第八十六話
「悲劇」
王允「チョウセン、こっちへ来い!」
王允が強く引っ張ったので、チョウセンはバランスを崩した。
士孫瑞「お、王允殿…、まだ董卓は正気のはず!りょ、呂布は奴を討てるでしょうか…。」
王允「……、何とかなる、ならなくてはいかん!おそらくどちらが勝っても瀕死には変わるまい!呂布ごと奴を討てばよいわ!」
チョウセン「!?そんな!お義父様、約束が違います!呂布様はあくまで、兵の補助、呂布様自身が一騎打ちなどと聞いておりませぬ!」
王允「しかたなかろう、あの董卓を討てるのは呂布しか、あの獣しかおらぬわ!」
チョウセン「そんな…!?初めからそのつもりで…。それでは呂布様が…!」
チョウセンが襖の向こうに向かって叫ぶ
チョウセン「呂布様、いけませぬ!」
王允「何をする、チョウセン!黙るのじゃ!」
チョウセン「黙りませぬ!呂布様!!董卓様と戦ってはなりま……」
士孫瑞「……王允様……、なんて事を…。」
王允「……しかたあるまい…、今は董卓を討つしかない…。」
チョウセンが床に力無く倒れこんだ…、胸に小刀が突き刺さっている。
最終更新:2006年12月26日 20:40