けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

タオルドライ

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mioritsu

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五月が終わり、六月がやって来る。
そして、ニュース・天気予報の報せ通り。

台風も、日本列島にやってきた。

「あー、やっぱ濡れちった」
「傘差してても、濡れちゃう時は濡れちゃうよねー」
大学を出た私と澪は、相合傘で帰宅した。
幸い雨足は強くはなかった。それでも相合傘なんかしてると互いの肩は雨でびっしょりだった。
時折吹く風が雨を傾け、私達の頭まで濡らした。
「カバンまで濡れちゃってるわ‥」
「中身大丈夫か?律」
「あぁ、なんとか大丈夫」
脱衣所からバスタオルを持ってきて、手渡してくる澪。
濡れた肩口と黒髪が、色っぽく魅せた。
我が彼女ながら「水も滴るいい女」ってヤツか。
私はドキッとしつつ、その気持ちを抑えつつ。玄関先で手渡されたバスタオルを澪の頭に被せた。
「はーい澪ちゃーん、風邪ひいちゃいましゅよー?」
クシャクシャ、と黒髪の長髪をバスタオルで拭いた。
「わわっ‥!」
澪は、慌てた。
「り、律も!ちゃんと髪、乾かさないと!」
澪はしかえし、とばかりにバスタオルを被せてきた。
器用に私のカチューシャを外しながら。
濡れた前髮がぺたん、と降りてきた。
「あー!やったなー!?」
私は反撃に転じようとした。
すると

「…」
澪の手が、止まった。


「…何?」
私がアレ?と声を掛けると
「…いや、なんでもない」
澪は頬をちょーっとだけ赤くして、私の頭をクシャクシャ、と拭いた。
「な、なんだよ…」
私は思わず反撃の手を止め、澪の手の内に収まった。
「なんでも‥‥ないよ‥」
澪は恥ずかしそうにバスタオルを私の肩に掛けた。
そして

ぎゅうっっ

私を、抱き締めてきた。

「‥っ!」
私は、ちょっと驚いた。
顔が上向いて、澪の肩に乗った。
頬と耳に、澪の濡れた黒髪が当たった。
濡れた肩口も当たり、少しひんやりした。

「……」
「……」

澪の胸の鼓動が少し、早くなった。
私の鼓動も一緒に、早くなった。

抱き締められる、なんていつもやられてんだけど。
やっぱり不意にされると、驚く。

「‥澪?」
「‥」
澪は無言で私の髪を撫でた。

「‥いきなり、ごめん」
澪は、私の頭の横で、謝ってきた。

「‥え?」
私は、澪の肩の上で問い直した。

「律が、可愛いから…」
澪はぼそっ、とつぶやくと

すっ

静かに、床に降りた。

「‥えっ?」
私が戸惑う間に

「律が、悪いんだからな…」
頬を赤くした澪は、優しく私を床に押し倒した。

「は?」
私は淡々と動きを封じられた。
両手は、いつの間にか澪の綺麗な指でしっかりと掴まれていた。
濡れた黒髪が「逃さないよ」と言わんばかりに。
私の肩口に降りていた。


「雨に濡れても。こんなに可愛い、律が」


澪は、私の唇を、奪った。


澪の唇は、雨に濡れたせいか、冷たかった。


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