けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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始めはちょっと驚かせようと思っただけなんだ。
待っている時間が長くて、各々暇つぶしを始めた頃。
私も本を読んでいて、なんだか飽きてきて。
後ろの方では唯とムギが梓にお菓子を食べさせていて。
いつもの感じで澪にちょっかいを出してやろうと思って、膝枕になるように頭を倒したんだ。
「うおっ……」
頭に澪の太ももの柔らかい感触が広がって、私はちょっと照れ臭くなった。
なんだよ~。とか、
重いじゃんか。とか、
そんな反応が返ってきて、それでおしまいだと思った。
けど、そんな私の頭にそっと何かが触れた。
「……」
それはゆっくりと私の頭を撫でていって、まるでお母さんのような温かさがあった。
「……」
「……」
澪が、私の頭を撫でていた。
なんで? 何、この反応?
怒るわけでもなく、照れるわけでもなく、ただ私の頭を撫でていた。
……どうしよう。
澪が抵抗してきて、私が意地でも離れなくて、それでいつものように怒られて終わるはずだったのに。
予想外の反応にびっくりして、澪の温かさにドキドキして、もうどうしていいのかわからなかった。
私は仕方なく読んでいた本に目を向けたけど、内容なんて全然入ってこない。
「……」
「……」
……膝枕って、こんなに気持ちいいんだなぁ。
不覚にもそう思ってしまった。


……どれくらい経ったんだろう。
私の頭を撫でていた手が止まり、澪がため息をついた。
「重い」
それだけ言うと、澪は私が起きやすいように腕をどかしてくれた。
「……」
澪の太ももから頭を放すと、そっと微笑んでいる顔があった。
なんでそんな顔しているんだろう。
怒りたいなら一発ぐらい殴ってもいいんだぞ?
さぁ、来い!
私は今すぐにでもくるであろう鉄拳を受けるため身構えた。
「そりゃっ」
「うおっ……!」
けど、来たのは澪の頭で、そのまま私の膝に乗っかってしまった。
あの澪が。私の膝の上に寝ている。
「重かったぞ」
「う、うん……」
澪が文句を言うけど、そのトーンはどこか嬉しそうな気がして。
うぬぼれているのかなぁ、私……。
「……」
「……」
そして、また無言の時間が過ぎていく……。
しかし、こうも澪にドキドキさせられっぱなしというのは何だか気にくわない。
だから、悪あがきをしてみた。
「澪」
「ん?」
「好きだよ」
「っ……」
下を覗きこんでみると、少しだけほっぺを赤くした澪と目が合った。
ちょっとした達成感に浸って、私はまた本を読み始めた。
だけど……、
「……もう」
それだけ言うと、澪が起き上がってきて私の持っていた本を奪った。
「えっ……?」
それに驚いていると、本に隠れて澪の唇が触れた。
ほんの一瞬だったけど、私の唇にかすかに熱を残して澪は離れた。
「……私も」
照れ気味の笑顔で、澪がそう言った。
……反則だ。
顔が燃えるように熱くなって、今とっても真っ赤な顔をしているんだなぁと思って恥ずかしくなった。
……どうやら、私は澪にとことん弱いらしい。



END


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