五章
「同族嫌悪」


「君がハク君か」…
校庭ですれ違った男の言葉が、頭の隅に残っていた…
あの言い回し…。すでに俺のことを知っていた?
いや考えすぎか…しかし、何かひっかかるんだが…

ハク
「…それよりも…と…。ボブ!」

ボブ
「あん?」

ハク
「この場所わかるか?」

ハクはそう言うと、一枚の紙を取り出す。

ボブ
「なんだ…喫茶ロマン?知ってるが…、茶でも飲むのか?いいねぇ!あそこの制服がキワどくて中々…ムフフ」

ハク
「ちげーよ!人に会いに行くのさ!」

ボブ
「し、指名!?そんなのはキャバか風呂屋に行かないと無いって…痛ッ!殴るなよ…冗談だろぉ!」

ハク
「まったく…俺はそういう話題は嫌いなの!話を戻すぞ…。今年の立候補者…何人か知ってるか?」

ボブ
「さぁ?興味無いし…オネーチャンの体には興味あるけど…ムフフ…って、いてぇ!」

ハク
「四人だ…。その内の一人に会うのさ」

ボブ
「ふーん…喫茶ロマンで候補者…?。…!なるほど…汰譜王か…」

ハク
「お、珍しく冴えてるな♪他の二人はほっといても平気だろ?だから、もう一人を今のうちに視察しとこうと思ってね」

ボブ
「そういうことか…。お、着いたぞ?さっそく入ろうぜ!」

ハク
「まぁ待て…、とりあえず様子見だ…。汰譜王はいるか?」

ボブ
「いやぁ?居ないみたいだぜ?おかしいな…この時間帯なら居ると思うんだが…」

コツコツ…
二人の後ろから近づく足音…



「やぁ、お二人サン♪ボクを視察に来たのかな?中々策士だねぇ…」

ハク
「ッ!!」

ボブ
「うげ!」

汰譜王
「はじめまして…かな?ハク君だよね?ボクは汰譜王…よろしくね♪」

歩美(おーぶ)
「ねぇねぇ王ちゃん!早く遊びに行こうよぉ!」
紫音
「ダ~メ!汰譜王さんは私と遊ぶんだから」

汰譜王は女二人をはべらせて、後ろに立っていた…
完全に裏をかかれたようだ…

ハク
「……」

ボブ
「くそぅ…、羨まし…、いや、なんてムカつく野郎だ!」

汰譜王
「君…中々切れるみたいだね?ボクに似てる…」

ピクッ…と、ハクの顔が引きつる…

汰譜王
「ボクは君が嫌いみたいだ…ハク君」

ハク
「気が合うね…、俺もあんたが嫌いみたいだ…」

ボブ
「俺は!?」

汰譜王とハクの頭脳戦の開幕…。勝負の行方は?

五章・完

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最終更新:2006年11月21日 18:04