第14章
『お約束』

ボブは駆けていた。
何も見えず、ただ、今見た事を振り払うかの様に…。
…いつの間にか校門へと来ていた。
校門を曲がり道へと出た瞬間

『ドン!』
『きゃあ!』

ボブは誰かとぶつかった。

『いった~い。』
『ご、ごめん、大丈夫?』
『ててて…大丈夫~じゃないわよ~。』

ボブはぶつかった相手をみる。
女子生徒だった。
その姿を見た瞬間にボブの視線は釘付けとなった。
その女子生徒は背が少し小さく肌は小麦色をして髪はツインテール、顔はクリクリっとした目が印象的な童顔であった。
そしてボブの視線はぶつかって転んだ時にめくれ上がったスカートから見える健康的なふとももに移動していた。
ボブの視線に気付いた女子はボブに平手打ちを食らわせる。

『どこ見てんのよ!』
『バチッ!』
『てっ!』

女子の平手打ちによりボブは正気に戻る

『ご、ごめん…ギンペ…』
『?、ギンペ?、』
『!、いや、なんでも…』
『もう、気をつけてよ。ちゃんと前見て歩いてよね。』

そう言いながら女子は立上がる。

『…さて、ボブって子を探さなきゃ…』
『!、あ、あの…ボブって…俺だけど…』
『!、貴方がボブ?』
『うん。』

女子はボブを上から下まで観察する様に見渡す。

『ふ~ん…まあまあかな…』
『…あの~、俺を捜してたって…』
『うん、たま先生に私が彼氏募集してるっていったら…『ボブっていう格好良い男の子がいるわよ』…て、紹介してくれたんだ。そうか~、貴方がボブか~』
『あの~…』
『…ま、ちょっとHだけど…いっか、決めた!ボブ、私と付き合わない?』
『えっ!』
『…私じゃ嫌?』
『いや、そんな事全然無い!』
『じゃあ、決まりね!…あっ、そういえば私、自己紹介して無かったね。私は弥。貴方と同じ1年だよ。』
『アマネちゃん…。』
『!、いっけな~い、これから用事があったんだ~。…ねえ、ボブ、今日の夜9時に学校の裏庭に来れない?せっかくだからさ、ボブの事とか早く色々知りたいし…そこでデートしよ。』
『う、うん。解った、行くよ!』
『じゃあ、9時にね~。』

弥は校門を駆け出していった。

『アマネちゃんか~。』

そこへボブを捜しにハクがきた。

『ボブ!』
『…ハクか…。』
『どうしたんだよ、こんな所で…廊下にポスター散らばってたし…』
『…俺、帰る。』
『!、何言ってんだよ。これから色々やる事が…』
『…俺、用事出来たから…女にでも手伝ってもらえよ…じゃあな。』
『!、おい、あれは違…』

ハクが言う前にボブはすでに駆け出していた。

『…ボブ…。』


…すれ違いのまま…
…罠は仕掛けられた…

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最終更新:2006年12月12日 16:19