第百四話
「陳宮、下野」
曹操はCo.kinの力を借り、出立した。
名目は父の復讐、しかし曹操はそれすら利用し、進軍した。
城の守備はジュンイクに三万を預ける徹底ぶりである。
城門を通り過ぎていく大軍と逆へ向かう男がいた。
陳宮である。
彼は早い時から曹操の才能を見出し、助力していたが、最近は考え方の差異から溝が生まれていた。
陳宮「(もはや、これまでだ。曹操の考え方にはついてはいけぬ。)」
足音が一定のリズムで鳴る。
陳宮「(やつは、天を、世の誹謗を恐れぬ…、そして人間を醜いものだと信じている…。)」
陳宮「(しかし、私が仕える人間は、驚くほど純粋で、かつ人間に希望を抱く者だ…。)」
足音が止まった。
陳宮「……果たしてこの乱世…、そんな奴がいるのか……?」
陳宮、曹操の元を去る。
最終更新:2007年01月19日 22:28