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納得学園
-300章
「悪意の理由~前奏曲~」
これは、今から2年前…
まだハクやボブが納得学園に入学する以前の話。
俺は汰譜王。
今年、この納得学園に入学した一年生だ。
この納得学園は、俺がこの世界で一番尊敬する先輩が統治している。
先輩を軸に全てが動かされている、正に一つの組織なんだ。
俺は、そんな大変な仕事をしている先輩の力になりたくてこの学園に来たんだ。
そんな強い想いもあってか、俺は先輩の手足となり懸命に働いた。
そして、ある日先輩に呼ばれたんだ。
先輩「やぁ♪汰譜王、酔逸!!それに…君は歩美ちゃんだったよね?」
先輩が歩美と呼んだのは俺の彼女で、俺にとって世界で一番大切な人だ。
歩美は「はい」と答えた。先輩は歩美に笑いかけ、そのまま話を続けた。
先輩「実は、汰譜王…君に一つお願いがあるんだ」
汰譜王「なんでしょうか?」
先輩「君が入学してから今までの活躍振りには目を見張る物がある。
そこで、君にもっと重要な役割を果たしてもらうためにも…君に「五虎大将」の一人になってもらいたいんだよ」
「五虎大将」とは、納得学園の大幹部の位で最高の物に値する称号だ。
酔逸「おい、すげぇじゃん!!」
親友の酔逸が息を荒げて言ってきた。
汰譜王「お…俺なんかで良いんですか?」
正直、俺はその喜ばしい現実を信じられないでいた。
先輩「あぁ、君しかいないんだよ。」
汰譜王「やったぁぁ!!精一杯頑張らせていただきます!!」
俺が興奮気味に言うと先輩は優しい笑顔で「よろしく頼むよ」と言ってくれた。
俺は嬉しくてたまらなかった。
何よりも先輩に認められたというその事実が。
汰譜王「歩美!!相方!!俺やったよ!!」
酔逸「おう!!おめでとう!!」
歩美「…うん…おめでとう…」
その日の帰り道。
俺は歩美に興奮を押さえられないまま話をしていた。
汰譜王「…だからさ!俺これからもっと頑張るよ!!」
歩美「…うん。」
汰譜王「…どうした?歩美??…あんまり嬉しくなかったか??」
歩美「ん~ん!そ、そうじゃ無いよ!!自分の彼氏が五虎大将なんてアタシも鼻が高いわ!!
…でも、王ちゃん…」
汰譜王「ん?」
歩美「アタシ達のしてる事って…本当に良い事なのかな…??」
汰譜王「何言ってんだよ♪あの優しい先輩が悪い事するはず無いじゃん♪」
歩美「…うん」
この時、どうして俺はちゃんと歩美の話を聞いてあげなかったんだろう…。
続く。