けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

首輪

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mioritsu

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「くーん、くーん」
私は、澪に四つん這いで近寄った。
「…なんだよ」
「わん!」
私は、鳴いた。
「…」
澪は、冷たい視線を投げ掛けてきた。
「わん、わん!」
「…」
「わん!」
「…」
「くーん、くーん」
「…」
「くーん…」
「…」
「……ちぇっ。なんだよ」
「はい、律の負けー♪」
私がいじけると、澪は待ってました、とばかりに抱き着いてきた。
「律わんはホント我慢弱いなー♪」
澪は私の頭を撫で回した。
「………」
私は、澪の腕の中で悔しがるしかなかった。



私と澪は、私の部屋でゲームをしていた。
私が澪に「律わん」とか言われてから、犬の真似をしながら澪にじゃれつきまくるもんだから。
澪が提案してきた。
「律。そんなに犬になりたい?」
「わん!」
「じゃ、律わん。ゲームしよっか?」
「わん!!」
「律わんは、私にあそんでーあそんでーって、おねだりする」
「わん!」
「私は無視する」
「わん?」
「私を観念させたら、律わんの勝ち。何でも好きな物買ってあげるね?」
「わん!!!」
「ただし、私に指一本触れちゃダメ。」
「わん…?」
「律わん、いい子だからそのくらいの言い付け、守れるだろ?」
「わ、わん!」
「それで、律わんが観念して律に戻ったら、私の勝ち」
「わん!」
「私が勝ったら、律わんは私の言う事を聞きなさい、ね?」
「わん!!」
「やる気満々だな…」
「わん!」


で。ゲームが始まり。私は、負けた。
自分でも情けなかった。
それ以上に、勝った澪のはしゃぎっぷりに腹が立った。
「律?わんって言って?わん!ってさ!」
私を抱き抱えながら笑顔で話し掛けてくる。
無意識なんだろうけど、柔らかい胸を押し付けながら。
「…わん」
「かーわいー♪」
私が渋々鳴くと、澪はまた胸を押し付けながら抱き締めてきた。
ホントに可愛がってるのか、はたまたからかってるのか。
私に知る術は、無い。
「…あ、そうだ」
澪は、はっ、と思い出した。
「律、私の言う事、聞いてくれるんだよね?」
確かに、私は負けたが
「さっき、わんって、鳴いただろ?」
「え~?」
澪は、あからさまに残念そうな顔をした。
「鳴いたもん」
「え~?」
「はい、澪の言う事聞いたー。おしまーい」
私は澪の不満を押し出すように両手を上げた。
が。

がばぁっ

「わっっ!!」
澪は、両手を上げた私をベッドに押し倒した。
「な、なに!?」
私は、澪を見上げて声を上げた。
「律わんの、しつけ」
澪はにこり、と笑い

ぎゅっ

右手で私の両手を掴んだ。
澪の手は私より大きく、指は細長い。
「はっはなせよっ…」
自由を奪われた私は澪を睨んだ。
身長差のせいもあり、上に乗られるとどうしようもなかった。
「律わん?」
「犬じゃねーし‥」
「犬になりたいって、言ったじゃん」
「言ってない」
「私が聞いてさ、わん!ってさ」
「言ってねーし」
「言ったよ?律わん」
「だから、犬じゃねーし‥」
私と澪は、押し問答を続けた。
「……もう」
澪は、呆れると

すっ

左手を私の頭に向けて伸ばした。
「な、なに!?」
私が焦ると
「ん?」
澪は私を見下ろし
「だから、しつけ」
「犬じゃないってっ」

するっ

「わっ」
私の反論を無視して、澪は私の頭からカチューシャを外した。

はらり

私の前髮が無造作に下りると、澪はその前髮に手櫛を通した。
「律の髪、サラサラだね」
前髮が頬に当たってくすぐったい。退かしたい。
が、両手は澪の右手で握られたままだった。
澪は、私に顔を近付けてきた。
「…っっ」
私は、澪の顔を凝視するだけで精一杯だった。
「くん、くん」
澪は、私の顔の匂いを嗅いだ。
黒髪が顔に掛かってくる。匂いが、いい。
「…………な、なんだよ…」
私が声を絞り出すと
「律わんの、真似」
澪は至近距離でにこり、と笑った。
「律わん、いっつも私にこんな事してるんだぞー?」
澪の顔が視界から消えたかと思うと、頭を頬に擦り付けて来た。
顔に黒髪がランダムに下りてくる。
匂いが、いい。
「んっ…!!」
私は、顔を赤くした。


澪は、私の首筋に頭を擦り付けた。
黒髪がサラサラしてて、こそばゆい。
「や、やめてよっ‥!」
「え?」
「やめてってば…」
私が拒否すると
「…律?」
澪は顔を上げ、私を見下ろして不思議そうな顔で聞いてきた。
「な、なに?」
澪は、左手で私の両手を塞いだまま

すっ

右手で、私の左耳を撫でてきた。
「やっ…!」
私は、思わず声を上げた。
構わず澪は撫で続けた。
「やめてよぉっ‥!」
私は、涙目になりながら澪を見上げた。
「律…」
「…え?」
「女言葉…だよ…?」
「え?」
私はきょとん、とした。
「かわいい…」
澪は、笑みを浮かべ、私の耳を撫でた。
「きゃっ…!」
自分でも驚いた。
きゃっ、とか。
おどけた時くらいにしか、言わないんだが…。
「や…やめてよ…」
私は、完全に涙目で、澪を見上げた。
澪には、上目遣いに映っただろうか。
「・・・っ」
澪は、左手で口を抑え、呟いた。

「・・かわいいっ」

澪は、左手で私の前髮を少し払った。
「‥へ?」
私は視界が広くなると、頬に澪の右手が添えてある事に気付いた。

両手が、自由になっていた。

「律・・かわいい」
澪は、私に見とれていた。
相当、私の女言葉が衝撃的だったらしい。

「澪…」
私は、両手を澪の背中に回した。
両手を塞がれてる間、澪に触れたくて仕方なかった…のかもしれない。

「律…」
澪は、私を見下ろして、言った。

「キスして、いい?」
我が彼女ながら。微笑みが、美しかった。

「…………いいよ…」
私は、恥ずかしくて顔を背けながら答えた。

「ふふっ……」
澪は、少し笑うと

「…ひとつだけ、言う事、聞いて?」
話し掛けてきた。

「…なに?」
私は、顔を背けたまま、聞いた。


「…こっち、向いて?」


澪は、左手を私の頬にあてた。

私は、澪の顔を見た。

澪は、やっぱり私に見とれた。

私は、澪の背中に回した右手を澪の顔、人差し指を唇にあてた。

「・・・ちょうだい?」

私がおねだりすると、澪は左手を私の右手に絡ませた。

私は、左手で澪の身体を引き寄せた。


私の茶髪と、澪の黒髪が、混じり合った。


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