390 名前:パパと412作者[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 23:17:45.42
ID:LERrHIjs
やっと念願のラッピーのキグルミを手に入れたので、何となく書いてみたが…コロニーが大騒ぎになってしまった。
後悔はしていないが、反省はしている。
うちのロザリオにネタ物を与えて勝手に動いてもらうと、とんでもない事になるのがよ~く分かった。もう二度とやるまい。
どんな事態かは、この先をご拝読下さいませ。
★ラッピー☆ぱにっく
1:キグルミパパ、参上!
「……………………パパ、なに、それ?」
例のファミ通ミッションから帰ってきて早々ドレッシングルームへ入り、出てきたのは…
巨大なラッピーのキグルミを着たパパ。
「何って、例のミッションを好成績でクリアした景品、なんだけど………変か?」
「いや、変と言いますか何と言いますか………」
何か、言語デバイスがおかしいと言うか、いつもと違う表現になりかけました。
「どんなもんだ?これ」
軽く動き回って私にキグルミを見せてくれたのですが、なんと言いましょうか。
妙にラブリィ~(ハァト)
歩き方といい、端々のアクションといい、なんか、こう……
「か、カワイイィ~~!!!」
ぽふっ!
「うお、なんだ、何処に飛びついてる?!」
「ふわふわのもこもこ~♪」
「おいこら、ちょっとまてぇぇぇ」
コテン、じたばた。
あ、転んじゃった。
転んでしまったパパを起こそうと、もがいているパパから離れたのですが…
「や~ん、カ・ワ・イ・イ~!」
パパが救援を求めてましたが、じたばたしているその姿がかわいくて、起こすのを忘れて楽しんでしまいました。
やっと自力で起きたパパは、深夜にもかかわらす再び出かけてしまいました。
キグルミラッピーの姿のままで。
夜明け近くになって帰ってきたパパ。
あの後、更にBランクまでクリアしてきたと言って寝てしまいました。
キグルミラッピーの姿のままで。
SSをこっそり覗いたら、他のキグルミ姿のキャストさんと一緒にクラブで歌い踊っていました。
なんだか、とても気に入っているようです。
ですが、流石に寝苦しいらしく、ベッドから転げ落ちてます。
「…しょうがないな、もう」
パパのナノトランサーを起動して、起こさないようにキグルミを脱がせると、パパに毛布をかけて放っておきました。
「・・・・・・・うふふふ♪」
含み笑いが止まりません。
パパはぐっすり寝ているから、まず起きません。ヴァーラの居ぬ間になんとやら。
着てみたい!
どうしても、着てみたい!!
かわいいこのキグルミを!!
逸る心を押さえつつ、ドレッシングルームで着替えてみます。
パパの動きを真似てこっそりSSも撮りました。勿論、誰にも見せない秘蔵品が一杯あります。
うんうん、これならいけます。
「私のほうがかわいいですから!」
決まった!ポーズもバッチリです。
夕べ、パパにはどうしても言えない台詞でした。
パパの姿を見た瞬間に感じた敗北感、あのかわいさに負けたと感じた瞬間の事は、誰にも言わずに墓の中まで持っていきます、絶対。
2:火種に燃料投下
少しぶかぶかですが、動く分には支障がありません。
「さて、ルテナちゃんにでも見せようかな~」
キグルミを着たまま部屋を出て、いつもの如くパシリ大通りに出てみました。
何時もならなんでもないのですが、今日は入った瞬間に周りが殺気立ちました。
ざわり、ざわざわ…
「ちぇすと~!羽を寄越すぽこ~!!」
きゃっ、いきなり420さんのとび蹴りが来ました!
避けると、後ろにはハンゾウを大上段に構えた410さん。
「ご主人様の為に、あなたを倒して羽を頂きます!!」
ぎりぎり避けられましたが、それを合図に一斉に攻撃が始まりました。
もう、ひどい有様です。
銃弾は飛び交い、スキルが荒れ狂い、テクが間髪なく発動します。
私はと言うと、すぐさま手近な階段に飛び込み、住んでる部屋までまっしぐらに走りました。
後ろから、何十体ものパシリたちが追いかけてきます。
ズババババババン!!バババン!!
銃弾とテクが私を追撃してきます。
『まて~!!!!!』マテ~、マテ~
「私はラッピーじゃなくて、パシリですよぅ~!!」
大声でそう言いましたが、走りながら言ったのではちゃんと聞こえてないようです。
ズババババババン!!バババン!!
『羽よこせぇ~!!!!』ヨコセ~、ヨコセ~
「コロニー内での発砲と抜刀は厳禁ですよ~!!」
言った所で聞こえてませんが、言わずにいられません。
ほとんどアクロバットな動きで通路を駆け抜け、やっと部屋に着きました。
ぷしぷし~、ピピピピ!
ドアにロックをかけましたが、時間の問題でしょう。
「急げ急げ!」
ドレッシングルームへ飛び込み、大急ぎでいつもの服に着替えてカウンターの裏に隠れました。
勿論、パパにちゃんとキグルミを着せる事も忘れません。
ズガガン!!!バン!!
扉は強引に破壊され、押し倒されました。
『ラッピーはどこだぁ!!』ダァ、ダァ、ダァ
ダダダダダッ!
なだれ込んできたパシリたちが、隣の部屋で寝ているパパを見つけました。
「いた~!」
「やっちゃえ!」
ウオオオオオオオオオオオオ!!
ピンポンパンポ~ン♪
この先は残酷描写につき、表現を自粛させてもらいます。
3:戦い終わって日が替わり…
「この有様は一体、なんなんだ?」
丸一日以上寝ていたパパが、起き抜けの開口一番にそう言いました。
部屋の中には身動き取れないほどの負傷パシリ達が沢山、内装はぼろぼろ、窓には非常シャッターが降りていて、無傷なのはパパとカウンターの影にいた私や裏側の商品だけといった有様なのですから、当然の発言です。
え?どうしてこうなったかって?
簡単に言うと、後方から来てキグルミ姿のパパを見つけたパシリ達が問答無用で銃やらテクやらを発射して、それがパパに当たらずに最前列にいたパシリ達に命中して壊滅、更に後ろから来たパシリ達がその前に来ていたパシリ達に当てちゃって壊滅、という連鎖が起こって、最終組は逃げ散っちゃったという訳です。
廊下にまであふれている負傷パシリ達を掻き分けてやっと保安部の人達がこの部屋に到着したのは、パパが目を覚ましてからすぐの事でした。
パシリたちの事情徴収は後回しにされ、彼女らの救護が優先されました。
私達のはす向かいに住んでいるガーディアンズさん――通称、恐怖のDrキャス子さん――も手伝いに来てくれましたが、彼女の通称の由来を見てしまった今としては、その敏腕ぶりをここで語りたくはありません。
―――ガーディアンズコロニー、総裁執務室にて―――
「…はっはっはっは…ほうほう…くっくっくっく…」
結局、大騒ぎになりすぎて、総裁に呼び出されてしまった私とパパ。
総裁室で、監視カメラに写っている映像を一部始終見せられましたが、ダルガン総裁は終始笑っていました。
だって、私の着替え中以外は全部写っていたんですよ、ポーズとってた所まで音声付で。
コメディ番組なら笑えますが、自分の事ですから、恥ずかしくって仕方ありません。
パパを監視している諜報部の誰かが私の事を面白がって追跡していたらしく、お陰で証言を裏付ける手間が省けたのですが…
「『×』を五個追加」と、ぼそっと呟くパパ。
わ~ん、パパが怒ってる…
総裁が口を開きました。
「さて、この事態については把握した。
まあ、攻撃したパシリたちにも非があるが、キグルミを着て出歩いた君も悪いと言えるし、それを監督する責がある主人の君も手落ちであるとも言え、今回の事態を予測していなかった本部側にも問題があると言える。
よって、今回の件については、騒ぎを起こした張本パシリ達に軽い罰を受けてもらうという事で済ませようと思う。
何か、質問はあるかな?」
「総裁、その罰の内容をお聞きしてよろしいでしょうか」と、パパ。
総裁がパパを手招きして、何かを耳打ちしています。
微妙な表情を浮かべて、困った様子のパパ。
「…それは倫理的に問題があるのでは?」
「なに、これもいい経験だろう」
4:イタイイタイ罰
後で聞かされたその罰を、重いと見るか軽いと見るか、判断は当パシリ達にしてもらうとして…
私からのお願い。
ラッピーが出ても、見逃してあげて。あのかわいいラッピー達を攻撃しないで。
これ以上は言えない、言ったら検閲が入っちゃうから。
ううっ…お願い……攻撃だけは……
(『出番ですよ、412ちゃん』)
アッー、パパだ、やめて、やめ、や、いたいたいたいたいたいたいたい………
―――話は終わるが、今月一杯続く―――
※平成19年6月のファミ通カップをネタとしています。