戦え!ドッチャー > 第1話 洗礼

プロローグから1ヶ月後、星川はドッジ部に正式入部した。
ドッジ部の顧問は星川を含め4人も新入部員が入ったことで大喜びの様子。
「いやいや、まさか新入部員が4人も入ってくれるとは思わなかったよ。さて一人ずつ自己紹介してくれないか」
顧問は言う
「1年1組、門真卓也、西小学校出身!」
「1年2組、東野悠太郎、北小学校出身!」
「1年2組、堀北大作、西小学校出身!」
「1年3組、星川弘、東小学校出身!」
新入部員4人の紹介が終わる。
「では上級生の諸君も」
と顧問は言う
「キャプテン、3年2組、伊原龍!」
伊原龍、満寺中のスター。走攻守全てにおいて飛び抜けている。
「副キャプテン、3年3組、美濃哲生!」
美濃哲生、満寺中で二番目に賢い男。
「2年1組、栗原文平!」
「2年1組、亀岡琢磨!」
「2年2組、加藤公平!」
「2年2組、山田幸雄!」
「2年3組、中野大地!」
「以上だ、ちなみに私は顧問の藤下だ。試合は8人制。去年はメンバー不足のため秋大会には出場できなかった。だから1年生でも1人は出場しなくてはならない。よし、今から春の大会まで能力考査を行う、それでトップだった者はレギュラーとする」
1年全員「はい!」
こうして本日の活動は終わった。

そして帰宅中、星川も驚愕だった。あんだけ評判の悪いドッジ部に自分の他に3人も入るとは思いもしなかった。
「まさか他に3人も入って来るとは・・・・」
するとそこに高野がやってくる
「星川君っ!」
といいつつ、星川の両肩を叩く高野。
「おい・・・・何だよいきなり・・・・」
星川は高野の振る舞いに驚く。
「どうしたの?あまり嬉しくないけど・・・」
「ところでお前はどこに入ったんだ?」
「うーん・・・・4つしかないし・・・帰宅部」
「あらららら・・・・」
「ま、しょうがないね」
「さーて、ドッジの練習だぁ〜!!」
そういうと星川は走っていった。

<翌日>

いよいよ練習が始まった。
体育館はがら空き。ドッジ部しか活動していないのである。
「うわぁ〜体育館丸ごとだぁ〜」
門真は喜びの表情。
「そりゃ貸し切りだよな、4つしかなかったら。」
東野も言うと、いきなり顧問が
「体育館10周!」
と部員に命じた。
「えーっ!?10周!?」
堀北は驚くと、
ピーーーーッ!!っと顧問がホイッスルを鳴らした。

「1、2、3、4、2、2、3、4!」
キャプテンの伊原以下、部員11名は体育館を走り回る
星川「よし!トップは俺だぁ〜〜!!」
しかし星川は号令を無視し独走。
すると顧問は
「号令を無視する奴1人・・・・5点減点」
と星川の評価を下げた。

<10分後>

「腕立て30!」
キャプテン「1、2、3、4、5、6、」
しかしキャプテンの号令をまたも無視する星川
星川「1!2!3!4!5!」
星川だけハイペースでこなしていく。

<それまた10分後>

「キャッチボール!」
「いくぞ!」
堀北が星川にボールを渡す。
「よしっ」
星川は受け取る。そして
「それっ!」
勢い良く投げた。
しかし顧問は・・・
「星川弘、5点減点」
と、自己中心的な星川の評価を下げた。

<そのまた10分後>
「回避!」
回避というのは、コート内で飛び交うボールをひたすらかわすものである。ボールをかわせないとドッジボールはまずできない。
バーン!バーン!バーン!
顧問が球を次々と投げて来ると、星川は
「おりゃっ!とりゃっ!たぁっ!」
星川は過激な回避を繰り返す、すると星川はコートの外へはみ出てしまった。
「コートから外れているので5点減点」

<そのまたまた10分後>
「実戦練習!」
実戦練習というのは、ほぼ試合に近い形式の練習である。
「おりゃぁ!!」
伊原、ボールを投げる。
シュルルルルルルルルルル!!
ボールが堀北に向かって飛んでいく。
「おらおらおらおらおらーーっ!!」
星川はダッシュで堀北の前にボールを取ろうとしたが・・・・はじいた。
「無理せんと堀北にボールを取らせればいいものを、10点減点!」

<終了>

「初日の練習はここまで」
顧問が練習終了を告げると
「星川」
「はい」
「お前は今日、出来が悪かった」
「そ、そんな・・・・」
自信満々で練習に臨んでいた星川。だが彼には何かが欠けていた。
「最も欠けているのは秩序だ。能力があってもチームワークがなければ信頼も取れない。今日のお前は自己中心的なプレーが目立っていた。」
「(そ、そんな・・・・そんなはずでは・・・・・)」
星川は落ちこみながら帰って行った。

続く
最終更新:2008年11月23日 16:39