けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

助手席

最終更新:

mioritsu

- view
だれでも歓迎! 編集

日曜日の、夜。
「ただいまー」
私が律と一緒に住むマンションに帰ると、律がほろ酔い加減で出迎えた。
「おかえりぃ~♪」
私が玄関に入るなり抱き着いてくる律。
私はムギと久々に晩御飯を食べに行って。
ちょっと都合が付かなかった律は、先に帰宅して留守番をしていた。
留守番がてら、一杯やってたんだろう。
リビングからは垂れ流しのCSの音楽チャンネルの音声が聞こえていた。
「ムギ、元気だったかー?」
「あぁ。相変わらず、て感じだったかな」
「ソレは何よりだな!」
リビングに向かいながらニカッ、と笑う律。
「先生の話も、聞いてきたよ」
「あ、さわちゃん?」
「そうそう」
ムギは、高校を卒業してから。
何時の間にやら。先生と付き合っていた。
私は、未だに山中さわ子を「先生」と呼ぶ癖が抜けない。
「ちゃんと、教師やってるってさ」

「まだ軽音部顧問なのかな?」
「うん。異動免れる度にホッとしてるって」
「あの趣味でよくやれてるよなー」
律が言う「あの趣味」とは私が幾度と無く泣かされたコスプレの類だ。
「ホントに、ね‥」
私はリビングのソファに腰掛けた。
すると
「みーおっ!」
律が、私の胸に飛び込んで来た。
私は、律がほろ酔い気味で飛び込んでくる事には、もう慣れていた。
「‥んー?」
私が律の茶髪を撫でると
「だいすきー」
アルコールのせいか、元々の性格か。
律は私の胸に顔を埋めてニッコリ、と笑顔を投げてきた。
いつもなら、ココから律が悪戯混じりに攻めて来る。
…が、私は先手を打った。
「律?」
「‥ん?」
何か企んでたような、律の顔。
「ドライブ、いこ?」
「へ?」
目を丸くする律。
「ドライブ、だよ」
「澪、酒飲んでないのか?」
「‥」
クルマで帰って来たんだけどな‥、という言葉を飲み込み

んちゅっ

律の頬を掴み、キスした。
「んっ…!」
「…」
思いっ切り舌を突っ込んでやった。
「んっ‥‥と」
私は唇を離した。
「‥‥‥っはぁ!」
私の唇から解放された律の顔は、真っ赤だった。
私は律の茶髪をくしゃくしゃっと撫で
「‥酒の味、しなかっただろ?」
ニコッ、と。微笑んだ。
「……うん」
律は、悔しそうに頷いた。
「じゃ、いこっか?」
私は、律を抱き上げた。
律は、仕方なさそうに私の手から離れ、身支度をした。


クルマの、中。
夜の街並みは、綺麗。
大通りのオレンジの街灯とか、やたらと明るいコンビニとか、飲み屋のネオンとか。
通り過ぎては、またやってくる。
私は、左手を。
律は、右手を。
互いに座るシートの境目で、繋いでいた。
律は、左肘を突きながらウィンドウの外の景色を眺めていた。
「…澪ー」
「‥何?」
「夜景、見たい」
「わかった」
夜景が見える場所。いつもの、場所。
私は、律が希望した夜景が見える場所にクルマを走らせた。



いつもの場所の駐車場に着き、クルマを止め。ギアをパーキングに入れた。
高台にある、少し広い公園。
「着いたぞー」
「あぁ」
私が左手の親指で合図すると、律は右手の親指で応えた。
いつもの、場所。
律が運転免許を取って、律のパパのクルマを借りて。
色々情報集めて。
初めて、来た場所。
今となっては「なんとなく」来る場所になっていた。
「なんとなく」来ても、飽きない場所だった。
夜景は、綺麗だし。
クルマから降りなくても夜景見えるし。
降りたら降りたで、パノラマで夜景を堪能出来るんだけど。

クルマの中で
律とふたりきりで
手を、繋いでる

このシチュエーションで夜景を見られるってだけで。今は満足だった。
シートから立とうとしない律も、同じみたい。
私と律は、シートを少し斜めに倒して、楽な姿勢になった。
ふたりきりで、リラックス。公園内の電灯が、少しの灯り。
「…りぃつ」
「‥ん?」
「……………だいすき」
ワザと、溜めて言ってみた。
「……私も…」
律は、小声とぎゅっと握った手で応えた。
一台分空けて止まっていたクルマが、出て行った。
私は、タイミングを掴み

がばっ

助手席の律に、抱き着いた。
「おっ‥と‥」
律は、驚きつつ
「……なに?」
私の頭を、撫でてきた。
私は、律に抱き着いたまま。右手をシートの座席脇のレバーに手を掛けた。

ガクンッ

「うわっ!?」
私は声を上げる律を左腕で支えながら、シートと共に倒れた。
「な‥、何‥?」
すっかり地面と平行になった律が、私に聞いてきた。
「‥なんだと思う?」
私は、律を押し倒した態勢になった。
律と、ふたりきり。
夜景がよく見える、暗闇。


クルマの中………つまり、密室。

私が興奮するには、十分な材料が揃っていた。
おまけに、律はほろ酔い。
弄ぶには好都合だった。
「澪…?」
キョトン、として上に乗った私に声を掛ける律。
「…ん?」
私は、律の頬を撫で
「‥どうしたの?」
左手の人差し指を、律の唇にゆっくり。滑らせた。
「ぁ‥‥」
律はゆっくり、私の左手の人差し指を口に含んだ。
予想通り、何の抵抗も無かった。
「…しゃぶって?」
私が指先で舌をくすぐると
「…」

ぐいっ

「うゎっ‥っと」
律は私を抱き寄せ
「‥」
私の左手の人差し指に舌を絡め始めた。
「‥‥‥ふふっ」
私が微笑みつつ身体を少し横にすると、私の指をくわえる律が見えた。
「いい子だね‥」
私が頭を撫でると、律はこっちを見たか見てないか、曖昧な仕草で
「‥」
指を、しゃぶった。
そしてまもなく

かぷっ

指を、甘噛みしてきた。
何年も一緒に居れば、何を望んでるか、すぐわかる。
「‥律?」
私は、律の口に含まれていた左手の人差し指を取り出した。
「ぁ…」
律は口元に唾液を光らせながら、私の顔を見上げた。
私は、人差し指をペロっと舐め
律の顔の前に、悪戯に差し出した。
「……」
律は、ムッとした顔。
「‥間接、」
キス。と言おうとした私の人差し指を退かし、乱暴に唇を抱き寄せ

「………っ」


キスで、塞いだ。


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー