「23歳かぁ…」
「なんだよ律、いきなり」
「いや、なんとなくね」
「…ふーん?」
「なんだよ律、いきなり」
「いや、なんとなくね」
「…ふーん?」
澪も私もそこそこ志望の高い就職先を見つけて迎えた春
大学の授業もとっくに終わって、ゼミ仲間や唯ムギ梓を含めたサークル仲間で飲み会だ卒業旅行だのと忙しい毎日を送っていた
大学の授業もとっくに終わって、ゼミ仲間や唯ムギ梓を含めたサークル仲間で飲み会だ卒業旅行だのと忙しい毎日を送っていた
そんな中アパートに二人きりで何をするでもなくダラダラ過ごすのは久しぶりで、何だか浮かれた気分
同時に二人で借りたこの部屋とももうすぐお別れなんだと思うとちょっぴり寂しい気がした
思えばこの部屋では色々あったよなぁ…
澪に好きだって告白したのも
初めてキスしたのも
初めて澪と愛し合ったのも
同時に二人で借りたこの部屋とももうすぐお別れなんだと思うとちょっぴり寂しい気がした
思えばこの部屋では色々あったよなぁ…
澪に好きだって告白したのも
初めてキスしたのも
初めて澪と愛し合ったのも
…ヤバイ、思い出すと恥ずかしいことばっかりだ…
「…律は春から大阪だよな」
恥ずかしい回想に一人赤面する私は澪の言葉で不意に現実に引き戻された
「あ、うん。澪は東京だろ?」
「ああ」
「…新幹線で2時間半か~、近いよな!」
「ああ」
「…新幹線で2時間半か~、近いよな!」
笑いながら澪に目をやると澪はすこぶる真面目な顔でこっちを見ていた
澪の真っ直ぐで透き通った綺麗な眼に吸い込まれそう
私は息を飲みつつ反応を伺う
澪の真っ直ぐで透き通った綺麗な眼に吸い込まれそう
私は息を飲みつつ反応を伺う
「近くないよ」
安心したくて発した言葉はいとも簡単に否定されてしまった
私はバツが悪くなって澪から目を逸らす
私はバツが悪くなって澪から目を逸らす
バカ澪
そこは「いつでも会えるな」って言えよ
期待した私がバカみたいじゃん
そこは「いつでも会えるな」って言えよ
期待した私がバカみたいじゃん
「律」
「…なんだよぅ」
「これからは好きなときに会えなくなるし、好きなときに話したりできなくなる」
「…うん」
「困ったときに助けたりできないし、辛いときに傍にいて慰めることもできない」
「……うん」
「…なんだよぅ」
「これからは好きなときに会えなくなるし、好きなときに話したりできなくなる」
「…うん」
「困ったときに助けたりできないし、辛いときに傍にいて慰めることもできない」
「……うん」
なんだよなんだよ
そんなこと言うなよな
澪にそんなこと言われたら目頭が熱くなっちゃうだろ
そんなこと言うなよな
澪にそんなこと言われたら目頭が熱くなっちゃうだろ
「そ、それでもさ…」
「…」
「それでも、私のこと、す、好きでいてくれるか?」
「…」
「…」
「へ…?」
「…」
「それでも、私のこと、す、好きでいてくれるか?」
「…」
「…」
「へ…?」
ハトが豆鉄砲食らったような顔って今の私の顔みたいのを言うんだろうな
「あ、当たり前だろ!」
*
「23か」
「なんだよ澪まで」
「なんだよ澪まで」
二人寝るにはちょっと狭いベッドに私と澪はくっ付いて寝る
ちょっと寒いから足を絡めて
あくまで寒いから!な!誤解すんなよ!
ちょっと寒いから足を絡めて
あくまで寒いから!な!誤解すんなよ!
「もう23だぞ律」
「ん」
「結婚しようか?」
「うん…って、ぶふぉっ!?!?」
「ん」
「結婚しようか?」
「うん…って、ぶふぉっ!?!?」
この先私の人生、まだまだ澪しゃんとは長い付き合いになりそうです
終わり
- 文才ある書き方してんな -- 名無しさん (2011-03-22 05:56:25)
- この人に長編書いてもらいたいかも -- 名無しさん (2011-03-22 05:56:55)