ぞわりとした寒気で目が覚めた。
どうやら、肩が布団から露出していたらしい。
布団を被り直して、もう一度夢の世界に戻ろうとする。
どうやら、肩が布団から露出していたらしい。
布団を被り直して、もう一度夢の世界に戻ろうとする。
・・・肩? あれ? 私、パジャマ着てなかったっけ?
はっ、と意識が覚醒する。
布団を剥いでみると生まれたままの姿の自分の身体が視界に入った。
布団を剥いでみると生まれたままの姿の自分の身体が視界に入った。
「わ、わわわ!」
慌てて、枕元に畳んで置いたパジャマに手を伸ばす。
そうだった。
昨日からパパとママは結婚記念の旅行で海外に出掛けていて。
一人で留守番は寂しいなって思っていたら、律が「泊まりに行くぜ♪」って声を掛けてくれて。
律が家に来てからは二人で勉強して、料理して、TVを見て、お風呂に入って、髪を乾かしあって、寄り添いあって、キスをして・・・。
それから・・・。
そうだった。
昨日からパパとママは結婚記念の旅行で海外に出掛けていて。
一人で留守番は寂しいなって思っていたら、律が「泊まりに行くぜ♪」って声を掛けてくれて。
律が家に来てからは二人で勉強して、料理して、TVを見て、お風呂に入って、髪を乾かしあって、寄り添いあって、キスをして・・・。
それから・・・。
「私・・・律と・・・」
数時間前の行為を思い出して、身体中が沸騰したみたいに熱くなった。
恥ずかしくて堪らなくて、顔を枕に押し付けてバタバタともがく。
恥ずかしくて堪らなくて、顔を枕に押し付けてバタバタともがく。
「律の前であんな声出して・・・は、恥ずかしい・・・しばらくは律の顔がまともに見れないよぉ~」
そう独り言を呟いたとき、部屋の中に律が居ないことに気が付いた。
顔を上げて室内を見回しても律の姿がない。
一緒に畳んで置いたはずの服も無くなっている。
顔を上げて室内を見回しても律の姿がない。
一緒に畳んで置いたはずの服も無くなっている。
「りつ?」
声を掛けてみても返事は返ってこない。
まるで何もなかったみたいな。
全部私一人の妄想で。
昨日のことも夢の中で体験しただけで。
まるで何もなかったみたいな。
全部私一人の妄想で。
昨日のことも夢の中で体験しただけで。
「嘘だよね・・・夢じゃないよね・・・?」
少しだけまだ寝惚けてる頭にそんな考えが過ぎって、不意に涙がこぼれそうになったとき―――
「うぃ~♪ 朝風呂はやっぱ気持ちがいいなぁ~。 おっ、澪ちゃんおっはー!」
ドアが開いて、髪を乾かしながら律が部屋へ入ってきた。
「一番風呂頂いちゃったぜ~。なんせ昨日はいっぱい汗かいたからなぁ、ってちょっとオヤジくさいな、私」
ちょっと照れくさそうに律が笑う。
バカっていうくらい能天気で。
底抜けに明るくて。
そんな律の笑顔を見た瞬間、無意識のうちに私は泣いていた。
バカっていうくらい能天気で。
底抜けに明るくて。
そんな律の笑顔を見た瞬間、無意識のうちに私は泣いていた。
「りつ・・・りつぅ・・・」
「えっ? あっ、え? ちょ、澪?!」
「ひっ、ぐ・・・りづ・・・」
「えっ? あっ、え? ちょ、澪?!」
「ひっ、ぐ・・・りづ・・・」
何とか誤魔化そうとするけど喉が詰まって声が全く出ない。
心の何処かで、今の私って凄くカッコ悪いなって思った。
心の何処かで、今の私って凄くカッコ悪いなって思った。
「もう、何なんだよ急に・・・」
律は少し困ったような表情を浮かべながら私の頭を撫でて、そっと抱きしめてくれた。
「しっかし、夢だと思って泣いちゃうなんて、秋山さんはホントに乙女ですなぁ」
「うっ、うっさいな!!」
「うっ、うっさいな!!」
眠気覚ましのカフェオレを飲みながら、律が私の肩をポンポンと叩いてきた。
やっと涙が収まったと思ったら、今度は律のからかいが始まった。
やっと涙が収まったと思ったら、今度は律のからかいが始まった。
「泣かれたときは焦ったけど、可愛い泣き顔が存分に拝めたし。昨日は昨日で凄く可愛かったし」
「は、恥ずかしいこというなぁ!」
「いやぁ、私ってばなんかツイてるかも?」
「は、恥ずかしいこというなぁ!」
「いやぁ、私ってばなんかツイてるかも?」
嬉しそうな律は対照的に私は大きく溜め息を吐いた。
何というか今日はツいてない気がする。
折角、昨日の夜は幸せだったのに・・・。
何というか今日はツいてない気がする。
折角、昨日の夜は幸せだったのに・・・。
「・・・大丈夫だよ」
「えっ?」
「えっ?」
耳元でそう囁かれて私は顔を上げる。
律は私の方をまっすぐ見つめていた。
律は私の方をまっすぐ見つめていた。
「私の澪への気持ちは夢でもねーし、妄想でもねーし。 澪が好きっていう気持ちは本物だから」
いつもとは違う大人びた表情と優しい言葉。
胸が何だか凄く痛くなって、また涙が出そうになる。
胸が何だか凄く痛くなって、また涙が出そうになる。
「だからそうやってまた泣きそうな顔すんなよ、私まで凹むだろ」
「うん・・・」
「ほら、これが証拠」
「うん・・・」
「ほら、これが証拠」
不意に律が顔を近づけてきて。
『んっ・・・』
律の吐息と柔らかい感触。
「大好きだぞ、澪」
「・・・わ、わたしも律が好きだから! 愛してるから!」
「・・・わ、わたしも律が好きだから! 愛してるから!」
お互いにそう確かめ合って。
私達はまたキスをした。
私達はまたキスをした。
<END>
- 結婚しなさい -- 名無しさん (2012-09-11 00:02:55)