けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

だいきらい

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匿名ユーザー

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三月の、終わり。
明日は、四月一日。エイプリルフール。
嘘ついても大丈夫って、日だけど…

…‥律はいつも、嘘ついてばっかり。

小さい頃から、嘘ついて私をからかって
大きくなっても……変わらない。

中学の時は、一緒に桜高受験して、合格発表の日。
貼り出された受験番号前にして、「落ちた………」って。
見え見えの嘘だったんだけど‥‥私を泣かせたり。

高校に至っては、事ある毎に嘘ついて。私を怒らせた。
大事な部活の書類提出忘れたり
くっだらない嘘ついたり
その他諸々‥‥どうでもいいような事ばっかり、嘘ついて誤魔化そうとした。
その度に、私に怒られてばっかりだった。

一緒の大学に入っても、勿論律は変わらない。
たまーに、少しは大人になったかなーって、思わせたりするけど
結局‥‥私をからかって、くっだらない嘘ついて、私から拳骨を貰う。
そんなこんなで‥‥‥明日は、四月一日。

エイプリルフール。

小さい頃に、出会って。
段々と、仲良くなって‥‥
‥‥この日だけ、律はとっておきの、嘘をついた。

「わたし、みおちゃんのこと、だいきらいだから!!」

まだ幼かった私は真に受け、大泣きした。
まだ同じ背丈だった律は、私を抱き締めた。

「きょう…‥エイプリルフールだよ?」

幼い頃の私は、キョトン、として。
やがて…‥律の言葉を理解して、また大泣きした。

「よしよし‥‥」

まだ同じ背丈だった律は、私の黒髪を撫でて、なだめた。


今は‥‥‥私の腕の中に、律が居た。
あの頃より、ふたりとも背丈が伸びて
私は、律を追い越した。律はおくびには出さないけど、やっぱり悔しそう。
まぁ‥ふたりとも、それなりに成長して。
私は律にからかわれても泣かずに、拳骨をお見舞いするようになっていた。
それでも、弱気なトコロは変わらなくて‥‥
‥‥律は、そんな私を守ってくれていた。
普段は適当で、だらしなくて、嘘つきで……

…どうしようもなかった律は、いつしか、私の恋人になっていた。

寮の共同生活の中。周りの目を盗んでは、こうやってふたりきりの時間を過ごしていた。
幼い頃は、いつも私が律に慰められたり、なだめられてた。
今は、日々の大学生活やバンド活動で疲れた律を、私がこうやって癒してあげてる。
勿論、私もこうやってくっついてるだけで‥‥癒されている。

私の腕の中で、もそもそ動いていた茶髪はやがて、落ち着いて。
ゆっくりと息をしながら、寝に入った。
私がふと時計に目をやると、長針と短針が重なる頃……

……そう、エイプリルフール。

「‥りぃつ?」
私が茶髪を撫でると
「………‥んー‥?」
寝ぼけた声が、返ってきた。
「‥りつー。私の事、好き?」
「…」
私の質問に、律は少し黙った。
「……きらい‥」
流石‥と言うか何と言うか。寝ぼけながらも今日の事を思い出したらしい。
「好き?」
「‥きらい‥」
「好きじゃないの?」
「‥だいきらい…」
「ホントに?」
「きらい‥だもん‥‥」
あくまで頑なな、律。
寝ぼけて答える声色が、ひたすらに可愛い。
「‥ふっ‥」
私は、ちょっと笑ってしまった。
「‥なんだよ‥」
腕の中から、茶髪が声を返してきた。
「じゃ…」
私は、茶髪から腕を放しながら
「…‥別れよっか」
…わざと、冷たく言ってみた。


すると

「‥っ!」

茶髪が、びくん!!と動いた。

ぎゅううぅっ!!

私を思いっ切り、抱き着いてきた。
そして

「……やだよぉ‥」

私の胸の中から、こもった声が聞こえてきた。

「‥ん?」

私が声を返すと

「‥‥いっしょに‥いてよぉ……」

これ以上無いくらいに、私を抱き締めてきた。

「……」

私は。ふぅ、と溜め息をついて

「じゃあ‥私の事、好き?」

律の背中に腕を回して、聞いてみた。

「‥‥」

茶髪は、少し黙ってから‥

「‥‥だいきらい…」

‥私の胸の中で、つまらない意地を張った。

「‥くすっ」

私は、呆れて

「やれやれ……」


意地っ張りで、うそつきの茶髪を、撫でた。


  • 意地っ張りなりっちゃんかわいいなー。 -- 名無しさん (2012-04-01 16:13:21)
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