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『納得物語』人馬伝
~その頃、人馬は~


―総合町の北部にそびえる城・人馬学園。通う生徒の9割を大会社・団体の御曹司、令嬢が占める有数の名門校である―


 学園内の乗馬場。今此処で、人馬学園乗馬部主将、‐人馬盟主‐黄=天が乗馬の披露を行っていた。

 パチパチパチ…
「素晴らしい!」
「流石は"ホワイト・フォックス"!」

 数多の喝采を後に、黄=天と乗馬部副主将にして彼の腹心、帝=光武は馬屋へと向かった。


「流石は主将、大喝采ですね」

「フン、あのような形だけの賛美など、いくら受けたところでなんの足しにもならん」

 そんなやり取りの最中、一人の生徒が彼等の前にひざまづいた。

「九州(コノクニ)様より伝令、反徒の鎮圧は完了、本任務は全て狩犬(カリイヌ)様一人により達成されたとの事です」

「やはり俺の見込んだ通りだな…
 九州に伝令、反徒の処遇は全て九州に委ねる!」

「承知致しました」

 君主からの新たな伝令を受けると、生徒は足早にその場を去った。


「…で、納得でも面倒な事があったそうじゃないか」

「なんでも、何者かの策謀でハクさんとその友人の仲が裂かれたのだとか」

「その程度で仲間割れとは、随分と信用の置ける『友人』だな…」

 黄=天は愛馬を繋ぎながら嫌味ったらしくこぼす。

「もしこれでハクが潰れようものなら、俺の眼も検査が必要か…」

「でも、信じているんでしょう?」

「………」

 光武の的確な指摘に、一瞬黄=天の口が止まる。が、すぐに続ける。

「まさか、奴とていずれは障害となりうる存在。容易く信用を置くなど馬鹿馬鹿しい…
 行くぞ、我等『人馬同盟』にはやるべき事が山程あるのだからな」

 そう残し、若き盟主は馬屋を後にした。


―人馬学園。総合町・北の城―