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第四十二章・中編」(2007/02/28 (水) 16:17:19) の最新版変更点

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第四十二章・中編 黄「ほう、この俺に立ち向かおうというのか…魂はまだ死んでいないようだな」 ハク「黙れ、俺はまだ死ぬ訳にはいかないんだよ」  睨み合う両者。互いに出方をうかがい、間合いを詰める好機を狙っている。 黄「どうした、この俺の間合いに入るのが怖いか?ならば直々に仕留めにいってやろう!」  刹那、黄は強烈な踏み込みでハクの元へと迫った。 黄「さらばだ、我が旧友よ!」 ハク「かかったな、このナルシー野郎!」  ズシャアッ!  ハクは黄の飛び込む場所を予測し、足元の砂を蹴り上げた。 ハク「テメェならそう来ると思ったぜ。ならこっちはそれを利用させてもらうだけだ、喰らえ!」  ハクはカウンターに必殺の一撃を繰り出すべく、大きく踏み込む。しかし、 ボ「ハク!それは罠だ!!」 ハク「!?」  ハクが相手の動きを予測し、寸分の狂いもなく一撃を繰り出した先…そこには、何も無かった。全くの空…黄は、そのすぐ向こうに、後ろ跳びの姿勢でニヤリと笑った。 黄「ハハハ!お前が『俺の動きを予測する』というなら、俺は『お前が俺の動きを予測する事を予測する』まで!これが格の違いッ!」 ボ「ハク!危ない、下がれ!!」 黄「おっと、仕切り直しなどと生温い事を考えるなよ?先程言った事に偽りはない…見よ、これが鍵衆の力よ!」  後退の勢いを活かして黄はその場で横に回転の力を加え、サーベルを薙いだ。  ゴォォッ! ハク「…!!ンだと…!?」   炎。  彼の得物の先から伸びたのは、紛れもなく赤き炎。先刻地面を焦がした、あの炎であった。  本来あるはずのない事態に一瞬判断力を失ったハクは、炎の熱・風圧によって吹き飛ばされた。  ゴッ。  鈍い音を立ててハクは地に落ちる。 黄「…さて、終わりにしようか」  止めを刺すべく、ハクのもとに歩み寄る黄。ハクには最早、彼の一撃をかわす余力さえなかった。 ボ「何やってんだ、ハク!逃げろ!!」 黄「改めて言おう。さらばだ、我が旧友よ…  ……!?」 ??「ソォォォマ…レイッ!」  バシュウッ!  何かを察知し、黄は半歩身を退いた。その眼前を突き抜けるは、一閃の蒼き稲妻。 ??「良かった…なんとか間に合ったみたいだね」 ボ「お前は…」 ハク「麗!」  相馬麗。彼らの前に現れたのは、かつての仲間、そして今は敵として袂を別ったはずの麗であった。 ボ「い、一体何しに来たってんだよ…」  地に伏せたハクの元へ駆け付け、麗は言った。 麗「二人とも、ごめん…確かに僕は綺羅祭壇の手下だった。間違った支配者に従うだけの、弱き存在…  だが、今は違う。もう迷わない、君たちと共に戦わせてくれないか…?」 ハク「麗……  当然だ、前にお前が言ったろ?俺たちは友達だ、ってな!」 麗「……、ああ!」  黄へと向きを変え、麗は再び口を開いた。 麗「黄君…と言ったね。ハク君は友達だ。彼を狙うというなら僕も容赦はしない」  黄をまっすぐ睨みつける麗。しかしその沈黙も、長くは続かなかった。  「…ハァ」 黄「全く…そのような友情ごっこを見せ付けられては、こっちは興醒めだよ。好きにするがいい…ハクとの決戦は、また別の機会にさせてもらうよ」  サーベルを下ろし、彼らのいる場所から立ち去る黄。その背には、全く覇気は感じられなかった。  彼らに背を向けたまま、黄は言い残す。 黄「…ハク。その命は、そこの男に救われたものだ。せいぜいその『お友達』に感謝するんだな。決して失望させるなよ…」 ボ「た…助かったのか…?」 ハク「みたいだな…」  今までの緊張が解け、ボブはその場に座り込む。 麗「ぼ、ボブ君!?」 ハク「オイ、お前は何もしてねえだろ!?」 ボ「だって、仕方ないだろ…?  それより俺たち、また前みたいに仲良くやれるんだよな?」 ハク「ったく…当たり前だろ?俺達、『親友』だからな」 麗「そういう事。さぁ、まずはハク君の傷の手当てをしないと」 ハク「だな…それだけじゃない、選挙も大詰め、俺達にはやる事がたくさんあるんだからな…」  こうして再び三人となった『親友』は、夕陽の沈む道を去った…

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