けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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「おいおいコレどうすんだよ…」

朝シャンしようとパジャマを脱いで風呂場にチラッと映った自分の背中
なんてことない、いつもの有様だけど
困ったことに今日はプール授業の日だった

「まさか分かっててやったんじゃないだろな…」

悩んでても仕方ない
とりあえずさっさとシャワー浴びないと遅刻確定だ
キュとカランを捻って温い水を浴びる

「イチチ…沁みるなぁ…」

シャワーの温い水でこうなんだ
塩素いっぱいのプールに入ったらどうなっちゃうんだろ
想像しただけでピリピリする

「…でも問題はそこじゃない」

そう、問題はクラス中にこの哀れな背中を晒すことだ
うっかり『どうしたのその背中?』などと聞かれたら上手い言い訳が思いつかない
リビングに裸で寝てたら飼ってる猫に爪砥ぎされたとか?

「…意外にいけるな」

そうだ、要はコソコソしてるのがいけないんだ
堂々と振る舞えば大抵のことは切り抜けられる!
私はカランを絞ってシャワーを出た



「おはよう」
「ん、おはよう…待った?」
「ううん、行こう」

先に待ち合わせ場所に立ってた澪
私のこと見てちょっと顔を赤くするのが可愛い
イタズラに空いてる左手を握ってやる

「わっ…な、なんだよ?」
「べっつに~?」
「意味わかんない…」

まだ人通りが少ないから手握っていられるな、なんて考えてると
澪が思いっきり手に力を込めてきた

「お、どした?」
「…朝起きたら律いなかった」

澪は拗ねたように唇を尖らせて俯いてる
そんな様子も可愛い、なんて、ちょっと惚気過ぎだな

「ごめん、親に泊まるって言わずに…つーか窓から抜け出して行ったからさ」

澪がジト目で睨んできたのでスイッと軽くかわす

「…そうやっていつもどっか行っちゃうからな」
「え?」
「何でもない」



「で、この傷だらけの背中をどうするかだが」
「ごめん…」
「いや、澪が謝る必要は無いんだけどさ」

登校して一時間目を受けた後二時間目が自習というコトなので
渋る澪を引っ張って保健室に来ていた
さすがに傷をそのままにして授業を受けるのはいくら猫にやられたとしてもおかしいという具合だ
来る途中キラキラと目を輝かせたムギの「保健室でナニするの?」という質問をスルーした時は正直ヒヤヒヤした

「とりあえず見せて」
「お、おう」

幸い保健室には誰もいなかったのでカーテンの後ろに隠れてブラウスから脱いでいく
澪に穴が空くほど凝視されて恥ずかしいのを我慢し、ブラだけ残して背中を向けた

「こんな感じなんだけど」
「うわぁあああ!」
「いや、澪が付けたからな?!」

目を背けた澪がソロソロと私の背中に視線を戻した
顔は見えないけどきっと涙目だろうな
ずっと黙ってるからどうしたのかな、と思ったら

「ひゃうっ」

澪の冷たい指先が背中に触れた途端ゾワゾワっと電気が走った
心なし触り方がエロイです澪しゃん…

「律の背中、私の爪痕…」
「み、澪?」
「はっ!なんかいい歌詞書けそう!」
「やめろ!」

とてつもなくとんでもない歌が出来そうだ
澪ならやり兼ねないのが怖い
そんな私の心配をヨソに澪の体重が背中にのしかかってきた

「ねぇ律…」
「ダ、ダメだ!ココはダメ!」
「…チューだけ」
「ダメだ」
「じゃあ触りっこ」
「余計ダメだろ?!」
「りつぅ…」

澪のスイッチが入っちゃうと止まらない
そうすると私のスイッチも入っちゃうし
経験上二人で所要時間およそ2時間だから誰かが入って来る可能性の高いここは危険だ
私としても残念だけどムギの期待に応えるワケにはいかない
はぁはぁ言ってる澪を引き剥がし棚の救急箱を取り出す

「よし、澪!バンドエードで上手く隠してくれ!」
「はぁ…分かった」




「プールだよりっちゃん!」
「プールだな唯!」

準備体操を終わらせた3年2組はプールサイドに思い思いに散らばっていった
これだけバラけてれば背中に注目される可能性は低い
それに澪に貼ってもらったバンドエイド計25枚に肩に羽織ったタオルが心強い
着替えるときはなかなか苦労したけど澪に盾になってもらって切り抜けたし
もう怖いものはない!
心配事が解消されたせいか体を動かしたい気分になってきた

「よーしりっちゃん!いつものアレやっちゃおう!」
「いつものアレか!」
「唯ちゃんりっちゃん!私もやりたい!」

やたらテンションの高い唯とムギに挟まれて自分もテンションが上がる
目が3状態の和と談笑する澪を尻目に軽音部の元気娘三人はプールの縁につま先を揃えた

「それではムギちゃん隊員、カウントお願いします!」
「はぁーい♪ふぁいぶ!ふぉー!すりー!つー!わん!」

飛び込む瞬間、後ろから澪の声がした

「あ、バカ!律!」

一気にプールにダイブする三人
三人分の盛大な水飛沫がプールサイドを濡らす

「…ぷはっ!…イッテエエエエエエ!」

忘れていた…朝懸念していた事
塩素で消毒された背中の傷が悲鳴をあげる
もちろん、その頃にはアホなことやってる私たちにクラス中が注目していた

「りっちゃん?!って、うわっ!何この大量のバンドエイド?」
「イヤだりっちゃん、背中どうしたの?!傷だらけよ?!」
「バカ律ー!」

澪の怒声と私の悲痛な叫びが学校に虚しく木霊した




「どうなるかぐらい普通分かるだろバカ」
「…はい…」

結局プールで背中の傷を晒しまくった私は先生にダイブするなと怒られ
傷の手当ても兼ねて保健室で頭を冷やして来いとこっぴどく叱られた
その後何かと理由を付けて澪も保健室に来てくれて
スク水を着たまま澪の前に正座させられ叱られるという異様な光景が保健室内で起こっている

「お前の浮いてたバンドエイド全部拾った私の身にもなれ」
「…っていうかそもそも澪がこんな激しく痕残さなきゃ…」

澪から恐ろしく黒いオーラが立ち昇るのを察知し口を噤んだ

「…律が悪いんだぞ」
「え?」
「律が、いつもフラフラどっか行っちゃうから…不安なんだよ…」
「…だから痕付けたの?」

さっきまで泣く子も黙る暗黒のオーラを出していた澪が今度は泣きそうな顔でコクンと弱々しく頷いた
私って愛されてるなー
痛いくらい

「私が澪を置いてどっか行っちゃうワケないだろ」
「…信用できない」
「こんなに傷だらけにされても澪のこと誰よりも愛してんだから信用しろ!」

澪は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた
ちょっとは私の気持ち、伝わったかな
しばしの沈黙が流れる
そのうち澪が深呼吸した

「…律、立って」
「え?うん」

言われた通り立ち上がると澪の手が肩にスッと伸びて来た
次の瞬間、私は保健室の天井を見上げていた

「え゛、澪さん、ちょっと」
「さっき確認したら保健の先生今日いないって」
「いやいや、生徒来たらどうすんの?」
「さっき鍵閉めた」
「濡れた水着でベッドはヤバイでしょ!」
「どうせシャワー入るから大丈夫」

澪がいつもより興奮した様子で私の肌に吸い付いたスク水に手を掛けた


新しく付けられた痕は当分消えそうにない


  • かわいくなったりかっこよくなったり澪ちゃんは忙しいな。 -- 名無しさん (2012-02-02 00:06:21)
  • りっちゃんだって、調子に乗って、反省して、心配して、優しくなって、カッコ良くなって、照れて…だから このふたりはイイのですよ~。 -- 名無しさん (2012-02-04 01:30:10)
  • そして2時間保健室から出てこないんですね。てか目が3状態の和www -- 名無しさん (2012-02-15 11:30:16)
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