第九章
「動きだす影」
?
「……ふ…使えない男でしたね…」
ぼろぼろになった石覇を見下ろす影…
月明かりも雲に隠れて届かない夜。
校舎裏に男は居た…
足元には死体…
やったのはおそらく、この男…
雲が流れ、徐々にその姿が月明かりに照らされる…
?
「所詮は捨て駒…、手負いではこの程度でしたか…。…運びなさい…」
白衣を着た研究員?がテキパキと石覇を運ぶ…
?
「さて…。石覇の身体も手に入りましたし…、帰って研究しませんとね…。捨て駒と言えど、この身体能力の謎を説き明かせば…」
ゆらり…と…
男の顔が月光に晒される…
シン
「綺羅祭壇なぞの言いなりにならなくて済みますしねぇ…!」
男は不気味な笑顔を浮かべ暗闇の中に去っていく…
そして、その光景を見ている人物…
紅馬
「………これは…、面白くなりそうだな…」
ひっそりと…
だが、確実に…
運命の歯車が回り始めていた…
第九章・完
最終更新:2006年11月22日 18:12