第九十一話
「成長のタイミング」
寡兵で名誉も地位も報奨もなく、ただ目の前の戦いをこなす日々の劉備一行は、反董卓連合解散後、そのまま公孫サンを頼っていた。
劉備「…で、袁紹はどうなんだい?」
関羽「少なくとも連合の盟主だった頃とは別人だ。陣の構成、将の配置、軍の統率…全てが成長している。」
劉備「ふ~ん、人は変われるもんなんだな。」
劉備の気の抜けた言葉に張飛は面白くない。
張飛「兄貴も成長して欲しいもんだがな。」
劉備「……それぞれタイミングがあるさ。急成長する人間はそれだけ退化するのも早いもんだぜ、張飛。」
張飛「ちっ!」
関羽「どちらにしても公孫サンでは厳しいだろうな。いくら白バイ隊を率いていようと。」
劉備「また身を寄せるとこを考えとかないとなぁ。面倒だなぁ…。」
関羽「そろそろ軍議の時間だ。」
劉備「やだね~、勝ち目のない戦の軍議は。」
最終更新:2007年01月09日 13:10