けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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「はー…なにやってんだろ」

もう今日だけで数え切れないほどのため息と、繰り返す罪悪感。
今週立て続けに自分の凡ミスのせいで仕事が回らなくなった。
せっかくの週末を喜ぶ気力もなく、来週明け早々取引先に頭を下げに行かないといけない。

「学生時代に戻りたいなぁ」

勉強しなかったら自分に降りかかってきただけなのに、今は職場のみんなと取引先、さらに向こうに広がるお客様にまで広がる、プレッシャー。
アパートに帰る間に一人また一人と同じような背中の会社員たちと別れてく。
いつの間にかすっかり体に馴染んだスーツからぶら下がる鞄には、持ち帰った仕事。片手にはせめてもの慰めで買ったケーキ。
ダメだダメだ。
アパートの階段を登る直前、気合いを入れなおす。家には笑顔で帰るんだ。

「ただいまっ」
「おっかえりー!」

エプロン姿の律がいそいそと迎えてくれて、靴を脱いでる間にかばんを持ってくれた。

「お疲れ様。お風呂温めなおしてくるから休んでて」
「うん」

顔に出さないようにしてたけど、やっぱり律にはバレちゃう。今は律の出来立てのご飯よりも、心を切り替える時間が欲しかった。

湯船に浸かりながら盛大に大きな息を吐きながら、週明けの段取りを考える。これ以上職場の仲間の足を引っ張っちゃダメだ。自分で何とかしないとな。
上司に叱られて、同僚に励まされて…。

ポツッ

誰にも見られてない環境になった途端急に溢れてきた。
浸かっている湯船よりも熱い涙が、頬を伝って落ちていく。
律に聞かれないよう湯船にお湯を足しながら、心の整理をする。
がんばらないと。律のためにも。
誓ったんだ。律が側にいるならがんばれるって。


鏡で目が赤くなってないことを確認して時計を見ると、もう少しで日付が変わる時刻になっていた。今日最後のつもりで大きく息をついてキッチンに戻る。
テーブルに律が突っ伏して寝むたそうにしていた。 

「…おっ出てきた」

と、立ち上がってコンロの火をつけようとする。

「いいよいいよ、自分でするよ」
「すぐにできるから」

と、冷蔵庫からタッパーを取り出してくる。

「…先に寝てて良かったのに」
「まだ食べてないもん」

絶句する私にニコッと振り返る。

「澪、ひとりでご飯食べるのさびしいだろ?」

この時、私に起こった感情をどう表現したらいいのかわからない。
どんな慰めや励ましよりも律の言ってくれたその一言が、私の胸をいっぱいにして、涙が止まらなくなった。そんな私を、律がぎゅっと抱きしめてくれた。

「みーおっ。だいじょうぶだよ」

律が愛おしい。おそらく今日始めてかもしれない笑顔を浮かべて私は頷いた。




  • 澪には律が必要で律にも澪が必要なんだよねー -- 名無しさん (2012-10-28 16:06:14)
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