投稿日:2009/12/24(木) 20:23:23
澪の部屋。サンタの服装に着替えてスタンバイ。
ぃよっし!準備、おっけー!
さぁ澪、来い!
ぃよっし!準備、おっけー!
さぁ澪、来い!
「・・律?」
ガチャリと扉の開く音と共に、待ち人の訝しげな声。
反応うっすいな、おい。
反応うっすいな、おい。
「めりーくりすまーす」
「・・・イブは、明日だぞ?」
「・・・イブは、明日だぞ?」
…あれ?
「・・・そう、だっけ」
「っく・・ふふっ・・あはははは!」
「っく・・ふふっ・・あはははは!」
澪は、珍しく大笑い。
こ、これは恥ずかしすぎる!
あー!くっそー!こんなハズでは・・。
こ、これは恥ずかしすぎる!
あー!くっそー!こんなハズでは・・。
「あー、おかし。・・まさか、こんなところに慌てん坊のサンタクロースが」
「っだー、もう!うっせー!」
「っだー、もう!うっせー!」
…これ以上ここにいるのは、耐えられねー!
「ちっくしょー!また来るからな!」
「あ、おい。律!」
「あ、おい。律!」
澪の声を無視して、全力疾走して家まで逃げる。
あー、はずかし。
どっきり作戦のつもりだったのに。
はぁ、・・明日、どうしよ。
あー、はずかし。
どっきり作戦のつもりだったのに。
はぁ、・・明日、どうしよ。
昨日は、慌てん坊のサンタクロースをみた。
今日はどうする気なんだろ?
また来るっていってたけど・・。
今日はどうする気なんだろ?
また来るっていってたけど・・。
でかける両親を見送って一息つく。
娘を置いて泊まりに出かけるとか、うちも唯のとこの両親に負けてないのかも。
娘を置いて泊まりに出かけるとか、うちも唯のとこの両親に負けてないのかも。
歌詞でも、書くかな。とか思っていたら。
インターホンの音。
なんだろ、律が鳴らしてくるとは思えないし・・。
インターホンの音。
なんだろ、律が鳴らしてくるとは思えないし・・。
「宅配便・・かな?」
そう思いつつ、玄関のドアを開ける。そこには。
「こ、こんにちは、澪さん」
トナカイの格好をした、聡くんがいた。
「え、どしたの、その格好」
「はは。ちょっと、ねーちゃんに」
「はは。ちょっと、ねーちゃんに」
…どうやら無理やり着せられたらしい。
いくら近所だからって、トナカイの格好でここまで来るのは、かなりキツイ。
いくら近所だからって、トナカイの格好でここまで来るのは、かなりキツイ。
「律に、あとでよーく言っとくから」
「・・お願いします。・・あ、これねーちゃんから」
「・・お願いします。・・あ、これねーちゃんから」
トナカイ姿で半泣きの聡くんの後ろから、凄まじく大きい箱。
…どうやって運んできたのかと思ったら、荷台にちゃんと乗せてあった。
これを押しながら来たのか、トナカイの格好で。
とりあえず、持てそうもないので家の中に運んでもらう。
…どうやって運んできたのかと思ったら、荷台にちゃんと乗せてあった。
これを押しながら来たのか、トナカイの格好で。
とりあえず、持てそうもないので家の中に運んでもらう。
「・・なに、これ」
「さぁ。ただ、俺が帰ったあとで開けるようにって言ってました」
「さぁ。ただ、俺が帰ったあとで開けるようにって言ってました」
律のことだから、碌でも無いものなんだろうけど。
このまま玄関に置いとくのも、アレだし。
仕方がない。
このまま玄関に置いとくのも、アレだし。
仕方がない。
「ありがとね。・・あ、何か飲んで行く?」
「いえ、澪さんに渡したらすぐ帰れって」
「・・・ほんとに良く、言っておくから」
「ほんとに、お願いします」
「いえ、澪さんに渡したらすぐ帰れって」
「・・・ほんとに良く、言っておくから」
「ほんとに、お願いします」
聡くんの後ろ姿を見送って、受け取った大きな箱を睨みつける。
さて、どうしたものか。
さて、どうしたものか。
聡くんが帰ってから開けろってことだったし、開けてみるしか、ないよな。
リボンを解いて、蓋を開けてみる。
リボンを解いて、蓋を開けてみる。
「みっおー!メリークリスマス!」
「うわぁ!」
「うわぁ!」
…サンタ服の律が、飛びかかってきた。
「おまっ、なんで!っていうか、何してんだ!」
「えー、昨日ドッキリ失敗したからさ、これならどーだって、ね!」
「意味がわからん!・・い、いいから早く退け!」
「やだ!」
「えー、昨日ドッキリ失敗したからさ、これならどーだって、ね!」
「意味がわからん!・・い、いいから早く退け!」
「やだ!」
昨日は良く見れなかったから分からなかったけど、このサンタ服、かなりきわどい。
あんまり長いこと、乗っかられてると、その、困る。
あんまり長いこと、乗っかられてると、その、困る。
「私は澪への、プレゼントなんだ!」
「はぁ?!」
「プレゼントの箱に入ってて、トナカイが持ってきたろ!」
「はぁ?!」
「プレゼントの箱に入ってて、トナカイが持ってきたろ!」
そんな私のことなどお構いなしに、訳の分からないことをいう律。
まぁ確かにトナカイが持ってきたけど。
サンタがプレゼントで、しかもトナカイが泣きながら届けにくるって、どうなんだろう。
まぁ確かにトナカイが持ってきたけど。
サンタがプレゼントで、しかもトナカイが泣きながら届けにくるって、どうなんだろう。
「だから、受け取れ!」
でも。この状態で、そんなことを言われたら。
抑えられなくなる、だろ。
抑えられなくなる、だろ。
「・・プレゼントなんだよな」
「そうだぞ!」
「受け取って、あげる」
「そうだぞ!」
「受け取って、あげる」
ニコニコとした顔で、相変わらず私の上に乗っかっている律の肩を引き、唇を奪う。
それだけで、さっきまでの余裕な姿から、顔を真っ赤にして慌て始める。
その様子が、面白くって、かわいくって、愛しくって。
それだけで、さっきまでの余裕な姿から、顔を真っ赤にして慌て始める。
その様子が、面白くって、かわいくって、愛しくって。
だけど、プレゼントは、イブの夜に、届けられるものだから。
…まだ、我慢しないとね。
…まだ、我慢しないとね。
「今夜、楽しみにしてろ?」
耳元で、そう囁いてやった。
おわる。