投稿日:2009/12/24(木) 02:31:26
茹だるような暑さの夏の日――
私は親友と共に家路についている
私は親友と共に家路についている
「な、なぁ…澪。」
「ん?なんだ、律?」
「……っ、あのさ、」
「ん?なんだ、律?」
「……っ、あのさ、」
いつからだろうか、私がこの幼なじみに恋愛感情を抱くようになったのは
「? どうかしたのか?」
「い、いや!なんでもない!相変わらずデカイ胸してるなぁっt」ゴツン
「この、馬鹿律!!」
「イテテ、ツッコミ強すぎだっての……」
「い、いや!なんでもない!相変わらずデカイ胸してるなぁっt」ゴツン
「この、馬鹿律!!」
「イテテ、ツッコミ強すぎだっての……」
――まただ。
これまでにも、何度もこの気持ちを伝えようとはしてみた。
今回だって、今日こそは――と決心してきたはずだった。
これまでにも、何度もこの気持ちを伝えようとはしてみた。
今回だって、今日こそは――と決心してきたはずだった。
しかし、『いざ』というときになると、臆病な私は決まって
――引かれたらどうしよう
――嫌われたら嫌だ
そんなことばかり考えて、結局言い出せなくなる
――引かれたらどうしよう
――嫌われたら嫌だ
そんなことばかり考えて、結局言い出せなくなる
(なっさけないなぁ、私)
あと一歩、たった一歩を踏み出すのが、私にとっては果てしなく遠く思える
「じゃあ、また明日。」
「おう!じゃあなー」
「おう!じゃあなー」
(はぁ……)
結局、今日も告白出来なかった。憂鬱な、しかしちょっとだけ安心したような気持ちで家に入る
結局、今日も告白出来なかった。憂鬱な、しかしちょっとだけ安心したような気持ちで家に入る
「ただいまー」
さっきまでの緊張と暑さで、喉はもはやカラカラだった
真っ直ぐ冷蔵庫へと向かい、冷えたコーラとガラナチョコレートを取り出し、それらを口にしてソファーに身を投げる
しばらく寝転がっていると、潤った喉とは対照的に身体は徐々に熱を帯び、私の気分は高揚してきた
そういえばカフェインには興奮作用があると聞いた事がある
夏の暑さも相まって、私の思考は加速度的に溶かされていく
夏の暑さも相まって、私の思考は加速度的に溶かされていく
澪に私の想いを伝えたい
そんな想いは脳の興奮と共に益々強くなっていく
そんな想いは脳の興奮と共に益々強くなっていく
――今なら出来る気がした
考えるよりも先に家を飛び出していた
カチューシャで纏めていた髪型は崩れ、吹き出した汗で額に張り付く
それでも私は気にせず走り続ける
カチューシャで纏めていた髪型は崩れ、吹き出した汗で額に張り付く
それでも私は気にせず走り続ける
風に揺れる黒髪が遠くに見える
走り過ぎて息も絶え絶えになりながら、私は必死に呼び止める
走り過ぎて息も絶え絶えになりながら、私は必死に呼び止める
「みおー!!」
「……ん? 律! ど、どうしたんだ!?そんなに急いで」
「……ん? 律! ど、どうしたんだ!?そんなに急いで」
「わ、わた、し、みおに、伝えたい、事が」ハァ…ハァ…
――夏の太陽とガラナの実、私に少しだけ勇気を下さい
「澪、好きだ!!」
fin