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第百五話
「雨と深紅」


赤いテンガロンハットが降り注ぐ雨に濡れて深紅に染まっていく。

孫堅「泣くな、策…、人はいずれ死ぬ…。」

孫策「親父…、嘘だろ…、こんな所で…。親父はこの国を救うんだろ!」

孫堅「…一丁前な口を聞くようになったじゃないか…。いつまでもアイドルに現を抜かす若造だと思っていたが…。」

雨はさらに強くなっていく。

孫策「親父…、まだ俺達には親父が必要なんだ…。」


孫堅「いいか策…。これからは策と権、力を合わせて孫家を盛り立てよ…。」

孫堅「お前は母さんに似て大胆で勇猛だ。そして権は慎重になりすぎる節がある…、だが、英雄の器を持つのは権だろう。」


孫策「親父…。」

孫堅「お前が、基礎を作り、権が収めるのだ…、それが孫家の辿る道…。」

孫堅「いまは、我が上司、袁術を頼れ。やつは凡愚だが、そこで力をつけるしかない。」

孫堅「俺の仇などにはやってはならぬ…、俺の命はお前達を飛翔させる踏み台にすぎんのだからな…。」


孫策「……わかりました、親父…、いや、孫堅殿。」

孫策は次第に弱っていく父親に初めて敬語を使った。


孫堅「さあ、岩を落とせ。この道を塞ぐのだ…。」


孫堅、志を息子達に譲り、絶命。