「スレ22log5」(2011/07/10 (日) 00:26:17) の最新版変更点
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<p> 481 自分:とあるGH422の日常 その重き荷 1/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/01/20(木) 21:11:40
ID:8dTRXH8M [1/5]</p>
<div> ―――前回からの続き―――</div>
<div> </div>
<div>「とにかく、ご主人様を呼びます!」</div>
<div>「え、ちょ、待てっ!」</div>
<div> とっさに私の腕を押さえ込んだビス男さんですが、パシリである私には、ある意味無駄な行為です。</div>
<div>「腕を押さえても無駄です――たった今、メールしました、直ぐに飛んできますよ」</div>
<div>「ちっ」</div>
<div> 舌打ちと同時に私の腕を離し、一瞬で私の視界から居なくなりました。</div>
<div> ですが。</div>
<div>「はいはい、静かにしてね~」</div>
<div>
私には追いきれなかった動きが見えていたらしく、私の斜め後ろに居たニュマ子さんはビス男さんを後ろ手に捕って、動きをがっちりと抑えています。</div>
<div>「あだだだだっ、ブレイク、ぶれいくっ」</div>
<div>「逃げ出すのは、あたしの仕事が済んでからにしてね~」</div>
<div>
背景に『┠゛┠゛┠゛ドドドドドドドド……』と擬音が表示されてそうな気配を漂わせてにっこりと微笑むニュマ子さんに、ビス男さんが固まりました。</div>
<div> と、そこへ、ご主人様が駆け込んできました。</div>
<div>「思ったよりも、早かったじゃない。</div>
<div> んじゃ、あんたの幼馴染をプレゼント♪」</div>
<div> ニュマ子さんは、走って来たご主人様のほうへと軽くビス男さんを押し出しました。</div>
<div> 二、三歩たたらを踏んだビス男さんは、急停止したご主人様に軽くぶつかって止まりました。</div>
<div>「ご、ごめんビス子」</div>
<div> 謝罪の言葉も耳に入らないのか、目を見開き、呆然とビス男さんを見上げるご主人様。</div>
<div> すると、さっき私を見下ろした時と同じ、困った表情を浮かべたビス男さん。</div>
<div>「えっと……ビス子?」</div>
<div> ビス男さんが疑問形で声を掛けると、ご主人様の目から涙がポロリと零れ落ち――</div>
<div>「――ふぅ」</div>
<div> 溜息のような声を漏らして、膝から崩れるように倒れてしまったのです。</div>
<div> ビス男さんが咄嗟に抱き留めたので怪我はしなかったのですが、この時、ご主人様は完全に気絶していました。</div>
<div> </div>
<div>482 自分:とあるGH422の日常 その重き荷 2/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/01/20(木) 21:12:18
ID:8dTRXH8M [2/5]</div>
<div> </div>
<div> ―――リトルウィング、メディカルルーム―――</div>
<div> </div>
<div> 消毒薬の臭いが立ち込めるベッドに横たわったご主人様は、点滴を受けています。</div>
<div> 意識は、まだ戻っていません。</div>
<div>
診察してくれたお医者さんは、「肉体に異常は無く、倒れたのは過労と心労が重なって、何らかの要因で緊張の糸が切れたからだろう」と、話してくれました。</div>
<div> 過労は普段の仕事に加えてビス男さんを探していた所為だし、心労はそれこそビス男さんの所為、つまり、今回の原因は全部ビス男さん。</div>
<div> 本人も自覚していたようで、それを気にして看病に残ろうとしていたのですが、私はそれを丁重にお断りしました。</div>
<div> 最後まで未練たらたらでしたが、最終的には「時間が押してる」と言って、ニュマ子さんが暴れるビス男さんの襟首を掴んで引きずっていきました。</div>
<div> 尤も、あの調子だと、相方のパシリが決まればすっ飛んで来そうですが。</div>
<div> それにしても……</div>
<div> </div>
<div>「ご主人様、大丈夫かな……」</div>
<div> 思わず呟きが洩れます。</div>
<div> </div>
<div> ここ最近の疲労度合いを考えれば、本当は休暇を取って貰いたいのですけど、状況がそれを許してくれません。</div>
<div> だけど、私がいくら美味しくて栄養のある食事を用意しても、安眠出来るように環境を整えても、これ以上はどうしようも出来ません。</div>
<div> ご主人様に仕事を休んでもらう他は、どうしようも……</div>
<div> </div>
<div>「……ん……」</div>
<div> 自分の考えに沈みかけていた意識が、ご主人様の小さな声に反応して引き戻されました。</div>
<div> ご主人様は薄目を開き、ぼんやりとした表情を浮かべ、のろり、と顔を私の方へと向けました。</div>
<div>「……ここは……」</div>
<div>「ご主人様、目が覚めましたか?</div>
<div> 気分はいかがですか?」</div>
<div>「なんかあたま、まだぼーっとしてるけど……ごしゅじんさま……?……それって、あたいのこと?」</div>
<div>「そうですよ、何を寝ぼけて――」</div>
<div> 私の言葉を遮る様にベッドの上へぴょこたんと起き上がったご主人様は、とんでもない言葉を口にしたのです。</div>
<div> </div>
<div>「あんた……だれ?」</div>
<div> </div>
<div>483 自分:とあるGH422の日常 その重き荷 3/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/01/20(木) 21:13:09
ID:8dTRXH8M [3/5]</div>
<div> しばし呆然としてしまった私ですが、近くを通りかかった看護士を捉まえて状況を説明し、お医者さんを呼んでもらいました。</div>
<div> そして、お医者さんの姿を見た途端に逃げ出そうとするご主人様を何とか宥め、もう一度診察してもらいました。</div>
<div> その後、もう暫く休んでもらう為にご主人様を数少ない病室に連れて行き、看護士さんに後を任せて診察室へ戻りました。</div>
<div> するとそこには、さっきのお医者さんがピンクを基調とした服装に金髪左サイドポニテ姿の少女を呼び出して、カルテを見せていました。</div>
<div>「ん~……」</div>
<div>「どう思う、エミリア?」と、お医者さん。</div>
<div>「あたしも専門家じゃないから、そんなに詳しくないけど……</div>
<div> この症状に合致する過去の症例から考えれば、あたしも逆行性健忘症で間違いないと思う」</div>
<div> エミリアと呼ばれた少女は私に気づいていないらしく、自分の診断結果を口にしました。</div>
<div>「あの……逆行って、まさか……ご主人様は……」</div>
<div>「そうそう、あんたのご主人様は、って、げっ、あんた居たの?!」</div>
<div> 大失敗した、と、私を見た顔が言っていました。</div>
<div>「たった今、来たところですが……それよりも、ご主人様は……記憶が……」</div>
<div>「ふぅ……聞いちゃったなら、隠してもしょうがないか。</div>
<div> そ、あんたのご主人様はまず間違いなく逆行性健忘症――記憶喪失になってる。</div>
<div> 喋り方、語彙への反応、知識なんかから類推すると、5歳から6歳くらいに頭の中が戻ってるって考えていいと思う、って聞いてる~?」</div>
<div> 診断結果に呆然としている私の顔の前で手を振って、反応を確認する彼女。</div>
<div>「……え? あ、はい、聞いてます、けど……」</div>
<div>「信じられないだろうし、信じたくないだろうけど、これはほぼ間違いないはず。</div>
<div> とにかく、まずは体力を回復させて、それからのんびりと記憶の回復を待ったほうがいいよ。</div>
<div> 記憶を失った時と同等のショックなんて、そう滅多にあるもんじゃないし、身体にも結構な負担かかるからね」</div>
<div>「じ、じゃあ、一生このままって事に」</div>
<div>「大丈夫、絶対元に戻るって。</div>
<div> 経験者の言う事が信じられない?」</div>
<div> 彼女はそう言って笑みを浮かべると、私の肩に手を置いてウィンクしたのでした。</div>
<div> </div>
<div>484 自分:とあるGH422の日常 その重き荷 4/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/01/20(木) 21:13:54
ID:8dTRXH8M [4/5]</div>
<div> ご主人様の診断結果は出たものの、この先をどうすれば良いのか分からず、途方に暮れた私は、指示を仰ぐために本部へ現状報告しました。</div>
<div> すると、程なくして連絡が来ました。しかも、総裁じきじきに、です。</div>
<div>
『そっちの状況は分かったけど、よりによって記憶喪失とはね……とりあえず、頭の中が子供な状況で武器を振り回されても困るから、ビス子のガーディアンズシステムを仮凍結して、お前共々暫く休職処分にするよ。</div>
<div> もし必要になったら、解除コードを本部に請求するように。</div>
<div>
それと、その状態で下手に動かれるとこっちも困るから、当面の居場所としてクラッド6の保養施設をこっちで手配しておく。お前が付き添って、そこでビス子を養生させるんだ、いいね?』</div>
<div>「ありがとうございます、総裁」</div>
<div>『礼なんて良いよ、どうせ費用はお前達の給料から天引きだからね』</div>
<div>「ちょっ、総裁!」</div>
<div>『冗談だよ、冗談。労災が利くように手を回しとくから、後で手続きを忘れるんじゃないよ?』</div>
<div>「はい。では失礼します――ふぅ」</div>
<div> 通信を切り、溜息をつきます。</div>
<div>「ねー422、おはなしおわった?」</div>
<div> ビス男さんとボールで遊んでいたご主人様は、私の通信が終わったと分かると、私に抱きついてきました。</div>
<div> </div>
<div>
不思議な事に、記憶が子供の頃に戻ってるはずのご主人様は、目覚めて暫くの間こそ混乱していたものの、私や大人の姿のビス男さんの事について、説明しなくてもしっかりと理解していました。</div>
<div> あくまで私の推測ですが、子供時代へ記憶を巻き戻した時に、一部の記憶を選択して残したのでしょう。</div>
<div> </div>
<div>「ご主人様、ビス男さんとボール遊びしてたのでは?」</div>
<div>「だって、あたいもびすおも、おなかすいたんだもん!」</div>
<div> ビス男さんは、ご主人様が放り出したボールを目で追うことなくキャッチするのと同時に、苦笑しながら「そうだね」と、同意します。</div>
<div>「分かりました。それでは、ここから移動しましょう。</div>
<div> 宿泊施設に着いたら、私が美味しいご飯を作りますね」</div>
<div>「わーい、422のおいしいごはんがたべられる~♪ つくらなくていいなんて、ひさしぶり~」</div>
<div> 巻き戻った記憶は5~6歳の頃だろうってエミリアさんが言ってましたけど、ご主人様って、そんな小さな頃から家事してたのですか……</div>
<div>「422、あたい、おにくいっぱいのスパイシアたべたぁい! それとねぇ――」</div>
<div> </div>
<div> 堰を切ったように、自分の食べたい物を挙げていくご主人様。</div>
<div> 私はそれに相槌を打ちながら、この状況が夢であって欲しいと、切に願うばかりでした。</div>
<div> </div>
<div> ―――続く―――</div>
<div> </div>
<div>485 自分:名無しオンライン[パパと412 sage] 投稿日:2011/01/20(木) 21:14:47 ID:8dTRXH8M
[5/5]</div>
<div>投下完了です</div>
<div>422「あの……作者、ご主人様は回復しますよね?」</div>
<div>さぁ、どうでしょう?</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>468</div>
<div>俺に4コマを描け、と?</div>
<div>それこそ、描けないから書いてるんだが……</div>
<div> </div>
<div>>>469</div>
<div>彼らが知る限り、現存している『虎の穴』は他にありません</div>
<div>それと、素直じゃないのは、実はビス男のほうだったりするんですが</div>
<div> </div>
<div>>>474</div>
<div>無理を通せば道理が(ry</div>
<div>まぁ、分かっていたので、別に今更ですw</div>
<div>……次、どうしよw</div>
<div> </div>
<div>486 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/01/29(土) 23:36:20 ID:dd2fgvln</div>
<div>規制解けたかな~</div>
<div> </div>
<div>>>485</div>
<div>投稿乙です!</div>
<div>感動の再開と思いきや・・・</div>
<div> </div>
<div>>「あんた……だれ?」</div>
<div>ってちょwww記憶喪失かよ!</div>
<div> </div>
<div>>記憶を失った時と同等のショックなんて、そう滅多にあるもんじゃないし、身体にも結構な負担かかるからね</div>
<div>つまり、頭に一撃加えればいいんですね。分かります。</div>
<div>GH490「記憶喪失なら任せろ~(アンク・ピッコ担いで)」</div>
<div>GH422「やめて」</div>
<div> </div>
<div>>次のタイトル</div>
<div>ほら、ビス子とビス男だしさ、「獣(じゅう)+何か悲惨な文字」でどうだろう?</div>
<div> </div>
<div>487 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/02(水) 17:06:46 ID:bs22LAmc</div>
<div>180日ルールで3月上旬に落ちるのかな?</div>
<div> </div>
<div>488 自分:とあるGH422の日常 その獣惨 1/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/02(水) 23:39:38
ID:knbnfs4V [1/5]</div>
<div> どうも、元だらしない改め記憶喪失(現在進行形)ビス子の422です。</div>
<div> </div>
<div> ご主人様の記憶は、相変わらず回復していません。</div>
<div> していないどころか……</div>
<div> </div>
<div>「がおーっ!!」</div>
<div>「シギャーッ!!」</div>
<div> </div>
<div> ご主人様は、ギール・ゾーク(いつぞやのエビモドキ(仮)の変異成体だそうです)と怪獣大決戦中です。</div>
<div> どこが怪獣かというと、アガタ・ヴァルにナノブラストした上で暴走状態のご主人様を怪獣と呼ばずして(ry</div>
<div>
私は、その黒く禍々しい姿に恐怖心を覚えながらも、逃げ出したいのを我慢して、ビス男さんとその相方であるGH410と共に成り行きを見守っています。</div>
<div> 双方とも、これでもか、と言わんばかりの見事な暴れっぷりなのですが……</div>
<div> </div>
<div>「本当に……どうしたものでしょう……」</div>
<div>「どうもこうも無いよ、暴走が終わるまで、絶対に手を出しちゃダメだからね」</div>
<div> 私と410をかばう位置に立って事の成り行きを見守っているビス男さんが、私に忠告します。</div>
<div>「どうしてですか?」</div>
<div>「……喰われるから」</div>
<div> 苦虫を噛み潰したかのような顔を一瞬浮かべ、ビス男さんがぼそりと告げました。</div>
<div>「は?」</div>
<div>「隙があれば、誰彼かまわず問答無用で急所目掛けて噛み付く。</div>
<div> 今のビス子は、本能のおもむくまま動く、食欲全開モードって言ってもいい状態なんだ。</div>
<div> 子供の頃、ああなった彼女が、野生のジシャガラの首の急所を噛み千切って倒した挙句、丸々一匹平らげたのを見た事がある」</div>
<div> 真剣な顔で言うビス男さんの頬を、一筋の汗が流れ落ちます。</div>
<div>「あの状態の彼女を止めに入った僕も齧られて、散々な目にあったんだよ。</div>
<div> しかし、どうして……」</div>
<div> 言葉尻を濁し、じっとご主人様を見るビス男さん。</div>
<div> 私は、それ以上何も言えなくなってしまい、ご主人様が落ち着くのを待つ事にしました。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>489 自分:とあるGH422の日常 その獣惨 2/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/02(水) 23:40:14
ID:knbnfs4V [2/5]</div>
<div> そもそも、どうしてこんな事になったのかと言うと……</div>
<div> </div>
<div>「ビス子、離してくれないと、僕は非常に困るんだけど」</div>
<div>「やだよ~、あたいとあそぼうよ~」</div>
<div> </div>
<div> リゾートエリアのコテージを仮の住まいにしてからというもの、毎日毎日、ご主人様はビス男さんにべったりなんです。</div>
<div> どれくらいべったりかというと、ビス男さんが仕事にならない位――というのも控えめなほどで……</div>
<div>「折角の休暇というなら、狭いご主人様の部屋に入り浸らないで、コテージでゆっくりすればいいのに」</div>
<div> 起動してさして間もないビス男さんのGH410が、もって回った言い回しでいやみを言うほど、なのです。</div>
<div>「私も散々言っているのですが……はふぅ……」</div>
<div> 溜息をついた私は、キーボードを操作する手を止めました。</div>
<div>
ここ数日、ビス男さん&彼から離れようとしないご主人様と共にリトルウィングのミッションカウンターまでやってきては、ご主人様が居ても問題無さそうな仕事を探して――</div>
<div>「――って、そんな都合のいい仕事がある訳無いじゃないですかーっ!」</div>
<div> 他の社員さんが居ないとはいえ、私はつい、頭を掻き毟りながら絶叫してしまいました。</div>
<div>「それがあるんだけど」</div>
<div> 唐突に声を掛けられた私達は、背後に振り返りました。</div>
<div>「あ、社長」「社長さん」</div>
<div>「私の事はウルスラでいいわよ。</div>
<div> それはそれとして、本社から新作VRデータのテストプレイが、うちへの依頼として回されてきたの。</div>
<div> こっちで確認した内容によれば、彼女がいても問題無い仕事だし、ただのテストにしては報酬が破格なんだけど……どう、やってみる?」</div>
<div> それを聞いて、ビス男さんは二つ返事で了承しました。</div>
<div> 後で聞いたのですが、例えどんな仕事だとしても、受けないとメセタが心もとない状況だったとか。</div>
<div> </div>
<div> それはさておき。</div>
<div> </div>
<div>
リゾートエリアのVRシステムがテストの為に一時閉鎖され、ビス男さんとご主人様、そして410と私の4人が、水着姿で参加する事になりました。</div>
<div> 新作データはパカラバナ海岸を模した海辺のもので、桟橋や多目的大型フロートフィールドが設置されています。</div>
<div>
子供に返ってしまっているご主人様は、目の前の光景にすっかり興奮して、ビス男さんや私の制止を振り切って、フロートフィールドへと猛ダッシュ。</div>
<div> あわてて追いかけた私達が、何とかフロートフィールドに乗ったばかりのご主人様に追いついた時――</div>
<div> </div>
<div>490 自分:とあるGH422の日常 その獣惨 3/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/02(水) 23:40:46
ID:knbnfs4V [3/5]</div>
<div> Beep! Beep! Beep!……</div>
<div> </div>
<div>「な、何だ?!」「え?」「なぁに?」「……?」</div>
<div> ご主人様以外の私達が何事かと身構えていると、ウルスラさんから通信が入りました。</div>
<div>『現地からスキャンしてきたデータに、モンスターのデータが紛れていたの。</div>
<div> 今、停止させる為にデータ分離を試みているんだけど……え?そう、分かったわ』</div>
<div>「どうかしたんですか?」と、ビス男さんが尋ねます。</div>
<div>『停止させるには、そのモンスターを倒すしかな――』</div>
<div> </div>
<div> どばっしゃーん、シギャーッ!</div>
<div> </div>
<div> 説明の途中で、件のモンスターが海中からフロートフィールドへ飛び乗ってきて、私達に威嚇してきました。</div>
<div>「……おいしそう」</div>
<div>
そう言って舌なめずりしたご主人様は、私達が止めるよりも早く、全高800Rpはあろうかというそのモンスター――ギール・ゾークへと突っ込んでいきました。</div>
<div> </div>
<div> バトルシステムを何も装備しない状態で。</div>
<div> </div>
<div>「ちょっ、ご主人様っ!!」</div>
<div>「おいしくたべられろーっ!」</div>
<div>
無茶苦茶な事を叫んだご主人様がモンスターの頭にパンチを叩き込むと、ギール・ゾークは怯んだ様子も無く、それこそ邪魔だとばかりに鋏状の前足でご主人様を吹き飛ばしたのです。</div>
<div>「ご主人様っ!」</div>
<div>「いててて……うーっ、よくも、よくもっ、やってくれたなぁあああ!!」</div>
<div> ここからでも怒り心頭というのがよく分かる表情を浮かべ、ご主人様は黒い姿のアガタ・ヴァルにナノブラストしたのです。</div>
<div>「422」</div>
<div>「は、はい? 唐突に何ですか、ビス男さん」</div>
<div>「ビス子のブラストバッヂは?」</div>
<div>「ガーディアンズシステムを一時凍結した際に、念のために外してもらったので……あれ?どうしてナノブラスト出来るの?」</div>
<div> それを聞いたビス男さんは、深くて重い溜息を一つして、「……僕、しーらない」と呟いたのでした。</div>
<div> そして、冒頭シーンとなる訳です。</div>
<div> </div>
<div>491 自分:とあるGH422の日常 その獣惨 4/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/02(水) 23:41:13
ID:knbnfs4V [4/5]</div>
<div>「んまい。もう一本ちょうだい、422」</div>
<div> VRシステムとはいえ、生成された物体は、条件によっては実物として残りますので、調理すればこのように食べる事も可能……</div>
<div>「……って、どーして私があれの脚を調理しているんですか?」</div>
<div>
コテージに持ち込まれた戦利品――暴走状態のご主人様が引きちぎった、数本のギール・ゾークの脚――のいくつかは、既にご主人様とビス男さん、そして私と410の目の前で網焼きにされて、4人のお腹の中に消えています。</div>
<div>「だって、ここに居る間は422がご飯の用意をしてくれるんでしょ?」</div>
<div> 脚の間接部分をへし折って中身を取り出しながら、当然とばかりに言うご主人様。</div>
<div>
「あたいがやってもいいけど、ガーディアンズシステム凍結されてるんじゃ、あのでかぶつを解体する為の武器も出せないし――ゲップ、ご馳走様でした」</div>
<div> 解体って……あれ、全部持って帰って食べる気だったんですか、ご主人様は……</div>
<div>「お、お粗末さまでした……ところで、ご主人様――」</div>
<div>「分かってる。ゴメン、あんたにまた心配かけちゃったね、422」</div>
<div> 理由ははっきりしませんが、記憶喪失が直ったようです。 </div>
<div>「まったくもぅ、毎度毎度……最近、また分解炉が不調になって来てるんですから、私の事も少しは考えて下さいよ。</div>
<div> それはそれとして、ブラストバッヂ無しでどうしてナノブラスト出来るんですか?」</div>
<div>「それは僕から説明するよ」</div>
<div> そう切り出して、口元を手でぬぐったビス男さんが、詳しく説明してくれました。</div>
<div>
要約すると、ビーストは本来、バッヂ無しでナノブラスト出来るそうですが、現在のビースト達は必要性が殆ど無くなった所為で意図的に発動させる能力が低下しているそうです。</div>
<div>
その補助として作られたのが刺青式のナノブラスト起動プログラムなのですが、ご主人様達(というか、あの村の住人全員)の場合は無くても出来るうえに、理性の箍が外れると暴走する可能性があるので、その抑制の為につけているとの事でした。</div>
<div>「……という訳なのさ。</div>
<div> ブラストバッチが無かったのも原因だろうけど、今回の暴走はおそらく、ビス子の記憶喪失が影響したんだろうね」</div>
<div>「とにかく、これでビス子様もガーディアンズに復帰ですね」</div>
<div> 晴れ晴れとした表情を浮かべた410は、安堵の雰囲気をたっぷりと言葉に込めて言いました。</div>
<div> まぁ、ここ暫くは迷惑掛けっぱなしでしたから、返す言葉も無いんですけど……</div>
<div> それを聞いたビス男さんは、何やら難しい顔になった後、小さく頷きました。</div>
<div>「……ビス子」</div>
<div>「ん~?」</div>
<div> ビス男さんは、隣できょとんとしたご主人様の肩に腕を回して、そっと引き寄せ――</div>
<div>「――そういう事は、あたしの目の届かないところでお願いします」</div>
<div> 410は怒った顔で二人の間に割って入り、二人を引き離したのでした。</div>
<div> </div>
<div> ―――終わり―――</div>
<div> </div>
<div>492 自分:名無しオンライン[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/02(水) 23:45:50 ID:knbnfs4V
[5/5]</div>
<div>投下完了です</div>
<div>422の心配をよそに、あっさりと記憶喪失が直ったビス子</div>
<div>今回の件で再び分解炉が怪しくなってきた422ですが、この先は平穏に過ごせるのでしょうか</div>
<div>422「まるで平穏に過ごせないのが確定みたいに聞こえるんですけど……」</div>
<div> </div>
<div>>>486</div>
<div>>「獣(じゅう)+何か悲惨な文字」でどうだろう?</div>
<div>採用w 今後は適当に当て字で行きますw</div>
<div> </div>
<div>>>487</div>
<div>可能性は有るけど、ちゃんと機能しなかったりして</div>
<div> </div>
<div>493 名前:節分 前編 1/4[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 21:37:23 ID:uMnFISN8 [1/12]</div>
<div> ガーディアンズの仕事といえば、何を思い浮かべるだろうか?</div>
<div> </div>
<div> 危険な原生生物や残留SEEDの駆除?確かに、重要な仕事だ。</div>
<div> 要人の護衛?これも一部の優秀なガーディアンが請け負うことがある。</div>
<div> VRシステムのテスト?シミュレータとはいえ危険が伴うため、これもガーディアンに依頼されることが多い。</div>
<div> </div>
<div> しかし、ガーディアンズに寄せられる依頼は、必ずしもこのように派手なものばかりではない。</div>
<div> かの英雄、イーサン・ウェーバーも入隊直後は逃げ出したペットの捜索をさせられては不満をこぼしていたほどだ。</div>
<div> </div>
<div> とある傭兵は語る。「依頼に貴賎はない」と。</div>
<div> 本当に困っている人がいるから、その依頼が存在するのだ。</div>
<div> </div>
<div> しかし──</div>
<div> </div>
<div>「PM同伴限定、なんて珍しいと思ったけど」</div>
<div> </div>
<div> 皆が皆、そのように考えられるわけではない。</div>
<div> </div>
<div>「まさか子供の相手とはねぇ……」</div>
<div> </div>
<div> 来客用のソファに座ったGH-450が、ため息を吐いた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>494 名前:節分 前編 2/4[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 21:37:58 ID:uMnFISN8 [2/12]</div>
<div> ここは様々な種族の子供が集い、勉強や運動をし、集団生活の訓練をする──いわゆる保育園だ。</div>
<div> 先程ぼやいた450が今いる場所は来客用の応接室となっている。</div>
<div> </div>
<div>「同伴できるなら、私はなんでもいいけど」</div>
<div> </div>
<div> 450の隣に座っている、GH-440が帽子を触りながら呟いた。彼女も450と同じく、今回の依頼の参加者だ。</div>
<div> 素っ気無く呟いた440を見て、450はにやっと笑った。</div>
<div> </div>
<div>「そんなに一緒にいたいなんて、帽子ちゃんはホントにご主人様が大好きだねえ」</div>
<div>「なっ……!」</div>
<div> </div>
<div> 440は顔を赤らめて450を睨んだが、否定しないあたりは図星ということか。</div>
<div> </div>
<div>「……あれ、そういやデコは?」</div>
<div>「さっきまでその辺走り回ってたけど、そういえば静かだね」</div>
<div> </div>
<div> 参加者は彼女達だけではない。もう一人一緒に来た者がいるのだ。</div>
<div> 440が辺りを見回したあと、机の下を覗き込んで、呆れた顔になった。</div>
<div> </div>
<div>「いた。机の下」</div>
<div>「アンタどこで寝てんの!?風邪ひくよ!?」</div>
<div> </div>
<div> 机の下では遊びつかれたのか、GH-410が大の字になって眠っていた。</div>
<div> </div>
<div>「起きなさいって、ちょっと」</div>
<div>「んんぅ……」</div>
<div> </div>
<div> 450が小突くが、起きる気配はない。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>495 名前:節分 前編 3/4[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 21:38:27 ID:uMnFISN8 [3/12]</div>
<div>「全く、もう……」</div>
<div> </div>
<div> 仕方なく450が両腕を抱えて引っ張り出そうとしたその時、入り口のドアが開いた。</div>
<div> </div>
<div>「すまん、待たせたな」</div>
<div> </div>
<div> 入ってきたのは長身のヒューマンの女性だった。その声を聞いた途端、410は目をぱっちりと開いて起き上がり──</div>
<div> </div>
<div>「うごッ!?」</div>
<div> </div>
<div> 450の顎に激突した。</div>
<div> </div>
<div>「何してんだお前……」</div>
<div>「こっちが……聞きたいよ……ッ!」</div>
<div> </div>
<div> 顎を抑えて悶絶する450と頭を抱えてうずくまる410を見て女性は一瞬呆れたが、</div>
<div>すぐに気を取り直してナノトランサーからある物を取り出した。</div>
<div> </div>
<div>「ほら、これ一枚ずつな」</div>
<div>「……何ですか、これ」</div>
<div> </div>
<div> 渡された物を見て、440がジト目で女性を見ながら言った。</div>
<div> </div>
<div>「なにって、鬼のお面だよ」</div>
<div>「いや、それは見ればわかりますが。今回の依頼と関係があるんですか?」</div>
<div>「あ~そうか、依頼内容詳しく話してなかったっけ」</div>
<div>「園児達の相手をする、と聞いていますが」</div>
<div> </div>
<div>「まあ間違っちゃいないんだがな、今日やるのは節分の豆まきだ」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>496 名前:節分 前編 3/4[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 21:38:49 ID:uMnFISN8 [4/12]</div>
<div>「豆まき……ですか」</div>
<div>「ああ。俺達が鬼役をして、子供達が豆をまいて追い払うってわけだ。本当は保育士の先生方がやるらしいんだが、</div>
<div> 風邪で何人か休んでるらしくてな。人手が足りないらしい」</div>
<div>「なるほど……それでPM同伴が条件だったと」</div>
<div>「そういうことだ。あと豆まきしたあと恵方巻き食べるらしくてな、あいつらはそっちの手伝いに行ってる」</div>
<div> </div>
<div> あいつら、とは440と450の主人達のことだ。</div>
<div> </div>
<div>「ああそうそう、俺達も一緒に食っていいそうだ」</div>
<div>「私たちも……」</div>
<div> </div>
<div> 協力して作るとはいえ、手料理と言っても差し支えない。普段作る側の440にとって、主人の手料理を食べられるのは嬉しいことだ。</div>
<div> 440の頬が緩むのを目ざとく見つけた女性は、くくっと笑った。</div>
<div> </div>
<div>「楽しみだな?」</div>
<div>「っ……!」</div>
<div> </div>
<div> 440が帽子を目深に被り、赤くなった顔を隠すのを見てもう一度笑ったあと、女性はまだ悶絶している二人に声をかけた。</div>
<div> </div>
<div>「まあ、その前にお仕事だな。デコ、450、そろそろ真面目に聞けよ。打ち合わせするぞ」</div>
<div>「はいはい……っつぅぅ……まだじんじんするわ」</div>
<div>「目がばちばちってなったよ……」</div>
<div>「お前ら大丈夫かよ……まあいいや、まずはだな──」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>つづく</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>497 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 21:43:25 ID:uMnFISN8 [5/12]</div>
<div>>>496</div>
<div>ああ、最後題名ミスった・・・4/4です。</div>
<div> </div>
<div>小ネタのつもりがちょっと長くなったので一旦切ります。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>492</div>
<div>割とあっさり記憶喪失治ってよかったですが・・・また422さんが。</div>
<div>受難は続くのですね・・・</div>
<div> </div>
<div>498 名前:節分 後編 1/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:54:16 ID:uMnFISN8 [6/12]</div>
<div>「きゃーーーーっ!」</div>
<div> </div>
<div> 保育園に突然悲鳴が響き渡った。騒がしく遊んでいた園児達が動きを止めて静まり返る。</div>
<div> </div>
<div>「何だろう……ちょっと……見てくるね……」</div>
<div> </div>
<div> 園児達と一緒に遊んでいた、真っ赤な髪のビーストの少女は、そう言うと悲鳴が聞こえた方へ走っていった。</div>
<div> ──しばらくして、少女が戻ってくる。</div>
<div> </div>
<div>「大変……」</div>
<div>「どうしたのー?」「おねえちゃん、だいじょうぶ?」</div>
<div> </div>
<div> 園児達のざわめきが収まるのを待って、少女は口を開いた。</div>
<div> </div>
<div>「もう一人……私と一緒に、来てた……お姉ちゃんがいたでしょう?その人が……悪い鬼に……捕まってしまったの」</div>
<div>「ええーっ!」「こわーい!」「おにってなにー?」</div>
<div> </div>
<div>「助けにいきたいんだけど……鬼の数が多くて、私一人じゃ無理なの……みんな、手伝って……くれる?」</div>
<div>「てつだうー!」「おーっ!」</div>
<div> </div>
<div>「ありがとう……鬼は、豆が嫌いだから……鬼は外って言いながら……これをまいて……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>499 名前:節分 後編 2/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:55:02 ID:uMnFISN8 [7/12]</div>
<div>「あいつ、結構演技派だなあ」</div>
<div> </div>
<div> 長身を屈めて、物陰から様子を見ていた女性が意外そうに呟いた。</div>
<div> </div>
<div>「んじゃ、手順確認するぞ。まずお前ら三人が出て行ったあと、散開して逃げる。15分経つか、豆がなくなりそうになったら</div>
<div> ここに集合して俺が出て行く。んで最後に四人まとめて豆まかれて逃げる。いいな?」</div>
<div>「はーい!」「了解です」「らじゃ」</div>
<div> </div>
<div> 三人のPMが口々に返事をした。傍らで縄をかけられたニューマンの少女が不安そうに口を開く。先程の悲鳴は彼女のものだ。</div>
<div> </div>
<div>「あの、私はどうすれば……?」</div>
<div>「んーそうだな、一応鬼に捕まってるってことになってるから、俺が出る時に一緒に行くか。それまでは俺と二人でここで待機、だな」</div>
<div>「は……はい」</div>
<div>「二人っきりだからって、ご主人様に変なことしないでくださいよ?」</div>
<div> </div>
<div> 450が睨みつけてきて、女性が苦笑する。</div>
<div> </div>
<div>「しねぇよ、お前じゃあるまいし」</div>
<div>「あの……450、頑張ってくださいね?」</div>
<div> </div>
<div> 少女にそう言われた450が目を輝かせて返事をする。</div>
<div> </div>
<div>「お任せください!子供達の泣き顔をご覧に入れましょう!」</div>
<div>「いや、泣かせちゃだめですよ……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>500 名前:節分 後編 3/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:55:29 ID:uMnFISN8 [8/12]</div>
<div>「がおーっ!鬼だぞー!食べちゃうぞー!」</div>
<div>「うわーっ!」「お、おにはそとー!」</div>
<div> </div>
<div> 先陣を切って飛び出した410扮する子鬼に園児達が豆を投げ始める。</div>
<div> 続いて440が控えめに園児達を追いかけ、勢いよく返事したもののやる気なさげに450が走る。</div>
<div> </div>
<div>「おにはーそとー!おにはーそとーっ!」</div>
<div>「あ、ちょっ……!やめて、帽子狙わないで!」</div>
<div> </div>
<div>「うわーっ、豆だあー!にげろー!」</div>
<div>「おいかけろー!」「おにはーそとーっ!」</div>
<div> </div>
<div> 割と本気で走り回る410と440を横目に、450がため息を吐いた。</div>
<div> </div>
<div>「まあ、原生生物追いかけるよりは楽か……」</div>
<div>「おにはーそとーっ!」</div>
<div>「ぶっ!」</div>
<div> </div>
<div> 園児の投げた豆が450の顔面に炸裂した。お面越しとはいえ、割と痛い。</div>
<div> </div>
<div>「ふ……ふふふ……上等だガキ共ーっ!かかってこいやぁーっ!」</div>
<div>「うわーっ!」「きゃーっ!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>501 名前:節分 後編 4/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:55:58 ID:uMnFISN8 [9/12]</div>
<div>「そろそろ時間だな……しっかし、あいつら盛り上がってるなー」</div>
<div>「ええ……ふふっ、楽しそうです」</div>
<div>「それはいいんだが……あいつら手順忘れてそうだな」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>「ああっ……返して!帽子返してよぉ!」</div>
<div> </div>
<div>「あははははっ!鬼だぞー!あはははは!」</div>
<div> </div>
<div>「待てこらーっ!」</div>
<div> </div>
<div> 410は笑いながら走り回っているし、440は帽子を園児に取られて半泣きで取り返そうとしている。</div>
<div> 450に至っては園児達を追いかけ回している。</div>
<div> </div>
<div>「デコと440はともかく、450はなんで追いかける側なんだ……?」</div>
<div>「す、すみません……」</div>
<div>「あーいや、お前のせいじゃないんだが……まあいいや、予定変更だ。俺らも出るぞ」</div>
<div>「あ、はいっ!」</div>
<div> </div>
<div> 突然乱入してきた大きな鬼に、子供達の注目が集まった。片手にはニューマンの少女を抱えている。</div>
<div> </div>
<div>「ふははははっ!俺が鬼の親分だ!さあ、この姉ちゃんを返してほしければ俺を倒してみろ!」</div>
<div> </div>
<div> 今まで追いかけていた小鬼と違い、自分達の何倍もの身長の鬼に子供達がたじろぐ。</div>
<div> しかし一人の男の子が勇気を振り絞って豆を投げた。</div>
<div> </div>
<div>「おにはーそとーっ!」「お……おにはーそとーっ!」</div>
<div> </div>
<div> 周りの子供達も一斉に投げ始める。全員が投げているのを確認して、鬼はお面の下で笑みを浮かべた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>502 名前:節分 後編 5/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:56:22 ID:uMnFISN8
[10/12]</div>
<div>「ぐはーっ!くそう、今日はこのへんにしといてやるぜ!」</div>
<div> </div>
<div> 小脇に抱えていたニューマンの少女を地面に降ろし、鬼は一目散に逃げ出した。</div>
<div> 保育園の塀を軽々と飛び越え、あっという間に鬼は見えなくなる。</div>
<div> </div>
<div>「やったー!おにをやっつけたぞー!」「わーい!」「おねえちゃん、だいじょうぶー?」</div>
<div>「うん、みんなのお陰で助かったよ。ありがとうね」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>「……ふう、うまくいったな」</div>
<div>「あー、楽しかったぁー!」</div>
<div>「うぅ……ぐすっ……」</div>
<div>「よしよし、泣かないの」</div>
<div> </div>
<div> 四人は最初の応接室に戻ってきていた。何とか帽子を取り戻した440を450がなだめている。</div>
<div> 思い思いにくつろいでいると、ドアが開き、二人の少女がお盆を持って入ってきた。</div>
<div> </div>
<div>「お疲れ様ですー」</div>
<div>「恵方巻き……持ってきました……」</div>
<div>「おお、さんきゅ……あれ、お前らの分は?」</div>
<div>「あ、私達は子供達と一緒に……」</div>
<div>「えぇー」</div>
<div> </div>
<div> 410と450が不満の声を漏らす。440も少し残念そうだ。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>503 名前:節分 後編 6/6[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:56:45 ID:uMnFISN8
[11/12]</div>
<div>「まあしょうがねぇな、鬼が一緒に食べるわけにはいかんし。そうだ、帰ったら俺らも豆まきやるか?」</div>
<div>「あ、いいですね。じゃあ、今度は私達が鬼しましょうか」</div>
<div>「!!」</div>
<div> </div>
<div> ニューマンの少女の提案に、450が敏感に反応した。</div>
<div> その脳内に浮かんだのは、お面の代わりに虎柄のビキニを身に着けた彼女の主人の姿だった。</div>
<div> </div>
<div>「ふっ……福は内ぃーっ!」</div>
<div> </div>
<div> ぶばしゅっ</div>
<div> </div>
<div>「ひぃっ!?」</div>
<div> </div>
<div> 鼻からオイルを噴き出してひっくり返る450をまたか、といった風に皆が見る。</div>
<div> </div>
<div>「あー、こいつは看とくから、お前らは戻っとけ」</div>
<div>「す、すみません……それじゃあ」</div>
<div>「また……あとで……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>「さて、とりあえず食うか。今年は南南東だから──あっちだな」</div>
<div> </div>
<div> 幸せそうに失神している450以外の三人が南南東に向き直り、恵方巻きを手に取った。</div>
<div> </div>
<div>「食べ終わるまで喋っちゃだめだぞ。それじゃ、いただきます」</div>
<div>「いただきます」</div>
<div>「いただきまーす!」</div>
<div> </div>
<div>「うへへへ……ご主人様……虎柄ぱんつ……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> この後、豆まきでも大騒ぎになるのだが、それはもう少し後のお話。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>504 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 22:58:38 ID:uMnFISN8 [12/12]</div>
<div>以上です。連投失礼しました。日付変わる前にやりたかったので・・・</div>
<div> </div>
<div>ああ、PMと一緒に豆まきしてぇなぁ・・・</div>
<div> </div>
<div>505 返信:名無しオンライン[『GH450の人』 sage] 投稿日:2011/02/04(金) 00:25:41
ID:UsuDyhbZ</div>
<div>>>492</div>
<div>投稿乙です!記憶喪失が治ってなによりです。</div>
<div> </div>
<div>>ビス男さんは、隣できょとんとしたご主人様の肩に腕を回して、そっと引き寄せ――</div>
<div>つーか、性格が戻ったビス男、意外と大胆じゃないかw</div>
<div> </div>
<div>>422「まるで平穏に過ごせないのが確定みたいに聞こえるんですけど……」</div>
<div>まあ、サブタイトルがアレな方向だし・・・その、ご愁傷様です (-人-)</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>504</div>
<div>季節ネタ、乙です。</div>
<div>確かに節分の今日中に投稿した方がいい罠w</div>
<div> </div>
<div>ご主人とPMの関係は</div>
<div>ヒュマ子=410(デコ)</div>
<div>ビス子 =440</div>
<div>ニュマ子=450</div>
<div>って、纏めてて思ったが、前のプロトビス子の人かな。</div>
<div>今回もいい雰囲気でよかったぜ~</div>
<div> </div>
<div>>「うへへへ……ご主人様……虎柄ぱんつ……」</div>
<div>よろしい、あちらでじっくりみっちり語りあおうか!</div>
<div> </div>
<div>>ああ、PMと一緒に豆まきしてぇなぁ・・・</div>
<div>即興&駄文失礼。</div>
<div> </div>
<div>主 「と、いう訳で豆まきするぞ。」</div>
<div>GH450『思いつき感バリバリですね。』</div>
<div>主 「細かい事気にするな。で、鬼役はどっちがやる?」</div>
<div>GH450『それはもちろんご主人様でしょう。豆をぶつけられたら痛いですから。</div>
<div> それに豆をまく役なら青あざできるぐらい全力で豆をぶつけられますからね。』</div>
<div>主 「・・・何か物騒な事が聞こえたが聞かなかった事にする。」</div>
<div>GH450『あ、後、極力逃げないでくださいね。逃げられると部屋が豆だらけになります。』</div>
<div>主 「青あざできるくらい全力投球の豆をよけるな。と?」</div>
<div>GH450『当たり前です!部屋に散らかった豆を掃除するのは私なんですよ。</div>
<div> 大丈夫です。痛いのは最初だけです。最後には意識飛んでますから♪』</div>
<div>主 「・・・ねえ、俺なんか悪い事した?」</div>
<div>GH450『さあ、何でしょうね。(上のコメ「よろしい、あちらでじっくりみっちり語りあおうか!」を入力する所をばっちり見てた)</div>
<div> ところで、ご主人様?』</div>
<div>主 「何だ?」</div>
<div>GH450『日付もう変わってますよ。』</div>
<div>主 「・・・orz」</div>
<div> </div>
<div>506 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/14(月) 04:16:47 ID:OqmqMgtD [1/2]</div>
<div>ttp://psp2i.toypark.in/upload/src/up2006.jpeg</div>
<div>すいません。スレ違いかもしれませんが、この画像の詳細を教えていただけないでしょうか。</div>
<div> </div>
<div>507 名前:506[sage] 投稿日:2011/02/14(月) 04:19:50 ID:OqmqMgtD [2/2]</div>
<div>ttp://psp2i.toypark.in/uploda/src/up2006.jpeg</div>
<div>すいません。アドレス間違えました。</div>
<div> </div>
<div>508 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/14(月) 19:05:20 ID:Vfm8P2e6</div>
<div>>>507</div>
<div>PMの事を聞いているのなら、多分GH-450だろう。</div>
<div>絵師の事を聞いているのなら、残念ながら分からん。すまねぇ。</div>
<div> </div>
<div>509 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/14(月) 22:15:41 ID:Ig9pTnH/</div>
<div>GH-09b「ねえ。僕と契約してガーディアンになってよ」</div>
<div> </div>
<div>510 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/15(火) 16:56:55 ID:owBXQyq5</div>
<div>黄色基調の服装したライフル使いのガーディアンズ逃げて超逃げて</div>
<div> </div>
<div>511 自分:とあるGH422の日常 その獣死 1/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:08:42
ID:08QRt+0F [1/5]</div>
<div> ふと、我に返った私。</div>
<div>
右手にはフォトンホイッパー、左手は目の前にある湯煎しているボウルを押さえ、中身の茶色と白色の液状物体――ショコラと生クリームを均一に混ぜ込んでいる途中でした。</div>
<div>「お姉さま、どうかしたんですか?」</div>
<div> こちらはこちらで、30Rpはあろうかというハートの形をした型へ、大量の溶けたショコラを流し込んでいるGH410。</div>
<div>「えっと……どうして私まで真剣にバレンタイン用のショコラを作っているのかなぁ、と。</div>
<div> だってこれ――」</div>
<div>「手伝ってくれるって言ったのは、お姉さまですよ」</div>
<div> 無表情でじっと私を見つめる410に、ちょっとばかりたじろいてしまいました。</div>
<div>「う……そ、それはそうだk――」</div>
<div>「お姉さまっ」</div>
<div> 彼女は一瞬でおっかない顔になり、私を睨みつけました。</div>
<div>「っ……はぁ……分かったから、睨まないで」</div>
<div> 何を言っても無駄なようなので、私は止めていた手を再び動かします。</div>
<div>「ご主人様が戻ってくるまでに完成させるんです、ぱっぱとお願いします」</div>
<div>「はいはい……」</div>
<div> 再びホイッパーを動かし、ムース状に仕上げていきます。</div>
<div> </div>
<div> 別に、お菓子を作るのが嫌な訳ではありませんが、事今回に限ってはちょっと気が重いです。</div>
<div> だってこれ、410がビス男さんにプレゼントする為のショコラなんです。</div>
<div> しかも――</div>
<div> </div>
<div>「15種類目、完成っと」</div>
<div>「では次をお願いです」</div>
<div>「まだ作るのぉ?!」</div>
<div>「当然です!</div>
<div> あのメスネコから、あたしのご主人様を取り返すのです!」</div>
<div> 410は左手に持っていたブロックチョコ(レンガサイズを想像して下さい)を握り砕き、恐ろしい笑みを浮かべました。</div>
<div> </div>
<div>512 自分:とあるGH422の日常 その獣死 2/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:10:47
ID:08QRt+0F [2/5]</div>
<div> そんなこんなで、ざっと2時間ほど過ぎた頃。</div>
<div> </div>
<div>「――ただいま、410」</div>
<div> リトルウィングのマイルームに、ビス男さんが帰ってきました。</div>
<div>「お帰りなさい、ご主人様っ」</div>
<div> 何時もの如く、と、本人は言っていましたが、ビス男さんの脚に飛びつく410は、顔がにやけっぱなしです。</div>
<div>「ただい――ん? どうしたんだい?」</div>
<div>「何が?」</div>
<div>「いや……」</div>
<div> 気味が悪いほどにまにまと微笑む410に、流石に違和感を覚えたようです。</div>
<div>「変なご主人様。</div>
<div> ……あ、そうそう」</div>
<div> わざとらしく手を打ち、ナノトランサーから梱包済みアイテムキューブを取り出した彼女。</div>
<div>「ハッピーバレンタインです、ご主人様」</div>
<div>「あ、ありがとう、410。</div>
<div> 君まで僕にくれるなんて、思ってもいなかったよ」</div>
<div> 驚きつつも、アイテムキューブを受け取ったビス男さん。</div>
<div> すると、眉毛がぴくりと動いた410さんは、一瞬だけ苦々しい表情を浮かべた後、悲しそうな顔になりました。</div>
<div>「ご主人様って……もてるんですね……」</div>
<div>「ビス子以外は、全部義理だけどね」</div>
<div> 410の気持ちを知ってか知らずか、普段と変わらない調子でそう言うと、彼女を片腕でひょいと抱き上げました。</div>
<div>「早速で悪いけど、お茶を入れてくれないか?</div>
<div> 折角だから、410も一緒にショコラを食べよう」</div>
<div>「は、はぁ……」</div>
<div> 何処か困惑した表情を浮かべた410は、彼に抱き上げられたままキッチンへと向かったのでした。</div>
<div> </div>
<div>513 自分:とあるGH422の日常 その獣死 3/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:13:13
ID:08QRt+0F [3/5]</div>
<div> 入ったキッチンの状況を目の当たりにして無言で驚いたビス男さんですが、そこにいた私に気づいて更に驚いた表情を浮かべました。</div>
<div>「422が、どうしてここに?」</div>
<div>「お帰りなさい、ビス男さん」</div>
<div> キッチンを片付けている私は、410を片腕で抱き上げたままの彼に挨拶しました。</div>
<div>「実は、410にショコラを「作る手伝いをお願いしたんです」」</div>
<div> 私が喋ろうとしたら、410は無理やり言葉を被せてきました。</div>
<div>「お茶を淹れます、座って待っててください」</div>
<div>「あ、う、うん……」</div>
<div> 410の有無を言わせない雰囲気を感じたのか、ビス男さんはショコラに汚染されたキッチンを眺め回して小さく溜息をつき、黙ってしまいました。</div>
<div> </div>
<div>
暫くして、椅子――キッチン中で唯一ショコラのついていない家具――に腰掛けたビス男さんへお茶が出され、ビス男さんは410から貰ったショコラを開封しました。</div>
<div>「……え、トリュフショコラ一個?</div>
<div> これじゃ分けられないな」</div>
<div>「あたしの事は気にせず食べてください。</div>
<div> さぁ、さぁ!」</div>
<div>「そ、そこまで言うなら、遠慮なく……</div>
<div> では、いただきます」</div>
<div> </div>
<div> ぱくっ。もぐもぐ……</div>
<div> </div>
<div>「……うん、おいしいぃいっ?!」</div>
<div> 突然に語尾が乱れ、目を白黒させ始めたビス男さん。</div>
<div>「な、何だこれ、ショコラが無くなったと思ったら、次のショコラが唐突に口の中へっ?!」</div>
<div>「凄いでしょう!</div>
<div> ナノトランサー技術を応用して作った、『いつまでもショコラ』です!</div>
<div> あたしの愛、たっぷりと召し上がってください!」</div>
<div>「ちょ、4いちょぉぶっもがぁぉぅ……」</div>
<div> 咄嗟に吐き出すのも間に合わず、ビス男さんの口の中に問答無用で次から次へと出現するショコラ。</div>
<div> 必死に口を動かすビス男さんですが、まもなく動きが止まるのと同時に口から大量のショコラがあふれ、気絶してしまいました。</div>
<div> </div>
<div>514 自分:とあるGH422の日常 その獣死 4/4[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:16:01
ID:08QRt+0F [4/5]</div>
<div>「このお馬鹿!」</div>
<div> </div>
<div> がこっ!</div>
<div> </div>
<div>「痛ったぁい!! どうして殴るんですか!」</div>
<div>
410は私のご主人様――リトルウィング付きの医者に身近な縁者として呼び出され、仕事を途中で投げ出してすっ飛んできた――に頭を殴られました。</div>
<div>「410、あんたはビス男を殺したいの?!」</div>
<div>「そんなつもりは全くありません!」</div>
<div>「結果的にそうなったのは事実なんだかんね!</div>
<div> どんな物作ったのか知らないけど、一気に10キロもショコラ食わせるなんて!」</div>
<div> </div>
<div> ご主人様の指差した方向には緊急処置室があり、現在、ビス男さんは胃洗浄中。</div>
<div> 早い話が、ビス男さんは大量のショコラを一気に口にした所為で、一種の食中毒になってしまった訳です。</div>
<div> そしてこの後、ビス男さんは1週間ほど入院と相成ったのでした。</div>
<div> </div>
<div> ……あ、そうそう、この話にはちょっと続きがあります。</div>
<div>「ふぇ~ん、どうしてあたしがこんな目にぃ~」</div>
<div> 私のご主人様の監督の下、Gコロニー時間の早朝から家事をみっちりとさせられているGH410の姿がご主人様のマイルームに在りました。</div>
<div>
『この410を放置しておくのは、ビス男にとってあまりにも危険』というご主人様の主張が通って、ビス男さんが退院するまで保護観察となったからです。</div>
<div>「文句ばっかり言ってると、飯の盛りを減らすよ410!」</div>
<div>「うわーん! ご主人様、あたしが悪かったです、だから、早く帰ってきてーっ!」</div>
<div> ふっ、全ては自業自得なのですよ、410。</div>
<div> とはいえ、彼女にご主人様のマイルームをまかせっきりなのはちょっと心配……は? 私はどうしたのかって?</div>
<div> う~……非常に言いたく無いんですけど……実は――</div>
<div>「ひーん、いくらやっても終わりませぇーん!!」</div>
<div> あれからずーっと、410が散らかしたキッチンを掃除しているのでした。</div>
<div>「助けてご主人様あっ!!」</div>
<div> 私の悲鳴は、むなしく虚空へと消えていくだけでした。</div>
<div> </div>
<div> ―――終わり―――</div>
<div> </div>
<div>515 自分:名無しオンライン[パパと412 sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:22:39 ID:08QRt+0F
[5/5]</div>
<div>投下完了です</div>
<div>GH410は『殺人クッキング(初級:対象限定/ご主人様)』を覚えた!</div>
<div>GH422は『不幸』の効果時間が延びた! 『不幸付与(対象限定/幸運能力が低い人)』を手に入れた!</div>
<div>410&422「そんな能力要らない(よー!/ですー!)」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>510</div>
<div>カロリーメイト色したジャージ着てるレンジャー系ですね、分かります</div>
<div> </div>
<div>516 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/15(火) 19:54:29 ID:T3I5fRRC</div>
<div>>>515</div>
<div>殺人クッキング……なんと恐ろしい技だ……</div>
<div> </div>
<div>女主人/C「そういえば母様、と女主人は唐突に話を切り出します」</div>
<div>女主人「なに?言っとくけどこのけーおん!ブロマイドチョコはあげないわよ」</div>
<div>女主人/C「いえ、別に大量に積まれたおまけのチョコスナックはどうでもいいんです。</div>
<div> 今年のバレンタイン、誰かにチョコをあげるような事はありましたか?」</div>
<div>女主人「あー……。</div>
<div> とりあえずニュマ男のルームにでかでかとチョコで『Let's sweet time!! St' Valentine
Day』って書こうと思ってたけど……」</div>
<div>エル「(カードとスナックを分けながら)さすがに止めさせていただきました」</div>
<div>女主人「結構楽しそうだったのに……461ちゃんにも協力してもらおうかと思ったのに」</div>
<div>エル「総裁に怒られますよ?『公共のマイルームをこんな風にするんじゃない』って」</div>
<div>女主人/C「……ニュマ男さんなら喜びそうですね。号泣して」</div>
<div>エル「ああそうだったこのヒトはマスターと同じだった……」</div>
<div>女主人「仕方ないから、今集めてるけーおん!カードのおまけスナックを送ってやるつもり……あ、水着カード出た」</div>
<div>女主人/C「なるほど。それではお手伝いしますと女主人はパッケージをぺろり……ん、猫耳アズサが出ました」</div>
<div>女主人「カードは丁寧に扱いなさいよ。レアがダブったらグラールオークションに出すんだから」</div>
<div>エル「……誰か、誰でもいいですから突っ込み成分をください……ボクじゃあ二人も相手できません……」</div>
<div> </div>
<div>その後、ニュマ男のマイルームに何故か大量のチョコウエハースが届けられたとか。</div>
<div> </div>
<div>517 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/16(水) 02:13:49 ID:2unSl2nX</div>
<div>>>516</div>
<div>箱一杯のビックリマンチョコ(開封済み)渡された事のある俺に謝れwww</div>
<div> </div>
<div>518 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/16(水) 23:11:57 ID:UAwR/sWB</div>
<div>>>509</div>
<div> </div>
<div>ナギサ 「そいつから離れて!!」</div>
<div>ワイマール「やっぱりナギサちゃんってキャラ的にほむほむだよね」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>519 名前:バレンタイン前日 1/5[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:13:56 ID:UKWUwzbP
[1/6]</div>
<div> ここはとあるガーディアンに割り当てられたマイルーム。</div>
<div> 部屋の主であるニューマンの少女は外出しているのか姿が見えず、代わりにPMが3人集まっていた。</div>
<div> 招かれた側である410と440がイスに座り、部屋の住人である450は何故かベッドの上で仁王立ちしている。</div>
<div> </div>
<div>「二人とも、明日は何の日だと思う?」</div>
<div> </div>
<div> ベッドの上から450が二人に問いかけた。</div>
<div> 440が一瞬躊躇ったあと、答える。</div>
<div> </div>
<div>「……インフィニティ発売十日前」</div>
<div> </div>
<div> それを聞いた450がふっと生暖かい笑みを浮かべた。</div>
<div> </div>
<div>「帽子ちゃん……無理にボケなくても、いいんだよ?」</div>
<div>「う、うるさい!……バレンタインでしょ、それがどうかしたの」</div>
<div>「そう!バレンタインだよ!」</div>
<div> </div>
<div> 450が大仰な身振りで両手を広げる。</div>
<div> </div>
<div>「恋する乙女が秘めた思いをチョコと共にぶちまける日ッ!」</div>
<div>「ぶちまけるって、あんた……」</div>
<div>「女性型PMとして、見逃す手はないと思うよね!?」</div>
<div> </div>
<div> そう言って指を指された440は手を額に当ててため息を吐き、410はきょとんとした顔で首をかしげた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>520 名前:バレンタイン前日 2/5[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:14:43 ID:UKWUwzbP
[2/6]</div>
<div>「そこで、よ。二人とも、チョコの準備はもうしてる?」</div>
<div>「私は今日あたり買いに行こうかと思ってたとこだよ。デコは?」</div>
<div>「まだ……だけど……今月のお小遣い、使っちゃった……」</div>
<div> </div>
<div> うつむく410に440が優しく声をかける。</div>
<div> </div>
<div>「まだ、今月は半分も終わってないよ。全部使っちゃったの?」</div>
<div>「うん……」</div>
<div>「……じゃあ、今回は私が出してあげるから、あとで買いに行こうね」</div>
<div>「ほんと!?ありがとぉ!440ちゃん大好きー!」</div>
<div> </div>
<div> 抱きついてきた410の頭を苦笑しながら440が撫でた。</div>
<div> </div>
<div>「もう。次からは考えて使おうね」</div>
<div>「うん!」</div>
<div>「あー……そのチョコなんだけどさ、せっかくだし3人で手作りにしない?」</div>
<div>「手作りか……面白そうだね」</div>
<div>「おもしろそー!」</div>
<div>「でしょ?」</div>
<div>「でも、作ったことあるの?」</div>
<div>「…………」</div>
<div> </div>
<div> 黙り込んだ450がごほん、とわざとらしく咳払いした。</div>
<div> </div>
<div>「そこはほら、帽子ちゃんのスーパー家事スキルで先頭に立ってだね」</div>
<div>「私それほど得意ってわけじゃないんだけど……それで、今からやるの?」</div>
<div>「もちろんよ!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>521 名前:バレンタイン前日 3/5[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:15:18 ID:UKWUwzbP
[3/6]</div>
<div> 何故か準備してあった子供用のエプロンを付け、キッチンに3人が並んだ。</div>
<div> 目の前には調理用の板チョコやボウルなどの調理器具が並んでいる。</div>
<div> </div>
<div>「道具はこんなもんかな」</div>
<div>「チョコ多すぎじゃない?ご主人様鼻血噴くよこれ」</div>
<div>「それ、迷信らしいよ。これは失敗した時の保険と──」</div>
<div> </div>
<div> こっそりとチョコに手を伸ばしていた410の頭に440が軽くチョップした。</div>
<div> </div>
<div>「あう」</div>
<div>「つまみ食い用」</div>
<div>「なるほどなー」</div>
<div>「余ったら食べていいから、終わるまで我慢してね」</div>
<div>「はーい」</div>
<div> </div>
<div>「それじゃ、まずチョコを溶かそうか」</div>
<div>「おっけー」</div>
<div> </div>
<div> そう言って電子レンジの扉を開けた450に440が待ったをかけた。</div>
<div> </div>
<div>「ストップ。電子レンジで何するつもりだ」</div>
<div> </div>
<div> 訊かれた450はきょとんとした顔をする。</div>
<div> </div>
<div>「何って、溶かすんでしょ?」</div>
<div>「湯せんにかけるんだよ!しかもそのボウル金属製だよ!」</div>
<div>「えー、めんどくさい……あ、そうだ」</div>
<div> </div>
<div> 口をとがらせた450が何かを思いついたようだ。</div>
<div> </div>
<div>「フォイエであぶればすぐに溶けるんじゃないかな」</div>
<div>「湯・せ・ん・に・か・け・て!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>522 名前:バレンタイン前日 4/5[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:16:03 ID:UKWUwzbP
[4/6]</div>
<div>「うん、いい感じに溶けたかな。次は型に……こらデコ、舐めちゃだめ。あと450は何持ってんの」</div>
<div>「刷毛」</div>
<div>「……想像つくけど、何するつもりなの」</div>
<div> </div>
<div> 450が胸元をはだけ、セクシーポーズをとる。</div>
<div> </div>
<div>「これで全身にチョコを塗れば等身大私チョコの完成だよ!」</div>
<div>「固まるまであんたごと冷蔵庫に入るつもり?」</div>
<div>「…………」</div>
<div> </div>
<div> ポーズはそのままに神妙な顔で考え込んだ450が呟いた。</div>
<div> </div>
<div>「諦めよう」</div>
<div>「そうして」</div>
<div>「代わりに爪とか髪の毛とか入れよう」</div>
<div>「やめて」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>「あとは固まるまで待って、ココアパウダー振り掛けて完成かな」</div>
<div>「いやー、大変だったね!お疲れ様!」</div>
<div> </div>
<div> 一仕事終えた顔の450を440がジト目で睨む。</div>
<div> </div>
<div>「ほとんど私がやったじゃない」</div>
<div>「肩でもお揉み致しましょう」</div>
<div>「うむ、くるしゅうない」</div>
<div> </div>
<div> 440の肩を揉みながら450が余計な一言を呟く。</div>
<div> </div>
<div>「凝ってるねー。帽子ちゃんおっぱい大きいもんね」</div>
<div>「デコー、450の分のチョコ食べちゃっていいよ」</div>
<div>「そんなご無体な!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>523 名前:バレンタイン前日 5/5[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:16:32 ID:UKWUwzbP
[5/6]</div>
<div> 数時間後、固まったチョコを仕上げてラッピングし、3人はそれぞれ自分のナノトランサーにチョコをしまった。</div>
<div> </div>
<div>「いい?自分で食べちゃだめだよ。ちゃんと渡すんだからね?」</div>
<div>「うん!」</div>
<div>「落としたりしないように、ナノトランサーから出す時とか渡す時とかは慎重に扱うんだよ?」</div>
<div>「うん!」</div>
<div>「それから──」</div>
<div> </div>
<div> 事細かに注意する440を見て、450がニヤニヤと笑う。</div>
<div> </div>
<div>「帽子ちゃん、お母さんみたいだよね」</div>
<div>「っ……!」</div>
<div> </div>
<div> 指摘されて顔を赤らめた440が帽子を目深に被りなおした。</div>
<div> </div>
<div>「……じゃあ、そろそろ帰ろうか」</div>
<div>「うん。今日はありがとね、帽子ちゃん」</div>
<div>「ありがとぉ!」</div>
<div> </div>
<div> 二人から礼を言われた440が照れくさげに笑った。</div>
<div> </div>
<div>「ん……私も楽しかったよ。それじゃあ」</div>
<div>「またねー!」</div>
<div>「うん。またね」</div>
<div> </div>
<div> 手を千切れんばかりにぶんぶんと振る410と450に手を振り返したあと、440が時計を見ながら呟いた。</div>
<div> </div>
<div>「時間、足りるかな……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>524 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 21:20:18 ID:UKWUwzbP [6/6]</div>
<div>本当は13日に投下するはずが規制されてましたorz</div>
<div> </div>
<div>>>515</div>
<div>>GH422は『不幸』の効果時間が延びた! </div>
<div>その効果、切れる時がくるんでしょうか・・・</div>
<div> </div>
<div>>>516</div>
<div>おでこと眉毛を落札しにいきます。</div>
<div> </div>
<div>525 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 22:43:00 ID:lse4NywP</div>
<div>>>524</div>
<div>規制で予定が狂ったのは気にするな、投下する事にこそ意義がある</div>
<div> </div>
<div>>指摘されて顔を赤らめた440が帽子を目深に被りなおした。</div>
<div>この440はかわいいなぁ、もうw</div>
<div> </div>
<div>526 名前:バレンタイン当日 1/5[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:43:00.44 ID:1EoKP810
[1/6]</div>
<div> バレンタイン。</div>
<div> 恋する乙女が秘めた思いをチョコと共にぶちまけたり、下駄箱や机の中を何度も確認する挙動不審な男子が発生したりする日。</div>
<div> もちろん──</div>
<div> </div>
<div>「今時下駄箱はないと思うけどね」</div>
<div>『うん?』</div>
<div>「いや、こっちの話。それで、ちゃんとご主人にチョコ渡せた?」</div>
<div> </div>
<div> このように日頃世話になっている人や友人にチョコを送る者もいる。</div>
<div> </div>
<div>『うん!ありがとーって言ってた!』</div>
<div>「そっか。よかっ──」</div>
<div>『とってもおいしかったよ!』</div>
<div>「……一緒に食べたのね」</div>
<div> </div>
<div> 通信機の向こうで無邪気にはしゃぐ友人の声に、440は苦笑を浮かべた。</div>
<div> </div>
<div>『ほかにもいっぱいもらってたから、お姉ちゃんが溶かしてチョコケーキ作ってくれたんだぁ』</div>
<div>「へえ……よかったね」</div>
<div>「あの人、料理出来るんだ。意外」</div>
<div> </div>
<div> 傍で通信を聞いていた450が口を挟んできた。</div>
<div> 410の主人──背が高く、ボーイッシュ、と言うよりも男らしいと言った方がいいヒューマンの女性。</div>
<div> 確かにあの人がケーキを作るところなど想像出来ない。</div>
<div> </div>
<div>『お姉ちゃんのご飯、おいしいよ?』</div>
<div> </div>
<div> この410が料理をするのと同じくらい想像出来ない。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>527 名前:バレンタイン当日 2/5[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:43:35.24 ID:1EoKP810
[2/6]</div>
<div>「とにかく無事に渡せたみたいで何よりだよ。急にかけてごめんね。……うん。じゃあね」</div>
<div> </div>
<div> 通信を切った440が振り返ると、450が呆れたような笑みを浮かべていた。</div>
<div> </div>
<div>「帽子ちゃんってホント心配性っていうか、お母さんみたいだね」</div>
<div>「ふん。どうせ私はおばさんくさいよ」</div>
<div> </div>
<div> そっぽを向いた440に450が寄りかかるように抱きついた。</div>
<div> </div>
<div>「なんだよ、スネるなよー。私は帽子ちゃんのそういうとこも好きだよ?」</div>
<div>「はあ……もうっ」</div>
<div> </div>
<div> ため息を吐いた440が急に振り返り、450に綺麗にラッピングされた箱を突き出した。</div>
<div> </div>
<div>「……なにこれ?」</div>
<div>「チョ……チョコだよ。今日バレンタインでしょ。だから……」</div>
<div>「はっ!まさか帽子ちゃん、私のご主人様狙いッ!?」</div>
<div>「違うよ!あんたにだよ!」</div>
<div> </div>
<div> 450は一瞬ぽかんとしたが、すぐに意味を理解して珍しく顔を赤くした。</div>
<div> つられて顔を赤らめた440が慌てて弁解する。</div>
<div> </div>
<div>「い、いや、別にそういう、変な意味じゃないから!その……いつも一緒に遊んでくれるし……色々お世話になってるから……」</div>
<div>「あ、あー……う、うん……」</div>
<div> </div>
<div> 差し出されたチョコを、450がぎこちなく受け取った。</div>
<div> </div>
<div>「ありがと、ね」</div>
<div>「うん……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>528 名前:バレンタイン当日 3/5[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:44:02.39 ID:1EoKP810
[3/6]</div>
<div>「チョコ、用意してなくてごめんね。ホワイトデーにはお返しするから……」</div>
<div>「あ、いや、気にしないで。私も作るのぎりぎりだったし──あ」</div>
<div> </div>
<div> 言いかけた440がしまった、という顔をする。</div>
<div> </div>
<div>「そういえば昨日帰ったの結構遅かったよね……もしかして、無理して作ってくれたの?」</div>
<div>「ん……ご主人様が寝たあとと、起きる前に……」</div>
<div>「そっか……」</div>
<div> </div>
<div> 結構無理をしてくれたようだ。自分のために。</div>
<div> 何かお返しできる物はないだろうか。チョコは主人に渡した分しか作ってないし──</div>
<div> </div>
<div> そう考えていた450が、何かを思いついた。</div>
<div> </div>
<div>「ね、帽子ちゃん。ちょっと目閉じてて」</div>
<div>「うん?」</div>
<div> </div>
<div> 言われて首を傾げながらも440は目を閉じた。がさがさと紙がこすれるような音がする。</div>
<div> チョコを開けているんだろうか?</div>
<div> </div>
<div>「そのまま、動かないでね」</div>
<div> </div>
<div> 何だろう。450のことだ、また何か悪戯をするつもりなのかもしれない。</div>
<div> そんなことを考えていた440の思考は──</div>
<div> </div>
<div> ちゅっ。</div>
<div> </div>
<div> 唇に当たった柔らかく、暖かい感触に中断させられた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>529 名前:バレンタイン当日 4/5[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:44:26.12 ID:1EoKP810
[4/6]</div>
<div>「っ!?」</div>
<div> </div>
<div> 慌てて目を開けると、ぶつかりそうなほど近くに450の顔があった。</div>
<div> </div>
<div>「えへへ、リップチョコだよ」</div>
<div> </div>
<div> 微かに頬を赤く染めて、悪戯っぽく笑う450の唇には、チョコがついていた。</div>
<div> どうやら贈ったチョコを使ってつけたらしい。</div>
<div> </div>
<div>「あっ……なっ……」</div>
<div> </div>
<div> 目を白黒させる440を見て、450が笑った。その笑顔を見ているうちに、何だか腹が立ってきた。</div>
<div> キスしたことに、ではない。自分はこんなにドキドキしているのに、450は平気そうにしていることに、だ。</div>
<div> </div>
<div> ──ちょっと、仕返ししてやろう。</div>
<div> </div>
<div>「……初めてだったのに」</div>
<div>「へっ?」</div>
<div> </div>
<div> 440の思わぬ一言に、450の表情が固まる。</div>
<div> </div>
<div>「私、初めてだったのに。……どうしてくれるの?」</div>
<div>「あ……いや、ご、ごめ──」</div>
<div> </div>
<div> 謝りかけた450の言葉を遮り、追い討ちをかける。</div>
<div> </div>
<div>「責任、とってよ」</div>
<div>「せっ、責任……!?」</div>
<div> </div>
<div> 今度は450が目を白黒させた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>530 名前:バレンタイン当日 5/5[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:44:51.48 ID:1EoKP810
[5/6]</div>
<div>「ぷっ。くくく……あははははっ」</div>
<div> </div>
<div> こらえ切れず噴き出した440を見て、450はようやく自分がからかわれたことに気づいた。</div>
<div> </div>
<div>「……まさか帽子ちゃんにからかわれる日がくるとはね」</div>
<div>「たまには、ね。あんなにびっくりするとは思わなかったけど。ふふっ」</div>
<div>「……ねえ、まだ時間大丈夫?」</div>
<div>「うん?平気だけど」</div>
<div> </div>
<div> 450が珍しくもじもじと迷ったあと、口を開いた。</div>
<div> </div>
<div>「チョコ……良かったら、一緒に食べない?」</div>
<div>「……うん。喜んで」</div>
<div> </div>
<div> そう言ってにっこりと笑った440を見て、450もほっとしたような笑顔を返した。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>──</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> その頃、ルームのドアの前では部屋の主であるニューマンの少女が頭を抱えてうろうろと歩いていた。</div>
<div> </div>
<div>「うう……部屋の中からラブラブな空気が流れてきて物凄く入りづらいです……!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>531 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 21:47:27.72 ID:1EoKP810
[6/6]</div>
<div>投下完了です。</div>
<div> </div>
<div>>>525</div>
<div>ありがとうございます。</div>
<div>お言葉に甘えてもう一本バレンタインネタ投下してしまいました。</div>
<div> </div>
<div>532 返信:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/19(土) 23:30:44.76 ID:bai9Ztnl</div>
<div>>>515</div>
<div>投稿乙です。</div>
<div>>『いつまでもショコラ』</div>
<div>よく死ななかったな・・・ビーストの胃は化け物か。</div>
<div>つーか、箱→箱→・・・箱→ウッドタイル「ボク、ドロップ」 みたいなコンボはもうこりごりです。</div>
<div> </div>
<div>>GH422は『不幸』の効果時間が延びた! 『不幸付与(対象限定/幸運能力が低い人)』を手に入れた!</div>
<div>ちょ、やべぇ、俺は途轍もなく幸運能力が低い人だから、マジやべぇ!!!</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>516</div>
<div>投稿乙!</div>
<div>ウエハースもちゃんと食べれwwww</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>524,531</div>
<div>投稿乙であります!</div>
<div>バレンタイン前日の最後の部分</div>
<div> </div>
<div>>「時間、足りるかな……」</div>
<div> </div>
<div>の意味が?だったけど、こういう事だったのか。</div>
<div>今年もバレンタインは中止だった俺にとって、</div>
<div>このバレンタインは甘すぎるぜ・・・だが、それがいいw</div>
<div> </div>
<div>>本当は13日に投下するはずが規制されてました</div>
<div>巻き添え規制は本当に勘弁して欲しいよな。</div>
<div> </div>
<div>533 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/24(木) 23:41:50.90 ID:wK7Cwnbq</div>
<div>フハハハハ!!今日からはりきって∞しちゃうぞー!</div>
<div>アレ?430さん?戦闘時のセリフ変わってません?</div>
<div> </div>
<div>430「‥べ、別に久しぶりに会えたからデレてる訳じゃないんだからね!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>534 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 21:11:40.70 ID:kk2PqB3b
[1/6]</div>
<div>節分ネタを見て自分でも書いてみたんだが、</div>
<div>直後から規制食らって書き込めなくなってた…</div>
<div>今さらだが落としてもいいものだろうか?</div>
<div>ちなみにバレンタインの小ネタもあったりするのだが。</div>
<div> </div>
<div>535 自分:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 22:57:35.68 ID:NAfnkO1Q</div>
<div>合言葉は</div>
<div> </div>
<div> ( ゚д゚ )<倫理的におk </div>
<div>_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_</div>
<div> \/ /</div>
<div>  ̄ ̄ ̄</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>536 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:04:16.81 ID:RLVHN2Hg</div>
<div> ,. -─‐- 、</div>
<div> /。 。 ||| r\</div>
<div> / ,.u─- 、 ヽ、.ヽ</div>
<div> !/● ::: ●ヽ、_, ニ|</div>
<div>. {⊃ 、_,、_, ⊂⊃ ,' ……</div>
<div> ヽ u /,ソ</div>
<div> /⌒l,、 ____, イァ</div>
<div>. / /:::○:::// ヽ</div>
<div>. | l :::∨:::::::(::::彡,)</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>537 名前:名無しオンライン[2011年節分 その1 sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:23:18.09
ID:kk2PqB3b [2/6]</div>
<div>では投下。長いわりに中身ないけどw</div>
<div> </div>
<div>「うっ、ぐすん、ひっく…」</div>
<div>どうしよう、もうご主人さまが帰ってくる頃なのに…いいかげん泣きやまなくちゃ。</div>
<div>しかし何かのスイッチを入れられたかのように、ぼろぼろぼろぼろ涙が落ちて止まりません。</div>
<div>ええい、しっかりしなさい410! ご主人さまを心配させてどうするの!</div>
<div> </div>
<div>シュン、と軽い音がしてドアが開きました。あちゃー、もう帰ってきちゃった…</div>
<div>「ただいまー、410…って、どうしたのその顔?!」</div>
<div>入ってきたご主人さま。綺麗な金髪を背に流したニューマンの女性です。</div>
<div>私のぐしゃぐしゃな表情に気づいて慌てて駆け寄ってきます。</div>
<div>「何か辛いことあった?」</div>
<div>「いえ、そうじゃなくて…ぐすん、これ読んでたら我慢できなくなっちゃったんです」</div>
<div>私は膝の上に広げていた絵本を持ちあげて見せました。</div>
<div>440ちゃんのような大きな帽子をかぶった鬼の子の表紙。</div>
<div> </div>
<div>「ああ、これ読んでたのね。そりゃ涙腺決壊するわねー」</div>
<div>ご主人さま、ちょっと苦笑して私の頭をわしわしとなでます。</div>
<div>「ご存知なんですか?」</div>
<div>「私も小さい頃読んで大泣きしたからね。その夜は夢にまで見たぐらい」</div>
<div>なにしろ切ないお話なんです。心優しい鬼の子が人間の女の子と仲良くなって、</div>
<div>貧しい彼女のために食べ物を運んであげていたのに</div>
<div>彼の正体を知らない女の子に「うちは鬼がついてるからこんなに貧乏なんだ」</div>
<div>と言われてしまう…という。</div>
<div> </div>
<div>「明日が節分だから?」</div>
<div>「はい。さっきマイルームショップにお買い物に行ったら、</div>
<div>店頭にサボテチェアが置いてあったんです。</div>
<div>今時珍しいなあと思って見てたら、節分の柊の代わりだって」</div>
<div>30を過ぎたぐらいのニューマンの店主さんは、節分には家に鬼が入ってこないように</div>
<div>トゲのある柊を飾るんだよと教えてくださったのです。</div>
<div>私のご主人さまもニューマンですから、毎年2月3日には部屋に豆をまいて</div>
<div>エホウマキというお寿司を食べるのですが、こういう習慣もあることは知りませんでした。</div>
<div> </div>
<div>それで興味がわいて、いろいろ検索しているうちに出てきたのがこの絵本。</div>
<div>さっそくライブラリで借りてきたのですが…</div>
<div>もっと早くに買い物に行っておくべきだった、と思った時には後の祭りでした。</div>
<div>もう体中のオイルが噴き出しそうなぐらい泣いて泣き続けてしまって、</div>
<div>夕ごはんの支度もまだ途中のままなんです。</div>
<div>「ま、今日は早めに帰れたしね。支度は二人でやっちゃいましょ」</div>
<div>背中をポンポンとされて、ようやくしゃっくりがおさまってきました。</div>
<div>ご主人さまはこうやって私が失敗してしまった時、決してきついことを言いません。</div>
<div>それだけに逆に申し訳ないと思っちゃいます。</div>
<div> </div>
<div>538 名前:2011年節分 その2[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:25:03.79 ID:kk2PqB3b
[3/6]</div>
<div>コロニー時間2月3日、午前10時。</div>
<div>「本日のオウトク・シティは晴れ、3月下旬並みの暖かさです」</div>
<div>久しぶりにミッションの予定がない完全オフ。</div>
<div>私はのんびりネットニュースを見ながら出かける支度をしていた。</div>
<div>画面には支天閣での豆まきの様子が映っている。</div>
<div>「これが過ぎたら立春かあ。お日柄良くてなにより」</div>
<div> </div>
<div>いつも部屋を守ってくれている410は、定期メンテのためにGRM社に出かけている。</div>
<div>夜には豆をまいて、いわしの塩焼きと恵方巻きという節分メニューを用意する予定だ。</div>
<div>上着を羽織って部屋を出ようとした時。</div>
<div>ドア近くのカフェカウンターの上にあるものが目に留まった。</div>
<div>お皿に盛られたクッキーと、マグカップに入ったミルク。その横にメモが置いてある。</div>
<div> </div>
<div>「鬼さんへ</div>
<div>豆まきで大変だったでしょう。これ食べてね」</div>
<div> </div>
<div>ちょっと右上がりの筆跡は、まちがいなく410のものだ。</div>
<div>「…あの子らしいな」</div>
<div>笑いがこみ上げてくる。</div>
<div>前にサンタクロースへのおもてなしとして教えたのをそのままやったらしい。</div>
<div>昨日夕食を取りながらも、彼女はずっと鬼の話をしていたんだった。</div>
<div> </div>
<div>「お話って言っちゃえばそれまでですけど…</div>
<div>でも、ああいう優しい鬼だっていておかしくないんじゃないでしょうか」</div>
<div>「そうね。鬼って人間の都合の悪いことを押しつけられる存在でもあるからね」</div>
<div>「泣いた赤鬼」の話をしようかと思ったけど、</div>
<div>また410がオイルを吹かんばかりに大泣きしてしまうのは目に見えている。</div>
<div>知人のそのまた知り合いのところの、しょっちゅう鼻からオイルを吹いて倒れる</div>
<div>450の話が頭をよぎったのでやめておいた。</div>
<div>マシナリーにも虚弱体質ってあるのかしら?</div>
<div> </div>
<div>そこまで考えた時、ふとひらめいたことがあった。</div>
<div>私は通信機を立ち上げて、410のアドレスともう一箇所に連絡を入れた。</div>
<div> </div>
<div>539 名前:2011年節分 その3[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:25:57.60 ID:kk2PqB3b
[4/6]</div>
<div>「ご主人さま…はまだ帰ってないか」</div>
<div>午後2時。戻った部屋は空っぽでした。</div>
<div>メンテ中に入っていたメッセージで「急用ができたのでちょっと遅くなります。</div>
<div>恵方巻きを買って帰るまで待っててね」とありましたが…</div>
<div>とりあえず軽くお掃除をして、ご主人さまが生けたお花の水を替えて</div>
<div>晩ごはんの下ごしらえをしておきます。</div>
<div> </div>
<div>お茶でも入れようかな、とカウンターに入ろうとした時。</div>
<div>ドアのインターホンが鳴りました。</div>
<div>「はーい、どちらさまですか?」</div>
<div>お店をやっているわけではないので、普段は鍵をかけてあります。</div>
<div>「えっと…ちょっとでいいから入らせてもらえないかな。俺、鬼なんだけど」</div>
<div>えええええ?!</div>
<div>さすがに自分の聴覚ユニットを疑いました。確かに今日なら不思議じゃないけど…</div>
<div>で、でも鬼を装った強盗とかって可能性もあるんじゃ?!</div>
<div> </div>
<div>画像を見直すと、映った姿は私よりせいぜい頭ひとつ大きいぐらいです。</div>
<div>あの絵本のような大きな帽子に、ぶかぶかのシャツとジーンズ。</div>
<div>「豆ぶつけられてバテちまって。鬼ってバレないようにこの格好してるんだ」</div>
<div>声も高い子供のものです。</div>
<div>まさか本当に鬼さん…もし強盗でも、この体格なら簡単に負けはしないかな?</div>
<div>「わかりました。今開けますね」</div>
<div>剣を構えつつ、私はゆっくり鍵を外しました。</div>
<div> </div>
<div>「ご主人さまー! 聞いてください、鬼さんがここに来たんですよ!」</div>
<div>4時過ぎ。入ってきたご主人さまに私は思わず飛びついていました。</div>
<div>「鬼って、あの鬼?! いくら節分でも、それはちょっと信じられないけど…」</div>
<div>「私も最初強盗かと思っちゃいましたよ。でもほんとなんです。ほら」</div>
<div>撮っておいたホロを出して見せます。</div>
<div>人間でいえば10歳ぐらいの、角の生えた褐色の肌の男の子が写っています。</div>
<div> </div>
<div>「角もさわらせてくれたから間違いないですよ。</div>
<div>どこの家も入るなって空気だったのに、ここは優しそうだったからって。</div>
<div>いい子でしたよ。クッキー出したら、おいしいおいしいって喜んでました。</div>
<div>作った人いい腕だなって。よかったですねー♪」</div>
<div>ご主人さまの作るクッキーは本当に美味しいんです。</div>
<div>それこそお店に置いてもおかしくないぐらい。</div>
<div> </div>
<div>目を丸くしていたご主人さま、にっこり笑います。</div>
<div>「そっかあ。あんたの言ってたことが立証されたのね、優しい鬼もいるんじゃないかって。</div>
<div>うちに来てくれてよかったね」</div>
<div>「はい! PMのネットワークで流しちゃいます、こういう鬼さんもいるんだよって」</div>
<div>お友達のPMに「優しい鬼だっているんじゃないかな」と言ってみても</div>
<div>みんなまともに取り合ってくれなかったけど、今度はれっきとした証拠があります。</div>
<div>自分が絶対正しいって主張したいわけじゃないけど、</div>
<div>みんなが思っていることが真実とは限らないって伝えたいんです。</div>
<div> </div>
<div>「恵方巻き、奮発して海鮮入りにしたわ。支度しましょ。</div>
<div>ナウラの恵方ロールケーキも買ってきたよ」</div>
<div>「はーい♪」</div>
<div>いわしを焼いて、下ごしらえしておいたけんちん汁を作れば今日のメニューの完成です。</div>
<div>「それが済んだら豆まきね。今回は『福は内、鬼も内』って言ったほうがいいかしら?」</div>
<div>「ですね! 鬼さんもどんどんウェルカムです♪」</div>
<div>ぴょんぴょん跳ねる私の頭を、ご主人さまは笑ってなでてくれました。</div>
<div> </div>
<div>540 名前:2011年節分 その4[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:27:01.85 ID:kk2PqB3b
[5/6]</div>
<div>「もしもし、ニュマ子です。今日はありがとう」</div>
<div>8時過ぎ。410に見つからないようにドレッシングルームから連絡を入れる。</div>
<div>「本当に上手くやってくれたのね。あの子、帰ってからずっとその話ばっかりしてるわ」</div>
<div>「ん、こっちも面白かったぜ。クッキーも美味かったし。</div>
<div>まあ、正直言えば酒のほうがありがたいけどね」</div>
<div>相手は鬼の役をしてくれたガーディアンズ仲間のビースト。</div>
<div>見た目は10歳ぐらいだけど、実際は20歳を越えている。</div>
<div>この時期、ガーディアンズにも鬼役の依頼があったりするので</div>
<div>笑いながらも面白がって引き受けてくれた。</div>
<div> </div>
<div>「今度おごるわね。コロニー地下の『ラガンズブレス』でどう?」</div>
<div>「OKOK。だけどおまえも物好きっていうか、面白いヤツだよな。</div>
<div>PMのためにわざわざこんなことまでしちまうんだから。</div>
<div>特殊メイクや立体ホロって結構いい値段するだろ」</div>
<div>リアルな扮装のために頼んだガーディアンズ御用達のメイク&VFX工房は</div>
<div>最低でも1回数万メセタかかる。</div>
<div>装備なら安い部類だけど、日常生活にしてみれば結構な額だ。</div>
<div>「まあね。でも今はそれなりに稼げてるし、</div>
<div>そうなれるまで支えてくれたのはあの子だもの。</div>
<div>高い買い物だとは思わないわ」</div>
<div> </div>
<div>ドアの隙間から居間のほうを見る。</div>
<div>410はビジフォンの前に陣取って友達と話し込んでいる。</div>
<div>「家族のため、だからね」</div>
<div> </div>
<div>通話を切ってドアを開けると、生けてある梅の花の香りがふっと漂ってきた。</div>
<div>夢中で喋っている410の周りだけは空気が暖かいようだ。</div>
<div>(立春大吉、か)</div>
<div>あの子のいるところはいつも春の気配がするのだろう。</div>
<div>酷寒の雪山でも、SEEDの存在が残る場所でも。</div>
<div> </div>
<div>明日は二人でニューデイズの梅を見に行こう。</div>
<div> </div>
<div>541 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 23:30:05.55 ID:kk2PqB3b
[6/6]</div>
<div>完了です。</div>
<div>最初のタイトル入れミスってもうた…</div>
<div>あ、>>493-503様のキャラお借りいたしました。無断で申し訳ない。</div>
<div> </div>
<div>542 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/01(火) 18:21:27.41 ID:cFfOX+rL</div>
<div>>>541</div>
<div>投稿乙です。</div>
<div>鬼へのおもてなし可愛すぎるw</div>
<div>子供の頃サンタに手紙書いたの思い出しましたw</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>あ、>>493-503様のキャラお借りいたしました。無断で申し訳ない。</div>
<div> </div>
<div>450「帽子ちゃん、これ見て!これ!とうとうよそ様のSSにデビューしたよ私!」</div>
<div>440「……ほんとだ。おめでとう?」</div>
<div>450「ありがとう!お小遣いを圧迫するオイル代と戦ってきた甲斐があったよ!」</div>
<div>440「そんなにしょっちゅうオイル噴いてたの!?そりゃ噂にもなるよ……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>……というわけで、うちの子達でよければお好きにお使いください。</div>
<div>ところで、バレンタインネタもあるんですよね?(チラッチラッ</div>
<div> </div>
<div>543 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/01(火) 23:24:51.85 ID:EKlDYjUd</div>
<div>>>541</div>
<div>投稿乙です!</div>
<div>ほのぼのしてとてもいい感じでした。思わずニヤニヤしてしまったw</div>
<div> </div>
<div>>相手は鬼の役をしてくれたガーディアンズ仲間のビースト。</div>
<div>>見た目は10歳ぐらいだけど、実際は20歳を越えている。</div>
<div>一瞬トニオかと思ったら、そんな事はなかったぜ!</div>
<div> </div>
<div>しかし、皆巻き込まれの規制の為に散々ですな。</div>
<div>それにもめげず、投稿してくれる書き手の皆様に感謝感謝です!</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>544 名前:541[sage] 投稿日:2011/03/03(木) 02:20:59.50 ID:WDR3tvAk</div>
<div>ようやく規制解除来たか…本当にまいりますな。</div>
<div>全然レスがつかないんで、やっぱりつまらんかったかorz</div>
<div>と枕を濡らしそうになったのは内緒だ。</div>
<div> </div>
<div>>>542</div>
<div>無断借用すいませんでしたー!</div>
<div>ガーディアンズが鬼の役をやるというところから思いついた話なんで</div>
<div>二重に感謝です♪</div>
<div>450にドゾ(*´∀`)ノ[交換用オイル&輸液セット]</div>
<div> </div>
<div>バレンタインネタは少々練り直し中。できしだい投下します。</div>
<div> </div>
<div>>>543</div>
<div>ほのぼのを提供できたなら幸いです。</div>
<div>ヒュマ助飯店とか好きなんで、ああいう雰囲気の話が書けたらなと思いますね。</div>
<div> </div>
<div>>一瞬トニオかと思ったら、そんな事はなかったぜ!</div>
<div>イメージとしては合ってますよ。</div>
<div>最初長身ビーストにしようかと思ったんですが、</div>
<div>でかい相手だと410が怖がってドアを開けないかもだし</div>
<div>元ネタの絵本に近い感じにしたほうがいいかなと。</div>
<div> </div>
<div>いやー、レスいただけて本当に嬉しい。</div>
<div>くそ長いんで迷ったけど落としてみてよかった。ありがとうございます!</div>
<div> </div>
<div>545 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2011/03/04(金) 18:17:23.78
ID:MA6OK7tw</div>
<div>女主人「ただいま」</div>
<div>エル「お帰りなさい……って、何ですかその箱の山は」</div>
<div>女主人「シャトのコピー素体とその他もろもろ。ちょっとクバラの裏道で買ってきた」</div>
<div>エル「また闇市行ってきたんですか?……で、それらをどうするんですか?」</div>
<div>女主人「うん、ちょっと試したい事があって」</div>
<div> </div>
<div> イチジカン ケイカ</div>
<div> </div>
<div>女主人「うし、完成。改めて見るとやっぱり似てるわ」</div>
<div>エル「何ですかこれ。シャトの耳にさらにウサギの耳みたいな物が付いてますが?しかも真っ白ですね」</div>
<div>女主人「あとはトランサーにセットして、リンクを確認……うん、動く動く。では改めて」</div>
<div>女主人(変声)「ねえ、僕と契約して魔ほふぐっ」</div>
<div>エル「(ハラロドウをしまいながら)今のでようやくわかりました。なにやらかしてるんですか貴女は」</div>
<div>女主人「だ、だってもうこういう風にしか見えなくて……」</div>
<div> </div>
<div>某iv検索中に430と戯れる姿を見つけて思わず。</div>
<div> </div>
<div>546 名前:1/5[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:36:13.58 ID:IMxk5PIj [1/6]</div>
<div> ここはとあるガーディアンに割り当てられたマイルームの一室。</div>
<div> ベッドの上では部屋の主であるビーストの青年が大の字になって眠っている。</div>
<div> ビーストらしい大柄な身体には規定のベッドは小さすぎるのか、手足が片方はみ出ているが、慣れているのか気にしていないのか、</div>
<div> 気持ちよく眠っているようだ。</div>
<div> </div>
<div> そんな青年を、彼の相棒であるPM、GH-420が気難しげに見つめている。</div>
<div> </div>
<div>「マスター、起きろ」</div>
<div> </div>
<div> 420が声をかけたが、起きる気配は全くない。</div>
<div> </div>
<div>「マスター、起きろ!もう10時だぞ!」</div>
<div> </div>
<div> 先ほどよりも大きな声で呼びながら揺さぶるが、主人は起きない。</div>
<div> 420はため息をつくと一歩下がり、軽く跳躍して──</div>
<div> </div>
<div>「ふんっ!」</div>
<div>「うぐっ!?」</div>
<div> </div>
<div> 主人の腹に肘うちを叩き込んだ。</div>
<div> 鍛えられた腹筋も不意打ちされては用を成さず、青年は腹を抱えて悶絶した。</div>
<div> </div>
<div>「目が覚めたか、マスター」</div>
<div>「……危うく……ゲホッ、永眠するとこ……でしたが」</div>
<div> </div>
<div> 咳き込みながら起き上がる主人を見て、420は腰に手を当てて胸を張った。</div>
<div> </div>
<div>「昨夜の就寝時間は0時。現在時刻は10時。寝過ぎだ、マスター」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>547 名前:2/5[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:36:44.08 ID:IMxk5PIj [2/6]</div>
<div>「いいじゃないですか、休みの日くらい……」</div>
<div>「駄目だ!一度生活のリズムを崩すと元に戻すのは……ん?マスター、アゴに何かついているぞ」</div>
<div> </div>
<div> 言われた主人が寝ぼけ眼でアゴを手でさすった。</div>
<div> </div>
<div>「とれました?」</div>
<div>「とれてない。ほら、ここだ」</div>
<div> </div>
<div> 420が手鏡を取り出して主人を顔を映してみせると、ああ、と主人は納得した顔になった。</div>
<div> </div>
<div>「これはヒゲですよ」</div>
<div>「ヒゲ?ヒゲ、とはなんだ?」</div>
<div> </div>
<div> きょとんとした顔で訊いてくる420の頭を撫でながら、主人が答える。</div>
<div> </div>
<div>「男の人には自然に生えてくるものなんですよ。いつもは朝剃ってるからわからなかったんですね」</div>
<div>「ふぅん……なんだかザラザラしてて変な感じだ」</div>
<div> </div>
<div> 主人のアゴを恐る恐る触って首をひねる420を見て、主人が悪戯っぽく笑った。</div>
<div> </div>
<div>「うりゃっ」</div>
<div>「うわっ!?」</div>
<div> </div>
<div> 主人は突然420を抱きかかえると、頬をぴったりとくっつけ、頬ずりし始めた。</div>
<div> </div>
<div>「ほーら、じょりじょり~」</div>
<div>「わ、わ、やめろマスター!やーめーろー!」</div>
<div>「あははは、よいではないか~」</div>
<div> </div>
<div> 420はじたばたともがくが、主人はそれを見て笑うばかりでやめようとしない。</div>
<div> </div>
<div>「やめろっ!」</div>
<div>「ぶふっ!」</div>
<div> </div>
<div> 暴れる420の拳が顔面に叩きつけられて、ようやく主人の頬ずりは止まった。</div>
<div> </div>
<div>「ごめん。でも今のはマスターが悪いぞ」</div>
<div>「はい……すみません……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>548 名前:3/5[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:37:11.17 ID:IMxk5PIj [3/6]</div>
<div>「ふぅ……おかげで目も覚めたし、着替えますかね」</div>
<div>「うん、そうするといい。朝食ももう出来てるぞ」</div>
<div> </div>
<div> 服に手をかけて脱ごうとしたところで、420がじっとこちらを見ているのに気づいて主人は手を止めた。</div>
<div> </div>
<div>「あの、420?着替えたいんですが」</div>
<div>「? わかってるぞ」</div>
<div> </div>
<div> しかし420が立ち去る気配はなく、じっと主人の身体を凝視している。</div>
<div> </div>
<div>「マスター、何か問題でも?」</div>
<div>「いやあの……恥ずかしくないんですか?」</div>
<div>「恥ずかしい?何故だ?俺はマスターの身体を見るのは好きだぞ」</div>
<div> </div>
<div> はっきりと言われてたじろいだ主人を見て、420は何か思いついたようにポンと手を打った。</div>
<div> </div>
<div>「そうか、一人だけ脱ぐのが恥ずかしいんだな!では俺も脱ごう!」</div>
<div> </div>
<div> そう言うや否や自らの服に手をかけた420を、主人が慌てて止める。</div>
<div> </div>
<div>「いやいやいや違います!脱がなくていいですから!」</div>
<div>「そうか?それは残念だ……」</div>
<div> </div>
<div> 脱ぐのをやめ、しょんぼりした420に主人が苦笑いする。</div>
<div> </div>
<div>「なんで残念なんですか……」</div>
<div>「だって……俺は第4形態になってまだあまり経ってないから。だからマスターのことをもっと知りたいし、マスターにも</div>
<div> 俺のことをもっと知ってほしいぞ」</div>
<div> </div>
<div> そう言ってうつむいた420の頭を主人が優しく撫でる。</div>
<div> </div>
<div>「その気持ちは嬉しいですが、一応僕も男ですから。女の子と裸の付き合いをするわけにはいきませんね」</div>
<div>「むう」</div>
<div> </div>
<div> 不満げに頬を膨らませる420を見て、主人がまた苦笑を浮かべた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>549 名前:4/5[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:37:35.57 ID:IMxk5PIj [4/6]</div>
<div> 言動に似合わず料理の上手い420が作った遅めの朝食を摂ったあと、主人は大きく伸びをした。</div>
<div> </div>
<div>「さて、お腹も膨れたところで、ミッション行きましょうか」</div>
<div> </div>
<div> 主人の言葉に、420が首をかしげる。</div>
<div> </div>
<div>「マスター、今日は休みではなかったのか?」</div>
<div>「ええ。だから行くのはフリーミッションですよ」</div>
<div> </div>
<div> ガーディアンのこなす任務には、名指しで依頼されるものの他に、任意で受けることが出来るフリーミッションがある。</div>
<div> 給与は基本的に歩合制のため、大半のガーディアンはこちらで生計を立てているほどだ。</div>
<div> </div>
<div>「しかし休日にまでミッションをこなすとは、何か欲しい物でもあるのか?」</div>
<div>「んー、まあ、欲しいものというかなんというか」</div>
<div> </div>
<div> 主人は何故か照れたように笑うと、コホン、と咳払いをした。</div>
<div> </div>
<div>「420が欲しいんですよ」</div>
<div>「……!」</div>
<div> </div>
<div> 主人の言葉に衝撃を受けたように、420が一歩、二歩と下がり、頬を両手で押さえた。</div>
<div> </div>
<div>「知り合いに一介のガーディアンでも決められた金額さえ払えればPMの所有権を買い取れるって聞いたんですよ。</div>
<div> やっぱり所有権がないと色々と不便なこともあるらしくて」</div>
<div> </div>
<div> PMは配属当初はガーディアンズの備品扱いとなっている。しかしパートナーとして、あるいはそれ以上の存在としてPMとの絆を</div>
<div>育むガーディアンも多く、PMの所有権の買取を希望する者は後を絶たない。</div>
<div> </div>
<div>「そうか……マスター、そんなに俺のことを……」</div>
<div> </div>
<div> しかし顔を赤らめてぶつぶつと呟いている420の耳には主人の話は聞こえていないようだ。</div>
<div> やがて、何かを決意したような表情で顔を上げ、主人を見つめた。</div>
<div> </div>
<div>「まあその金額が新人ガーディアンにはちょっと厳しい額なんで、普段の任務に支障をきたさない程度に頑張ろうかな、と……え?」</div>
<div>「マスター……マスターの気持ちはよくわかった。俺はいつでも、あなたに身も心も捧げる覚悟は出来ているよ」</div>
<div>「え、ちょ……え?なんでそんな真剣な顔してるんですか?なんで服脱いでるんですか!?」</div>
<div>「だって……マスターは、欲しいんだろう?その……俺が」</div>
<div> </div>
<div> ここでようやくさっきの自分の発言で420が誤解していることに気づいた主人が、だらだらと冷や汗を流した。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>550 名前:5/5[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:37:57.94 ID:IMxk5PIj [5/6]</div>
<div>「い、いや、あの……ちょ……ちが……」</div>
<div> </div>
<div> 主人はなんとか誤解を解こうとするがうまい言葉が出てこず、パクパクと口を動かすだけだ。</div>
<div> こういうことに免疫がないのか、PMとはいえ女性に言い寄られ、すっかりうろたえてしまっている。</div>
<div> </div>
<div>「大丈夫だ……少し怖いけど、マスターの望みだからな……頑張る」</div>
<div> </div>
<div> そう言って420は主人の脚に寄りかかるように身体を預け、主人の顔を見上げた。</div>
<div> 混乱している主人は420の動向を見守るだけだ。</div>
<div> </div>
<div>「だから、だから……優しく、して……?」</div>
<div>「……!!」</div>
<div> </div>
<div> その言葉がトドメとなり、主人は完全に硬直した。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> その後、何とか立ち直った主人が誤解を解き、紛らわしいことを言うなと怒った420の恥ずかし紛れの怒りを静めるのに半日かかり、</div>
<div>結局ミッションには行けずじまいとなった。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>551 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 03:42:14.27 ID:IMxk5PIj
[6/6]</div>
<div>以上です。</div>
<div>俺っ子な420が書きたかっただけなんです・・・</div>
<div>ボクっ子があるなら俺っ子があったっていいと思うんです・・・</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>>>545</div>
<div>そんなシャトが浮いてたらモンスターそっちのけで殴ってしまいそうですw</div>
<div> </div>
<div>552 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 20:00:04.11 ID:oIB/vZ1n</div>
<div>投稿乙です。</div>
<div>俺っ子で天然なにゃんぽこ…GJ!</div>
<div> </div>
<div>そしてビーストなのに言葉遣いが丁寧な主人も新鮮だ。</div>
<div>自分のパシリに敬語使うキャラって、種族問わず珍しいよね。</div>
<div>ぜひ続編が見たいっす。</div>
<div> </div>
<div>553 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 23:51:50.82 ID:tR4BMMwv</div>
<div>保守</div>
<div>…皆さん無事かな…</div>
<div> </div>
<div>554 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/18(金) 17:42:47.97 ID:m7ID9lRJ</div>
<div>ノシ</div>
<div>ホワイトデーに投稿しようと思ってたんだが、</div>
<div>現実がゲームを越えちまってる今は</div>
<div>ここに書き込むのも心情的に難しいって人が多いかも。</div>
<div> </div>
<div>被災された人には本当にかける言葉がない…</div>
<div>早く落ち着いた環境に戻れますように。</div>
<div>無事だった人もいろいろ大変だろうけど、できる限り日常を回していこう。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>555 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/03/31(木) 23:01:24.41 ID:pjZa4meN</div>
<div> ____</div>
<div> /|_:|:::::::::: __|</div>
<div> /´ ::::::::: ,ノノ :.ヽ.</div>
<div> / :::: :::::::,;:::: :::::;; ハ</div>
<div> | :: ( :::::;ヘ;;,.,:;:,ハ::::.}</div>
<div> |:(@:)イ-‐ ‐ ,'::.ノ <保守ついでに業務連絡~っと</div>
<div> (;イソヘリ、 ( フ_ノノ´</div>
<div> (イリ/';:'`.=/ ̄ ̄ ̄ ̄/</div>
<div> (.リ(_;:::つ/ GH-450 / カタカタ</div>
<div>. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄</div>
<div> </div>
<div>現在、(このレス投稿直前で)スレは455kになっております。</div>
<div>長編を投稿する予定の方はサイズを確認をよろしくお願いします。</div>
<div> </div>
<div>556 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/04/02(土) 20:55:32.53 ID:m4MIQbc5</div>
<div>GH-450「オラオラオラっ!撲殺!撲殺ゥ!!」</div>
<div>GH450「ホーッホッホッホ!チェインを溜めるわっ!溜めるのよ!!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>450「・・・・・・ オイコラ」</div>
<div> </div>
<div>『 ん?なに?』</div>
<div> </div>
<div>450「な ん で す か ア レ ら は」</div>
<div> </div>
<div>『え? いやあっち(GH-450)はA君が寄越したサポートキャラで、</div>
<div> そっち(GH450)はサードキャラだけど?』</div>
<div> </div>
<div>450「なんで二人とも身長最小で私のオッソリアセット着てるんですか!」</div>
<div> </div>
<div>『えー、だって、ねえ?』</div>
<div> </div>
<div>GH-450「だよなー。 なあ?(ゲシッ)」</div>
<div>箱「いで」</div>
<div> </div>
<div>GH450「ですよねー?(スリスリ)」</div>
<div>箱「あうあう」</div>
<div> </div>
<div>450「うきーーーっ!!離れれてください!離れなさい!!シッシッ!!」</div>
<div> </div>
<div>GH-450「んだよー、ぐるぐるノスメギドとザルアしか使わないくせにー」</div>
<div>450「うっ(グサッ)」</div>
<div> </div>
<div>GH450「ですよねー せめてー 今作だったらー サゾンデくらいー 使えないとー」</div>
<div>450「ぐふっ(グサッ)」</div>
<div> </div>
<div>箱「ちょっとみんな言いすぎだよ。そりゃ確かにレスタかけるタイミングですらマガシさんや</div>
<div> ケンタッキーおじさんより遅いかもしれないけど、450だって一生懸命やってるんだし・・・」</div>
<div>450「ご・・・ごしゅ・・・じんさま・・・それフォ・・・ローになってない・・・です・・」</div>
<div> </div>
<div>GH-450「いやでもマジな話、マガっさんやカーネルのほうがいいんじゃね?」</div>
<div> </div>
<div>GH450「ですよねー もう45xデバイス20個くらい溜まってますしー はずしてもいいんじゃないですか?」</div>
<div> </div>
<div>450「そ、そんな!」</div>
<div> </div>
<div>『いやそれは・・・なあ?』</div>
<div> </div>
<div>箱「・・・ですよねえ」</div>
<div> </div>
<div>450「ご、ごしゅじんさまぁ・・・(うるうる) あとついでにプレイヤー」</div>
<div> </div>
<div>『例えるなら、惰性で読んでるジャンプって感じ?』</div>
<div>450「・・・」</div>
<div> </div>
<div>箱「いや、日の丸弁当のうめぼしって感じじゃないかな?」</div>
<div>450「・・・ うがーーーーーーーーーーーー!!!!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>・・・って感じで∞遊んでる。反省はしていない。</div>
<div> </div>
<div>と、スレ残っててびっくりしたついでに保守がてら投下してみたが</div>
<div>しかしほんとあの地震はびっくりしたなあ・・・ はやく被災地や被災者のみんなが落ち着けますように。</div>
<div> </div>
<div>557 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/04/03(日) 23:49:48.18 ID:v/7B6VXf</div>
<div>箱さん超おひさ!無事でなによりです。</div>
<div>>GH450「ですよねー もう45xデバイス20個くらい溜まってますしー はずしてもいいんじゃないですか?」</div>
<div>それをはずすなんてとんでもない!</div>
<div> </div>
<div>∞でもPSUでも、ソロの場合でPA上げやパートナー不可のミッション以外は</div>
<div>必ずパシリ連れてあるいてる俺ガイル</div>
<div>惰性と言われればそれまでかもしれんが、居ないと何か落ち着かんw</div>
<div> </div>
<div>558 名前:オリジン 1/5[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:04:02.01 ID:pxnvzBGL
[1/6]</div>
<div> 主人のことを、「マスター」って呼ぶようになったの、いつからだっけ。</div>
<div> 自分のことを、「俺」って言うようになったの、いつからだっけ。</div>
<div> こんな喋り方をするようになったの、いつからだっけ──</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>「よう。邪魔するぜ」</div>
<div> </div>
<div> ──また、この女か。</div>
<div> </div>
<div>「……へえ、綺麗に片付いてるじゃないか。感心感心」</div>
<div> </div>
<div> ──当たり前だ。マスターは綺麗好きなんだ。</div>
<div> </div>
<div>「でも、ちょっと殺風景過ぎるんじゃないか?家具の類もほとんどないし」</div>
<div> </div>
<div> ──着任してすぐだから、仕方ないんだ。外に出歩けるくらいに成長したら、一緒に買いに行くんだ。</div>
<div> </div>
<div>「……よし、お前今日休みだろ?今からショップ行って見てみようぜ」</div>
<div> </div>
<div> ──マスター。どうしてあなたは</div>
<div> </div>
<div>「気にすんなって。俺も今日休みだし、特に用事もないしさ」</div>
<div> </div>
<div> ──その女と居ると、そんなに楽しそうなんだ。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> 私も──</div>
<div> 「俺」も、その女みたいに、なれたら。</div>
<div> </div>
<div> あなたは、喜んでくれるか──?</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>559 名前:オリジン 2/5[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:04:33.77 ID:pxnvzBGL
[2/6]</div>
<div> ここは、とあるガーディアンに与えられたルームの一室。</div>
<div> 大きいとは言えない一つのコタ・ツダイに、三人のガーディアンと、三体のPMが寄り添うように入っている。</div>
<div> </div>
<div>「ったく、もう春だってのになんでこんなに寒いかねえ」</div>
<div> </div>
<div> 三人の中でも一番背の高い、ヒューマンの女性がぼやいた。</div>
<div> 膝の上では、彼女の相棒であるGH-410がすやすやと寝息をたてている。</div>
<div> </div>
<div>「ふふ、まだまだこれのお世話になりそうですね。……こうしていると、実家にいた頃を思い出します」</div>
<div> </div>
<div> 行儀よく正座をしたニューマンの少女が、昔を思い出すように目を閉じて言った。</div>
<div> </div>
<div>「ごゆいんあまおおいっかいもあっらんれうか?」</div>
<div> </div>
<div> 隣にいるGH-450が、ミ・カンを頬張りながらモゴモゴと何かを言った。</div>
<div> 反対側に座っているGH-440が、その様子を見て顔をしかめる。</div>
<div> </div>
<div>「食べるか喋るかどっちかにしなよ。口の周りもベタベタだし……ほら」</div>
<div> </div>
<div> 拭きなよ、と440が差し出したテッシュを見て何か思いついた450は、口の中のミ・カンを飲み込むと、440の方に顔を突き出した。</div>
<div> </div>
<div>「帽子ちゃん。拭いて♪」</div>
<div>「なっ……ばっ、馬鹿じゃないの!? 自分で拭きなさいよ!」</div>
<div>「いいじゃん、ほらほら」</div>
<div>「うわっ、あっ、よ、寄るなぁ!」</div>
<div> </div>
<div> にやにやと笑いながらにじり寄る450と、顔を真っ赤にして抵抗する440を見て、二人の主人がくすくすと笑った。</div>
<div> </div>
<div>「平和だねぇ……」</div>
<div> </div>
<div> 部屋の主がしみじみと呟いた時、来客を告げるチャイムが部屋に響いた。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>560 名前:オリジン 3/5[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:05:04.92 ID:pxnvzBGL
[3/6]</div>
<div>「お客さん……?」</div>
<div> </div>
<div> 首をかしげるビーストの少女に、部屋の主が頷いてみせる。</div>
<div> </div>
<div>「ああ、ちょっと紹介しておきたい奴がいてな……開いてるぞー」</div>
<div> </div>
<div> そう外に向かって声をかけると、失礼します、と返事が返ってきた。若い男の声だ。</div>
<div> ドアが開いて入ってきたのは、背の高いビーストの青年だった。</div>
<div> </div>
<div>「ご無沙汰してます、教官」</div>
<div> </div>
<div> 教官、と呼ばれた女性がにやりといつもの笑みを浮かべ、片手を挙げて挨拶を返す。</div>
<div> </div>
<div>「おう、久しぶりだな。……ん、一人なのか? PMも一緒に来るって言ってなかったっけ」</div>
<div>「ええ、一緒に……あれ?」</div>
<div> </div>
<div> 青年がきょろきょろと辺りを見回すが、相棒の姿は見えない。</div>
<div> </div>
<div>「おかしいな、さっきまで一緒に居たんですけど……」</div>
<div> </div>
<div> そう言って青年が後ろを振り向くと、その背中にGH-420がしがみついていた。</div>
<div> 女性が首の後ろあたりを掴んで引き剥がすと、噛み付きそうな顔で睨みつけてくる。</div>
<div> </div>
<div>「……おい、お前の相棒ってのはこいつか」</div>
<div>「え? ……あ、420!どこに居たんですか!?」</div>
<div>「いや、気づかないお前もどうかしてるからな?」</div>
<div> </div>
<div> 女性が呆れたように言うと、420がぶらさげられたままじたばたと暴れだした。</div>
<div> </div>
<div>「離せ!」</div>
<div>「ん、ああ……悪い悪い」</div>
<div> </div>
<div> そう言って地面に下ろすと、420は走って青年の後ろに逃げ込み、顔だけを出して威嚇するように睨み付けてきた。</div>
<div> </div>
<div>「……440の時といい、初対面のPMに嫌われる性質でも持ってんのかな、俺」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>561 名前:オリジン 4/5[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:05:31.18 ID:pxnvzBGL
[4/6]</div>
<div>「まぁいいか……おーい、ちょっとこっち来てくれ」</div>
<div> </div>
<div> 女性が部屋の奥に向かって手招きして、二人の少女とPMを呼んだ。</div>
<div> 怖々と上目遣いで青年を見る二人に、女性が笑ってみせる。</div>
<div> </div>
<div>「くくっ、大丈夫だよ。ナリはこんなだけど悪い奴じゃないから」</div>
<div>「あはは……すみません」</div>
<div> </div>
<div> 青年が苦笑して、ペコリと頭を下げた。</div>
<div> </div>
<div>「今日呼んだのは、こいつを紹介しておきたかったからなんだ。少し前に人手不足で俺が臨時の新人指導係やってた頃に担当したやつでな。</div>
<div> ランクも二人と同じくらいだから、これからミッションで一緒になることもあるかと思ってさ」</div>
<div>「では改めて、初めまして。まだまだ未熟者ですのでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、一緒になった時はよろしくお願い致しますね」</div>
<div> </div>
<div> そう言って丁寧に辞儀をした青年に、二人の少女が慌てて頭を下げた。</div>
<div> </div>
<div>「あっ、こ、こちらこそ! よろしくお願いします……!」</div>
<div>「よろしく……お願いします……」</div>
<div> </div>
<div> そうして挨拶を交わす三人を見て女性はうんうんと頷き、次いでにやりと笑みを浮かべた。</div>
<div> </div>
<div>「挨拶が済んだところで、だ。親睦を深める意味も兼ねて、今度このメンバーで花見に行かないか?」</div>
<div>「お花見……ですか」</div>
<div> </div>
<div> 女性の提案にビーストの二人は首を捻った。自然の少ないモトゥブ出身の彼らは花見という概念は知っていても、いまいちピンとこないようだ。</div>
<div> 一人ニューデイズ出身の少女が両手を合わせて嬉しそうに笑った。</div>
<div> </div>
<div>「ああ、いいですね! 今ならきっと満開ですよ!」</div>
<div>「だろ? こういうのは人数多い方が楽しいしな。日程は休暇を合わせるとして、とりあえず──」</div>
<div> </div>
<div> 女性がニコッと不気味な笑みを浮かべて青年の肩をぽん、と叩くと、青年の顔が引きつった。</div>
<div> まるで嫌な予感がする、と言わんばかりに。</div>
<div> </div>
<div>「場所取り、頼むわ」</div>
<div>「……まぁ予想はしてましたけど。分かりました、お任せください」</div>
<div> </div>
<div> こういった扱いに慣れているのか、青年は苦笑しながらも快く請け負った。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>562 名前:オリジン 5/5[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:06:10.24 ID:pxnvzBGL
[5/6]</div>
<div> 花見の話で主人達が盛り上がる中、420は青年の傍らで、女性を睨みつづけていた。</div>
<div> そんな420に、心配そうに440が小声で声をかけた。</div>
<div> </div>
<div>「ねえ、大丈夫? ずっと睨んでるけど……」</div>
<div>「っ……!」</div>
<div> </div>
<div> 声をかけられてビクリと身を震わせた420が、慌てて青年の脚に隠れた。</div>
<div> </div>
<div>「あ……」</div>
<div>「照れてるのかな? それとも人見知りとか」</div>
<div> </div>
<div> PM達のやり取りに気づいた青年が、しゃがみ込んだ。</div>
<div> </div>
<div>「すみません。この子、他のPMに会うのは初めてなので、ちょっと照れてるのかもしれません。あの、仲良くしてあげてくださいね」</div>
<div> </div>
<div> しゃがんでもなおPMの身長より大きなビーストに、440は少し気圧されながら頷いた。</div>
<div> </div>
<div>「ええ……それは、もちろん」</div>
<div>「お任せください。うっふっふ……照れ屋な子は大好物ですよ」</div>
<div> </div>
<div> にやにやと気色の悪い笑みを浮かべながら余計なことを言った450の頭を、440がはたいた。</div>
<div> そんな二人のやり取りを見た青年が朗らかに笑った。</div>
<div> </div>
<div>「仲がいいんですね。……420も、そんな友人になれればいいんですが」</div>
<div> </div>
<div> そう言って自分の後ろに隠れたままの420をちらりと見る。</div>
<div> まるで内気な子供を持つ親のようだ。</div>
<div> </div>
<div>「まぁ、そのための花見さ。飲んで食ってぱーっと騒げば気分もほぐれるだろ」</div>
<div> </div>
<div> 気楽そうに言った女性を、青年の背中に隠れた420が顔を半分覗かせて、また睨みつける。</div>
<div> その視線に、女性は閉口したように肩をすくめた。</div>
<div> </div>
<div>「……俺も友達になれるように、頑張らないといけなさそうだな」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>563 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/04/13(水) 04:09:05.11 ID:pxnvzBGL
[6/6]</div>
<div>投下完了です。</div>
<div>容量ちょっと心配でしたが全然大丈夫でした。</div>
<div> </div>
<div>>>552</div>
<div>だいぶ遅くなりましたが、ありがとうございます。</div>
<div>次回作あたりで俺っ子PM出たり・・・したらいいなぁ。</div>
<div> </div>
<div>564 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2011/04/14(木) 20:18:36.77 ID:58m5Kkij
[1/5]</div>
<div>お久しぶりです。</div>
<div> </div>
<div>……詳しくは語りません。>>364と言えばわかってもらえるでしょう。</div>
<div> </div>
<div>565 名前:『さよならじゃない、またいつか』[sage GH470の者] 投稿日:2011/04/14(木) 20:19:52.58
ID:58m5Kkij [2/5]</div>
<div> </div>
<div>いつもどおりの日常。それがいつもどおりだからこそかけがえのない物だと気付く事はない。気付くのは決まって、失った時。</div>
<div> </div>
<div>目が覚めて、すぐにボクがする事は、自分のマスターを起こす事。いつもどおりベッドでグースカ寝ているあの人を起こしに、部屋に入ると……</div>
<div>「……あれ?」</div>
<div>誰も、いない。ベッドから落ちたり、女性として恥ずかしいポーズで寝ていたりするボクのマスターの姿がない。</div>
<div>はて、昨日から泊りがけの用事なんてあっただろうか。思念にふけるボクの目に、ある物が写った。</div>
<div> </div>
<div>『メッセージ:一件』と表示されている、ビジフォンのインフォメーション。</div>
<div> </div>
<div>
差出人を確認すると、なんと、マスターにキャス姉さん、そしてニュマ男さんの三人からだった。どうやら、ボクを含め他の二体……キャス姉さん、ニュマ男さんのPMにも送られているようだ。</div>
<div>一体どういうことなのか。それは、メッセージを再生してみない事にはわからない。</div>
<div>「メッセージ、再生」</div>
<div>ビジフォンにそう命じると、ホログラフで三人の姿が表示された。</div>
<div> </div>
<div>『えー、ゴホン。君がこのメッセージを見ているという事は、もう私たちはこの世にいないだろう……』</div>
<div>『女主人さん。ふざけるのはそこまでにしてください』</div>
<div>『……だってー。一回言ってみたかったんだもん、こういうの』</div>
<div>『気持ちはわかるがな、今はそれが洒落になってないから困るんだよ』</div>
<div> </div>
<div>……洒落になってない?まさか……本当に、命に関わるような事が……?</div>
<div> </div>
<div>『あー、弁明させてくれ。別に俺たちは死んじゃいない。ちょっと顔を出せなくなっただけさ』</div>
<div>『しかし、その期間が相当な物であるだろうという事です。月単位か、最悪で年単位になってしまうかと』</div>
<div>『流石にそこまで長く離籍すれば、ガーディアンをクビになることは確かなはず。だから、コレはある意味お別れのメッセージよ』</div>
<div> </div>
<div>……そうだったんですか。もう、マスターたちとは会えないんですね。</div>
<div> </div>
<div>566 名前:『さよならじゃない、またいつか』[sage GH470の者] 投稿日:2011/04/14(木) 20:21:10.47
ID:58m5Kkij [3/5]</div>
<div>『た・だ・し』</div>
<div> </div>
<div>……?</div>
<div>もう会えないという言葉が頭の中をぐるぐる回っていたとき、マスターがさらに言葉を繋げた。</div>
<div> </div>
<div>『あたしたちだってそんなに長く離籍するつもりはないわ』</div>
<div>『私たちの居場所は、このGコロニーの』</div>
<div>『お前らのいるマイルームだから、な』</div>
<div>『……んふふ、泣いた?ねえ泣いちゃった?』</div>
<div>『こら、そこでそんな台詞吐くなよ。この場合は『そういうわけだから、ちゃんと留守番しておけよ』とか……って、461!今鼻で笑ったろ!?』</div>
<div>
『メタな発言はこれくらいにしましょう。……もし、私達が戻ってきて、知っている人が誰もいなかったら寂しいですから。どうか全員で、笑顔で待っていて下さい』</div>
<div> </div>
<div>……ああもう、この人たちは。</div>
<div>マスター……悔しいですが、確かにほろりときましたよ。その後の発言で台無しですが。</div>
<div>キャス姉さん……色々とありがとうございました。</div>
<div>ニュマ男さん……この変態。でも、いい変態でした。賛同はしかねますが。</div>
<div> </div>
<div>『それじゃあ……』</div>
<div> </div>
<div>はい。</div>
<div> </div>
<div>『ちょっとラグオル行ってくる』</div>
<div> </div>
<div>……はい?</div>
<div> </div>
<div>567 名前:『さよならじゃない、またいつか』[sage GH470の者] 投稿日:2011/04/14(木) 20:22:04.74
ID:58m5Kkij [4/5]</div>
<div>『いやー、行ける場所探したらここしかなくってね。でもまあ、同じような感じだったしなんとかやっていけるでしょ』</div>
<div>『俺はクラ6に移住だぜ?っていうか、よくあんな所行けるなー』</div>
<div>『確かに第一印象がモッサリだったけど、始めてみると中々面白いのよー』</div>
<div>『……俺も行きたかった』</div>
<div>『仕方ないじゃない。ニューマン男性はフォースしかないのよ?あのバカ王子服が嫌だからクラ6にしたんでしょ?』</div>
<div>『……何でPS○は服が固定なんだよと小一時間』</div>
<div>『…………』</div>
<div>『……キャス姉?そういえばキャス姉の移住先は?』</div>
<div>『……ありません』</div>
<div>『えっ』</div>
<div>『えっ』</div>
<div> </div>
<div>どうやら地雷を踏んだらしく、険悪な雰囲気になっています。……いや、そんな事はいいんです。</div>
<div>とりあえず、マスターが帰ってきた時のボクの行動は決まりました。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>――生きてる事を後悔するくらい、ボコボコにしてあげます。覚悟しててくださいね、マスター♪</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> *** ***</div>
<div> </div>
<div>「!?」</div>
<div>惑星ラグオル、の遥か上空に留まっている宇宙船、パイオニア2。その居住区内で、一人の女性が突然身体を震わせた。</div>
<div>「……何か悪寒がするなぁ。今日の探索はやめにしようかしら」</div>
<div>その悪寒が、かつてパートナーだったものの怒りの思念である事を、彼女は知る由もなかった。</div>
<div> </div>
<div>568 名前:『さよならじゃない、またいつか』[sage GH470の者] 投稿日:2011/04/14(木) 20:25:53.06
ID:58m5Kkij [5/5]</div>
<div>というわけで、PS2サービス終了に伴い、一旦グラールを離れます。</div>
<div>とりあえず、女主人の発言どおり、パイオニア2でブラブラしてますんで。</div>
<div> </div>
<div>エル「パイオニア2はなくなったんじゃないんですか?」</div>
<div> </div>
<div>>>158参照、な。うちのPCはようやく動くレベルだからモッサリってるだけなんだが。</div>
<div> </div>
<div>569 名前:364の人[sage] 投稿日:2011/04/14(木) 21:35:35.12 ID:mogjZroG</div>
<div>>>568</div>
<div>おつかれさまですよ。</div>
<div>PM好き同士、このスレッドで会えたのも何かの縁。</div>
<div>また何処かで会いましょう。それでは、またいつか。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>570 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 19:37:22.17 ID:k0TeZcHF</div>
<div>>>568</div>
<div>こういう話があるんだろうなとは思ってたが、やはり切ないな…</div>
<div>エル君と女主人のやりとり好きだったんで。</div>
<div> </div>
<div>エル君がご主人様をボコボコにできる日が来ることを期待しつつw</div>
<div>お疲れさまでした。楽しませてもらってありがとう。</div>
<div> </div>
<div>571 名前:ごうせいのまほう[sage] 投稿日:2011/04/27(水) 01:21:17.64 ID:kNK17oo5</div>
<div>450「こんにちワンド!」</div>
<div>450「ありがとうウォンド!」</div>
<div>450「楽しいアイテムが…ぱ、ぱぱーん!!」</div>
<div>・</div>
<div>・</div>
<div>・</div>
<div>御主人「…あれだ。CMを真似るのはまあいいが」</div>
<div>450「… … …」</div>
<div>御主人「例のあれは合成できたのかな」</div>
<div>450「…あう」</div>
<div>御主人「あう?」</div>
<div>450「ぱぱーん!ぱぱーん!!」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>572 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/02(月) 22:47:48.27 ID:+sb/Og+p</div>
<div>保守</div>
<div> </div>
<div>573 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/07(土) 17:59:14.34 ID:BDO/I6zz</div>
<div>test</div>
<div> </div>
<div>574 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/09(月) 23:29:01.90 ID:+sqts2OY</div>
<div>遅まきながら[ ゚Д゚]<インフィニッティー始めました</div>
<div>PSUをやっていた頃とエラい変わっていてびっくらです</div>
<div>でもパシリがご飯食べてくれなくてしょんもり</div>
<div> </div>
<div>いずれどこかで、やたら口の悪い430や</div>
<div>はうはう口ごもる気弱な小ビス子を見掛けましたら</div>
<div>よろしくしてやってくださいませ</div>
<div> </div>
<div>575 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/12(木) 09:08:44.11 ID:ASSOnZ95</div>
<div>お帰りなさい。</div>
<div>インフィニティーで小ビス子たんとすれ違い通信をした…は、殺気!</div>
<div> </div>
<div>576 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/12(木) 16:18:58.60 ID:dBCGN4Gq</div>
<div>えっ、マジで小ビス子氏?</div>
<div>うわー、今になっていらっしゃるとは思わなんだ。</div>
<div> </div>
<div>あっちは新しいコスもいろいろあるので、</div>
<div>カグヤヒラリとか目指してみるのはいかがでしょうか。</div>
<div>430がまたオイル吹いてしまいそうなラブリー系もありますし。</div>
<div> </div>
<div>…ミジカクテイイノデ ゼヒ小ビス子ト430ノ リトルウィングレポートヲオネガイシマス(コソ</div>
<div> </div>
<div>577 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 08:45:31.87 ID:Yh36Wru8</div>
<div>戦闘中のPM台詞をpspi準拠にしてくれないかなあ</div>
<div> </div>
<div>578 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/24(火) 21:14:57.49 ID:U7cffNzP</div>
<div>>>577</div>
<div>例えばどんなん?</div>
<div> </div>
<div>579 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 01:12:52.28 ID:sNypUfnI</div>
<div>>>578</div>
<div>俺は>>577じゃないけど、こんな感じ。</div>
<div> </div>
<div>PSUでは戦闘中に</div>
<div>「散らばって戦いましょう」とか「援護します 後はお任せください」とか言うけど、</div>
<div>実際は全く状況にあってない、汎用の台詞が多い。</div>
<div>(小型に「カワイイ!やっちゃいましょう」とか言うから全てがそうではないけど)</div>
<div> </div>
<div>PSPo2iだと</div>
<div>汎用の台詞もあるけど、割と状況にあった事言ってくれる。</div>
<div>例えば射撃耐性の敵がいたら</div>
<div>「射撃が効かない・・・なんて事」とか</div>
<div>PMを回復したら「ありがとうございます!」とか。</div>
<div>逆にこっちのHPが減ってる時は「ああ!! 大丈夫ですかっ」とか言いながら</div>
<div>近寄ってきて回復してくれるしなw</div>
<div> </div>
<div>問題はPSPo2iはNPCのAIそのものが違うからな~</div>
<div>台詞だけ替えても、延々壁に向かって走り続けるAIのままでは意味が無いかもしれん。</div>
<div> </div>
<div>なお、どのPMがどんな事を言うか知りたいなら、PSPo2iのwikiに行くといい。</div>
<div> </div>
<div>580 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2011/05/25(水) 05:01:30.18 ID:3k0z2KBs
[1/3]</div>
<div>「……よし、誰もいない。ちょっと通り過ぎるならイマノウチ……」</div>
<div>夜中のマイルーム。そこにうごめく怪しい影。……何をしているのかはもうバレバレですよ?</div>
<div>「……照明オン」</div>
<div>「うおっ、まぶしっ!」</div>
<div>照明が付く事によって、怪しい人影の姿をはっきりと捉えることが出来た。</div>
<div> </div>
<div>エル「お帰りなさい、マスター。そしてしばらく寝込んでいってください」</div>
<div> </div>
<div>女主人「いやちょっと待……」</div>
<div> </div>
<div> アッー!!オガーザーン!!</div>
<div> </div>
<div>エル「で、どこほっつき歩いてたんですかこのダメマスター」</div>
<div>女主人「(トリメイトを食べつつ)いやその、なんていうか……ちょっと寂しくなっちゃって?」</div>
<div>エル「全く、パイオニア2に行くとか何考えてるんですか」</div>
<div>女主人「あー、ごめん。PSOすぐに飽きたわ」</div>
<div>エル「作品名言わないでください。……じゃあ、どこに行ってたんですか?」</div>
<div>女主人「……ちょっと肉を焼きにユクモ村まで」</div>
<div>エル「……はあ、そうでしたか」</div>
<div>女主人「あれ、突っ込まない……?」</div>
<div>エル「某ガルルガ仮面さんもこちらに来ているらしいですし、もう文句は言いません」</div>
<div>女主人「クラ6の方だろうけどね。……とりあえず、ちょっとお邪魔するわ、エル」</div>
<div>エル「ええどうぞ。ゆっくりしていってください」</div>
<div> </div>
<div> ……本当は、「ただいま」を聞きたかったけど。仕方ないですよね。</div>
<div> </div>
<div>581 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2011/05/25(水) 05:02:27.58 ID:3k0z2KBs
[2/3]</div>
<div> </div>
<div>おまけ</div>
<div>「そういえば、今の家にも通信つないでたんだっけ。おーい、エルー、ヴィアー」</div>
<div>『ニャッ!?面妖な物体から旦那さんの声がするニャ!?』</div>
<div>『もしかして、旦那さんはこの中に……!?』</div>
<div>「……まあ、わかってたけどね、この反応は。向こうにとってはオーパーツも当然だし」</div>
<div>「ひょっとして、今呼んだのって……」</div>
<div>「うん、今のあたしのオトモ。本当はちゃんとエルヴィアって付けたかったんだけどエルエル言ってたらそれで定着しちゃって」</div>
<div>『旦那さーん!今助けるニャー!!』</div>
<div>「って、ちょっと落ち着きなさいあんた達!壊したら解雇するわよ!?」</div>
<div>『で、でも旦那さんが……』</div>
<div>「大丈夫よ。あたしはちゃんと生きてるし、どこにも閉じ込められてないから」</div>
<div>『ニャァ~……』</div>
<div>「後でマタタビあげるから。ちょっと話してくれる?あたしが前に言ってた、もう一人のパートナーと繋がってるわよ」</div>
<div>『ニャッ?それって、あの『ぴーえむ』って奴ですかニャ?』</div>
<div>「……マスター、世界を超越しすぎです。いろいろ怒られますよ?」</div>
<div>「気にしないの。それじゃあ、適当に話しといて。久々のシャワーを浴びるから。辺境で温泉もいいけど都会でシャワーも捨てがたい!」</div>
<div>「ははは……相変わらずなマスターですねー……というわけで、エルさんとヴィアさん……ですか?ボクは――」</div>
<div> </div>
<div> ――ボクはGH465、個体識別用の名前はエルヴィアです。</div>
<div> </div>
<div>582 名前:名無しオンライン[sage GH470の者] 投稿日:2011/05/25(水) 05:04:55.16 ID:3k0z2KBs
[3/3]</div>
<div>というか俺がいない間に小ビス子氏が来ていたとは。</div>
<div> </div>
<div>583 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/06/01(水) 14:22:18.64 ID:H6xTAayI</div>
<div>test</div>
<div> </div>
<div>584 名前: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 [sage] 投稿日:2011/06/05(日) 08:13:20.52
ID:0+JJHZop</div>
<div>test</div>
<div> </div>
<div>585 名前: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 [sage] 投稿日:2011/06/08(水) 12:43:15.08
ID:2nnE+tT7</div>
<div>残り25kB 完走ペースかな?</div>
<div> </div>
<div>586 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/06/09(木) 17:26:17.39 ID:X0Q4ckpQ</div>
<div>小ビス子氏復活は嬉しかったけど、</div>
<div>他の作者の人たちはどうしてるんだろうか。</div>
<div>震災以降仕事が忙しくて…とかならいいんだけど、</div>
<div>被災した人もいるかもしれないよな。</div>
<div> </div>
<div>みなさん無事でありますように(-人-)</div>
<div> </div>
<div>587 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:49:22.89 ID:8IpH99Et
[1/6]</div>
<div>完走目指して、小ネタを投下。</div>
<div> </div>
<div>588 名前:ひまつぶし 1/4[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:50:03.00 ID:8IpH99Et
[2/6]</div>
<div>「……暇だ」</div>
<div>「それ、13回目だよ」</div>
<div> </div>
<div> ベッドの上に転がった450のぼやきに、手元の作業に集中したまま440が答えた。</div>
<div> </div>
<div>「せっかく遊びに来たのに合成中ってなんだよー暇だよー!」</div>
<div>「仕方ないでしょ……14回目」</div>
<div> </div>
<div> 一旦手を止めて440がため息を吐く。</div>
<div> </div>
<div>「だいたい、こっちの予定も聞かずに押しかけてくるのが悪いんでしょうが」</div>
<div>「そう言われるとぐうの音も出ないね」</div>
<div> </div>
<div> お互いの主人がPM同伴不可のミッションへ出かけたため、きっと440も暇だろうと思った450が押しかけたわけだが、</div>
<div>440は主人に頼まれた合成の作業中だった。</div>
<div> それでも追い返したりしないのは二人の仲が良いのと、主人が不在の時の寂しさを440も知っているからだ。</div>
<div> とは言え、さすがに合成を中断して遊ぶわけにはいかない。</div>
<div> </div>
<div>「そんなに時間かかる物じゃないから、大人しく待っててよ」</div>
<div>「むう……」</div>
<div> </div>
<div> ごろりと寝返りを打った450の目に、440の大きな帽子が映る。</div>
<div> </div>
<div>「……」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>589 名前:ひまつぶし 2/4[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:50:24.92 ID:8IpH99Et
[3/6]</div>
<div> 起き上がってベッドから降り、そろりそろりと440に近寄る。作業に集中しているのか、440は気にした様子はない。</div>
<div> </div>
<div>「とりゃっ」</div>
<div>「!?」</div>
<div> </div>
<div> 450の手が440の頭上をかすめ、帽子を奪い取った。440は慌てて両手を頭の上にやるが、もちろん何もない。</div>
<div> </div>
<div>「あ……なっ……」</div>
<div>「ホントおっきいよね、この帽子」</div>
<div> </div>
<div> 両手を頭の上にやったまま口をパクパクさせる440をよそに、450は帽子をしげしげと眺める。</div>
<div> </div>
<div>「かっ……返してよぉ!」</div>
<div>「節分の時も思ったけど、アンタ帽子取られると弱いよねえ」</div>
<div>「し、仕方ないでしょ!?それがないと、なんか……なんか、だめなんだもん……」</div>
<div> </div>
<div> 顔を真っ赤にして涙目になる440を、呆れたように450が見る。</div>
<div> </div>
<div>「返してよぉ……」</div>
<div>「……どうしよっかな」</div>
<div> </div>
<div> 本当はすぐに返すつもりだった。しかし──</div>
<div> </div>
<div>(そんな顔されると、いじめたくなるじゃん……)</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>590 名前:ひまつぶし 3/4[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:50:52.38 ID:8IpH99Et
[4/6]</div>
<div> 帽子を後ろ手に回し、ゆっくりと440に近づく。</div>
<div> </div>
<div>「どうして……どうしていじわるするの……?」</div>
<div> </div>
<div> 440はとうとうぽろぽろと涙を流して泣き始めてしまった。</div>
<div> </div>
<div>「私のこと、嫌いなの……?」</div>
<div> </div>
<div> しゃがみこんだ440に視線を合わせ、顔を近づける。</div>
<div> </div>
<div>「私は、大好きなのに……」</div>
<div>「私も、大好きだよ」</div>
<div> </div>
<div> 濡れた頬に両手を添えて──</div>
<div> </div>
<div>「じゃあ、どうし──っ!?」</div>
<div> </div>
<div> そのまま口をふさぐ。</div>
<div> </div>
<div>「んっ……ぷぁっ」</div>
<div>「ごめんね。でも──」</div>
<div> </div>
<div> ぺろりと唇を舐めて、440をベッドに押し倒す。本来腕力なら450の方が劣っているはずだが、簡単にベッドの上に倒れこんでしまった。</div>
<div> </div>
<div>「帽子ちゃんが可愛いのがいけないんだよ……!」</div>
<div>「ひっ……いやぁっ!」</div>
<div> </div>
<div> 悲鳴を上げる440に構わず、450は欲望の赴くままにその身体を──</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>591 名前:ひまつぶし 4/4[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:51:16.30 ID:8IpH99Et
[5/6]</div>
<div>「うん……アリだな」</div>
<div>「……なにが?」</div>
<div> </div>
<div> ベッドの上に転がったまま独り言を呟いた450に、手元の作業に集中したまま440が訊く。</div>
<div> </div>
<div>「なんでもー。ねえ、終わったらさ、ぷよぷよやろうよ」</div>
<div>「また? いいけど、前みたいに負けたからって電源切らないでよ」</div>
<div> </div>
<div> 450が起き上がり、自信有り気に胸を張った。</div>
<div> </div>
<div>「ふふん、私をこないだの私と思わない方がいいよ。なんなら何か賭けてもいい!」</div>
<div>「……ずいぶん自信あるみたいだけど、こないだってたった二日前だからね。賭けるのはいいけど、お金はだめだよ」</div>
<div>「もちろんさ! じゃあ、私が勝ったら──」</div>
<div> </div>
<div> こうして、束の間の主のいない時間は過ぎていく。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>おわり</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>592 名前:おまけ[sage] 投稿日:2011/06/10(金) 20:53:22.84 ID:8IpH99Et [6/6]</div>
<div>450「私が勝ったら、>>590の続きをエロパロ板で最後までやってもらう!」</div>
<div>440「なにそれ……」</div>
<div>450「うっふっふ。帽子ちゃんはどうする?」</div>
<div>440「そうだなぁ……じゃあ、私が勝ったら、>>590の続きを立場逆転でエロパロ板でやってもらおうかな」</div>
<div>450「……えっ?」</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>投下完了です。</div>
<div> </div>
<div>花見ネタやろうやろうと思ってるうちに桜は散ってました・・・orz</div>
<div> </div>
<div>593 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 07:59:19.18 ID:g3/sl2mc
[1/3]</div>
<div> 帰らない主を待つパシリの話を読んだ後引退せざるを得なかったPS2の友人の部屋に行きました</div>
<div>最終日にお別れの挨拶も済ませ、その前に部屋の掲示板にもお別れの書き込みはしていましたが。</div>
<div> 「お元気でしたか?」来店時のPMの台詞が彼を思い出させました。</div>
<div>掲示板を見ると彼のキャラのプロフィールが書かれていました。</div>
<div>解ってはいるけどやっぱり会えないのは辛いという内容の書き込みをして次の部屋に向かいました。</div>
<div> </div>
<div> もう一人の方はパスワード変更のせいでログイン出来なくなったままサービス終了したようで</div>
<div>お別れの挨拶は出来ませんでした。</div>
<div> 部屋に行くと店を開いていないので無言でPMがたたずんでいました。</div>
<div>そんなPMを見て何とも言えず掲示板を確認して書き込みせず自分の部屋に戻りました。</div>
<div> </div>
<div> 引退から復帰しても課金しなければ同じグラールにいても会う事も無くずっと</div>
<div>主の帰りを待ち続ける、それに比べたらミッションに連れていってもらえるPMは幸せなのだろうと</div>
<div>フリーコースのカンストのキャラを見てふと思ってしまった、その人なりの都合も考えずに。</div>
<div> </div>
<div> </div>
<div>594 名前:根幹[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 09:05:32.49 ID:g3/sl2mc [2/3]</div>
<div>1、主と認定した者の人命を第一としつつその言葉に極力従う、但し主の人命遵守の為に言葉に従わない</div>
<div> 行動はその定かではない</div>
<div>2、己自身の身の保全を図る</div>
<div>3、1と2に反しない場合は極力他の者の人命と言葉を尊重する</div>
<div> </div>
<div>「主任、これ何ですか?」</div>
<div>「ああ、今度ガーディアンズに配備されるPMの行動概念の根幹だよ」</div>
<div>「PM? ああ、パートナーマシナリーの事ですか」</div>
<div>「そう、パートナーマシナリーの頭文字を取って略してPMさ」</div>
<div>「これって前に読んだ※マシナリー3原則と似てるけどちょっと違いますね」</div>
<div>「予め逃げ道も用意しておかないと※矛盾でいかれちまうからな」</div>
<div>「逃げ道って、極力の件ですか?」</div>
<div>「そうさ。 時と場合によっちゃ人に矛先を向ける事もありえるからそういった場合の判断に</div>
<div> 柔軟性を持たせておかないとな」</div>
<div>「それってかなりファジィなフローチャートを組むっていいませんか? 極力とか簡単に表してますけど」</div>
<div>「まあそうなるな、だからお前も組むの手伝え」</div>
<div>「うわ、薮蛇・・・」</div>
<div> </div>
<div> ※マシナリー3原則:いわゆるロボット3原則ですが世界が違うという事でこのように</div>
<div>変更、グラールにも似たような事が書かれている小説か何かがあるという事で。</div>
<div> </div>
<div> ※矛盾でいかれちまう:フランケンシュタインシンドロームですな。 主を守る為に敵を攻撃しなくては</div>
<div>いけないのに他の人の人命を尊重せよ、そういった矛盾が発生した際の自問自答で答えが出ずに壊れると。</div>
<div> </div>
<div>595 名前:名無しオンライン[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 09:20:58.98 ID:g3/sl2mc
[3/3]</div>
<div>ふと思い浮かんだので投下。</div>
<div>GRM社のとある開発ラボでの作業台にパーツの状態で乗っている初期状態の</div>
<div>PMを挟んでディスプレィを見ながら話している技術者の会話という所でしょうか</div>
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