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第六十一話 「孫親子」 幕舎を出た曹操に体格のいい赤いテンガロンハットの男が声をかけた。 「君らしくない決断だな。まさか諸将の力添えなしに追撃する気か?」 曹操「貴殿は孫堅殿だな。」 孫堅。 連合軍において、現在、最高の功績を上げている長江以南の軍を率いる雄。 華雄軍の壊滅など、数々の手柄を上げたが、この数日は、袁術の兵糧補給ミスにより、待機を余儀なくされていた。 孫堅「まさか君ほどの者が功を焦って、無策で行くわけではあるまい?」 曹操「くくく、兵法と臨機応変に組んでこそ、その妙を味わえる。それは貴殿がよく知っておられよう。」 曹操「おや?後ろの青年は誰ですかな?」 孫堅「私の愚息ですよ。戦に参加したいと申し出ましてな。」 孫策「ども。孫策っす。」 孫策がぎこちなく挨拶をしたのを見て、曹操と孫堅は笑った。 孫堅「まだまだ青二才で。未だにアイドルのファンなどをやっておる困ったやつです。」 孫策は気にもせず、ニヤニヤと笑っている。 孫堅「早く成長せんと、呉を曹操殿に乗っ取られるぞ。」 英雄の会話はどんなに下らない話をしても、普通と違う雰囲気があるものである

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