第七十六話
「愛してる」
「この気持ちいいのは“風”って言うのよ。」
呂布は長安でも花畑にいた。
連合軍との戦いの手柄として、久々にチョウセンとも会っていた。
呂布「“カ…ゼ…”?」
チョウセン「そうよ、そして遠くで鳴いてるこの声のは“トンビ”。」
呂布「“トン…ビ”。」
チョウセン「すごいじゃない、呂布様!何でもすぐ覚えちゃうのね!」
花畑の呂布は鬼神でも天下無双でもない。
ただ一人の純粋な青年。
呂布「オ前ト、イツマデモ一緒二、イタイ…。コレハ何ト言ウ…?」
チョウセン「う~ん、それは…、“愛してる”…かな?」
呂布「“愛…して…る”?…チョウセン、愛してる。」
チョウセン「呂布様、私も、呂布様を愛してるよ。」
呂布は幸せだった。
ずっと一人で戦っていた。でも今は一人じゃない。
この時間がずっと続けば、と思っていた。
最終更新:2006年12月13日 08:53