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第三十二章

『同じ道、同じ想い』 後編



「……すいか君の残した頼みだから…」

酔逸
「何だって…?」


酔逸は混乱していた…
信じてはいる。信じてはいるが、汰譜王の反応からして、彼は罪悪感を抱いていた筈だった…

こうも言っていた筈だ…

『あれは…あいつが綺羅祭壇の力を借りたから…』

すいかは汰譜王がやった筈…
なのに、すいかの頼みで警護?
何が何だかわからない…



「…ょっと!ちょっと!聞いてる!?」

酔逸
「…ぁ、ああ…すまない…続けてくれ…」


「結論から言うとね…、汰譜王さんは毒なんか盛っちゃいないわ…」

酔逸
「…!」


「汰譜王さんがすいか君に送ったのは、郭さんが作ったナポリタンと安眠剤…。当時すいか君は綺羅祭壇の圧力と歩美さんのことで精神が不安定だったの…」

酔逸
「…」


「愛情がこもった手料理と、よく眠れるように…と、汰譜王さんなりの配慮だったのね…。でも…」

酔逸
「…何があった?」


「綺羅祭壇が薬をすり替えた…」

酔逸
「……ぁ?」


「すいか君が汰譜王さん側に転がると、いろいろ不都合だった…。たったそれだけの理由で…。結果すいか君は昏睡状態に…汰譜王さんも強い暗示にかかって自分の責任だと思い込んでしまった…」

酔逸
「何を…言って…」


「すいか君が祭壇の力を使っていたのは事実…。汰譜王さんが暗示に掛かるのは時間の問題だったわ…。そして…」


酔逸は、もう言葉を発する気力も無い…



「歩美さんは綺羅祭壇へ抗議し……殺された…。…情報操作は祭壇の十八番よ…。全ては汰譜王さんとすいか君、歩美さんの内輪揉めと言う形で処理された…」

黄天
「悲しい事件だったな…」

黄天は、それだけ言葉を発すると部屋から出ていく…
顔は悲しみと怒りに満ちていた…



「なんとか真実を突き止めて、すいか君に告げたわ…。でも遅かった…、彼は今もあの時のまま…」


酔逸
「その時頼まれた…と?」


「『俺は今の汰譜王にとって足手纏いだ…。なら、せめて俺を綺羅祭壇を潰すための糧にしてくれ…。汰譜王を…頼む…』…これがすいか君の残した言葉…」

酔逸
「ぅ…うぅ…」


「これで全部よ…。…汰譜王さん自身は、この事を未だに信じてくれないわ…。今も自責の念に捕われてる…。彼を助けてあげて…」


弥生はそう言い残し姿を消した…

酔逸
「ぅ…うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


彼は吠えた…
悲しみに押し潰されそうになりながら…
押し潰されないように…



そして黄天も…


黄天
「…何故…あんな方法しか選べなかった…D…いや大黒屋よ…。あまりに…悲しすぎる…」

言葉は発っせど…されど心中は察っせない…


黄天
「誰かを守りたい想いは誰もが同じだと言うのに…」

そして彼も決意を固める…

黄天
「…酔逸の願い…しかと受けとめた…。…夏の休校中…綺羅祭壇に進撃する!…Dよ…お前の本心を確かめさせてもらうぞ!!」



人馬学園を巻き込んだ、夏の事件…
ハク達にはまだ知るよしもなかった…

第三十二章、後編・完