第八章
「友達になりたい」
その頃、何も知らないハクらは美術部の古泉に力を借りて選挙用のポスター作りに励んでいた。
古泉「違うよ、ハク。ポスターってのはメッセージを一枚の紙に凝縮したものなんだ。そこはそうじゃないよ。」
ハク「うるさいなぁ、とりあえず目立てばいいんだよ。」
美術室のドアが空いた。
ソーマ「やあ、ハク君。ここにいたんだ。」
ハク「え…と、誰だっけ…?」
古泉「朝のホームルームで紹介があったろう?例の交換留学生だよね。」
ボブ「それに昨日も会ったじゃない。校門の前で。」
ハク「あ~、あ~。ソーマだっけ?何か用か?」
ぶっきらぼうに放つ言葉に、妙な趣がある。
ソーマ「…生徒会長選挙に立候補するんだって?」
ハク「お?何で知ってんの?」
ソーマ「クラスの大黒屋さんが教えてくれたんだ。」
ハク「あのおしゃべり女め~。」
ソーマ「僕にも手伝える事、ないかい?」
ハク「いいけど、何で?」
ソーマ「君達と友達になりたいから…、かな?」
ボブ「もちろんいいよ、今は人手が多い方が助かるしな!」
4人で作業を始めて、数時間後が経った。
古泉「そういや、ムショ帰りの石覇を倒したんだって?」
ハク「もう広まってるのか?」
ソーマ「確か、右ストレートをかわしての反撃だったんだよね…。」
ボブ「そう!凄かったんだぜ、一瞬だったんだから!」
古泉「へ~、凄い勝ち方だなぁ、石覇ったら昔、絡んできた先輩10人を1人でボコボコにしたって噂だよ。」
ハク「へ…、へ~。ま、まあ、余裕だったよ。ぜ!」
ハクの筆が下書きの線を大きくはみ出した
最終更新:2006年11月21日 18:38