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孔明、月英伝(9)」(2006/12/13 (水) 09:07:59) の最新版変更点

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孔明、月英伝(9) 『亮~!そろそろ行くぞ~!』 孔明は話を遮り立ち上がった。 『ごめん、月英さん。私はそろそろいかなければ…』 『うん、じゃあ私も…、…あ~、せっかく手伝って貰ったお礼に何か…』 月英は服や袋を捜した。服の間から何かが転がった。 孔明はそれを拾いあげた。 『これは…?。』 鉄で出来た小さな物を孔明は見つめていた。 『それはボルトだよ。』 『ボルト?』 月英は袋からもう一つ部品を取り出した。 『このナットと組み合わせると…』 月英はナットをボルトにはめてクルクルと回す。 『…おお!素晴らしい。何かを固定する物ですね。』 『そうだよ~。』 『私にくださいませんか?』 『ほぇ?こんなのでいいの?』 『はい。』 『じゃあ、あげるね。』『有難う。』 『じゃあ、私も行くね。』 そう言って月英は歩き始めた。 孔明は何かを考え月英を呼び止める。 『月英さん!』 『ん?』 孔明は貰ったボルトからナットを外すと月英に渡した。 『あの、これはお返しします。』 『どうして?』 『あの…いつかまた…貴女と…出会えるその時に…あの時の私だという証拠に…。…ボルトはお守りとして大切にします。』 『ん、解ったよ。』 『では。お元気で。』 孔明は伯父の方へ走っていった。 『亮ちん…か…』 月英もまた歩き始める。 2人の初めての出会いであった。

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