第五十六話
「無人の野を行くが如し」
そうしてシ水ゲートを突破した連合軍は、そのままの勢いで洛陽まで攻めかかろうとしていた。
しかし、先陣では異変が起こっていた。
エン紹「ん!?何をグズグズしておる!攻めんか!」
兵士「それが、一騎の勇猛な武将が…!!」
曹操「……天下無双か…。」
呂布であった。戦場では通訳の張遼はいない、必要ないからだ。
董卓にはただ、暴れまわれ、と命令されている。
曹操「凄まじい…、触れるだけで人がなぎ倒されていく。」
エン紹「一個の武とはこれほどまでなのか…。」
ドォォォン!
呂布「おおおおおぉ!」
呂布に近づく者全てが無惨な肉塊になっていく。
いつしか呂布の周りに屍の山が出来ていた。
呂布「………。」
誰もが息を飲んだ。数十万の連合軍がたったの一騎に足止めをくらっている。
まさに天下無双。
無人の野を行くように彼は何も見ていない。
ただ、触れる者全てを消し去るだけのマシン。
それが戦場の呂布である。
最終更新:2006年11月23日 22:06