けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

ミドリ

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匿名ユーザー

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花のゴールデンウィークも終わり。
五月病になる暇すら無い日々も落ち着いた頃。
澪が、寂しそうに呟いた。

「お花見、してない…」

そういえば。

先月、HTTの練習中に唯が「みんなでお花見しようよー」なんて言ってたけど。
結局、皆のスケジュールが合わず。花見の季節も過ぎ去った。
澪の寂しそうな表情が気になって、提案してみた。

「桜…見に行くか?」

「…うん!」
澪は、嬉しそうに頷いた。
もうこの辺じゃ、葉桜だろうけどな…と苦笑すると

「…別に、いいよ」
澪は笑って

「律と、一緒なら」
嬉しい台詞を、投げ掛けてきた。
私は、照れながら澪の頭を撫でた。

「えへへ…」
子供みたいな澪の笑顔。
私とふたりきりの時の澪は、ほとんど子供だ。

私と澪は、次の休日に二人でお花見しよう、と約束した。



休日。
私と澪は、電車で少し遠出した。
目的地は、桜の並木道で少し有名な観光地。
「ついたー!!」
私は目的地の駅を出て両拳を上げた。
「人、一杯いるんだね」
感心した表情の澪。
桜の季節は過ぎても、休日という事もあり駅前は賑わっていた。
「澪、あっち!」
私は澪の手を引いて桜の並木道へ向かおうとした。
すると

どんっ

「うわっ」
澪は、思いっ切り私の腕に抱き着いてきた。
「いこ!律!」
ワクワク、を絵に描いたような澪の顔。
やっぱり、澪は私とふたりきりだと、子供だった。



「あー、やっぱりもう散っちゃってたかー」
私は澪を右腕に携え、並木道を歩いた。
桜は、葉桜だった。
「律?」
「ん?」
「いい、匂いだよ」
澪は、葉桜を見上げながら言った。
「緑の、いい匂い」
見上げると、葉桜が空を隠していた。
緑のいい匂いが、漂っていた。
「…そうだな!」
私は、緑のいい匂いを鼻で、澪の体温を右腕で感じながら、並木道を歩いた。

澪は、幸せそうな顔だった。


私と澪は、葉桜の並木道を通り過ぎ、駅の裏通りのカフェでご飯を済ませた。
そろそろ帰ろうか、と駅へ向かっていた。
澪は、私の右腕を抱いていた。
私は唯の「みんなでお花見しようよー」の発言を思い出した。
「今度は、皆とも来なきゃなー」
「そうだねー」
「唯とか、はしゃいで花見どころじゃないだろうけどなー」
「確かにっ」
澪はふふふっ、と笑った。
「桜とか関係無しにはしゃぐよな、皆なら」
「皆に、おみやげ買ってく?」
「ん~…」
私は少し考え
「土産話で、イイんじゃないか?」
「そう?」
「そんな遠くないしさ」
「まぁ、そうだね…」
澪は一呼吸置くと、私の腕から離れ、私の目の前に立った。
「えっ?」
私は、立ち止まった。
「私から律に、おみやげ」

ちゅっ

澪は、立ち止まった私にキスした。

「っ!!」
「えへへー」
澪は可愛く笑うと、私の右腕に戻ってきた。
「…なにすんだよ」
頬を赤くした私に、澪は平然と答えた。
「キス」
「そりゃわかるけどさ…」
「けど?」
「…こんな所でする事ないだろ?」
「…うん。でも、あんまり人歩いてないしさ」
確かに裏通りなので、そんなに人通りは多くなかった。
澪が私にキスした瞬間を目撃した人がいるかいないか、くらいの人通り。
「それに…」
澪は少し口ごもった。
「…それに?」
「たのしかった、から…」
澪は、私の腕をぎゅうっと抱き締めた。
「…そっか」
私の心は、暖かくなった。
「…コレも、土産話にするか?」
私が澪に提案すると
「そっそれは…ムリ…」
澪は頬を赤くして、下を向いた。



私と澪は、駅に着いた。

電車に乗った。

座席に座ると、澪は私の肩にもたれかかってきた。

ガタン ガタン

「…」
「…」

澪は、いつの間にか私の肩で、寝ていた。

私は少し恥ずかしかったが、帰りの駅に着くまで。
起こさないでおこうって、思った。


  • いちゃいちゃ最高! -- 名無しさん (2011-05-21 00:28:32)
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