっとと死ねやぁ!
そこのキャス子とパシリもなぁ! 元はといえばお前らがケチの付き始めなんだよ!」
そこには、このローグスコンビの組織の元締めで通称”頭”と呼ばれている男が
傷だらけで榴弾銃を構えて立っていた。
「下手に動かない方がいいぜぇ。 ここいら一帯にゃトラップが仕掛けてあるんだ、
ドカンといっても知らないぜぇ? だから大人しくこいつで吹っ飛ばされなぁ!」
「くっ、下手に動けねぇ・・・。」
「ここまで来て、これかよ・・・」
頭が榴弾銃を構える。 キャス子が頭とローグス達が話している間に使っていた
ゴーグルを仕舞ってしゃがみ込むと適当な石を幾つかまとめて片手づつの両手に握って
立ち上がった。
201 名前:アナザーサイド編23[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:54:49.36 ID:nHInnSne
「動くんじゃねぇ!」
「おじさんのうそつきー」
キャス子がゴーグルを使って周りにトラップが無い事を確認した上で榴弾銃の銃口に
向かって両手一杯に握っていた石を片手ずつまとめて投げる。
「そんなに死にてぇなら、とっとと逝けやぁ!」
石の何個かが銃口に入った事に気がついていない頭が反射的に榴弾銃の引き金を引き、
榴弾銃が暴発して頭の両腕ごと吹っ飛んだ。 更に飛び散った火の粉で頭の持っていた
トラップが誘爆。 轟音と閃光の後に残されたのは抉れて焼け焦げた地面だけだった。
偶然にキャス子達の乗った中型カーゴを見つけて榴弾銃で砲撃して足止めしただけ
なのでトラップは頭のハッタリだったのだ。 こんなキャス子も一応はガーディアンズ
であるからゴーグルは持っている。
「こういうのも自業自得っつうんかな」
「つか、アジトに戻る意味無くなったなぁ」
その後何事も無く無事にダグオラ・シティに着いた中型カーゴからキャス子達と
ローグスコンビが降りると全員が互いに顔を見合わせる。
「ぜんぶ、そろったー。 いままで、ありがとー。 またねー。」
「またねー」
「おう、またな。 今度は知らない人に付いてくんじゃねぇぞ?」
「お前がそれ、言うかよ。 じゃあな」
202 名前:アナザーサイド編24[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 00:58:56.47 ID:nHInnSne
PPTポートに向かって歩き出すキャス子達の後姿を見送るローグスコンビ。
ローグスBがローグスAにバーンGと煙草を差し出す。
「返すぜ。 ありがとな」
「要らねぇよ、禁煙する事にした。 ちょっと健康な暮らしって奴でもやってみようと
思ってな」
「健康ねぇ? 額に汗でも流すってか? あん? まさかあの農家んとこか!」
「まあ、病気のお袋さんいるんじゃ大変そうだから手伝ってやろうかってな」
「あんだよ、あの嬢ちゃんに惚れちまったのか?」
「違ぇよ! Aさんさえ良ければって、嬢ち・・。 んな事ぁ、どーでもいい!
お前はこの先どうすんだよ?」
「矛先変えやがって・・・。 俺ん所の実家も農家でな。 ずっと戻ってねぇから、
たまにゃツラ出してやろう、ってな」
「ああ、そうしてやれ」
互いに背を向けフライヤーベースに歩いていく元ローグスのB。 中型カーゴへと
歩いていく元ローグスのA。
「達者でな。 仲良くやれよ」
「お前こそ、親孝行してやれよ? 世話になったな、相棒」
背中越しに互いに最後の挨拶を済ませる。 スコープ内に映る元ローグスAの顔。
ゆっくりと照準を顔から胸にずらしていく。 幸いにまだ気付かれていない。
照準が胸の中心で止まり、引き金にかかっている指にゆっくりと力を込めていく。
この距離なら気付かれる事も無い。 現にさっきからこちらに気が付いたような
素振りは無い。 首領は捕まっちまった、組織はほぼ壊滅。 こうなりゃあ、誰かしら
一人でもぶち殺さにゃ気が収まらねぇんだよ!
203 名前:アナザーサイド編24[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 01:04:50.69 ID:nHInnSne
「あばよ」
「なにやってるのー?」
「うわぁあっ?」
引き金が落ちる直前で急にスコープ一杯に現れたキャス子の顔。 構えた長銃の先に
キャス子が立っていた。
「手前ぇ、何でこんな所にいるんだよ!」
「おみやげ、かうのわすれてたから、とってたのー」
キャス子がモトゥブソウテツを男に差し出した。 一瞬呆けた男が我に返り膝立ちから
立ち上がってキャス子に銃を向ける。
「馬鹿にしてんのか? んじゃ、手前から先だ!」
キン! カラカラカラ・・・。 キャス子の両剣が斬り飛ばした長銃の先端が地面に
転がる。 ドーン 横合いからGH414のトルネードダンスが男を吹き飛ばした。
男を吹き飛ばして直ぐにUターンしてキャス子の脇にGH414が着地すると2人して
振り返ってPPTポートに歩いていく。 吹っ飛んだ男が地面に着地してそのままの勢いで
転がり続けていく先にはモトゥブ特有の峡谷が見えた・・・。
終
204 名前:アナザーサイド編[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 01:26:18.48 ID:nHInnSne
新参者で御座います。
24レスと続いたアナザーサイド編、これにて終了です。
この長さになるとは予想外でした。 あと、ローグスコンビ。
次からはミッション?編に戻ってミッション?編の48レスからの続きと
なります。 キャス子は今後の登場予定はスキヤキ編に出るか出ないかです。
今後の話の成り行きで戦力が必要な時には引っ張り出される事もあるかも
しれませんが。 キャス子の方がビス男より先に作ったせいで、ビス男よりも
強いんです・・・。 装備含めて・・・。
文中では装備については余り触れていませんが、自ら通り名を名乗っている
キャス子の両剣は共有箱内のテンイ、常に持ち歩いているキャリガイン共に
業物の領域です。 名乗っている以上、それなりの武器を持っています。
お目汚し&駄文投下失礼しました。
205 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 16:43:31.03 ID:8DCLj8AW
投下乙
ローグスコンビいいやね
206 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/02(火) 21:40:00.65 ID:KF3M0Pmh
>>204
投下乙です。
私のキャラも本当はダブセ使いなんですが、お話し内ではソードばっかりなんで
ダブセもちゃんと持たしてやらないと・・・w
ローグスは今までの罪を償いながらきっと真っ当に生きるんだろうなぁ。
随分な長編で大変だろうと思いますが、続き楽しみに待ってます。
207 名前: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/03(水) 03:23:20.52
ID:m+KrshGX
新参者で御座います。
>>205
終わって見るとモトゥブという星柄なせいかローグスに始まり、ローグスに
終わってました。 交渉と戦闘以外はローグスコンビが持ってきましたな。
>>206
キャス子は槍、斧、長剣も使えますが、日常でちょこっと書きましたが、
バトントワリング・クラブに所属の通りで、同じ感覚で使えるダブセが好き
なのです。 名乗ってる通り名(オンステ)もダブセ関連です。
ええ、きっかけがあればローグスもまっとうな人生にに戻れるかと。
お約束な流れで出した頭を使って後腐れが無いようにとか・・・。
アナザーサイド編、メモ帳見たら30Kありました・・・。
続きと更に死ねるミッション?編の後も努力させて頂きます。
この場をお借りしてという訳ではないのですが、後書きとなりますが
アナザーサイド編の最後の24レスはプロットの時点で幾つか他に案が
ありました。
1、ローグスAが撃たれて今迄のツケを払って終わる。
2、撃たれたローグスAの復讐に走るローグスB。
3、ローグスAを庇ったキャス子が撃たれる。
4、卵を調達しに来たビス男達が狙撃を止める。
結局ハッピーエンドの方が好きなので1~3案はパス、4案はまだビス男の
方がどうなるか決定していなかったので投下した内容となりました。
特に2案で復讐に走るローグスBの話とかは、明らかにこのスレに関係なく
なりそうですし・・・。 復讐の為にガーディアンズになって、PMと一緒に
追いかけるとか?
208 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 03:50:43.49 ID:7vvuBaIQ
そういうのはこの場で書くもんじゃあない。
何事もなかったかのように、折を見て後で使うもんだと思うがね。
209 名前: 忍法帖【Lv=1,xxxP】 [sage] 投稿日:2011/08/03(水) 09:41:06.99 ID:r4zJ8piH
忍法帳に長いと怒られたので2分割w
>>207
投稿乙!材料問題が解決して何よりです。
キャラ設定に関してはそのキャラに対しての理解が深まるからどんどん書いてほしい。
ボツ案は書かない方がいいと思うよ。理由は>>208さんとはちょっと違って、
もし他の書き手さんが、ならず者2人とパシリの話を思いつき、書こうとした時に
すでに書かれているネタとかぶるのは極力避けようとするだろうけど、
書いてしまうと、採用案+ボツ案4つの
5つに関してかぶらないよう配慮しないといけないと思ったから。
210 名前:209[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 09:44:39.76 ID:r4zJ8piH [2/2]
後、場面切り替え時に一言描写の説明か、余分に改行するかがほしいな。
例えば、アナザーサイド12のここ
>「あはは。 またねー」
>「ああ、またおいで。 嬢ちゃん達」
>「ただー」
>「お帰り。 どうだった? また駄目だったのか?」
→人参畑の人の所に戻ったのはわかるんだけど、いきなり「ただー」でびっくりした。
とか、アナザーサイド24のここ
> 背中越しに互いに最後の挨拶を済ませる。 スコープ内に映る元ローグスAの顔。
→ボツ案読むまで、スナイパー=Bだと思っていました。(Bが最後の最後でAを裏切り、背後からAを撃つ)
まあ、これに関しては俺が文盲なだけかもしれないけどね。
それではいろいろ書いてしまいましたが、次回楽しみにしています。
…忍法帳リセットされると辛いな。
211 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 12:03:35.46 ID:Bd6CWYMZ
あんまりだらだら言わなければいいんじゃないかなーと思う
補足程度ならいいと思うけど、あんまりクドいとウザいだけって感が
212 名前:209[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 14:52:00.52 ID:dx7x/ok5
>>211
クドいかなとは思ったんだけど、どの部分にどう感じたかを書きたかったんだ。
以後気をつけるよ。ありがとう。
213 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 17:00:41.33 ID:foyzE7dH
>>212
すまん、>>211は個人的な感想というだけで、
別におまいさんに対してのことじゃないんだ
むしろ意見の方向的には同じだと思う。
補足として設定を書くのはいいと思うが、
ボツ案とか「実はこんなだった~」というのをだらだら書くのはあんまりよくないんじゃね?といいたかった
安価つけてもうちょっと詳しく書けばよかったわ。ほんとごめん。
214 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/04(木) 15:01:44.13 ID:fIC7AtS8
テスト揚げ
215 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/04(木) 20:12:02.42
ID:W5VFL1if
新参者で御座います。
>>208
確かにそうでした。 書く前にネタバレ的になったり、ゆくゆくは他の話に
使えそうな要素をボツにしする訳ですし。 むしろ後書きで書かずに他の話で
使ったり、他の話として書くべきでした。
>>209
自分の配慮が足りなかったようでした。 今後気をつけます。
>>211
後書きはキャラ設定や補足説明、特殊な用語や造語などで留めておくべき
でした。
確かにボツ案のプロットなどは他の方々のご指摘通り寧ろ不要ですので
今後は書かないようにしますので。
この先もこう言った指摘やツッコむ部分がありましたら、是非とも遠慮せず
どんどんお願い致します。 やっと書き込み出来るようになりましたか・・・。
216 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/04(木) 20:19:35.19
ID:W5VFL1if
>>210
どうも自分の書き方が足りなかったようです。
第12番では
「あはは。 またねー」
「ああ、またおいで。 嬢ちゃん達」
人参畑の主人の所でお風呂を借りた後に、また生鮮野菜卸問屋に戻った中型カーゴに
キャス子達が戻った。 不安と期待の入り混じった表情で結果を聞くローグスコンビ。
「ただー」
「お帰り。 どうだった?」
「また駄目だったのか?」
「わけてもらったー」
「良かったな。 しかし、よく卸問屋で売ってくれたもんだ」
「バラ買いするような一般客にぁ売らないんだろうが、集めてる量が半端無いからなぁ」
そして第23番では
達者でな。 仲良くやれよ」
「お前こそ、親孝行してやれよ? 世話になったな、相棒」
背中越しに互いに最後の挨拶を済ませる。 離れた山間で膝立ちで長銃を構える男。
スコープ内に映る元ローグスAの顔。 ゆっくりと照準を顔から胸にずらしていく。
幸いにまだ気付かれていない。 照準が胸の中心で止まり、引き金にかかっている指に
ゆっくりと力を込めていく。
となるのが正解でした。 投下前のチェックを再度行うようにしますので、
ご了承を・・・。
217 名前: 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/04(木) 21:48:17.78
ID:HcpJIJtz
お、復活したね
218 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 01:12:11.82 ID:rchionJJ
復活したはいいが誰も書いてねえw
おーい、誰か居ませんかぁ?
書いて下さいよぉ!
俺はまだ書いてない
219 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/06(土) 01:31:45.72 ID:RqXShGm7
[1/26]
書きかけでもよければ・・・
220 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 01:46:04.76 ID:rchionJJ [2/8]
>>219
いやすまん急かすつもりじゃなかった
誰か貯めてるかなと思ってさ
ゆっくり納得行くように仕上げてくれ
221 名前: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/08/06(土) 01:54:45.01 ID:RqXShGm7
[2/26]
新参者で御座います。
取敢えずきりのいい所までですが、投下。
なお、今回から区別の為にビス男→美ス男、キャス子→キャスっ子と名称を
変更しました。
222 名前:440と変な美ス男49[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 01:58:27.82 ID:RqXShGm7 [3/26]
ミッション?編の続きです、それでは。
キャス子に助っ人を頼んだ晩の翌朝。 朝食を済ませて、食後のお茶を飲みながら壁の
カレンダーを見て思案中の美ス男。
「んー。 まだ時期には早いから後回しにしてぇ、量が多いから絞めるとするとぉ、
寝かさないといけないわねぇ・・・」
携帯端末に女帝が準備した際に行った場所のリストを呼び出してその時の状況(売約済み、
今は作っていない等)を確認。
「駄目元でも一度は行ってみるしかないかしらぁ。 440ちゃん、まずはパルムよぉ」
「パルムという事は材料は肉でしょうが、リストによる所では売約済みとなっていますが?」
「キャンセルされた分とかが出てるかどうか確認しに行くのよぉ。 あったら即買いねぇ」
ナノトランサーにクーラーボックスを入れてパルムのコルトバ・マツザカの放牧場に向かう。
キャンセル分が出てる事を願いながら。
「こんにちわぁ。 経営者の方はどちらかしらん?」
「それでしたら、この先に建物に」
「ありがとう、嬉しいわん♪」
「こんにちわぁ。 今回の出荷でキャンセル分とか、あるかしらぁ?」
「済みません、今回出荷分に関してはキャンセルになった分とかは無いんです」
「あら。 やっぱりねぇ・・・。」
着いて早速にコルトバを放牧中の牧童に経営者の所在を確認して会ってみたはいいが、
やはり結果は変わらず。 どうしたものかと思案中に視界にゴル・ドルバの巨体が入った。
223 名前:440と変な美ス男50[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:00:37.02 ID:RqXShGm7
着いて早速にコルトバを放牧中の牧童に経営者の所在を確認して会ってみたはいいが、
やはり結果は変わらず。 どうしたものかと思案中に視界にゴル・ドルバの巨体が入った。
「ん? アナタの所、ゴル・ドルバも扱ってるのぉ?」
「いえ、数年前から居付いていまして。 時々来ては暫く居座っているのです・・・。
なんせ、あの体格ですから食べる量も半端じゃないですし、追い立てる訳にもいかず
何度かガーディアンズの方にもお願いしたのですが・・・」
「じゃ、あのゴル・ドルバは一切出荷分とかは関係無いのねぇ?」
「はい」
ゴル・ドルバを見ながら何か思案中のご主人様。 時々、「このサイズだとぉ・・・」とか、
「脂肪はぁ・・・」などと独り言を言ってますが。 サイズに脂肪? そういえばご主人様の
特技にサイズ当てがありましたがまさか、ゴル・ドルバのスリーサイズから体脂肪率でも算出
してるとでも?
どうやら結論が出たらしく、ゴゴゴゴゴという擬音でも背負いそうな雰囲気でゆっくりと
ゴル・ドルバに向き直りました。
「ンッフッフッフッフッ。 アナタに、決・め・た・わよぉ!」
「だが断る」 byゴル・ドルバ
「あら? 何か聞こえたかしらん?」
どこからともなく其の都度ズギュウゥゥゥーン、ドキャァァァーン、ズギャァァァーンなどと
聞こえそうなポーズを幾つか取りながら、最後にビシィ!とゴル・ドルバを指差すご主人様。
怪しいポーズを取る理由は敢えてスルーしておくとして、その後ご主人様には何かが聞こえた
みたいですが、私には聞こえませんでしたが?
224 名前:440と変な美ス男51[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:03:37.92 ID:RqXShGm7
「ところで、この牧場の側に燃やしても大丈夫そうな空き地とかってあるかしらん?」
「生えている雑草が燃える程度ならこの先にありますが」
ご主人様が辺りを見回しながら経営者の牧場主さんに質問すると、一方を指差して牧場主さんが
その場所が現在空き地であるのと、燃やすにしてもどの程度ならとの事を話し始めます。
やがて牧場主さんの話が終わりました。 雑草の火の点き具合を確認するご主人様。
「440ちゃん、一旦出直すわよぉ。 牧場主さん、明日また来るわぁ」
「はい、マスター。 まさかとは思いますが、今のゴル・ドルバを?」
「そうよん。 帰ったら打ち合わせよん」
ホルテス・シティに戻るとガーディアンズ支部に向かい、ガーディアンズ支部間直行シャトルで
コロニー5階のガーディアンズ本部に到着。 早々にタイプセレクトカウンターでライセンスを
プロトランザーに変更するご主人様。
ライセンス変更に伴って一旦外れた装備とクーラーボックスを備え付けのショップのサービスで
共有ボックスに収納してトラップを大量購入してから、2階のショッピングモールに移動して更に
大量のクーラーボックスを購入してから自室に戻る。
「ちょっと、キャスっ子ちゃんの所行ってロケパンとジャガ借りてくるわぁ」
ロケットパンチにジャガーノートですか。 どちらも燃焼の付加効果のあるナックルですね。
どちらかというと余り使う方々は少ない武器ですが。
225 名前:440と変な美ス男52[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:05:54.06 ID:RqXShGm7
「ただいまぁ」
「おかえりなさい、マスター」
「じゃ、早速明日の打ち合わせねぇ。 今回はギリギリまで持って行く物減らして、その分
クーラーボックス持って行くのよぉ」
翌日、朝食を済ましてパルムのコルトバ・マツザカの放牧場に向かう。 牧場主さんから
ゴル・ドルバの来る時間帯を確認して待つ事しばし。 最初の素材予定のゴル・ドルバが現れた。
「じゃ、440ちゃん。 手筈通りに行くわよぉ」
「はい、マスター」
手筈とは以下の1~5の通りである。
1、ゴル・ドルバの目の前にGH440が立って射撃、食事の邪魔をする。 怒って向かって
くるゴル・ドルバを美ス男が柵を外して道を確保した後、そのままGH440が牧場側の空き地の
中心まで誘導。
2、柵を元に戻した美ス男が合流してバーン系トラップ発動。 GH440が囮となり美ス男から
気を逸らしている間にゴル・ドルバの脇に美ス男が周りこむ。
3、ゴル・ドルバの脇に周りこんだ美ス男がジャガーノトにてボッガ・ズッバでゴル・ドルバを
横転させる。 無論、GH440は横転するゴル・ドルバに巻き込まれない位置に待避。
4、ゴル・ドルバが横転している隙に美ス男がロケットパンチに持ち替えてボッガ・ロバットで
まんべんなく、ムラがない様にゴル・ドルバの全身をぼてくりまわす。
5、ゴル・ドルバが沈むまで2~4をエンドレス。 沈んだら念の為に空き地の鎮火を確認。
確認終了後にゴル・ドルバの解体作業開始。
226 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:07:18.38 ID:rchionJJ
支援
227 名前:440と変な美ス男53[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:08:59.21 ID:RqXShGm7
そして何度目かの2~4の手順を繰り返した後
「ホーッホッホッホッ! お肉は叩いた方が美味しくなるのよぉ!」
バーン系トラップの炎で炙られた上に燃焼効果のある鋼拳で殴られまくったゴル・ドルバは若干
ほっそりとなって昼過ぎには遂に沈んだ。 鋼拳からザンバに持ち替えたご主人様がゴル・ドルバの
血抜きを始める。 血抜きが終わるまでの間に遅い昼食を済ませる。
血抜きと昼食が済んでからご主人様が肉質を確認しながら慎重にザンバで解体作業を行う間に
ナノトランサーからクーラボックスを取り出すGH440。 その数、実に45個。
「ですが、マスター? ゴル・ドルバだと麻痺があるので毒性があるのでは?」
「そうねぇ、それが流通しない原因の一つなのよねえ。 でもアタシ免許証あるしぃ」
自室に戻った後で見せてもらいましたが、ご主人様は調理免許及び※特全種調理免許を所持して
いました。 なるほど、妥協は美しくないと常日頃言うだけに資格が存在する事柄は全て取得する
という事ですか。
「んー。 大漁ねぇ。 最初はどうなるかと思ったけどぉ」
「確かにこの展開は予想外でしたが、味に関しては大丈夫なのですか? そこが一番重要だと
思いますが?」
「それなら大丈夫だと思うわよぉ? 食べてる草は変わらないしぃ。
体が大きい分脂肪の一塊は大きくなるけどぉ、その分燃やしてダイエッて貰って丁度いい感じ
に霜降りよん。 最も試食はしてみるけどぉ」
一旦解体の手を休めて私が肉で満タンになったクーラーボックスをナノトランサーに仕舞い、
ご主人様が自分のナノトランサーからクーラーボックスを取り出している間にふと思った疑問を
聞いてみる。 そして結論が出て納得して、ふと自分達の行っている事を顧みる。
こんな事をしているガーディアンズは私達位でしょうね・・・。 ああ、もう一組助っ人の方が
いましたか・・・。
228 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:09:45.25 ID:rchionJJ [4/8]
支援ep2
229 名前:440と変な美ス男54[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:12:10.23 ID:RqXShGm7
[8/26]
「んー。 やっぱり入りきらなかったわねぇ・・・」
ご主人様が自分のナノトランサーから出したクーラーボックス45個と解体途中のゴル・ドルバを
見比べて、一言。 ちょっと思案中。 解体途中のゴル・ドルバの元に戻って一口サイズに切り取って
試しに食べてみる。
「これなら大丈夫ねぇ。 美味しいお肉は生でもいけるのよねぇ。 440ちゃん、お使いに
行って来てくれるかしらぁ?」
「はい。 それは構いませんが、生肉を食べる様な慣習があるというのは初めて知りました」
「そうねぇ、あんまり知られてないわねぇ。 ニューディズとか、モトゥブの一部にあるわぁ。
お刺身っていうのよぉ。 最も調理しない分、選ぶ素材の質に対する目利きが重要になるわぁ
なんなら今度、いい素材が入ったら作ってあげるわよぉ? 合成品だとやらないけどぉ」
お使いの内容は牧場に行ってバーベキューセットの有無の確認及びバーベキューセットがあれば
牧場の皆さんにクーラーボックスに入りきらない分をご馳走するとの伝言を伝える事。
幸いにもバーベキューセットはありましたので、その旨を伝えると牧場の皆さんも大喜びで準備に
取り掛かかり始めました。 念の為にご主人様が調理資格を持っている事も伝えたので。
解体途中で行った理由は夕食の準備を無駄にしない様に準備を始める前に、との事です。
ご主人様も自ら料理をするだけあって、こういった点は踏まえていますから。
230 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:13:16.15 ID:rchionJJ
えーと支援∞
231 名前:440と変な美ス男55[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:13:31.74 ID:RqXShGm7
「これならコルトバと変わらないなぁ、一体どうやったんだい?」
「実践はちょおーっと難しいわよぉ?」
屋外バーベキュー場と化した空き地でご主人様が牧童さんや牧場主さんに聞かれて今回のやり方を
説明していました。 普通ならこのような事は企業秘密とか言って教えないものですが、「解る事を
教えないなんて、美しくない事はしないのよん」と話すのはご主人様らしいと言えますが。
「ゴメンなさいねぇ、じゃ後の事はお願いねぇ」
「ああ。 ご馳走になったんだし、これ位はやらんとなぁ」
解体後の骨等は牧場の方で処分してくれる事になりました。 腸などは後でソーセージ、内臓とかは
ミートパイに使うとか言ってましたね。 夕食が済み、後片付けも終わらせてから後に自室に戻ります。
「ちょっと2階にお買い物に行って来るから、お留守番お願いねぇ」
「はい。 その間にクーラーボックスを倉庫に移しておきますね」
「それはまだいいわよぉ。 まだ、倉庫に移さないからぁ」
自室に着くと即座にご主人様は買い物に出かけました。 戻ってきてショップクローズチケットを
倉庫に入れて買ってきたショップオープンチケットを使ってマイショップを開店。
店先に何も並べずに部屋にロックをかけました。
232 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:15:31.34 ID:+F+umKDx
俺も支援したほうがいいのかな
233 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:17:13.83 ID:rchionJJ
人数いるほうがさるよけになる…のか?
234 名前:440と変な美ス男56[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:17:44.52 ID:RqXShGm7
「じゃ440ちゃん、クーラーボックス出してねぇ」
「ショップスペースですが、特売でも始めるのですか?」
二人してナノトランサーから出したクーラーボックスで、どんどんとショップのスペースが埋まって
いきました。 それもその筈、なんせ全部で総数90個のクーラーボックスですから。
「お肉はねぇ、絞めた後暫くこうして寝かせておくのよぉ。 そうするとぉ、蛋白質が分解されて
美味しくなるのよぉ。 そうなってからナノトランサーに入れるのよん」
「ここまでくると、流石に料理のレベルを超えていると思うのですが?」
「あら。 そうでもないのよぉ? 良い素材を見つけた時は、大抵は自分で捌くしぃ。
ただ、Gコロニーだと殆ど合成品とかぁ、加工済み素材だからあんまりそういった自分で捌くような
素材丸ごとっていうのは滅多に見られないわねぇ」
このクーラーボックスの置き場確保の為だけにマイショップを開いたと? 確かにクーラーボックスに
囲まれて生活はしたくありませんけど。
というか、肉でしたらそれこそ売るほどありますけどね。 ご主人様が今回のスキヤキでどれだけ
使うかにもよりますが。
「いっその事、仕入れまでマスター自身でやられて料理店でも開いてみてはいかがですか?」
「んー。 そうねぇ、ガーディアンズ引退した後ならそれでもいいんだけどぉ。
まだ今はこうして440ちゃんと一緒に色々な場所に行って、色々な事をしてる方が楽しいしぃ。
少なくても440ちゃんから夕食で満点貰うまではお店開く気にはなれないわぁ」
作ってお客様に出す以上は、完璧じゃないと納得がいかないという事ですね。 実にご主人様らしい
ですが、そう言われると採点で満点は出しませんよ? やれやれ、本当に手のかかるご主人様です。
減点分の理由を見つけるのもかなり大変なんですから。 ご主人様は気が付いてないようですが、
実際は指摘している点は減点にしなくてもいい範囲の事ですし。
「じゃあ、続きは明日の朝からねぇ。 今日はぁ、後片付けだけして寝ましょうねぇ。
明日はニューディズよぉ。 おやすみなさぁい、夢の中で会いましょうねぇ」
「おやすみなさい、マスター。 良い夢を」
続く
235 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:22:31.57 ID:RqXShGm7
新参者で御座います。
取敢えずですが、きりのいい所までで投下という事で。
続きも頑張らせて頂きます・・・。
支援して頂いた方々有難う御座います。
お目汚し&駄文投下失礼しました。 そして、今回限りと思いますが続投
236 名前:440と変な美ス男[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:27:56.52 ID:RqXShGm7
新参者で御座います。
今回の中での用語解説を。
※特と付く場合は毒性のある素材の調理許可資格の事で、調理の際の方法や種類によって
甲、乙、丙の3種類があり、どれかしら1種類の場合は特1種、2種類取得で特2種、3種全てを
取得で特全種となる。 作品中の造語です。
そして、「リア充爆発しろ」の作者様、キャラお借り致します
237 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:34:55.78 ID:rchionJJ
急かす様ですまなかった
投下乙
リア充編楽しみにしてる
238 名前:440と変な美ス男の事件簿1[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:36:03.63 ID:RqXShGm7
「マイマスター、また寝取れられシリーズですかぁ・・・」
「馬鹿者が。 これは最近出始めた寝取られシリーズ俺色に染めた!、だ!」
ヴィジホン>アナタガタハダレデスカ、イヤッ! ヤメテクダサイ、ヒトヲヨビマスヨッ!
「マイマスタぁ、消しましょうよぉ・・・。 怯えてる表情とか、演技に
見えなくて見るに忍びないんですよぉ・・・」
「この迫真の演技がいいんだろうが! だから、貴様は馬鹿なのだぁ!」
やがて一旦画面が室内を見回すようになって再度切り替わる。
ヴィジホン>ホレミロ、カラダハショウジキジャネェカ? アア? アアッ、ヤメナイデェ…
「おおおうっ! ふう。 この俺色への染めっぷりがたまらんぜ・・・」
「マイマスター、私がこんな風に染められちゃってもいいんですかぁ・・・?」
「それは無い。 何故なら、この俺様色にすら染まってないから他の色に
染められるという事は無いっ! まあ、染める気が無いだけなんだけどな」
「なら、マスター色に染めて下さいよぉ」
「何だ、お前? PMデバイス43Xシリーズでも欲しいのか?」
「うう。 結局そうなるんですかぁ、マイマスタぁ・・・」
239 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 02:37:38.69 ID:+F+umKDx
ストミしつつ支援
240 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 03:08:58.23 ID:+F+umKDx
うわあ俺ってやつは・・・