納得学園
  • 150章
『悪意の理由-本編-』

俺は酔逸!。
納得学園に通う生徒だ!!
いつも、親友の汰譜王とその恋人の歩美と一緒に学園のために行動してる。

特に、汰譜王は今から半年程前に納得学園の最高大幹部『五虎大将』の一人に選ばれる程の男で。
今日も学園会議に出席している。
もちろん、俺と歩美も一緒にな!。

「…であるからして、今後、人馬学園が我が校に対して妙な動きを見せた場合は、武力を持ってそれに対応すると言う事でよろしいかな??」

今喋ってるこの人はD。
この納得学園を統治する人だ、俺や汰譜王もこの人に着きたくてこの学園に来たんだ。
この人の発言には威厳があって、大抵の場合はこの人の一存で会議は終結する。

歩美「待って下さい!」

歩美がそう言うと、Dさんは「何かな?」と歩美に聞いた。

歩美「本当に生徒の事を想うのならここは穏便に済ませるべきではないでしょうか??武力を使うという事は、やっぱりこちらも無事ではすみませんし…」

Dさんはその発言に対して少し考えて。

D「しかし…このままでは、いずれ被害は出るだろう。
そうなる前に準備をしようと言っているんだよ」
歩美「ですが…」

D「他に、反対意見はないかな?」

歩美の言葉を塞ぐ様に言ったその一言に名乗り出る者はいなかった。

歩美「…もう良いです…お先失礼します」

そう言って歩美は席を立った。
俺と汰譜王はそれを追って焦りながら会議室を後にした。

汰譜王「おい、どうしたんだよ!!歩美!?」

歩美「だって、生徒会が怪我人を出そうとするなんておかしいじゃない!」

汰譜王「それはそうだけど…」

歩美「もう良いわよ!!王ちゃんはDさんのほうが正しいと思ってるんでしょ!!」

そう言うと歩美は一人でスタスタと帰って行った
汰譜王「歩美!!待ってよ!!」

歩美は汰譜王の呼び止めに答える事はなかった。

その日の夜、俺は汰譜王の家に汰譜王と二人でいた。

汰譜王「なぁ…相方ぁ…」
酔逸「ん~?」

汰譜王「やっぱ…謝るべきだよな??」

酔逸「お前がそう思うならそうしたら??」


会話の途中、ピンポーンとインターホンのなる音がした。
俺と汰譜王は二人で出ると、そこには歩美の妹、桜舞が息を切らしていた。

桜舞「歩美…いる?」

汰譜王「いないけど…歩美になんかあったのか!?」

桜舞「帰って来ないの…電話がかかってきて…呼び出し食らったからって出てったきり…5時間くらい…スグ帰るって言ってたのに…」

それから、俺達は3人で歩美を探した。
しかし、何処にもいなかった…。


やがて、雨が降り出し…それでも探し続けた。
そして、1時間程たった頃だろうか。
ようやく、汰譜王の携帯電話に歩美から電話があった。

汰譜王「もしもし!歩美!?今どこにいる!?」

歩実『王ちゃん…ごめんね…?』

泣き声の歩美に汰譜王は呆然としながら「え?」と言った。

歩美『王ちゃん…ごめんね…アタシ……れちゃったの……の人に…
王ちゃんのため身体………ちゃったの…』

雨で途切れる歩美の泣き声は少し枯れていた。

汰譜王「歩…美?」

歩美『ごめんね?…多分………王ちゃんの……じゃない………。
王ちゃん、大好きだよ?世界で一番愛してるよ?
ごめんね?王ちゃん…バイバイ……』

その後すぐ、物凄い音と共に電話が途切れた。

次に歩実を見た時には既に変わり果てた姿になっていた…。

汰譜王「歩美ぃぃいいぃぃぃい!!!」

悲痛な叫びは、夜に消えた。


翌日。


D「歩美君の事…聞いたよ…残念だったね…」


俺はDに殴りかかろうとした。
と言うのも、昨日の夜、あれから桜舞から聞いたのだ。
歩美を最期に呼び出したのは「綺羅祭壇」。
つまり、全ての黒幕はこの男…Dだったんだ!!

俺の拳がDに直撃する寸前で、それを汰譜王が止めた。

汰譜王「…止めろ、酔逸」

酔逸「なんでだ…よ…」

俺はそこで言葉を失った。汰譜王の表情は今まで見た事も無いくらい、冷たく、悲しく、殺意に満ちた物だった。

汰譜王「…D。今の俺じゃあアンタにゃ勝てない…でも、いずれ…。
アンタの全てを奪った上で…アンタを殺してやる…!!」

D「君が僕を止めてくれるのかい?…楽しみに待っているよ」

Dはニヤリと笑い、その場を去った。


汰譜王「俺が…いや、僕が必ず…必ずアンタの息の根を止めてやる…!!」

俺達は誓った。
その瞳に、静かな…でも、確かな殺意を秘めて。


fin。

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最終更新:2006年12月30日 11:31