「電気消すぞ」
「うん」
「うん」
律が布団に潜り込んだの見て、私は電球の紐を引っ張った。
室内がオレンジ色の仄かな蛍光ランプの灯りに沈む。
少しだけ室内の温度が下がった気がして、私もそそくさと布団を被った。
室内がオレンジ色の仄かな蛍光ランプの灯りに沈む。
少しだけ室内の温度が下がった気がして、私もそそくさと布団を被った。
「もうすっかり秋だよな」
「うん」
「寒くない?」
「大丈夫…」
「うん」
「寒くない?」
「大丈夫…」
そう言いながらも、律は私に寄って来て身体を少し丸めた。
柑橘系のシャンプーの香り。
私の目線の下に、茶のかかった髪がふわりと広がる。
普段は前髪を上げていて気づかないけど、律は綺麗な髪をしている。
私はそのさらさらの髪の毛を優しく撫でた。
柑橘系のシャンプーの香り。
私の目線の下に、茶のかかった髪がふわりと広がる。
普段は前髪を上げていて気づかないけど、律は綺麗な髪をしている。
私はそのさらさらの髪の毛を優しく撫でた。
「痛い?」
「ズキズキする…」
「ズキズキする…」
小さく呟くと律は、私の胸元に顔を埋めた。
律は月の物の症状がかなり酷い。
始まるとずっと辛そうにしていて、口数もいつもに比べてぐっと少なくなる。
普段は元気が取り柄って感じなだけに、そのギャップは余計に大きい。
何とかしてあげたいけれど、私にはこれと云って大した事も出来ない。
家事当番を代わったり、痛み止めの薬を買って来るぐらいだ。
好きな人が辛い思いしているのに何も出来ないのは凄く悔しいし、凄く悲しい…。
始まるとずっと辛そうにしていて、口数もいつもに比べてぐっと少なくなる。
普段は元気が取り柄って感じなだけに、そのギャップは余計に大きい。
何とかしてあげたいけれど、私にはこれと云って大した事も出来ない。
家事当番を代わったり、痛み止めの薬を買って来るぐらいだ。
好きな人が辛い思いしているのに何も出来ないのは凄く悔しいし、凄く悲しい…。
「カッコ悪いよな、私」
「ううん、そんなこと無いよ…」
「ううん、そんなこと無いよ…」
いつもよりも弱気な律の小さな身体を、私は優しく抱き締めた。
「私こそ何も出来なくてゴメン…」
「バカ、澪が謝ってどうすんだよ」
「バカ、澪が謝ってどうすんだよ」
そう言うと律が顔を上げた。
いつもは見せない恥ずかしそうな表情で私を見上げる。
いつもは見せない恥ずかしそうな表情で私を見上げる。
「私は澪が傍に居てくれるだけでいい…それだけで嬉しいんだからな…」
「りつ…」
「りつ…」
そんな風に優しい言葉を言ってくれる律が可愛くて。
押さえきれなくて。
私は律に顔を近づけた。
押さえきれなくて。
私は律に顔を近づけた。
「りつ…んっ」
「うっん…ちゅ…」
「んんっ…好きだから。大好きだから律のこと…ずっと傍にいるから…」
「うん……ありがとな、澪。おかげでちょっと元気出た」
「うっん…ちゅ…」
「んんっ…好きだから。大好きだから律のこと…ずっと傍にいるから…」
「うん……ありがとな、澪。おかげでちょっと元気出た」
ホッとした表情を見せる律。
私もそれに連られて表情を崩す。
二人で同じ様な顔をしたのが何だかおかしくて。
私達はお互いに顔を見合わせて、クスクスと笑いあう。
私もそれに連られて表情を崩す。
二人で同じ様な顔をしたのが何だかおかしくて。
私達はお互いに顔を見合わせて、クスクスと笑いあう。
「それじゃ、寝よっか?」
「そうだな…おやすみ、澪」
「うん。おやすみ、律」
「そうだな…おやすみ、澪」
「うん。おやすみ、律」
もう一度、キスをして、私は律をぎゅっと抱き寄せた。
そして指を絡め合いながら、深く深く手を繋ぐ。
寝ている時でも離れないように。
夢の中でも逢えるように。
そして指を絡め合いながら、深く深く手を繋ぐ。
寝ている時でも離れないように。
夢の中でも逢えるように。