けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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何にもない誕生会

誕生ケーキも誕生日プレゼントもない。
私は寮の部屋に戻ってきてテレビを見ている。

さっきまで律の部屋でHTT全員集合で私の誕生会をやってくれ
ていた。当然そこではケーキもプレゼントもあった。
当然律からのプレゼントも。
去年はHTT全員での誕生会の後に律が二人っきりの誕生会をや
ってくれた。律が小さな手作りの誕生ケーキと特別なプレゼント
を用意してくれて。とっても嬉しかったな。でも…

今年の二人っきりの誕生会には小さな誕生ケーキも特別なプレゼ
ントもない。

「なあ、ホントによかったのか~」

私の腕の中で律が聞いてくる。ああ、言い忘れてたけど部屋には
律も一緒にきている。私は律のお腹に手を回していて律は私に抱き
締められる形で座っている。

「これじゃ誕生日っぽくはないよな~」
「いいよ。これで。」
「まあ澪がいいっていうなら」

二人でまたテレビに視線を戻す。
そう、誕生ケーキも特別なプレゼントも私が断ったんだ。

去年は誕生ケーキとネックレスのプレゼントを用意してくれた律。
でもそのせいで律はバイト漬けの日々を送ることになってしまった。
私の誕生日は日が悪い。クリスマスにお正月とイベントの多い時期
に当ってしまっている。何かとお金がかかる季節。それは私も同じ。
でも律はそれに加えて私の誕生日まである。そりゃあバイト増やす
しかないよね。でもそのせいで律と一緒にいられる時間が減ってし
まった。とっても寂しかったけど私のためにバイトに一生懸命にな
っている律に寂しいなんていえるハズもなくて…

「今年は誕生日プレゼント無しか~」
「さっきパーカーもらっただろ」
「あんなんでいいのか?」
「十分だよ」

お前からもらえるんならなんでもいいんだよ。あ、でもびっくり箱
とかホラーDVDとかはイヤだな。高価なプレゼントなんて別に欲しく
ないんだ。こうして二人で一緒にいられる時間の方が私には大事。

「あ、そうだ!プレゼントはわ・た・しとか」
「律はもう私のだからプレゼントにならないだろ」
「お、澪もいうようになったなー」

二人で笑い合う。うん、やっぱりどんなにおいしいケーキより、どん
なに高価なプレゼントよりこの時間の方が私には貴重だよ。

「でもおかげでバイトあんまし入れずに済んだから一杯一緒にいれたな。」
「うん、私はこの方がいい」
「そっか」

物として残らなくたっていい。こうして毎日律と一緒の時間があれば。

「みーお」

律が私の腕の中で動いて身体ごとこちらを向く。

「ん?」
「さっきからTV見てないだろ」
「それはお前もじゃないか?」
「うん」

律がそっと唇を重ねてきた。私は手探りでTVのリモコンを取りTVを消す。

「誕生日おめでと。澪。」
「ありがとう」
「これからもずっと一緒にいような」
「当たり前だろ」

律を抱き締める腕に自然と力が入る。

「みーお」
「りーつ」

ああ、やっぱり私こいつが好きなんだなあ。

何にも無い誕生会。
誕生ケーキも誕生日プレゼントもない。
でも、私の欲しいものは全部そろっている誕生会。

私にとっては最高の誕生会。
今年も一緒にいてくれてありがとう律。
ずっと一緒にいような。


  • いいなぁ。こういう関係いいなぁ。 -- 名無しさん (2013-02-03 22:16:17)
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