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第三十八章」(2007/02/28 (水) 16:09:08) の最新版変更点

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第三十八話 『ムラサキイロ』 夕暮れも過ぎ、空が紫色に染まっていた。 納得学園の屋上で、相馬麗はそんな空を見上げていた。 麗「これから…どうしたらいいんだろ…」 麗は解らなかった。自分が取るべき行動が。 麗「僕は、どうやって君に近付けばいい?」 麗は誰もいない空に問い掛けた…その空の向こうに、かつての盟友を見据えて。 一秒一秒が、酷く長く感じられた。 クシュン! 麗は驚いた、この場所に自分以外に誰もいないと思っていたからだ。 しかし、さっきの音は確かに自分以外の誰かが発したクシャミだ。 麗は、恐る恐る音の方に目を向けた。 そこには、一人の美しい女生徒が黙々と絵を書いていた。 麗は何故か、やけにその女生徒が気になった。 麗「こんな時間に…何を描いてるの?」 麗の問い掛けに女生徒は答えなかった。 仕方が無いので、「見ていい?」と尋ねると女生徒は「いいよ」と簡潔に答えた。 その絵には一人の男が描かれていた。 麗「てか、こんな時間に…」 女生徒「描きかけだったから」 麗が尋ねる前に女生徒は答えてきた。 女生徒「この絵を描いてる途中、彼に呼び出されたんだけど…行っても誰もいなくて…どうせだから描ききっちゃおうと思って」 絵の中の少年を指差しながら呟く様に言った。 麗「そんな酷い奴の絵描いてるんだ?どうして?」 麗の問い掛けに対する女生徒の答えは明快だった。 女生徒「愛してるから」 麗「…そんな奴のどこが…」 女生徒「信じてるもん、今日こんな事があった分、明日はいっぱいアタシを愛してくれるって。」 麗「…」 女生徒「たとえ、どんな事があったって、信じて、その人の事を考えられる、それがパートナーでしょ?」 麗「君…凄いね」 そう呟いた麗は、自然と笑顔になっていた。 麗「君、名前は?」 女生徒「紫音」 麗「!!?…君が…イヤ、ありがとう、紫音!」 紫音「???…どういたしまして??」 麗は屋上を後にした。 麗『そうだよ、あの娘の言う通りだよな…。 しかし…あんな娘が汰譜王陣営にはいるのか…強敵だね。 やっぱりハクには僕が必要だ!!』 空には夜が訪れ、 麗の心に明かりが灯った。 fin。

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