けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

おまじない

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mioritsu

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すっかり慣れたキャンパスライフ。私と澪は大学入学と同時に同棲………もとい。ルームシェアを始めた。同時期に私は居酒屋の厨房、澪は喫茶店のバイトを始めた。HTTの練習・ライヴ活動等、中々に忙しい日々を送っていた。


大学が終わり。バイトも休みだし、澪はバイトに行ったし。楽器屋でも見て帰るか~、なんて思っていると。
前方に見覚えのある人影が…
「おーい!唯ー!ムギー!」
「あ、りっちゃーん!」
ムギが手を振って応えた……が、唯の様子がヘンだ。
「今帰りなのかー?……ってわぁ!!」

ドサッ

私が駆け寄るや否や、唯が倒れ込んできた。
「ゆ、唯!?」
「あ、りっちゃん……わたし…もう、いちごパフェ………たべれな…い……」
「なんだと!?」
唯がいちごパフェを食べられないなんて、一大事どころの話ではない。
「ムギ…唯に何が!?」
「……澪ちゃんがね…」
ムギは伏し目がちに私の恋人の名前を発した。
どうやら簡単な話ではないらしい。
「唯もこんな状態だし……喫茶店かどっか入るか……」
「そうね…」
「唯!………チョコバナナパフェなら、食えるか!?」
虫の息の唯は、私の必死の問い掛けに、微かに頷いた。



「でさ!澪ちゃん、すっごくうれしそうだった!!りっちゃんは愛されてるんだよ!!」
口の回りにクリームを付けながら力説する唯。
「唯ちゃん、またクリーム付いてる」
「ありゃ。スイマセン!!」
クリームを拭き取るムギ。
「そうか…」
げんなりする私。

私とムギは虫の息の唯を抱え、喫茶店に入った。
そして唯にチョコバナナパフェを与えるとみるみる間に回復し「いかに澪が私を愛してるか」を語り出したのである。



と、言うのも。
今日、唯とムギはたまたま帰りが一緒になった。
ソコに澪が合流。バイトへ向かおうとしていたが、小一時間程時間を余らしていた。
唯がすぐ指環に気付いた。
「澪ちゃん!結婚するの!?」
「あら♪式はいつ挙げるの?」
「ばっばかっ!!コレは、ナンパ避けだっ!!」
澪は照れながらもテンションが急上昇したらしく
「二人共、時間、空いてるか?」
二人の承諾を得た澪は喫茶店へ連れ出したらしい。

そこからが地獄だった。



澪は「ニッコニコ」を絵に描いたような笑顔で指環を自慢し始めたそうだ。自慢、というか、ノロケ話か。
バイトの時間ギリギリまで小一時間程続いたらしい。
唯がいちごパフェを食べられなくなったのは、その最中に澪が「私がおごるから!」とご馳走したとか。
只食べるだけなら、唯はいくらでも食べられた。
だが、その小一時間に渡り続いたノロケ話と食べ終わると直ぐ様「もう食べないのか…」という澪からのプレッシャーにより。わんこそば状態になってしまったらしい。
都合、唯は五杯のいちごパフェをノロケ話を聞きながら食べる、という苦行を経験したのだった。
ムギはひたすら紅茶を飲んでいたらしい。



そして、今に至る。
「澪ちゃんめちゃめちゃうれしそうだったよ!!ニッコニコでさ!!ちょっと気持ち悪かったし!!」
「あ、あぁ…」
「ホント笑顔でさ!!ムギちゃんもちょっと引いてたもん!!」
「え、えぇ…ちょっとだけ…」
「すまなかった、唯!!もう一杯食べるか!?」
「イタダキマス!!」
「ムギも、何か食べなよ。会計は私が……つーか、払わせてくれ」
私の心は申し訳無さで一杯だった。
それにしても唯の食欲を減退させ、ムギをも引かせるとは……。
我が彼女ながら、恐ろしい。
「じゃあ…ミルフィーユをいただこうかしら」
「りっちゃん!私、今ならいちごパフェ食べられるかも!!」
「とりあえず、もう一杯チョコバナナパフェ食べてからにしような…」
私はチョコバナナパフェとミルフィーユをオーダーした。
「綺麗な指環ね…」
ムギは私の指環に見とれていた。
「あぁ、ありがと」
「澪ちゃんが言ってたお揃いの指環って、それの事ね?」
「う、うん」
「澪ちゃん、本当に嬉しそうだったのよ?」
「そ、そうかぁ?」
「うん、あんな笑顔見た事無かったし…」
何か、照れ臭い。
「澪ちゃん、こんな素敵な旦那さんが居て、幸せね♪」
「う、うるせぇやい!!」
私の顔は真っ赤になった。
「でさ。式はいつあげるのー?」
「は?」





「結婚指環でしょー?それ」
「唯ちゃん、澪ちゃんが「ナンパ避けだ」って言ってたでしょ?」
「そっかぁ。でもさでもさ。二人が結婚したらさ、どっちが旦那さんでお嫁さんなの?」
「それもそうねぇ。私はりっちゃんが旦那さんで、澪ちゃんがお嫁さんって感じがするけど……」
「でもりっちゃんって澪ちゃんより料理とかじょうずなんだよねぇ。お嫁さんって感じもするけどー」
「…お前ら、何の話をしてるんだ?」
「まーまー。澪ちゃん、ホントにうれしそうだったんだからさぁ~…あ、パフェいらっしゃ~い♪」
唯とムギが勝手に私と澪が結婚する話を進めている間に、チョコバナナパフェとミルフィーユが届いた。
「りっちゃん、それ…ペアリングでしょ?高かったんじゃない?」
ムギも、一般庶民の感覚をだいぶ分かってきたらしい。
「まぁな~。でも、バイトしてるし、へそくりもあったからな」
「まぁ♪お嫁さん思いね♪」
「えらいよ、りっちゃん!へそくりっちゃんだね!!」
「上手い事言ったつもりかッ!」
「いま思い付いただけデス!!」
「うふふ♪」
まぁ、事の顛末が分かって、ホッとした。
「りっちゃん、あんたは幸せものだよ!!あんなに愛してくれてる澪ちゃんが恋人なんだらねっ!!」
スプーンを握り締めて唯が断言した。
「いや、もう勘弁して下さい……」
誉めてくれているのは分かるが、照れ臭いったらありゃしない。
「まぁまぁ」
「あ、恋人じゃなくておよめさんか」
「だーかーらー。まだ結婚してないってば」
「まだ、だものね♪」
「あっ…」
赤くなる私。流石ムギ、鋭い。
「うふふ♪」

結局、唯はチョコバナナパフェを二杯にいちごパフェ一杯。
ムギはミルフィーユとショートケーキを一つずつ食べた。





その夜。
「ただいま」
「おかえりマイハニー♪」
ちゅっ
私は澪を出迎え、抱き着きながらキスをした。
「な、なんだよっ!」
澪はいつもより頬を赤くした。
「まぁまぁ♪晩御飯出来てるぞ~♪」
私は鼻唄混じりにリビングへ向かった。
唯とムギの誉め責めは堪えた。

……だが、内心嬉しかった。

晩御飯のメインディッシュはハンバーグ。
「わぁ、美味しそう!!」
子供みたいに喜ぶ澪。可愛い。
「挽き肉余ってたからな~♪大きめに作ったぜい!!」
私はビシッと親指を立てた。あんな事もあったし、挽き肉を捏ねる手にも力が入った。
「いただきまーす!」
「いただきます」
テーブルの上に乗った晩御飯を挟んで手を合わせる私と澪。
皆が見たら、夫婦みたいーとか、言うんだろうな。



晩御飯を済ませ、片付けも一段落させた。
明日は講義やらも無く。昼からHTTの練習があるのみ。
私と澪はたまの晩酌に興じていた。
今夜の酒の肴は、音楽雑誌。
「澪ー」
「なに?」
「今日、唯とムギに会ってさ」
「えっ?」
「唯がさ。澪ちゃんめちゃめんぐっ」
「わ―――っ!!」
澪は私の口を両手で塞いだ。
「り、りつ。何も言うなよ?な?な?分かってるよな?な?」
澪は、唯とムギに自分のノロケ話を暴露されたと察知したらしい。
まぁ、冷静になれば恥ずかしいったりゃありゃしないだろう。
「(コクンコクン)」
私が頷くと澪は手を離した。
「ぷはぁー……でさ、ムギがこんな素敵なだんなんぐっ」
「わ―――っ!!」
全く同じやりとりを繰り返した。
澪は耳まで真っ赤だった。
「んぐ―――!!んが―――!!」
私が抵抗すると、澪は渋々手を離した。
「ぷはぁ……唯が、いつ式あげ」
「もうっ」

むちゅっ

澪は私の口を、アルコールのせいか大胆にも、キスで塞いだ。
「んんっ」
私が抵抗すると
「っ……」
澪は私の顔を両手で抑え
「んっ…!」
舌を入れてきた。脱力する私。
「んっ……はぁー」
唇を離した澪は、真っ赤だった。
「ふぅ…」
私は、呼吸を整えた。
「…唯とムギに話したのは、お前だろ?」
「うん…」
「唯、いちごパフェ食べられなくなったんだぞ?」
数十分後にはチョコバナナパフェをばくばく食べていたが。
「だって…」
「だって?」
「指環貰って、うれしかったんだもん……唯とムギには悪かったけどさ…」
床を向いていじける澪。悪い事した、と反省もしているみたい。





「まったく…」
私はビールを一口飲み
ぐいっ
澪を抱き寄せた。
「唯のヤツ「りっちゃんは幸せものだよ」とか言ってきてさー」
「うん」
「ムギも私が「まだ結婚はしてない」って墓穴掘ったらすぐ「まだ、だもんね♪」とか言ってツッコンでくるしさー。大変だったんだぜ?」
「うん…」
「ま、大変だったけどさ。嬉しかったな!」
「え…?」
「私って、恋人にこんなに愛されてるんだなーって思ってさ!!」
私が、はははっと笑うと

ぎゅうっ

澪は、私の胸に飛び込んできた。
「………」
澪は、私の胸にすりすりしてきた。
「……悪い虫のにおい」
「ん?」
「……悪い虫のにおいがする…」
澪は上目使いで視線を送ってきた。
「…あ、唯が倒れ込んで来たんだ。澪の話でヘロヘロになってたんだぞー?」
「そっか…」
澪は少し笑うと
「唯はともかく…」
「ん?」
「こんなに可愛い律だもんな…」
澪は、指で私の鎖骨のあたりをなぞった。
「悪い虫、付かないようにしなきゃなぁ…」
「え?」
背筋がゾクッとした。

んちゅっ

「うわぁっ」
澪は、私の首筋に吸い付いてきた。

んちゅーっ

「悪い虫ってっ…ゆび…わ…」
私は抵抗しようとしたが澪はがっしりと抱き着いていた。

ちゅぱぁっ

「っはぁ!!」
真っ赤な顔の澪が目の前に現れた。
「ふぅー……」
「な、なんだよ、いきなり…」
一息付いた澪は
「悪い虫付かないように、おまじない」
「悪い虫って、その為の指環なんだけど…」
「指環見せても寄ってくる男がいるかもしれないでしょ?だから、おまじない」
澪はそういうと私の首筋をちょん、とつついた。
「…まさか!」
私は、立ち上がり洗面所へ走った。
鏡の前で私は叫んだ。
「澪―――!!」
私の首筋には、くっきりとキスマークが刻まれていた。
「なにしてんだよ!?」
澪を怒鳴り付けると
「ん?キスマーク」
澪は、缶チューハイ片手に御満悦だった。
「こんな見え見えな所に付けるなよっ!!」
私は澪に詰め寄った。
「なに?見えなきゃ良かったの?」
「ちげーし!!」
「ほら、絆創膏貼っとけばイイじゃん?「虫刺されです」って」
「あからさまだろ!!」
「明日はHTTの練習だし、皆なら分かってくれるって」
「分かってくれる、の意味が違うと思う」





私はケラケラ、と笑う澪の隙を突き

んちゅっ

仕返し、とばかりに首筋に吸い付いた。
「ひゃぅっ」
予想通り声を上げた澪。
私はすかさず吸い上げようとした。だが

もみっ

「うわっ!」
澪が胸を揉んできた。
思わず離れる私。
「私はダメだよ。喫茶店で接客あるし」
「私だって居酒屋だし……」
「律は厨房じゃん。隠そうと思えば隠せるでしょ?」
「~っ…」
一々あしらい方が上手いし、反論しても正論で返される。悔しい。

「……かわいい」
口を尖らせる私の首筋を、澪は優しく撫でてきた。
「わぁっ…」
私はゾクッとして、思わず声を上げた。
「…ごめんね…」
「え…?」
「律が指環くれたのが嬉しくてさ、自慢したくなっちゃったんだぁ…」
澪は今更、本音を吐露した。
「…ありがと」
澪は顔を近付けて来た。
少し目が座っている。酷くセクシーに見えた。

ちゅっ

澪の長い黒髪が私の鎖骨に触れたかと思うと、また首筋にくちづけてきた。
「ぅあっ」
私は思わず声を漏らした。
「みお…キスマークはもぅっ…ダメだよ……」
力無い声で抵抗する私。
我ながら甘い声だった。
「…だいじょうぶ」
澪は優しく呟くと、首筋に舌を這わせた。
「んぅぅっ…」
私は必死に声を抑えて。
「ぅっ……あ、秋山さんっ…なんかっエロいですっ……」
「……秋山言うな」
澪は冷静にツッコむと

かぷっ

「ぁあぅっ」
首筋を、甘く噛んだ―――


こんなイチャイチャしてる姿、誰にも見せられない。

まぁ、唯とムギなら
「お熱いですなぁ、おふたりさん!!」
とか
「うふふ♪」
とか言って、呆れるんだろうなー、と思った。

「…りつー」
「……ん?」
「声、かわいいよ?」
「……っ!」

「ふふっ…」
澪はくすっと笑い。
左手で私のカチューシャを外した。
「あっ…」
私が口を開くと、澪は左手の薬指を私に噛ませた。
指環が、舌に触れた。

澪の顔がまた、私の首元に沈んだ。


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