けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

合鍵

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mioritsu

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三月も下旬。
三年間通った桜高に別れを告げ。
大学へ向かおう、という準備なり、心構えなり。
整えていた頃。

「みおー」
律が、話し掛けてきた。
「何?」
私は、歌詞を書く手を止めた。
「コレ!」
律は、四つ折りの紙を手渡してきた。
「ん?」
私は、四つ折りの紙を見つめた。
「地図だよ、地図!」
「地図?」
「そう!高校ももう行かないし、大学もまだ時間あるし。遠出したいなって思ってさ」
律はへへへー、と笑った。
「へぇ‥」
私は律の気遣いに感心しながら、地図を開いた。

「・・・」
四つ折りの世界地図を開くと

「・・鍵?」
銀色の鍵が、ひとつ。

「‥ああ」
律は、頷いた。

「私の部屋の、合鍵!」
律は、親指を立てて笑顔をくれて
「この前、合鍵くれただろー?」
私の頭を撫でながら話し掛け
「だから、お返し!」
ニカッと、笑った。

「‥!」

私は言葉を失い

ぎゅううっ

律に、抱き着いた。


「…」
律は、黙って私の頭を撫でた。

「いいの‥?」
「‥何?」
「合鍵なんか、渡しちゃって‥」
「‥当たり前だろ?」
また、律は私の頭を撫でた。
「いつも一緒、なんだからな!」
律は、元気一杯の笑顔。
「でもさ‥」
私は、律の髪の毛先を摘まんで
「‥律。襲われちゃうかもよ?」
律の顔を見上げた。
「‥誰に?」
律は見え透いた表情で、聞いてきた。
「…」
私は顔を伏せ、律の毛先を指先で遊んで
「‥私に」
律の毛先で自分の頬を、撫でてみた。
くすぐったかった。

「………どうぞ?」
律は優しく微笑んだ。
私の胸の奥から、ぎゅううっと何かが込み上げてきた。

あっという間に。
我慢、出来なくなった。

「りつ‥」
私は、律の毛先を摘んで
「……いいの?」
律の唇を、毛先でくすぐった。
「んっ‥」
律はくすぐったそうにして
「‥いいよ?」
私の指を、掴んだ。
律の毛先が、離れた。
「…」
律は、私の指をぺろっ、と。舐め


「‥‥‥‥‥ほしい」


私の指先を、愛おしそうに、見つめた。


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