第15章・前編

「ムーンライト」


次の日の放課後。

ハク「お、お…ボブ…、一緒に帰らないか…?」

ボブ「……。何でハクと一緒に帰らないといけないんだ?ウザイよ。」

ボブは戸惑うハクを後目に教室を出ていく。


ソーマ「何かあったの?今日、ずっとあの調子だったじゃない?」


ハク「うん…、まあ、ね。」

いつになく、ハクの元気は薄かった。

ソーマ「まさか、綺羅祭壇側に寝返ったんじゃ…?」

ハク「それはないよ…。」
ソーマ「えっ…?」

ハク「あいつは確かに○○で、バカだけど、それはないよ。」

ソーマ「…、信じてるんだね…。」

ハク「あいつ、昔、俺が落ち込んでる時こう言ったんだ。」


『ハクは太陽だ。みんなを明るく照らす。でも太陽だっていつまでもみんなを照らしてはいられないだろ?
だから俺が月になって、お前が疲れた時や迷った時には、俺がお前の行く道を照らすよ。微かな光だけどね。』


ハク「…って…。その時、ボブは俺は裏切らないし、俺もボブを裏切らないって思ったんだ。だから…。」

ソーマ「いいコンビなんだね……、まるで…。」

ハク「まるで?」

ソーマ「い、いや、それより、裏切ってないならボブ君は…。」

ハク「うん、何かあったんだ…。昨日。」

後編へ続く

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最終更新:2006年12月12日 16:22